さつまいも、切ったら中が黒い!食べられる?黒い斑点の原因と見分け方を徹底解説
せっかく買ったさつまいもを切ったら、中が黒くてびっくり!もしかして腐ってる?と不安になりますよね。でもちょっと待ってください!さつまいもの黒い部分は、必ずしも傷んでいるサインとは限りません。原因によっては、美味しく食べられる場合も多いんです。この記事では、さつまいもが黒くなる原因を徹底解説。食べられる黒い斑点と、残念ながら廃棄すべきものの見分け方を、わかりやすくご紹介します。さつまいもを無駄にしないために、ぜひ参考にしてくださいね。

「黒い」さつまいもは食べられる?斑点や変色をパターン別に解説

さつまいもに見つけた黒い部分。「もしかして傷んでる?」と心配になりますよね。でも、さつまいもの「黒さ」には色々なパターンがあり、必ずしも食べられないわけではありません。さつまいも特有の成分が原因で、美味しく食べられる場合も多いんです。この記事では、さつまいもの様々な黒い現象について、食べられるものとそうでないものの見分け方を、具体的な特徴とともに詳しく解説します。正しい知識で、さつまいもを無駄なく美味しく楽しみましょう。

食べても大丈夫な「黒い」さつまいもの特徴

さつまいもが黒く変色していても、食べても問題ないケースがあります。これらの特徴を知っておけば、安心してさつまいもを食べられますし、食品ロスも減らせます。ここでは、食べてもOKな、さつまいもの黒い変色のパターンを3つご紹介します。

皮から黒い蜜のようなものが出ている

さつまいもの皮に黒い蜜のようなものが付いている場合、それは「ヤラピン」という成分である可能性が高いです。ヤラピンは、さつまいもを切った時に出てくる白い乳液状の液体に含まれています。さつまいもは収穫後、熟成が進むにつれて糖度が増し、白い液体が出やすくなります。この液体が、さつまいもの切り口や、輸送中にできた傷から染み出し、空気に触れて乾燥することで黒っぽく変色します。ヤラピンには、空気に触れると黒くなる性質があるため、このような現象が起こるのです。ヤラピンは食べても問題なく、むしろ腸の動きを活発にする効果があると言われています。さつまいも自体も食物繊維が豊富なので、ヤラピンと食物繊維の相乗効果で、便秘解消が期待できます。ただし、黒く固まったヤラピンに土などが混ざって硬くなっている場合は、口当たりが気になるかもしれません。その際は、調理前にスプーンなどで取り除くと良いでしょう。

切ってしばらくすると、断面に黒い(または緑の)斑点が出てきた

さつまいもを切ってしばらく置いておくと、断面に黒や緑色の斑点が出てくることがあります。これも「ヤラピン」が空気に触れて酸化し、変色したものです。この場合も、さつまいもが傷んでいるわけではないので、安心して食べられます。味や栄養価にも影響はありません。もし見た目が気になるようでしたら、調理前に軽く水で洗い流してください。さつまいもの断面の変色を防ぐには、切った後すぐに5~15分ほど水にさらすと、ヤラピンの酸化を抑えることができます。ただし、切った「瞬間から」断面に黒い斑点や黒ずみがある場合は、低温障害を起こしている可能性があるので注意が必要です。その場合は、残念ですが処分しましょう。

加熱後に実の部分が黒く変色した場合

さつまいもを加熱調理した後、中身が黒っぽく変わることがあります。これは、さつまいもに含まれるクロロゲン酸という成分が、加熱によって化学変化を起こすためです。クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、じゃがいもなど、他の野菜にも含まれています。この変色は体に悪い影響はなく、食べても問題ありません。しかし、クロロゲン酸はアクの成分なので、黒く変色した部分を食べると、少しえぐみや渋みを感じることがあります。見た目が気になる場合や、風味を損ないたくない場合は、変色を抑える工夫をすると良いでしょう。黒い変色を防ぐには、さつまいもをカットした後、水に5分~15分ほど浸す「アク抜き」が効果的です。アク抜きによって、クロロゲン酸が水に溶け出し、加熱後の変色を軽減できます。アク抜きは、見た目を良くするだけでなく、さつまいも本来の甘みや風味を引き立て、味の染み込みを助ける効果もあります。特に、天ぷらや煮物など、さつまいもの色や味を重視する料理では、アク抜きをおすすめします。

こんなときは口にしないで!さつまいもの危険信号

さつまいもの「黒さ」には、食べても大丈夫なものと、明らかに品質が劣化していて避けるべきものがあります。後者のサインを見過ごすと、体調不良を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。ここでは、食べてはいけないさつまいもの特徴と、その判断基準を詳しく解説します。

カットしたときから黒い斑点や変色が見られる(低温障害の可能性)

さつまいもをカットした際に、最初から断面に黒い点々や広範囲の黒ずみがある場合は、「低温障害」が疑われます。低温障害とは、寒さに弱い野菜が適正温度よりも低い環境で保存された際に発生するもので、品質の低下や栄養価の損失につながります。さつまいもの場合、10~15度を下回る低温状態に長時間置かれると、細胞が破壊されて変色しやすくなります。この状態のさつまいもは、苦味を帯びていることがあり、風味も大きく損なわれます。もし、黒い斑点や黒ずみが一部分だけならば、その部分を厚めに切り取ることで、残りの部分を食べられることもあります。しかし、低温障害は全体に及んでいるケースが多いです。さつまいもの断面全体が黒っぽく変色していたり、強い苦味を感じる場合は、無理に食べずに処分しましょう。さつまいもは寒さに弱いため、家庭で保管する際は冷蔵庫を避け、風通しの良い冷暗所(室温15度前後が理想)で常温保存することが、低温障害を防ぐ上で重要です。

黒いカビが発生している

さつまいもに黒カビが生えている場合は、絶対に食べてはいけません。黒カビは、健康に悪影響を及ぼす可能性のある有害なカビの一種です。黒カビは、さつまいもの表面に綿のようなふわふわしたものが付着していたり、点状の黒い斑点が広がっていたり、あるいは白や緑色のカビが生えていることもあります。前述のヤラピンによる黒い変色と見分けがつきにくいかもしれませんが、区別する方法があります。ヤラピンが固まって黒く変色している場合は、表面に光沢があり、触ると硬くて粘着性があります。一方、黒カビは光沢がなく、柔らかい質感で、指で触ると簡単に崩れるような感触があります。これらの見た目や触感の違いをよく確認し、黒カビだと判断した場合は、安全のためにためらわずに廃棄してください。黒カビは表面に見えるよりも深く根を張っていることが多いため、一部分を取り除いても安心はできません。

皮にしわが寄り、張りが失われている

さつまいもの表面に多数のしわが見られ、みずみずしさがなくなり、全体的にしぼんでしまったように見える場合は、水分が不足している兆候です。これは、さつまいもが水分を失い、新鮮さが低下していることを意味します。わずかなしわであれば、まだ食べられる場合が多いですが、水分が減少しているため、味が落ちて乾燥しやすくなります。しかし、乾燥がさらに進み、表面だけでなく中身の色も変わっていたり、触ると柔らかくなっていたりする場合は、内部で腐食が始まっている可能性が高いと考えられます。そのような状態のものは、安全のためにも廃棄することをお勧めします。さつまいもは乾燥に弱い野菜なので、保管する際は新聞紙などで包んで冷暗所で保管することで、水分の蒸発を抑え、しわの発生を防ぎ、鮮度を長く保つことができます。

中身がやわらかくなっている

さつまいもの中身の一部、または全体が柔らかくなっているときは、腐食が進んでいる可能性が非常に高い状態です。特に、冷蔵庫に入れるなど、さつまいもにとって好ましくない低い温度環境に置かれた際に低温障害を起こし、それが原因で細胞が破壊され、腐食が急速に進行することがあります。触ったときに、ぶよぶよしていたり、弾力が全くなく、指で押すと凹んだりする、または断面が変色している場合は、内部が劣化している明らかなサインです。このような状態のさつまいもは、異臭を伴うことが少なくないため、発見した際は速やかに処分してください。

異臭がする

さつまいもから普段とは違う、カビのような臭い、酸っぱい臭い、発酵したような臭い、または腐ったような不快な臭いがする場合は、食品が劣化している非常に強いサインです。臭いは、見た目の変化よりも早く食品の劣化を教えてくれる重要な指標となります。このような異臭がする場合は、たとえ外見上は問題がなさそうに見えても、食中毒のリスクを避けるために食べるのをやめましょう。臭いがする場合は、多くの場合、すでにカビが生えていたり、中身が柔らかくなっていたりと、外見にも変化が現れていることがほとんどです。さつまいもを無駄にすることなく、美味しく安全に楽しむためには、購入後や収穫後に計画的に使い切ることが大切です。また、保管状況を定期的に確認し、臭いや外観に異常がないかを確認する習慣をつけることを推奨します。

さつまいもを使ったおすすめスイーツレシピをご紹介!

ここからは、さつまいもを使った極上スイーツレシピをご紹介いたします。ほくほくとしたさつまいもと牛乳で作る簡単なスイートポテトや、クリームチーズと合わせてじっくりと焼き上げたさつまいものチーズケーキなどを厳選しました。ぜひご覧ください。

トースターで手軽に!シンプルスイートポテト

さつまいもを使った定番おやつ、スイートポテトの作り方をご紹介します。さつまいも本来の優しい甘さと、牛乳のまろやかな風味がベストマッチ!通常バターを使うことが多いスイートポテトですが、このレシピではサラダ油を使用するので、より手軽に作れます。オーブントースターで簡単にできるので、ぜひお試しください。

午後のおやつに さつまいもチップス

お子様のおやつに、手作りさつまいもチップスはいかがでしょう。カリッと揚げたさつまいもに、風味豊かなはちみつの甘さが絶妙に絡み合います!パリパリとした食感がやみつきになり、ついつい手が止まらなくなる美味しさです。一度食べたらきっとリピートしたくなる、おすすめの一品です。

しっとり、ほっくり。さつまいものチーズケーキ

ティータイムにぴったりの、しっとりとした食感が魅力のさつまいもチーズケーキをご紹介します。ほっくりとしたさつまいもと、濃厚なクリームチーズの組み合わせはまさに至福の味。土台に加えた抹茶のほのかな香りがアクセントとなり、まるでカフェで味わうような上品な仕上がりです。ぜひお家で作ってみてください。

まとめ

さつまいもに見られる「黒い部分」には、ヤラピンやクロロゲン酸といった成分によるもので、食べても問題ない変色と、低温障害やカビ、腐敗などによる、食べるのを避けるべき傷みのサインがあります。例えば、皮から染み出す黒い蜜のようなヤラピン、カットしてから時間が経つと現れる断面の黒い斑点、加熱後に見られるクロロゲン酸による変色は、アク抜きなどの適切な処理をすれば問題なく食べられます。これらの成分は整腸作用や抗酸化作用を持つため、上手に活用しましょう。注意すべきは、カットした時に既に存在する黒い斑点や黒ずみ(低温障害)、綿のような黒カビ、皮の極端なシワや実の柔らかさ、そして異臭です。これらはさつまいもが傷んでいるサインであり、食中毒のリスクがあるため、廃棄することが大切です。さつまいもの状態をしっかりと見極めることで、まだ美味しく食べられるものを無駄にせず、安全にさつまいも料理を楽しむことができます。適切な保存方法を心がけ、定期的に状態をチェックすることで、さつまいもを最後まで美味しくいただき、その恵みを最大限に活かしましょう。

さつまいもから黒い液体が出てきたけど、大丈夫?

ご安心ください。それは「ヤラピン」という、さつまいもだけに含まれる特別な成分です。さつまいもを切った場所から出てくる白い液体が、空気に触れて乾燥し、黒っぽく変化したものです。お腹の調子を整える効果がある、安全な成分なんですよ。ただ、土などが混ざって硬くなっている場合は、口当たりが悪くなることがあるので、取り除いてから調理するのがおすすめです。

さつまいもの中身に黒い点々があるけど、もしかして低温障害?

一概には言えません。もし、さつまいもを切って「少し時間が経ってから」黒や緑っぽい点々が出てきたのであれば、それはヤラピンが酸化しただけなので、食べても大丈夫です。しかし、「切った直後から」黒い点々や黒ずみが見られる場合は、さつまいもが冷えすぎたことによる低温障害の可能性があります。低温障害を起こしたさつまいもは、味が落ちて苦味を感じることがあるため、全体に広がっているようなら処分を考えた方が良いかもしれません。

さつまいもに黒いカビが生えてる!どうすればいい?

黒カビが生えたさつまいもは、食中毒の原因になる可能性があるので、絶対に食べないでください。黒カビは、表面に綿のようなふわふわしたものがついていたり、黒い斑点状になって現れます。ヤラピンによる黒い変色と間違えやすいのですが、ヤラピンはテカテカしていて硬く、少しベタベタするのに対し、黒カビは光沢がなく、柔らかいのが特徴です。見分けるのが難しい場合は、安全のために処分するようにしましょう。

さつまいもを加熱したら黒っぽくなったけど、食べても大丈夫?

はい、問題ありません。加熱後にさつまいもの中身が黒く変色するのは、「クロロゲン酸」というさつまいもの成分が変化したためです。体に悪い影響はありませんが、少しえぐみを感じることがあります。変色を防ぎたい場合は、切った後に5~15分ほど水に浸けてアク抜きをすると効果的です。

さつまいもを冷蔵庫で保存するのは避けるべき?その理由

さつまいもは、冷えに弱い野菜です。冷蔵庫のような15℃を下回る環境で保存すると、「低温障害」という状態を引き起こすリスクが高まります。この低温障害は、さつまいもの美味しさや栄養価を低下させるだけでなく、実がふにゃふにゃになり、傷みやすくなる原因にもなります。ですので、ご家庭では冷蔵庫に入れずに、新聞紙などで包み、風通しの良い、涼しい場所で常温保存するのがおすすめです。

さつまいもの表面のシワや、実のやわらかさは、もう食べられないサイン?

皮のシワは、水分が失われているサインです。少しのシワなら食べられますが、風味は落ちているかもしれません。しかし、シワが目立ち、色が変わっていたり、カビが生えていたり、果肉がぐにゃぐにゃと柔らかくなっていたり、断面が変色している場合は、腐っている可能性が高いので、口にするのは避けて、廃棄しましょう。特に、実が柔らかい場合は、低温障害や腐敗が進んでいる兆候である場合が多いです。
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