「ベーキングパウダーがないけれど、パウンドケーキを作りたい!」そんな時でも大丈夫。実は、ベーキングパウダーを使わなくても、ふんわりとしたパウンドケーキは作れます。この記事では、ベーキングパウダーなしでも膨らむ仕組みや、基本の材料、混ぜ方のコツ、そしてしっとり美味しく焼き上げるためのレシピをわかりやすく解説。初心者でも失敗しにくいシンプルな工程で、ふっくら軽やかな食感のパウンドケーキを楽しめます。おうち時間のおやつ作りに、ぜひチャレンジしてみてください。
ベーキングパウダーがなくてもパウンドケーキは作れる?

なぜベーキングパウダーを使わなくても膨らむのか?
パウンドケーキといえば、ふんわりとした食感が魅力のひとつ。しかし、ふくらみのために必ずしもベーキングパウダーが必要というわけではありません。ベーキングパウダーの代わりに活躍するのが、「卵の力」です。卵をしっかり泡立てて空気を含ませることで、生地に自然なふくらみを与えることができます。特に、共立てや別立てといった製法で卵を泡立てる方法は、ベーキングパウダーを使わないレシピでよく採用されます。
生地がふくらむメカニズムの基本
卵を泡立てることで生地に取り込まれる空気は、オーブンでの加熱により膨張します。このとき、卵白のたんぱく質が熱で固まり、生地の構造を支える役割を果たします。さらに、バターや砂糖とのバランスを意識することで、ふっくらとしながらもしっとりとした理想的な食感に仕上がります。つまり、泡立ての精度と材料の温度管理が、ベーキングパウダーなしでふくらませる鍵となるのです。
材料選びと下準備のポイント
卵とバターの温度管理
パウンドケーキをベーキングパウダーなしでふっくら仕上げるためには、材料の温度がとても重要です。特に卵とバターは「常温」に戻してから使うのが基本です。冷たいままだと、卵の泡立ちが悪くなったり、バターと卵がうまく混ざらず分離してしまう原因になります。作業を始める30分前には冷蔵庫から出しておき、バターは柔らかくクリーム状になるまで室温に戻しておくとよいでしょう。
砂糖や粉類の扱い方
砂糖はバターとよくすり混ぜることで、空気を含んだふんわりとした生地に導きます。また、小麦粉はふるいにかけておくことでダマになりにくく、泡立てた生地をつぶさずに混ぜることができます。薄力粉を使用するのが一般的ですが、しっとり感を高めたい場合はアーモンドパウダーを少量加えるのもおすすめです。
道具の準備と型選び
使用するボウルや泡立て器は、水気や油分が残っていない清潔な状態にしておくことが大切です。特に卵白を泡立てる場合、油分や水分が少しでもあると泡立ちにくくなります。また、焼き型にはあらかじめクッキングシートを敷くか、バターを塗っておくことで焼き上がりがきれいになります。型のサイズはレシピに合ったものを選ぶことで、焼きムラを防ぎます。
ベーキングパウダーなしの基本のパウンドケーキレシピ
材料(18cmパウンド型1本分)
-
無塩バター:100g
-
砂糖:90g
-
卵:2個(Mサイズ、常温に戻す)
-
薄力粉:100g(ふるっておく)
-
バニラエッセンス:少々(お好みで)
作り方
-
下準備をする オーブンを170℃に予熱しておき、パウンド型にクッキングシートを敷く。バターと卵は室温に戻す。
-
バターと砂糖をすり混ぜる ボウルにバターを入れてクリーム状になるまで練り、砂糖を加えて白っぽくなるまでよくすり混ぜる。
-
卵を少しずつ加える 溶いた卵を少しずつ加えながら、その都度よく混ぜて乳化させる。分離しそうになったら、薄力粉を少量加えて調整する。
-
粉類を加える ふるっておいた薄力粉を加え、ゴムベラでさっくりと混ぜる。混ぜすぎに注意しながら、粉っぽさがなくなる程度で止める。
-
型に流し入れて焼く 生地を型に流し入れ、表面をならす。オーブンで約40〜45分焼く。竹串を刺して生地がついてこなければ完成。
-
冷ます 型から外して粗熱を取り、ケーキクーラーの上でしっかり冷ます。
成功させるためのチェックポイント
-
卵は一度に加えず、少しずつ混ぜることで分離を防げます。
-
バターと砂糖のすり混ぜをしっかり行うことで、生地に空気を含ませやすくなります。
-
焼き上がり後すぐに型から外すと形が崩れる原因になるため、粗熱が取れてから型から抜きましょう。
ふくらまない・失敗する原因と対処法

よくある失敗例とその改善方法
1. 生地がふくらまない → 卵の泡立て不足や、バターと卵が分離している可能性があります。卵はしっかり常温に戻し、バターと混ぜる際は一度に加えず、少量ずつ加えるのがコツです。分離しそうな場合は薄力粉を少し加えて混ぜ直すと、なじみやすくなります。
2. 生地が重くべたつく → 混ぜすぎによるグルテンの発生が原因です。粉類を加えたあとは「切るようにさっくり」と混ぜ、粘り気が出ないよう注意しましょう。
3. 焼き上がり後に沈んでしまう → 中まで火が通っていない可能性があります。焼き時間が短すぎたり、オーブンの予熱が不十分だと中心部が焼けずに沈むことがあります。竹串を刺して生地がつかなくなるまで、しっかり焼きましょう。
焼き時間と温度の調整方法
パウンドケーキの焼き時間と温度は、オーブンの機種や型の材質によって多少前後します。基本は170℃で約40〜45分ですが、表面が早く色づきすぎる場合はアルミホイルを途中でかぶせると焦げを防げます。逆に焼き色がつきにくい場合は、180℃に上げて5〜10分追加加熱することも可能です。
オーブンに頼るだけでなく、目と竹串で状態を確認することが、安定した仕上がりへの近道です。
アレンジを楽しもう!素材を変えた応用レシピ
ベーキングパウダーなしのシンプルなパウンドケーキは、アレンジの幅が広く、自分好みの味に仕上げる楽しみがあります。ここでは、素材を変えることで生まれるバリエーションをご紹介します。
紅茶・抹茶・ココアパウンドケーキのアイデア
-
紅茶パウンドケーキ アールグレイなどの香り高い紅茶葉を、細かく刻んで生地に混ぜ込むことで、上品な風味に。大さじ1程度が目安です。
-
抹茶パウンドケーキ 薄力粉の一部(大さじ1程度)を抹茶パウダーに置き換えると、和風でほろ苦い味わいに仕上がります。白あんや甘納豆との相性も抜群です。
-
ココアパウンドケーキ 薄力粉の一部を純ココアパウダーに替えるだけで、濃厚なチョコ風味に。チョコチップやオレンジピールを加えるのもおすすめです。
フルーツやナッツの加え方
-
ドライフルーツ レーズンやクランベリー、ドライいちじくなどは、ラム酒やお湯で戻してから使用するとふっくら仕上がります。生地に均等に混ぜ込むことで食感と甘みのアクセントになります。
-
ナッツ類 アーモンド、くるみ、ピスタチオなどは、ローストしてから粗く刻んで加えると香ばしさが引き立ちます。トッピングに使用しても華やかです。
アレンジする際も、基本の工程と混ぜ方を丁寧に守ることで、ベーキングパウダーなしでも美味しい仕上がりになります。季節や気分に合わせて、自分だけのレシピを楽しんでみてください。
まとめ
ベーキングパウダーがなくても、卵の泡立てや材料の温度管理をしっかり行えば、ふっくら軽やかなパウンドケーキは十分に作れます。本記事では、基本の作り方に加え、失敗しないためのコツや、紅茶・抹茶・ココアなどのアレンジ方法まで丁寧に紹介しました。必要な材料も少なく、家庭にあるもので気軽に挑戦できるのも魅力です。ぜひ、今回のレシピを参考に、ベーキングパウダーなしでもしっとり美味しいパウンドケーキ作りを楽しんでみてください。あなたの手作りおやつ時間が、もっと特別なひとときになりますように。
ベーキングパウダーなしで本当にふくらみますか?
はい、卵の泡立てをしっかり行えば、自然なふくらみが得られます。材料の温度管理と混ぜ方が重要なポイントです。
卵は全卵を使っても大丈夫ですか?
大丈夫です。全卵を使う場合は、共立て(卵白と卵黄を一緒に泡立てる方法)でしっかり空気を含ませましょう。
バターの代わりにサラダ油でも作れますか?
代用可能ですが、仕上がりの風味や食感に違いが出ます。バターを使った方がコクとしっとり感が増します。
冷凍保存はできますか?
はい、焼き上げて完全に冷ました後、ラップで包み冷凍保存が可能です。食べる前に自然解凍すればOKです。
小麦粉以外の粉でも作れますか?
一部を米粉やアーモンドパウダーに置き換えることで、風味や食感のバリエーションが楽しめます。ただし、配合は慎重に行いましょう。