ハワイの太陽をたっぷり浴びて育ったパイナップル。その甘酸っぱい香りと味わいは、まさに楽園の象徴です。実は、パイナップルはハワイ原産ではないことをご存知でしたか?この記事では、ハワイとパイナップルの意外な歴史から、その魅力を深掘りします。ハワイ旅行をより一層楽しむための、パイナップル徹底ガイドをお届けします
ハワイにおけるパイナップルの概要
ハワイと言えば、甘酸っぱいパイナップルを連想する方も少なくないはずです。しかし意外なことに、パイナップルはもともとハワイ固有のフルーツではありません。ここでは、ハワイにおけるパイナップルの歴史的背景、人気の高い品種、日本へ持ち帰る際の注意点、そしてパイナップルをテーマにしたユニークな観光スポットまで、パイナップルの魅力を深掘りしていきます。
パイナップルとは:基本情報
パイナップル(学名:Ananas comosus、ハワイ語:Hala kahiki)は、南米ブラジルを原産とする多年生植物です。特徴的な外見は、硬いウロコ状の表面と、鮮やかな黄色で果汁たっぷりの甘美な果肉です。葉は密に重なり合い、硬質で、根元に水分や有機物を蓄えることで乾燥に耐えます。食用となる部分は、小苞、萼、花弁などが融合して多肉質になったもので、集合果と呼ばれる形態をとります。繁殖は挿し木で行われ、果実の上部にある葉(クラウン)や、株から生じる子株を切り取り、砂に挿すことで容易に新しい株を育てられます。
パイナップル栽培の特徴
パイナップルの栽培は、その性質上、機械化が難しく、多くの工程が手作業で行われます。専門的な知識、長い時間、そして根気強さが必要とされ、収穫には特に多くの人手を要します。作業員は、収穫時にパイナップルの葉に生えた鋭いトゲから身を守るため、高温多湿な環境下でも厚手の手袋と防護服を着用します。最初の収穫を迎えるまでには、およそ18〜20ヶ月の期間を要し、同じ株から次の収穫を得るには、さらに15ヶ月ほどの時間が必要です。収穫が終わると、農地のパイナップルはすべて抜き取られ、新たな栽培サイクルが開始されます。
ハワイにおけるパイナップルの旬と品種
ハワイは年間を通して温暖な気候に恵まれているため、パイナップルは一年を通じて収穫が可能です。中でも、気温が上昇する5月から9月にかけてが旬となり、パイナップルの糖度がピークを迎えます。ハワイ産のパイナップルは、日本で一般的に流通しているものよりも甘みが強く、ジューシーな点が特徴です。特に有名なのはドール社のパイナップルで、酸味が少なく、豊かな香りが際立つ「ドールスウィーティオ」や「カパルアゴールド」が人気を集めています。また、ハワイ島では、果肉が白い珍しいホワイトパイナップルが栽培されており、夏から秋にかけて地元のファーマーズマーケットなどで販売されます。ハワイで品種改良された「ハニークリーム」も人気が高く、酸味がほとんどなく、まるでクリームのように甘くまろやかな味わいが特徴です。以前は農園でのみ入手可能でしたが、近年ではドン・キホーテやワイキキのミツワ・マーケットなど、一般のスーパーマーケットでも購入できるようになりました。
ハワイ産パイナップルの歩み:プランテーションの盛衰
ハワイではパイナップルは「ハラ・カヒキ」と呼ばれています。「ハラ」はハワイ語でタコノキを指し、「カヒキ」は外国を意味します。つまり、「外国から来たタコノキ」という意味合いになります。これは、タコノキの実や香りがパイナップルと似ていることに由来すると言われています。ハワイにパイナップルが伝わったのは16世紀頃とも言われていますが、確実な記録としては1813年に遡ります。当初、パイナップルの葉は非常に丈夫で、吹き矢の矢として使用されるほどでした。また、鋭い棘があるため、人の手による栽培は困難で、耕作地の拡大は容易ではありませんでした。しかし、1886年にジャマイカから棘のない品種が導入されたことで、状況は大きく変わります。この品種改良がきっかけとなり、ハワイで大規模なプランテーションが発展しました。20世紀初頭には、ハワイのパイナップルは世界の生産量の8割を占めるまでに成長しました。1901年には、ジェームズ・ドールがハワイアン・パイナップル社(後のドール・フード・カンパニー)をオアフ島に設立し、その後ラナイ島全体を買い取ってパイナップルのプランテーションに変えました。初期のパイナップルは「カイルア」と呼ばれ、主にサンフランシスコに出荷されていました。パイナップル産業は、ハワイにおけるアメリカ文化の拡大と共に発展し、ハワイ共和国の成立やアメリカ合衆国への併合に大きな影響を与えました。現在、ラナイ島は東南アジア産の安価なパイナップルとの競争にさらされ、高級リゾート地として新たな道を歩んでいます。しかし、オアフ島にあるドール・プランテーションは観光名所として、依然として多くの人々を魅了しています。
まとめ
ハワイのパイナップルは、その長い歴史、独自の栽培方法、そしてバラエティ豊かな楽しみ方を通して、ハワイの文化と深く結びついています。パイナップルの知識を深めたり、ハワイ特有の品種を味わったり、ドールホイップの豊かな風味を堪能するなど、多角的な視点からハワイのパイナップルを心ゆくまで楽しんでください。
ハワイ産パイナップル、一番美味しい時期はいつ?
ハワイは一年を通して温暖な気候に恵まれているため、パイナップルは年間を通して収穫されています。特に5月から9月にかけてが旬とされ、この時期のパイナップルは糖度が最も高くなり、格別な美味しさを味わうことができます。
ハワイ産パイナップル、日本への持ち込みは可能?
原則として、持ち込みは認められています。しかし、日本到着時に空港にある植物検疫所での検査が必須となり、これに合格する必要があります。また、ハワイで発行された検査証明書を必ず添付してください。