パネトーネの種とは?基本と魅力を解説

イタリアと聞くと、美しい風景や伝統的な料理が思い浮かびますが、その中でも特に魅惑的なのが「パネトーネ」でしょう。このふわふわのケーキは、クリスマスの時期になるとイタリア中で愛される存在です。その秘密の1つが、独特の発酵種にあります。この記事では、イタリアンベーカリーの本場に足を踏み入れ、その魅惑的なパネトーネ種の秘密を解き明かします。イタリアの豊かな食文化を探る旅に出かけましょう。

パネトーネ種について

パネトーネ種は、酵母Kazachstania exiguaと乳酸菌Lactobacillus sanfranciscensisを含む複数の微生物が共生し、それぞれの特性を発揮してパンの発酵と熟成を促進するユニークな微生物群です(特許第4134284号、特許微生物受託番号FERM P-16896)。従来から、Lactobacillus sanfranciscensisを用いたパンの改良が広く行われています。パネトーネ種の特異な特徴は、タンパク質をアミノ酸に分解する強力な酵素や、グルテン膜を滑らかにし、パン生地の伸びを改善する酵素が働く点にあり、これにより単独の菌では得られない効果を生み出しています。

パネトーネ種の乳酸菌とは

パネトーネ種は、イタリア北部で100年以上の歴史を持つ伝統的なパン生地の種です。この種には特有の酵母が含まれるだけでなく、1gの生地に対して1億個以上の乳酸菌が存在します。この乳酸菌は非常に珍しく、パネトーネ種からしか発見されていません。これらの乳酸菌は、小麦粉に含まれる麦芽糖を栄養源にして繁殖し、パネトーネ種の酵母とともに良好な共生関係を築いています。

パネトーネ種のメリットとは

パネトーネ種を使用することで、発酵熟成の過程で旨味を引き出す酵母(サッカロマイセス・エクスギュース)と、焼成中に風味を保つ複数の乳酸菌(ラクトバチルス・サンフランシスコなど)が協力して働きます。この組み合わせにより、パンの発酵や焼成が改善され、特徴的で美味しい、伸びのあるパンを作ることが可能になります。

パネトーネ