パウンドケーキ型紙

パウンドケーキ型紙

焼き菓子作りの定番、パウンドケーキ。その仕上がりを大きく左右するのが「型」選びです。お店に並ぶ豊富な種類の中から、どれを選べば良いか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。素材、サイズ、加工…それぞれの特徴を知らずに選んでしまうと、焼きムラや型外しに苦労することも。そこで今回は、プロの視点から「失敗しないパウンドケーキ型」を厳選。素材ごとのメリット・デメリットから、用途に合わせた選び方まで、詳しく解説していきます。

パウンドケーキ型とは?基本と種類

パウンドケーキ型は、その名の通りパウンドケーキを焼くための専用型で、通常は長方形の深い形状をしています。「パウンド型」と呼ばれることもあります。素材や表面加工によって多種多様なモデルが存在し、それぞれに異なる特性を備えています。本格的なお菓子作りをされる方や、特にパウンドケーキを頻繁に作る方には、熱伝導率が高く焼き上がりに差が出るブリキ製がおすすめです。一方、たまにお菓子を作る程度であれば、サビに強く、汎用性の高いステンレス製が良いでしょう。

パウンドケーキ型を使うメリット

パウンドケーキ型を使用する最大の利点は、美しい形状のケーキを容易に焼けることです。材料を混ぜて型に流し込み、オーブンで焼くだけで、誰でも簡単にパウンドケーキを作ることができます。一般的なサイズとしては、幅が11cmから24cm程度、深さが約6cmのものが多く利用されています。また、パウンドケーキ型はケーキ作り以外にも様々な用途で活用可能です。ミートローフやキッシュ、テリーヌなど、多種多様な料理を作ることができるため、一つ持っておくと非常に便利です。

15cm以下の小さめパウンド型

15cm以下の小型パウンド型は、火が通りやすく、お菓子作り初心者にとって扱いやすいのが特徴です。また、短時間で焼き上げることができるのも魅力の一つです。15cmのパウンド型は、一般的なサイズで容量約750mLが目安です。食べきりサイズのパウンドケーキを作るのに最適なサイズと言えます。さらに、スタイリッシュな形状に焼き上がるスリムタイプのパウンド型も存在します。手作りのプレゼントをより美味しく、おしゃれに見せたい場合は、スリムタイプを試してみるのも良いでしょう。

18cm前後の中型パウンド型

中型のパウンドケーキ型は、多くの方にとって使いやすいサイズです。18cm程度の中型型で作るケーキの容量は約900mL。均一に焼き上がりやすく、初心者からベテランまで、幅広い層におすすめできます。

20cm超の大型パウンド型

20cmを超える大型サイズは、パーティーや大人数で分け合う際に最適です。20cmの型で焼いたケーキは約1000mLの容量になります。ただし、大型の型は火の通り加減が難しいため、ある程度経験を積んだ方向けと言えるでしょう。

パウンドケーキ型の選び方

より美味しいパウンドケーキを作るために、最適な型を選ぶためのポイントをご紹介します。理想的な型を選ぶ上で重要なのは、材質(仕上がり・手入れ・耐久性)、サイズ、表面加工、特殊な形状(底取れなど)の4点です。各材質の詳細は後述の『材質ごとの特性』をご覧ください。理想のパウンドケーキ作りに役立つ、型選びのコツを見ていきましょう。

サイズと用途を考慮して選ぶ

パウンド型を選ぶ際は、まずどのような目的でケーキを作るのかを考えましょう。ちょっとしたプレゼントや試作には、15cm以下の小さめサイズが便利です。家族や親しい友人と楽しむなら、18cm程度の中型サイズが良いでしょう。パーティーや大人数で食べる場合は、20cm以上の大型サイズがおすすめです。

お手入れのしやすさで選ぶ

パウンドケーキ型を選ぶ際、素材によってお手入れのしやすさが大きく異なります。上手に選んで、より気軽にパウンドケーキ作りを楽しみましょう。例えば、紙製の型は使い捨てなので、洗い物の手間が省けます。テフロン加工やシリコン製の型は、ケーキが型にこびり付きにくく、簡単に洗えるため、後片付けが楽です。お手入れが簡単な素材を選ぶことで、パウンドケーキ作りがより一層楽しいものになります。

耐久性など長持ちするかも重要

パウンドケーキ型を長く愛用したいなら、耐久性の高い素材を選ぶことが大切です。ステンレス製は錆びに強く、耐久性に優れています。一方、アルミ製は型からケーキを取り出しやすいという利点がありますが、強度が低いため、衝撃には注意が必要です。また、酸によって腐食する可能性もあるので、洗剤選びや保管場所にも気を配りましょう。

パウンドケーキの仕上がりで選ぶ

パウンドケーキ型は、素材によって焼き色や焼きムラの出方に差が出ることがあります。ステンレス製や紙製は手軽に扱えますが、焼きムラができやすい傾向があります。美しく仕上げやすいブリキ製は錆びやすいので、丁寧なお手入れが必要です。また、長く使うためには、使用前の空焼きが欠かせません。ブリキ製は手間がかかりますが、見た目も美しいパウンドケーキを作りたい方にはおすすめです。

パウンドケーキ型の材質:素材ごとの特性を知る

パウンドケーキ型を選ぶ際、材質は非常に重要なポイントです。材質によって熱伝導率、耐久性、お手入れのしやすさなどが異なり、ケーキの仕上がりや使い勝手に大きく影響します。主な材質としては、ステンレス、ブリキ、アルミ、シリコン、ガラス、紙などが挙げられます。

ステンレス製のパウンドケーキ型

ステンレス製のパウンドケーキ型は、錆びにくさが特徴です。臭いが移りにくく、手入れが簡単なため、使用頻度が少ない方にもおすすめです。また、汎用性が高く、水分に長時間触れるレシピや、冷蔵庫で冷やし固めるデザートにも適しています。ただし、熱伝導率が低いため、焼きムラが出やすい点に注意が必要です。生地がくっつきやすいので、クッキングシートを必ず敷いてから使用しましょう。

ブリキ製のパウンドケーキ型

ブリキ製のパウンドケーキ型は、使うほどに油が馴染み、型離れが向上するのが魅力です。高い熱伝導率により、焼き上がりに美しい焼き色をつけることができます。本格的なパウンドケーキ作りに挑戦したい方におすすめです。しかし、湿気による錆が発生しやすく、手入れに手間がかかるため、使用頻度が少ない方には不向きです。また、使用前に空焼きが必要となるなど、ある程度お菓子作りに慣れた方向けと言えるでしょう。

アルミ製のパウンドケーキ型

アルミ製のパウンドケーキ型は、軽量で扱いやすいため、初心者の方にもおすすめです。熱伝導率が高く、焼きムラが起こりにくいので、均一にふっくらと焼き上げることができます。また、粗熱が取りやすいのも利点です。ただし、強度が低く、衝撃に弱いという欠点があります。重ねて収納したり、落としたりすると変形する恐れがあります。酸性の食材によって腐食する可能性があるため、レモンなどの柑橘系の果物を使用する際は注意が必要です。

シリコン製のパウンドケーキ型

シリコン製のパウンドケーキ型は、生地が型から剥がしやすいのが大きなメリットです。型が柔らかいので、側面や底を軽く押すだけで簡単に取り出せます。汚れが簡単に落ち、洗いやすいので、日頃のお手入れも楽々。電子レンジでの使用も可能な点が魅力です。ただし、熱伝導率が低く、焼き色がつきにくいというデメリットがあります。また、耐久性が低いため、グリルやオーブントースターでの使用は避けた方が良いでしょう。

耐熱ガラス製パウンドケーキ型

耐熱ガラス製のパウンドケーキ型は、オーブン料理はもちろん、冷菓作りにも最適です。焼き上げたケーキを型から取り出すのが難しい場合もあるため、そのままテーブルに出せるデザインのものが便利でしょう。また、お菓子作り以外にも、ちょっとした料理を盛り付ける器としても活用できます。ただし、金属製に比べて熱伝導率が低いため、オーブンでの加熱時間はレシピよりも少し長めに調整すると良いでしょう。

紙製パウンドケーキ型

紙製のパウンドケーキ型は、手軽に入手できる点が大きなメリットです。バラエティ豊かなデザインが揃っており、100円ショップなどでも気軽に購入できます。焼き上がったケーキをそのままラッピングしてプレゼントするのも素敵です。型から取り出す際は紙を剥がすだけなので簡単。さらに、使い捨てなので、後片付けの手間も省けます。ただし、繰り返し使用できないため、頻繁にパウンドケーキを焼く場合は、他の素材の型の方が経済的な場合があります。

パウンドケーキ型の表面加工:仕上がりとメンテナンスのポイント

パウンドケーキ型の表面加工は、ケーキの焼き上がり具合や、使用後のお手入れのしやすさを左右します。代表的な加工としては、フッ素樹脂加工、シリコン加工、アルタイト加工などが挙げられます。

フッ素樹脂加工(テフロン加工)

フッ素樹脂加工は、金属製の型にフッ素樹脂をコーティングしたものです。焦げ付きにくく、型離れが良いので、お手入れが簡単です。パン型にもよく用いられる加工なので、パウンドケーキだけでなくパン作りにも挑戦したい方におすすめです。糖分や油分が多い生地に使用すると、コーティングの劣化が早まる場合があります。長持ちさせるためには、金属製のヘラを避ける、空焚きをしないといった注意が必要です。
※『テフロン』はケマーズ社の登録商標です。

シリコーン樹脂加工

ブリキ製のパウンドケーキ型でよく見られるのが、シリコーン樹脂加工です。この加工の魅力は、型離れの良さと手入れのしやすさにあります。さらに、使い込むほどに油がなじみ、より美しく焼き上げることが可能です。ただし、シリコーン樹脂加工は水気に弱いという弱点があります。使用後は、水に浸け置きせずに、速やかに洗浄することが大切です。

アルスター加工

アルタイトとは、鉄にアルミメッキがされたものです。鉄の丈夫さとアルミの熱通りの良さを兼ね備えています。熱伝導率に優れているため、均一に焼き色をつけられます。型離れの良さも兼ね備えている点が魅力です。ただし、鉄を使用しているため、錆びやすいという欠点があります。使用後はしっかりと水気を拭き取り、乾燥した状態で保管してください。また、比較的重いため、オーブンへの出し入れには注意が必要です。
※アルタイト、アルスター、アルシートなどは呼び名が異なるだけで基本的には同じ素材です。鉄にアルミメッキがされており、鉄の丈夫さとアルミの熱通りの良さを兼ね備えています。

パウンドケーキ型の容量:均一な焼き上がりのために

パウンドケーキ型を選ぶ際には、サイズだけでなく容量も重要なポイントです。同じ長さでも、幅や深さによって容量は大きく異なります。レシピ通りに材料を計量しても、型の容量が合っていないと、焦げ付きや生焼けの原因になることがありますので、注意が必要です。

トッピングを楽しむなら:深型のパウンドケーキ型を

ナッツやドライフルーツなどのトッピングをしたい場合は、深型のパウンドケーキ型を選びましょう。トッピングをすると生地の容量が増えるため、浅い型では生地が溢れてしまう可能性があります。高さが6cm程度の深めの型を選ぶのがおすすめです。

底取れタイプ:取り出しやすさが魅力

美しく焼き上げたパウンドケーキを、崩さずに取り出したいなら、底取れタイプが最適です。型を逆さにしたり、ナイフで剥がしたりする手間なく、底板を外すだけでスムーズに取り出せます。フルーツを贅沢に飾り付けたケーキなど、デコレーションを重視したい場合に特におすすめです。ただし、底部分にわずかな隙間があるため、湯煎焼きが必要なチーズケーキなどには不向きです。また、生地が非常に柔らかいケーキの場合、隙間から漏れてしまう可能性があるので注意が必要です。

パウンドケーキ型の代用:気軽に挑戦

パウンドケーキ型がない場合でも、牛乳パックやアルミホイルで代用できます。使い捨てできるため、後片付けが簡単になるのがメリットです。牛乳パックを使う際は、内側を丁寧に洗い、片方の側面を切り開いて、開口部を折り畳んでホチキスなどで固定します。生地を流し込む前に、クッキングシートを敷くと、より綺麗に仕上がります。アルミホイルを使う場合は、箱型になるように折り畳みます。強度が不足しがちなので、数枚重ねて使用するのがおすすめです。厚紙を芯材として使用すると、さらに強度が増します。牛乳パックやアルミホイルは便利な代用品ですが、本格的なパウンドケーキ型に比べると、焼き上がりの美しさで見劣りする場合があります。本格的なケーキ作りに挑戦したい場合は、専用のパウンドケーキ型を使用することをおすすめします。

パウンドケーキ型にクッキングシートを敷く方法

パウンドケーキを綺麗に取り出すためには、焼く前にクッキングシートを敷くのが効果的です。ここでは、クッキングシートの敷き方を詳しく解説します。まず、クッキングシートをパウンドケーキ型よりも少し大きめにカットします。目安としては、クッキングシートの上にパウンドケーキ型を置いて、全体を包み込むように合わせ、両端が2cm程度はみ出すくらいの大きさにすると良いでしょう。次に、カットしたクッキングシートの中央にパウンドケーキ型を置き、型の形に合わせてしっかりと折り目をつけます。折り目がついたら、クッキングシートの四辺をそれぞれ丁寧に折り込み、跡をくっきりとつけましょう。さらに、型に入れやすくするために、切り込みを入れます。切り込みを入れる場所は、短辺の底に合わせた部分よりも外側に伸びた4箇所です。切り込みを入れたら、折り目に沿って型に敷き込みます。切り込み部分を重ねるようにすると、綺麗に仕上がります。もしクッキングシートが浮いてしまう場合は、型に薄くバターを塗っておくと、より安定して敷くことができます。

まとめ

この記事では、様々なパウンドケーキ型をご紹介しました。素材や表面加工によって、それぞれ特徴や使い勝手が異なります。パウンドケーキ型を選ぶ際は、あなたの調理スキルや作りたいケーキの種類、使用頻度などを考慮することが大切です。それぞれのパウンド型の特性を理解し、比較検討することで、きっと理想のパウンドケーキ型が見つかるはず。この記事を参考に、ぜひ美味しいパウンドケーキ作りに挑戦してみてください。

よくある質問

質問1:パウンドケーキ型、材質は何を選べばいいの?

パウンドケーキ型には、ステンレス、ブリキ、アルミニウム、シリコン、耐熱ガラス、紙製など、様々な素材が用いられています。素材によって熱伝導率、耐久性、お手入れのしやすさなどが異なるため、ケーキを焼く頻度や作りたいケーキの種類を考慮して選ぶのがおすすめです。

質問2:パウンドケーキ型がない時、何か代わりになるものは?

おっしゃる通り、牛乳パックやアルミホイルを工夫すれば代用できます。しかし、より本格的な仕上がりを目指すなら、やはり専用の型を使用するのがおすすめです。

質問3:パウンドケーキを型から美しく取り出すには?

焼き上がったケーキを綺麗に取り出すには、クッキングシートを型に敷いて焼くか、底が取り外せるタイプのパウンドケーキ型を使うと、スムーズに取り出せます。
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