エンドウ豆栽培を成功へ導く!肥料と追肥のタイミング・選び方を徹底解説

春の食卓を彩るエンドウ豆。プランターでも手軽に育てられることから、家庭菜園でも人気の野菜です。しかし、せっかく育てるなら、甘くて美味しいエンドウ豆をたくさん収穫したいですよね。そのためには、適切な肥料と追肥が欠かせません。この記事では、エンドウ豆栽培を成功させるための肥料選びと、効果的な追肥のタイミングを徹底解説します。初心者の方でも分かりやすく、具体的な方法をご紹介しますので、ぜひ参考にして、エンドウ豆栽培を成功させましょう!

エンドウマメの種類、旬、栄養価:知っておきたい基礎知識

エンドウマメは、日本で古くから親しまれてきたマメ科の野菜で、食卓を豊かに彩り、栄養も豊富です。ビタミンC、タンパク質、カロテンなどの栄養素をバランス良く含み、サラダ、炒め物、煮物など、さまざまな料理に使えるのが魅力です。家庭菜園で栽培する際には、品種選びから収穫時期の把握まで、基本的な知識を身につけておくことが大切です。

エンドウマメの主な種類と特徴

エンドウマメは大きく分けて、さやごと食べる「サヤエンドウ」、豆が大きくなってからさやごと食べる「スナップエンドウ」、さやの中の豆を食べる「実エンドウ」の3種類があります。基本的な育て方は共通していますが、実やさやの利用方法によって収穫時期が異なります。 「サヤエンドウ」は、若いさやを食べる種類で、薄くて柔らかいさやが特徴の「キヌサヤエンドウ」が代表的です。「スナップエンドウ」は、豆が大きく成熟した状態でさやごと食べ、シャキシャキとした食感が楽しめます。一方、「実エンドウ」は、さやが膨らんでから中の豆だけを食べる種類で、「グリーンピース」や、甘みが強く豆ご飯や煮物に適した「ウスイエンドウ」が代表的です。品種によって、さやの厚さ、実の甘さなどが異なり、食感や調理法も変わってくるため、ご自身の好みや栽培環境に合わせて選ぶと良いでしょう。

つるあり品種とつるなし品種:栽培場所と管理方法の選択

エンドウ豆は、生育特性から「つるあり種」と「つるなし種」の2種類に大きく分けられます。つるあり種は、成長するとつるが長く伸びるため、栽培にはネットや支柱などの誘引が必要です。広いスペースが必要になりますが、収穫期間が長く、たくさんの収穫が見込めます。一方、つるなし種は、丈が低くコンパクトにまとまるため、狭い庭やプランターでの栽培に適しています。管理も比較的容易なため、初心者の方や手軽に栽培を楽しみたい方におすすめです。栽培場所や管理の手間などを考慮して、ご自身に合った品種を選びましょう。

エンドウマメ(えんどう豆)の旬と栽培適期

エンドウ豆の旬は、品種や地域によって多少異なりますが、一般的には春から初夏にかけてです。この時期はエンドウ豆が最も生育旺盛で、風味豊かな実をつけます。エンドウ豆は高温に弱いため、夏になると生育が衰退し、枯れてしまうこともあります。そのため、旬の時期に合わせて栽培計画を立てることが大切です。秋に種をまき、冬を越させて春に収穫する栽培方法が一般的です。露地栽培で旬の時期に収穫したエンドウ豆は、格別な美味しさです。ご家庭で栽培する際は、適切な時期に種まきや管理を行い、最高の味を楽しみましょう。

エンドウマメ(えんどう豆)の栽培時期

エンドウ豆の栽培時期は、中間地を基準とすると以下のようになります。ただし、地域や品種によって時期は異なります。一般的には秋に種をまき、冬の間は小さい苗の状態で育て、春から初夏にかけて収穫します。近年は気候変動の影響で、従来の栽培時期が適さない場合もあります。状況に応じて、種まき時期を調整したり、品種を変えたりするなどの対策が必要です。エンドウ豆は特に暑さに弱いため、早すぎる種まきは避け、地域の種まき適期を守ることが大切です。

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エンドウマメ(えんどう豆)の基本的な育て方:種まきから冬越しまで

エンドウ豆は種から比較的簡単に育てられるため、家庭菜園初心者の方にもおすすめです。ご自宅で新鮮なエンドウ豆を収穫する喜びを体験するために、種まきから冬越し、日々の管理まで、基本的な育て方を分かりやすく解説します。

健康な株を育てるための土壌準備

えんどう豆を栽培するにあたり、最初に重要となるのが適切な土壌づくりです。えんどう豆は連作障害を起こしやすい植物であるため、過去に同じ種類の植物を育てた土の使用は避けることが大切です。畑に直接植える場合、えんどう豆は酸性の土を好まないため、植え付けの1〜2週間前に苦土石灰を混ぜて土壌のpHを調整することが非常に大切です。pH6.5〜7.0の弱酸性〜中性の土壌が適しており、この範囲に調整しましょう。また、えんどう豆は多湿と乾燥に弱いため、水はけと日当たりが良く、数年間マメ科植物を育てていない場所を選ぶのが理想的です。ふかふかの土にするため、堆肥や有機肥料を少量混ぜて耕すと、土壌の物理性が改善され、水はけや通気性が向上し、根が健康に育つ環境ができます。プランター栽培の場合、元肥として緩効性肥料が配合された培養土を使用すると便利です。元肥の量には注意が必要で、えんどう豆は初期の元肥を控えめにすることが重要です。秋に種をまいて越冬させる場合、元肥が多いと冬が来る前に株が大きく育ちすぎて、寒さへの抵抗力が低下し、霜や寒風の影響を受けやすくなるためです。さらに、マメ科植物の根には、空気中の窒素を固定する根粒菌が共生しており、自ら栄養分を作り出すことができます。そのため、特に窒素肥料は控えめにし、春に気温が上がり成長を始めたら追肥で補うようにします。肥料には、バランスの取れた配合肥料がおすすめです。また、排水性と通気性を確保し、根腐れを防ぐため、畑に植える場合は土を高く盛って畝を立てておくと良いでしょう。

発芽と間引きのコツ:種まきの時期と方法

えんどう豆の種まきは、一般的に10月下旬から11月が適期ですが、寒い地域では春にまくのが一般的です。えんどう豆の発芽に適した温度は15℃〜20℃で、この温度範囲で管理することで発芽率が高まります。種まきの時期が早すぎると、冬が来る前に株が大きく育ちすぎて寒さに弱くなり、冬を越すのが難しくなることがあるため注意が必要です。無理に早く種をまかずに、地域の種まき時期に従いましょう。種まきは、畑やプランターに直接まく方法と、育苗ポットで苗を育ててから植え替える方法があります。直接まく場合は、株間を30cmほど空けながらまき穴をあけ、1箇所に3粒~4粒を目安に種が重ならないようにまきます。種をまいた後は、土を2cmほどかぶせ、手で軽く押さえ、たっぷりと水を与えます。種まき直後は、鳥が豆や芽を食べてしまうことがあるので、本葉が出るまで不織布などで覆っておくと安心です。育苗ポットで育てる場合は、直径9cmのポットに種まき用の培養土を入れ、1つあたり3粒~4粒をまき、軽く土をかぶせて水やりをします。通常、1週間ほどで発芽が見られますので、本葉が1〜2枚ほどになったら、生育の良い苗を2本残して間引きましょう。苗を2本残して育てると、根がよく張り、実りが良くなるとも言われています。セルトレイを使用する場合は、96〜128穴に2粒ずつ種をまき、本葉2〜3枚の苗に育て、間引かずに2本立ちのまま植え付けます。

健全な成長を促す植え付けのタイミングと方法

えんどう豆の苗が本葉を3枚~4枚展開した頃が、植え付けに最適な時期です。この時期を過ぎて苗が大きくなりすぎると、植え付け後に根が十分に張りにくくなるため、適切なタイミングで植え付けることが大切です。植え付けを行う際は、根を傷つけないようにポットから優しく取り出すことが重要です。根が傷つくと、その後の生育に影響が出ることがあります。えんどう豆は多湿を嫌うため、特に畑に植える場合は水はけを良くするために土を高く盛って畝を作っておくと良いでしょう。畝を立てることで、雨水が溜まるのを防ぎ、根腐れのリスクを減らすことができます。また、株間を十分に確保することで風通しが良くなり、病害虫の発生を抑える効果も期待できます。

寒さに強い苗を育てる冬越し対策

秋に種まきや植え付けを行う場合、苗の冬越し対策はえんどう豆栽培の成否を左右する重要なポイントです。一部の品種を除き、えんどう豆は生育初期に一定期間の低温にさらされることで花芽が作られるため、基本的に屋外で冬越しさせます。ただし、えんどう豆は大きくなると寒さに弱くなるため、小さい苗の状態(草丈20cm以下)で冬越しさせるのがコツです。冬が来る前に本葉が2枚~3枚程度の大きさに育つように管理することで、寒さに強く、厳しい冬を乗り越えることができます。小さい苗で冬越しをさせると、冬の間に根が十分に張り、春先から地上部が元気に成長します。冬の寒さで根の張りが良くなることで、花芽もつきやすくなり、収穫量の増加につながります。苗が大きく育ちすぎている場合は、寒さによる被害を受けやすくなるため、念入りな防寒対策が必要です。具体的な防寒対策としては、トンネルを利用する方法が効果的です。トンネル支柱を立て、その上から不織布などの防寒資材をかぶせて、霜や冷たい風から苗を守ります。トンネルを設置する際は、風で飛ばされないようにしっかりと固定することが大切です。また、種まき直後からトンネルをかけておくことは、鳥による食害を防ぐことにも役立ちます。株元には、ビニールマルチなどを敷いて覆うことで、地温の急激な変化を和らげ、霜の被害を予防する効果が期待できます。農家の中には、支柱を立てて藁の束で苗を囲む方法で霜除けをしている人もいます。無事に冬を越した苗は、春になると大きく成長し始めます。成長が活発になるタイミングで追肥を行い、その後の生育をサポートしましょう。

実り豊かな収穫を迎えるための肥料管理

エンドウ豆栽培で重要なのは、適切な肥料を与えることです。これが収穫量を左右すると言っても過言ではありません。追肥は、生育段階に合わせて少量ずつ数回に分けて行うのが基本です。秋まきの場合は、越冬後の3月上旬、生育が始まるタイミングで最初の追肥をしましょう。畝の肩に沿って、ひとつかみ程度の肥料を撒くのがおすすめです。生育が旺盛になり、花が咲き始めたら2回目の追肥を行います。この時期に肥料を切らさないことが、実のつきを良くするポイントです。エンドウ豆は次々とサヤを収穫するため、窒素を多く必要とします。肥料が不足すると、葉の色が悪くなったり、収穫量が減ったりするため、注意が必要です。追肥のタイミングとしては、秋まきの場合、種まきから1ヶ月後、開花前の3月頃、そしてその1ヶ月後に行うのが目安です。収穫期間中は、月に1回程度追肥を続けることで、株の活力を維持し、長期間の収穫を可能にします。春まきの場合は、開花を確認後に最初の追肥を行い、収穫量が増える時期に2回目、さらに1ヶ月後に3回目を行います。秋まきと同様に、収穫が終わるまで月1回の追肥を心がけましょう。肥料を与える際は、株元から少し離れた場所に施し、土と軽く混ぜ合わせることで、根への負担を軽減し、肥料の吸収を助けます。

水やりは控えめに:過湿を避けるポイント

エンドウ豆は、過湿に弱い性質を持っています。根が水に浸かりすぎると、生育不良の原因となるため、水やりには注意が必要です。鉢植えの場合は、土の表面が乾いてから、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。受け皿に溜まった水は、根腐れの原因になるため、必ず捨ててください。地植えの場合は、基本的に雨水だけで十分です。ただし、乾燥が続く場合は、葉がしおれていないか、株全体が元気がないかを確認し、必要に応じて水を与えましょう。特に、開花期や実の肥大期は、水切れに注意が必要です。土の乾燥状態をこまめにチェックし、適切な水やりを心がけてください。収穫時期に乾燥が続くと、うどんこ病が発生しやすくなります。開花後、土が乾燥している場合は、株全体に水がかかるように水やりをすることで、うどんこ病の予防になります。また、適度な水やりは、実つきを良くする効果も期待できます。

エンドウ豆を育てる:収穫までの病害虫対策と管理

エンドウ豆は比較的育てやすい野菜ですが、豊かな収穫のためには、種まきから収穫までの管理が重要です。適切な手入れを行うことで、病害虫のリスクを減らし、健康なエンドウ豆を育てることができます。

生育を助ける:つるの誘引と支柱の役割

つるありのエンドウ豆を栽培する場合は、支柱立てが必須です。つるなし品種でも、支柱を立てることで株が安定し、風による倒伏を防ぎ、健全な生育を促すことができます。草丈が20cm~30cm程度に伸び、つるが伸び始めたら、支柱を立てて園芸用ネットなどを張ります。支柱は等間隔に立て、間に麻ひもやビニールテープなどを横方向に張ると、つるが自然に巻き付きやすくなります。市販の園芸用ネットは、つるが絡みやすく管理が楽なので、初心者の方におすすめです。

風で株が倒れないように、伸びてきたつるの巻きひげを早めにネットやひもに絡ませることが重要です。絡まりにくい場合は、ひもなどで軽く結んで誘引してあげましょう。つるが伸びてきたら、ネットやひもに沿って優しく誘引していきます。絡まって伸びているつるがあればほどいて、それぞれが真っすぐ上に伸びるように巻き付けてください。誘引を怠ると、つるが密集して日光が当たりにくくなり、株全体の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。誘引作業は、つるを折らないように丁寧に行いましょう。

整枝・誘引で実り豊かな収穫を

エンドウ豆は、主となるつるから分かれた子づる、さらにそこから伸びる孫づるへと、順に実がつきやすいという性質を持っています。この特性を最大限に活かし、たくさんの収穫を得るためには、適切な整枝と誘引が不可欠です。具体的には、主につると子づるを中心に生育させ、不要な枝、特に孫づるをこまめに取り除くことで、株全体の栄養が行き渡り、実のつきが向上します。畝の長さ1メートルあたり、20〜25本程度の枝数が理想的です。また、気温が上昇する4月以降は、良質なサヤがつきにくくなるため、この時期に伸びてきた余分なつるも整理することが望ましいです。誘引の際は、日光と風通しを確保するため、つるの伸びる方向を調整し、均等な間隔で配置することが大切です。成長して背丈が高くなってきたら、ビニールテープなどを横方向に張り、つるが広がりすぎたり、密集して茂りすぎたりしないように、緩やかに囲んで誘導します。これにより、株全体にまんべんなく光が当たり、病害虫のリスクを軽減しながら、豊かな実りをもたらす株へと育成できます。

エンドウ豆の病害対策:うどんこ病の予防と対策

エンドウ豆の栽培で注意すべき病害の一つに、「うどんこ病」があります。これは、風通しが悪かったり、土壌の水はけが悪い環境で発生しやすくなります。予防の基本は、株全体にしっかりと日光と風が当たるように、つるが密集しないよう適度に手入れをすることです。株間を十分に確保し、密集した状態を避けることも、予防に効果的です。もしうどんこ病が発生しているのを見つけたら、速やかに登録されている適切な殺菌剤を散布して対処しましょう。早期発見と早期対応が、被害の拡大を防ぐための重要なポイントです。また、予防策として、エンドウ豆を植える場所は、日当たりと風通しが良く、水はけの良い場所を選ぶことが非常に重要です。栽培環境を整えることで、病気のリスクを大幅に減らし、健康なエンドウ豆を育てることが可能になります。

種類別エンドウ豆の収穫時期と最適な保存方法

エンドウ豆の収穫時期は、一般的に春から夏にかけてですが、品種によって最適な時期が異なりますので、事前に確認しておくことが大切です。開花後には小さな実がつき、収穫期には次々と実がなります。品種に応じた適切なタイミングを逃さないようにしましょう。例えば、「サヤエンドウ」は、サヤがまだ若く柔らかく、長さが6〜7cm程度になったら収穫に適した時期です。サヤを通して豆が透けて見えるくらいがベストで、他の種類よりも収穫時期が早くなります(開花から約12〜15日後)。「スナップエンドウ」は、サヤがふっくらと太り、鮮やかな緑色になった頃が収穫の目安です(開花から約20〜25日後)。サヤと豆がみずみずしい状態のときに収穫しましょう。一方、「実エンドウ」は、中の豆が十分に大きくなり、サヤの表面の光沢が薄れて少しシワが見え始めた頃が収穫に適しています(開花から約1ヶ月後)。この時期まで待つことで、豆の甘みと風味が最大限に引き出されます。収穫が遅れるとサヤも豆も硬くなり、食感や風味が損なわれるため、注意が必要です。

収穫する際には、清潔で切れ味の良いハサミを用意し、サヤがついている茎の根元を丁寧にカットするか、サヤを軽くつまんで軸の付け根から優しく摘み取ります。早めの収穫を心がけることで、株の負担を減らし、次々と新しいサヤが育つため、収穫期間を長く楽しむことができます。収穫したエンドウ豆は、すぐに食べない場合は乾燥を防ぐためにポリ袋などに入れ、冷蔵庫で保存し、できるだけ早く調理して新鮮なうちに味わいましょう。一度にたくさん収穫して食べきれない場合は、少し硬めに茹でてから冷まし、水気をしっかりと切って密閉できる袋や容器に入れて冷蔵または冷凍保存するのがおすすめです。こうすることで、エンドウ豆の風味やみずみずしさを長く保つことができます。

連作障害を避ける栽培計画

同じ種類の野菜を同じ場所で繰り返し栽培すると、土壌中の栄養バランスが崩れ、病気にかかりやすくなったり、生育が悪くなったりする「連作障害」が発生することがあります。エンドウ豆は特に連作障害を起こしやすいマメ科の野菜として知られています。連作障害による生育不良は、土壌中の特定の栄養素の不足や病原菌の増加に加えて、野菜の根から分泌される「生育阻害物質」によって引き起こされることもあります。エンドウ豆はこの生育阻害物質を放出することが知られており、これらの物質は収穫後も長期間土壌に残り、エンドウ豆自身の生育を阻害する原因となります。そのため、エンドウ豆を同じ場所で栽培する場合は、次に植え付けるまでに4〜5年以上の間隔を空けることが非常に重要です。この期間中に、異なる科の野菜を栽培することで土壌のバランスを整え、連作障害のリスクを軽減することができます。

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まとめ

家庭菜園でエンドウマメを育てるのは、初心者からベテランまで楽しめる選択肢です。一度植えれば長い期間収穫でき、一つの株からたくさんの実が採れるため、栽培の喜びを感じられます。品種は、つるが伸びるタイプと、丈が低いタイプがありますが、特に家庭菜園を始めたばかりの方や、庭のスペースに限りがある場合は、丈が低い品種から始めると管理が楽でおすすめです。秋に種をまいたり苗を植えたりする場合は、冬を越すための対策をしっかり行うことが、春にたくさんの収穫を得るための重要なポイントです。ご紹介した土づくり、種まき、植え付け、冬越し、肥料、水やり、病害虫対策、そして収穫のコツを参考に、自宅の庭やベランダでエンドウマメの栽培に挑戦し、新鮮で美味しいエンドウマメを味わってみてください。

エンドウマメの種類はどのように選べば良いですか?

エンドウマメは、さやごと食べるもの(例:キヌサヤ)、豆が大きくなってからさやごと食べるもの(例:スナップエンドウ)、実だけを食べるもの(例:グリーンピース)に大きく分けられます。さらに、つるが伸びるタイプと伸びないタイプがあります。狭い場所や初心者には、管理がしやすく丈が低い、つるなしのサヤエンドウやスナップエンドウがおすすめです。料理に合わせて、さやの食感や豆の甘さなど、品種ごとの特徴を考慮して選びましょう。

エンドウマメの種まきはいつ行うのが最適ですか?

エンドウマメの種まきは、一般的に10月下旬から11月頃が良いとされています。発芽に適した温度は15℃~20℃で、冬が来る前に本葉が2~3枚程度に育つのが理想です。早すぎると冬越しが難しく、遅すぎると十分に育たないことがあります。寒い地域では、春に種をまく方が適している場合もあるので、お住まいの地域の気候に合わせて時期を調整してください。

エンドウマメの苗の冬越しにはどんな対策が必要ですか?

エンドウマメは屋外で冬を越すことになりますが、霜や冷たい風から苗を守るための対策が大切です。本葉が2〜3枚の頃、特に高さが20cm以下の小さい苗の状態が最も寒さに強いとされています。防寒対策としては、支柱を使ってトンネルを作り、寒冷紗や不織布で覆って保温する方法が効果的です。また、苗の根元をビニール製のシートや藁で覆うことで、霜による被害や地温の急な変化を防ぐことができます。農家では、あらかじめ支柱を立てておき、吊るした藁の束で苗を囲むことで霜を防ぐ方法もあります。風で飛ばされないように、覆うものはしっかりと固定しましょう。

エンドウマメの栽培で気を付けるべき病気はありますか?

エンドウマメ栽培において、特に注意が必要な病害は「うどんこ病」です。これは、風通しの悪い環境や、開花後の乾燥状態が続くと発生しやすくなります。予防策としては、株間を広く取り、風通しを良くすることが大切です。また、日当たりが良く、水はけの良い場所を選んで植え付けを行い、開花時期以降は土の乾燥具合を見て、適宜水やりを行うことも有効です。もし、うどんこ病が発生してしまった場合は、登録農薬である適切な殺菌剤を速やかに散布し、対処してください。

エンドウマメの収穫適期と、収穫後の保存方法を教えてください。

エンドウマメの収穫時期は、春から夏にかけてですが、品種によって最適な時期が異なります。サヤエンドウは、さやが柔らかく、中の豆がうっすらと透けて見える頃(開花後およそ12~15日)が収穫適期です。実エンドウは、実が十分に膨らみ、さやの表面の光沢がなくなった頃(開花後およそ1か月)が目安です。スナップエンドウは、実とさやが大きく成長し、さやが丸みを帯びて、鮮やかな緑色になった頃(開花後およそ20~25日)に収穫しましょう。収穫する際は、清潔なハサミで茎の根元をカットするか、軸の付け根から手で摘み取ります。すぐに食べない場合は、乾燥を防ぐためポリ袋に入れて冷蔵庫で保存し、できるだけ早く使い切りましょう。大量に収穫した場合は、少し硬めに茹でてから水気を切り、密閉できる保存袋などに入れて冷蔵、または冷凍保存することで、鮮度を保ち、長期間楽しむことができます。

スナップエンドウとスナックエンドウは同じものですか?

はい、基本的に「スナップエンドウ」と「スナックエンドウ」は同じ種類の豆を指します。スナップエンドウが正式な名称で、あの独特の食感に由来しています。「スナックエンドウ」は、特定の種苗会社(サカタのタネ)が販売している商品名として知られていますが、一般的に市場に出回っているスナップエンドウと同じものです。

豆苗はエンドウ豆からできているのですか?

はい、豆苗はエンドウ豆の若芽(スプラウト)であり、エンドウ豆を発芽させて、若いツル、葉、茎を食用とするものです。通常、水耕栽培で育てられ、繰り返し収穫できることで知られています。家庭で豆苗を栽培する場合は、食用としてすぐに食べることを目的としているため、必ず種子消毒されていない、豆苗専用の種子を使用するようにしてください。

エンドウ豆の葉や茎に白い筋状の模様が現れた場合の原因

エンドウ豆の葉や茎に白い線のような模様が見られる場合、それはハモグリバエの幼虫による食害であると考えられます。この幼虫は、葉の内部に侵入し、葉肉を食べるため、その痕跡が白い筋状の模様として現れます。見た目の悪化だけでなく、植物の光合成を阻害し、成長に悪影響を与える可能性があります。被害が小さいうちに除去するか、適切な対策を講じることが重要です。

えんどう豆