もう迷わない!じゃがいもの芽の取り方・保存方法・調理法を徹底解説

家庭料理の定番、じゃがいも。カレーや肉じゃが、ポテトサラダなど、様々な料理で活躍しますよね。でも、保存しているうちに芽が出てきて困った経験はありませんか?「どこまで取ればいいの?」「そもそも食べても大丈夫?」そんな疑問を抱えながらも、なんとなく調理している方もいるかもしれません。この記事では、じゃがいもの芽の取り方から、安全な保存方法、そして美味しい調理法までを徹底解説!もう迷うことなく、じゃがいもを安心して美味しく味わえるようになりますよ。

なぜ取り除く?じゃがいもの芽や緑色の部分に潜む毒素と食中毒のリスク

じゃがいもの芽や緑色の部分をきちんと取り除くべき理由は、ソラニンやチャコニンといった天然毒素が含まれているためです。これらの毒素は、じゃがいもが自らを守るために生成すると言われており、特に芽の根元や、光が当たって緑色になった皮の近くに多く含まれています。これらの毒素を摂取すると、食中毒を引き起こす可能性があります。主な症状としては、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの消化器系の不調や、頭痛、めまい、倦怠感といった神経系の症状が現れることがあります。特に、小さなお子様は体重に対する摂取量が多くなりがちなため、大人よりも影響を受けやすい傾向があります。そのため、じゃがいもを調理する際は、芽や緑色の部分を丁寧に、そしてしっかりと取り除くことが非常に重要です。ほんの少しの芽でも油断せずに、確実に除去しましょう。また、これらの毒素は加熱しても分解されにくいため、調理前の物理的な除去が不可欠となります。皮が緑色に変色したじゃがいもも同様に毒素を含んでいるため、皮を厚めにむき、緑色の部分が完全になくなるまで取り除く必要があります。芽の周りが緑色になっている場合も、毒素が含まれているので、しっかりと取り除くことが大切です。皮が緑色のじゃがいもは、調理前に皮をむくようにしましょう。ゆでてから皮をむくと、薄くしかむけず、取り残してしまう可能性があるので注意が必要です。皮をむいた後も緑色が残っている場合は、白い部分が見えるまで削り取るようにしましょう。

安全に調理するための下処理の基本

じゃがいもを調理する前に必ず行いたいのが、皮をむき、芽を取り除く下処理です。この下処理を丁寧に行うことで、料理の出来栄えが大きく左右され、安全性も高まります。

  1. まずは、じゃがいもを水で洗い、柔らかいスポンジや布などで表面の汚れを丁寧に落としましょう。特に土がついている部分は、念入りに洗うことが大切です。
  2. 皮をむく際には、表面に角が残らないように、面取りをしながら少し厚めにむくのがポイントです。角が残っていると、煮物などで加熱した際に煮崩れしやすくなるため、滑らかに仕上げることで見た目も美しく、食感も均一になります。
  3. 面取りは包丁やピーラーを使って簡単に行うことができ、特に煮込み料理を作る際にはおすすめです。
  4. じゃがいもは、皮をむいたまま放置すると、空気に触れて変色してしまうことがあります。この変色を防ぐためには、皮をむいた後すぐに水にさらし、10分程度置いてから水気を切ると良いでしょう。水にさらすことで、変色の原因となる酵素の働きを抑えることができます。ただし、長時間水にさらしすぎると、じゃがいも本来の風味が損なわれる可能性があるので、10分程度を目安にしましょう。

包丁とピーラーで安全かつ綺麗に!じゃがいもの芽の取り方

じゃがいもの芽には毒素が含まれているため、根元からしっかりと取り除くことが大切です。包丁とピーラー、どちらを使っても綺麗に芽を取り除くことができますが、それぞれにコツがあります。

●包丁でじゃがいもの芽を取る方法

包丁を用いてじゃがいもの芽を取り除く際は、刃の角を芽の付け根に当て、少しずつ回転させながら掘り出すようにしましょう。じゃがいもと包丁を交互に動かすことで、芽の周囲を円錐状にきれいに取り除くことができます。この方法であれば、芽の奥深くに存在する可能性のある有害物質も確実に除去できます。

●ピーラーでじゃがいもの芽を取る方法

多くのピーラーには、刃の先端や側面に小さな突起が備えられています。これは芽を取り除くための専用のツールです。この部分を芽の根元に差し込み、持ち上げるようにして取り除くと、手軽に芽を取り除くことができます。ピーラーの芽取り機能は、あまり力を入れずに済むため、効率的に作業を進めたい時に役立ちます。芽に軽く押し当てて、あとは回すだけでOK。皮むき後に残った芽や皮を包丁で処理していますが、使いやすい道具を選ぶと良いでしょう。

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じゃがいもの保存方法:発芽抑制と品質維持のポイント

じゃがいもを長期間、安全かつ美味しく保存するためには、いくつかの重要なポイントがあります。保存方法によって、発芽の抑制や品質の維持に影響が出るため、目的に応じて適切な方法を選びましょう。

●冷蔵保存の利点と留意点

じゃがいもを保管するのに最適な場所は、光が当たらず、涼しい環境です。常温での保存も不可能ではありませんが、約20℃の環境下では発芽しやすくなるため、冷蔵庫での保存が発芽を抑制する上で効果的です。ただし、じゃがいもに含まれるデンプンは、低温によって品質が劣化する「低温障害」を起こす可能性があります。そのため、冷蔵庫の中でも特に温度が低い「冷蔵室」は避け、比較的温度が高い「野菜室」での保存が適しています。専門家によると、野菜室での保存によって、1ヶ月から2ヶ月程度は品質を保つことが可能です。保存する際は、じゃがいもを軽く水洗いし、表面の水分をしっかりと拭き取ります。その後、乾いたキッチンペーパーで一つずつ丁寧に包み、ジッパー付きの保存袋やポリ袋に入れて口を閉じ、野菜室へ保管します。水分が残っているとカビが発生しやすく、乾燥すると表面がしわしわになるため、キッチンペーパーで余分な水分を吸収させ、保存袋で乾燥を防ぐことが大切です。また、りんごから放出されるエチレンガスには、じゃがいもの発芽を抑える効果があるため、大量のじゃがいもを保存する際に、りんごと一緒に保存するのも有効な手段です。

●常温保存の要点と低温障害の回避

じゃがいものデンプン質の低温障害を避けたい場合や、特定の品種(特に新じゃがいもなど、デンプンを豊富に含む品種)を保存する際には、常温保存も選択肢の一つとなります。常温で適切に保存するためには、じゃがいもを2~3個ずつ小分けにし、キッチンペーパーで包んだ後、全体を新聞紙で包み、風通しの良い冷暗所で保管します。この方法によって、じゃがいものデンプンが低温で劣化するのを防ぎ、本来の風味や食感を維持しやすくなります。ただし、常温保存の場合、発芽しやすいため、こまめに状態を確認し、芽が出た場合はすぐに取り除くように注意が必要です。

じゃがいもの茹で方と茹で時間:美味しく仕上げるコツ

じゃがいもは、料理の主役として活躍する機会が多く、シンプルに茹でるだけでも美味しく味わえます。上手に茹でるためのコツを身につけておくと、料理の幅が広がり、非常に便利です。ここでは、丸ごと茹でる方法、カットして茹でる方法、そして電子レンジで加熱する方法を、状況や好みに合わせてご紹介します。皮付きのまま丸ごと茹でることで、じゃがいも本来の甘みとほくほくとした食感を堪能できます。皮を剥いてからカットして茹でる方法は、ある程度のほくほく感を残しつつ、熱い状態で皮を剥く手間を省けるのがメリットです。また、時間を短縮したい場合は電子レンジが最も効率的です。これらの方法を、状況や好みに応じて使い分けてみてください。

●丸ごと茹でる

皮付きのじゃがいもを丸ごと茹でることで、じゃがいも本来の甘さと、ほくほくとした食感を最大限に引き出すことができます。 まず、じゃがいもの皮を丁寧に洗い、表面に付着した土や汚れをしっかりと落とします。大きすぎるじゃがいもは、均等に火が通りにくい可能性があるため、できる限りサイズの揃ったものを選ぶか、大きい場合は半分にカットしてから茹でるのがおすすめです。 鍋にじゃがいもを入れ、じゃがいもが浸るくらいの水を注ぎます。水からじっくりと茹でることで、じゃがいもなどの根菜類は中心部まで均一に火が通り、しっとりとした仕上がりになります。水を少なめにすることで、茹で時間を短縮できます。じゃがいも全体が水に浸っていなくても、蓋をして加熱すれば、水蒸気によって火を通すことができます。 茹で時間の目安は、沸騰してから約15~30分です。竹串を刺して、スムーズに奥まで通るか確認してください。じゃがいものサイズや品種によって茹で時間が異なるため、途中で状態を確認することが大切です。 皮を剥きやすくするために、茹でる前にじゃがいもの表面に十字の切り込みを1箇所、深さ1mm程度で入れておくことをおすすめします。これは必須ではありませんが、皮を剥く際のきっかけとなり、よりスムーズに作業を進めることができます。茹で上がってから時間が経過すると、じゃがいものデンプン質が固まり、皮が剥きにくくなるため、火傷に注意しながら、熱いうちに皮剥き作業を済ませるのがコツです。

●切った状態でゆでる

皮を剥いてカットしたジャガイモは、火が通りやすく、後の調理がスムーズに進むというメリットがあります。 ジャガイモの皮を剥き、料理に合わせたサイズにカットします。カットしたジャガイモは、変色を防ぐために水にさらし、その後、ザルにあげて水気を切ります。 鍋にジャガイモを入れ、ジャガイモが浸るくらいの水を注ぎ、一つまみの塩を加えます。皮を剥いたジャガイモは、塩を入れて茹でるとイモ本来の甘みや旨味が引き出され、味付けの際にも味が馴染みやすくなります。ほんの少しの塩で十分効果があります。 沸騰したら中火にし、ジャガイモが柔らかくなるまで茹でます。茹で時間は、カットしたサイズによって異なりますが、およそ10~15分が目安です。竹串を刺して、スッと通ればOKです。茹で上がったら、すぐにザルにあげて水気を切り、必要に応じて軽く粉ふき芋にすると、余分な水分が飛び、味が乗りやすくなります。

●まるごとの状態で電子レンジ加熱

電子レンジを使えば、ジャガイモを短い時間で簡単に加熱できます。時短調理をしたい時や、少量だけ加熱したい時に役立ちます。 ジャガイモの皮を丁寧に洗い、表面の汚れを落とします。 キッチンペーパーなどでジャガイモの水分をしっかりと拭き取り、ふんわりとラップで包みます。ラップでぴったりと包むと、加熱後にラップがジャガイモに密着して真空状態になり、ジャガイモが縮んでしまうため、ゆるく包むのがポイント。 電子レンジ(600Wの場合)で、ジャガイモ1個あたり3~5分を目安に加熱します。加熱時間はジャガイモのサイズによって調整してください。複数のジャガイモを加熱する際は、加熱ムラを防ぐために、時々位置を変えたり、様子を見ながら加熱時間を調整しましょう。電子レンジでの加熱は硬くなりやすいので、様子を見ながら少しずつ時間を調整してください。 加熱後、竹串を刺して中心まで火が通っているか確認します。複数のジャガイモを串で確認する際は、小さいものから順に確認するのがオススメです。そうすることで、大きい方は丁度いいのに小さい方だけ加熱し過ぎてしまう、という失敗を防ぐことができます。火傷に気を付けながらラップを外し、必要に応じて皮を剥いて調理に使用します。

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ジャガイモは冷凍保存してもいいってホント?味や食感に変化は?

「ジャガイモは冷凍すると食感が悪くなる」と聞いたことがある方もいるかもしれません。ジャガイモの細胞壁は、冷凍と解凍の際に壊れやすく、水分が抜けて食感が悪くなりがちです。しかし、保存方法や使い方を工夫すれば、味や食感の変化を最小限に抑え、冷凍保存を活用することができます。特に、加熱してから冷凍することで、生のまま冷凍するよりも食感の変化を抑えることができます。

●カットして冷凍保存

ジャガイモを丸ごと冷凍すると、凍るまでに時間がかかり、細胞が大きく壊れて食感が大きく損なわれます。しかし、小さくカットしてから冷凍すれば、凍るまでの時間が短縮され、食感の劣化をある程度抑えられます。 まず、ジャガイモの皮を剥き、芽を取り除いてから、料理に使いやすい大きさにカットします。皮を剥いたジャガイモは、空気に触れると変色が進むので、この工程は必ず行うようにしましょう。カットしたジャガイモは、固めに茹でるか、電子レンジで加熱して粗熱を取り、冷まします。水気をしっかりと拭き取ってから、重ならないようにバットなどに広げて冷凍し、完全に凍ったらジッパー付きの保存袋に移して保存します。 冷凍したジャガイモは、味噌汁や炒め物、グラタン、シチューなど、煮込んだり混ぜ込んだりする料理に使うのがオススメです。これらの料理では、ジャガイモの食感の変化がほとんど気にならないでしょう。凍ったまま調理できる上、加熱時間も短縮できるため、常備しておくと非常に便利です。保存期間の目安は約1ヶ月です。

●つぶして冷凍保存

加熱してマッシュ状にしたじゃがいもは、冷凍保存にとても適しています。ポテトサラダが余った時や、大量に茹でてしまった場合に有効な保存方法です。 茹でたじゃがいもは、温かいうちに潰すのがポイントです。じゃがいもは冷えると硬くなるため、熱いうちに作業しましょう。柔らかければゴムベラ、硬ければ麺棒などで潰してください。少し冷めたら、マッシュポテト状でジッパー付き保存袋に入れ、薄く平らに広げます。均一に冷凍でき、解凍しやすくなります。金属製のバットに乗せて冷凍すると、さらに早く冷凍できます。 潰して冷凍したじゃがいもは、コロッケの具やポタージュ、ラザニア、グラタン、マッシュポテトなど、柔らかい食感が合う料理に最適です。解凍は、電子レンジや鍋で加熱しながら行います。保存期間は約1ヶ月が目安です。

まとめ

じゃがいもは、適切な芽の取り方、保存方法、調理のコツを知ることで、より安全でおいしく調理できる万能な食材です。ソラニンやチャコニンといった有害物質が含まれる芽や緑色の部分は、食中毒のリスクを避けるためにきちんと取り除きましょう。これらの知識を活かして、日々の食卓でじゃがいもを上手に活用し、安全に色々な料理を楽しんでください。

じゃがいもの芽は、まだ発芽していなくても取るべきですか?

まだ芽が出ておらず、皮が緑色になっていなければ、皮をむくだけで大丈夫です。深くえぐり取る必要はありません。皮がむきにくい場合は、包丁の刃を寝かせて、じゃがいもの形に沿って少しずつむくと良いでしょう。

やわらかくなったじゃがいもは、食べても大丈夫ですか?

じゃがいもが柔らかくなるのは、水分が失われたためです。カビが生えていたり、腐っていなければ食べられますが、風味は落ちています。カレーなどに使い、煮溶けるまでじっくり煮込むのがおすすめです。

じゃがいもの種類によって、おすすめの調理法は変わりますか?

はい、じゃがいもの品種によって適した料理は異なります。例えば、果肉が柔らかい男爵薯は、コロッケやポテトサラダ、シンプルにじゃがバターとして味わうのに最適です。一方で、煮込んでも形が崩れにくいメークインは、肉じゃがやポトフといった煮込み料理に使うと美味しく仕上がります。また、収穫したばかりの新じゃがは、皮ごと食べるのがおすすめです。くし形に切ってフライドポテトにしたり、素材本来の味を堪能できる調理法が良いでしょう。

じゃがいもを煮物に使用すると、煮崩れが気になります。何か対策はありますか?

煮崩れを防ぐためには、まず煮物に適した品種、つまりメークインを選ぶことが大切です。さらに、じゃがいもをカットした後、角を丸くする面取りをすることで、煮崩れを効果的に抑制できます。面取りした際にでる切れ端は、味噌汁の具材などにして、無駄なく使い切りましょう。また、調理中に頻繁に混ぜたり、強火でぐらぐらと煮立たせたりするのも避けるべきです。

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