モンブラン発祥

モンブランは、その名前から想像されるようにイタリアのモンブラン山から発祥した高級デザートです。しかし、その起源については長年議論が続いており、さまざまな説があります。この記事では、モンブランの歴史的背景と、その魅力的な味わいが生まれた理由について探っていきましょう。

モンブランの発祥は?由来や歴史を詳しく!

モンブランと呼ばれるお菓子は、その名の由来やデザインの由来が興味深いものです。 このデザートの名前は、ヨーロッパ有数の山脈であるアルプス山脈の最高峰「モンブラン」から来ています。モンブランとは、フランス語で「白い山」を意味する言葉です。標高約4,810mのこの山は、一年の大半で山頂が雪に覆われているため、そう呼ばれるようになったのです。 デザートのデザインも、この雄大なモンブラン山を模したものだと言われています。18世紀後半、モンブラン山の麓にあるフランス南東部の都市グルノーブルで生まれた、このデザートは、当初は単なるクリームとメレンゲだけの簡素なものでした。しかし、19世紀に入ると洗練されていき、渦を巻くように盛り付けられた生クリームの上に粉砂糖をまぶした、山を思わせる形となりました。さらに、クリームの下に焼き菓子の生地が加えられ、現在の形が完成していったのです。 このように、モンブランは、その名前とデザインの両方で、雄大なアルプスの景観を感じさせてくれる菓子なのです。グルノーブルの名物として親しまれながらも、現代では個性的なアレンジが加えられた新しい形のモンブランも登場し、進化を続けています。

モンブラン発祥の地はフランス?イタリア?

モンブランの発祥地をめぐっては、長らくフランスとイタリアの両国が主張を続けてきました。栗のペーストと生クリームを使った家庭菓子が、地元の雪をかぶったモンブラン山をイメージして生まれたと考えられています。 フランス側は、1806年にナポレオンの戴冠式でコンディトールが創案したと伝えられる一方、イタリア側はトリノのカフェで生まれた伝統的なデザートがルーツだと主張します。どちらが正しいかは定かではありませんが、お菓子作りの歴史ある両国ならではの文化的プライドの現れとも言えるでしょう。 基本的な材料は似ているものの、フランス式は丸みを帯びた形状、イタリア式は高さのある二等辺三角形と、形状は異なります。ほぼ同時期に浸透したことから、どちらが先かを言及するのは野暮かもしれません。ただし、高さがある方が食べる面積は多くなります。 一方、イタリアのモンブランは白い色合いが特徴的です。この理由については、「世界のモンブランの秘密」で解説しているので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。いずれにしろ、モンブランの魅力は変わりません。ナッツの香ばしさと滑らかな生クリーム、チョコレートの濃厚な味わいが絶妙に調和した、世界中から愛されるデザートです。

日本でのモンブラン発祥の地は?黄色と茶色のモンブランが浸透した歴史

モンブランは長い歴史を経て、日本独自の進化を遂げた洋菓子です。1923年にモナコのモンテカルロを参考に作られたこのデザートは、当初は白い色で栗の渋皮煮やマロングラッセ、生クリームで作られていました。しかし、1970年代に卵黄入りの黄色い生地が広まり、東京の老舗店「ヴィタメール」が先駆けとなりました。さらに、板チョコレートをくずした茶色いモンブランも登場し、様々な色合いのバリエーションが生まれました。 日本に最初にモンブランが伝わったのは1933年で、東京の自由が丘にあった「MONT-BLANC」の創業者、迫田千万億氏が甘露煮を使った黄色いマロンクリームをスポンジに乗せたスタイルで販売しました。フランス流のマロングラッセを使った茶色いモンブランは1984年に「アンジェリーナ」が日本に進出したことで普及しました。このように、日本人の味覚に合わせてアレンジを重ね、黄色と茶色の2つのスタイルが定着しました。モンブランの進化は、和と洋が融合した日本の食文化の多様性を体現しています。

モンブランの発祥や由来、歴史を知って美味しく楽しもう

モンブランは、アルプス山脈の最高峰を思わせる名前と風貴な姿から、優雅な味わいと気品ある佇まいが人々を魅了し続ける至高のお菓子です。その起源には、地元民の創意工夫が息づいていました。 フランス人シェフによるとされる伝説的な創作説に対し、実際にはイタリア人シェフが19世紀半ばにトリノで考案したのがモンブランの始まりだと言われています。トリノは高級食材の宝庫であり、砂糖漬けの栗を使ってシェフが栗のペーストを丸め、メレンゲとホイップクリームで覆った斬新なデザートが誕生しました。その姿がモンブランの山を思わせたことから名付けられたのです。 一方でフランスでも同様の素材を使ったお菓子が作られ、イタリアとは異なる形状からモンブランの呼称が生まれました。日本へは、欧州から刺激を受けた自由が丘の老舗洋菓子店が広めた経緯があります。当初は黄色い和風モンブランが主流でしたが、やがて茶色い本場仕様も浸透し、2つのタイプを味わえるようになりました。歴史と文化を重ねた今日、モンブランは日本の代表的な洋菓子として愛されています。

まとめ

モンブランは、様々な地域で生まれたと言われていますが、その独特の風味と滑らかな食感は、高級食材を巧みに組み合わせた職人技によるものです。シンプルながらも繊細な味わいは、モンブランが持つ魅力の一つであり、その起源を探る過程で、職人の技と素材の素晴らしさが浮き彫りになりました。

モンブラン