玉ねぎの独特な食感と、料理に奥深さを加える甘みは、多くの人に好まれています。しかし、あの刺激的な辛味が苦手で、生で食べるのをためらう方もいるかもしれません。玉ねぎの辛さの元は「アリシン」という成分で、これは健康に良い影響をもたらすと言われています。アリシンは、独特の香りの原因であり、舌に残る刺激、そして玉ねぎを切る際に目にしみることがあります。しかし、抗菌作用、疲労回復、コレステロールや中性脂肪の調整、血糖値のコントロール、そして代謝アップなど、健康をサポートする効果も期待されています。特に、ビタミンB1の吸収を高める働きがあり、疲労回復や糖質のエネルギー変換を助けるビタミンB1を効率的に摂取するために、豚肉や大豆製品、うなぎ、鮭など、ビタミンB1が豊富な食品と一緒に玉ねぎを食べるのがおすすめです。この記事では、玉ねぎの辛味成分であるアリシンについて詳しく解説し、その栄養を最大限に活かしながら、辛味を効果的に取り除く方法を、玉ねぎ農家の視点も交えてご紹介します。水にさらす、加熱する、電子レンジを使う、塩もみするなど、具体的なテクニックから、生食に適した玉ねぎの選び方、そして辛味抜きを活かした美味しいレシピまで、玉ねぎをより美味しく、健康的に楽しむためのヒントをお届けします。辛さの程度や求める食感、栄養素の保持など、あなたの目的に合わせて最適な辛味抜き方法を選び、毎日の玉ねぎ料理をさらに豊かなものにしましょう。
玉ねぎの辛さの秘密「アリシン」とは?栄養と健康への効果
玉ねぎを切った時に涙が出たり、独特の刺激臭がするのは、「アリシン」という成分のせいです。このアリシンこそが、玉ねぎの辛さと刺激の源であり、同時に健康効果をもたらす重要な成分なのです。アリシンは、生の玉ねぎの細胞が壊れることで作られます。玉ねぎの細胞にあるアリインという物質が、アリイナーゼという酵素と反応してアリシンに変わるのです。この反応は、玉ねぎが外からの攻撃から身を守るための防御機能の一部と考えられています。アリシンは揮発性で、空気中に広がりやすい性質があります。そのため、玉ねぎを切るとすぐに目に刺激を与えて涙が出ます。また、水に溶けやすく、加熱すると分解されやすいという特徴も持っています。これらの性質を理解することで、玉ねぎの辛味を効果的に抜き、栄養を無駄なく摂取する方法を見つけることができます。
アリシンがもたらす嬉しい健康効果
辛味成分として避けられがちなアリシンですが、実は私たちの体に良い影響を与える成分として注目されています。まず、アリシンには強力な「抗菌作用」があります。食中毒の原因となる菌の繁殖を抑えたり、体内の有害な微生物に働きかけたりすることで、消化器官の健康をサポートします。昔から玉ねぎが民間療法に使われてきたのは、この抗菌作用があったからでしょう。次に、アリシンは「疲労回復を助ける」と言われています。特に、ビタミンB1の吸収を助ける効果が重要です。ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変えるために必要な栄養素で、不足すると疲れやすくなります。アリシンは、ビタミンB1と結合して「アリチアミン」という物質を作り、ビタミンB1が体内で分解されるのを防ぎ、効率よく利用されるように促します。これにより、エネルギーを作り出しやすくなり、疲労回復を促進すると考えられています。豚肉や大豆製品、うなぎ、鮭などビタミンB1が豊富な食材と玉ねぎを一緒に食べるのは、理にかなった栄養補給の方法と言えるでしょう。
さらに、アリシンには「コレステロール値や中性脂肪値を正常に保つ」効果も期待されています。脂質代謝に関わり、悪玉コレステロール(LDL)の酸化を抑えたり、肝臓でのコレステロール合成を調整したりすることで、動脈硬化のリスクを減らす可能性があります。これにより、生活習慣病の予防にもつながると考えられます。また、「血糖値の上昇を抑える」働きも期待されています。アリシンがインスリンの分泌を促したり、糖の吸収を穏やかにしたりする可能性が研究されており、糖尿病の予防や改善に役立つかもしれません。加えて、アリシンは「代謝を高める」効果もあると言われています。体内のエネルギー代謝を活発にすることで、脂肪燃焼を促進したり、体温を維持したりするなど、健康的な体の維持をサポートすると考えられます。このように、アリシンは単なる辛味成分としてだけでなく、私たちの健康を様々な面から支える価値のある栄養素です。玉ねぎに健康効果を期待するなら、辛味を完全に取り除くのではなく、適度にアリシンを残すような辛味抜き方法を選ぶのが良いでしょう。
辛味と栄養のバランス:アリシンを効果的に摂取するポイント
玉ねぎの辛味成分であるアリシンは、健康に良い効果をもたらしますが、調理方法によって摂取できる量が変化します。アリシンの「水に溶けやすい」「加熱すると分解される」「気化しやすい」という性質を理解することが、栄養を効率よく摂取するためのポイントです。例えば、玉ねぎのスライスを水にさらすと辛味が抜けますが、同時に水溶性のアリシンやビタミンB1などの栄養素も水に溶け出してしまいます。そのため、辛味を完全に抜きたい場合や、食感を優先したい場合以外は、水にさらす時間を短くしたり、別の方法で辛味を抜くことを検討しましょう。また、長時間加熱するとアリシンは分解され、甘みに変わります。炒めたり煮込んだりして玉ねぎが甘くなるのはこのためです。栄養素をなるべく多く残しつつ辛味を抜きたい場合は、加熱時間を短くしたり、油でコーティングしてアリシンの分解を抑えたりする工夫が有効です。油はアリシンを包み込み、分解から守る働きがあるため、炒め物や揚げ物は辛味を抜きながらアリシンを摂取するのに適しています。このように、アリシンの性質と調理方法の関係を理解することで、辛味をうまくコントロールし、玉ねぎの栄養価を最大限に引き出すことができるようになります。
【目的別】栄養を逃がさず玉ねぎの辛味を抜く具体的な方法
玉ねぎの辛味を和らげるテクニックは様々で、それぞれに長所と短所が存在します。最適な方法を選ぶには、作りたい料理、理想の食感、そして保持したい栄養素を考慮する必要があります。ここでは、毎日の料理に役立つ、実用的な辛味抜きテクニックを6つご紹介します。各方法がアリシンのどのような特性を利用しているか、どのような料理に適しているか、栄養への影響はどうかを詳しく解説しますので、目的に合わせて最適な方法を選びましょう。玉ねぎ農家の娘であり管理栄養士でもある筆者も、普段からオニオンスライスには水にさらす方法、味噌汁や鍋物にはしっかり加熱する方法など、料理によって使い分けています。栄養を優先したい場合は、水を使わない「気化」や「レンジ加熱」がおすすめです。
「加熱」で辛味を和らげる方法
生の玉ねぎの辛さが苦手な方にとって、最もポピュラーで確実な辛味抜き方法の一つが「加熱」です。アリシンは熱に弱い性質を持つため、しっかりと加熱することで分解が進み、辛味成分が大幅に軽減されます。その結果、玉ねぎ本来の甘みが際立ち、口当たりが穏やかになります。特に、油と一緒に加熱する「炒める」や「揚げる」といった調理法は非常に効果的です。油が玉ねぎをコーティングすることで、アリシンが熱によって分解される速度が緩やかになり、辛味が抜け甘みが増す一方で、アリシンを比較的多く体内に取り込むことができます。これは、油がアリシンを包み込み、熱からの直接的な影響を和らげるためと考えられています。例えば、玉ねぎを飴色になるまでじっくり炒めれば、辛味はほぼ消え、凝縮された深い甘みが堪能できます。オニオングラタンスープやカレー、ハヤシライスなどの煮込み料理、フライドオニオンのような揚げ物にもこの原理が活かされます。加熱による辛味抜きは、玉ねぎの食感も柔らかく変化させるため、とろけるような口当たりを求める料理に最適です。ただし、アリシンの一部は加熱によって失われるため、生食に比べて摂取できる量は減る可能性がありますが、辛味を気にせず美味しく玉ねぎを味わうための非常に有効な手段と言えるでしょう。
「流水」で辛味を洗い流す方法
オニオンスライスなど、生の玉ねぎのシャキシャキとした食感とさっぱりとした風味を楽しみたい時に広く用いられるのが「流水で洗い流す」方法です。この方法は、アリシンが水に溶けやすい性質を利用しています。玉ねぎを薄くスライスし、流水にさらすことで、辛味成分であるアリシンが水中に溶け出し、辛味が軽減されます。さらに、流水にさらすことで玉ねぎの表面のぬめりも洗い流され、よりシャキシャキとした心地よい食感を堪能できます。辛さの好みに合わせて水にさらす時間を調整することが可能です。例えば、少し辛味が残っている方が好きな方は、流水でさっと洗って水気を切るだけでも十分でしょう。一方、しっかり辛味を抜きたい場合は、一度洗って水気を切った後、水を張ったボウルに玉ねぎを入れ、5~10分ほど水を静かに流し続けると効果的です。この際、玉ねぎが水に完全に浸っていることを確認し、時々水を軽く混ぜると、より効率的に辛味成分が洗い流されます。水にさらした後、キッチンペーパーなどで玉ねぎの水分をしっかり拭き取ることが大切です。水分が残っていると、水っぽくなり、ドレッシングや調味料の味が薄まるだけでなく、食感も悪くなってしまいます。しかし、この流水による辛味抜きには注意点があります。アリシンだけでなく、水溶性のビタミンB群やビタミンC、カリウムなどの水溶性栄養素も水に溶け出してしまうため、玉ねぎの栄養を最大限に摂取したい場合には、この方法は避けるべきです。サラダや薬味として風味や食感を楽しむだけであれば問題ありませんが、栄養価を重視する場合は、他の辛味抜き方法を検討しましょう。
「気化」させて辛味を適度に抜く方法
玉ねぎの栄養をなるべく損なわずに辛味を和らげたい場合に特におすすめなのが、「気化」させる方法です。この方法は、アリシンが空気中に揮発しやすい性質を最大限に活用します。玉ねぎを薄切りやみじん切りにした後、重ならないように皿などに広げます。そして、ラップなどをせずに常温に置くか、冷蔵庫に入れます。この状態で10分から30分程度置くことで、玉ねぎからアリシンが徐々に空気中に揮発し、辛味成分がほどよく抜けて食べやすくなります。この方法の最大のメリットは、アリシンが空気中に逃げるため、水溶性の栄養素が水に溶け出して失われる心配がないことです。これにより、アリシンを適度に残しつつ、ビタミンB群やビタミンC、カリウムなどの水溶性栄養素も無駄なく摂取できます。辛味が完全に消えるわけではありませんが、生で食べられる程度に辛味が和らぎ、玉ねぎ本来の風味や食感を保つことができます。やや時間がかかる点が難点ですが、事前に準備しておけば問題ありません。特に、栄養価を重視するサラダや和え物、サンドイッチの具材などに生の玉ねぎを使いたい場合に最適な辛味抜き方法と言えるでしょう。冷蔵庫で冷やすことで、玉ねぎが引き締まり、よりシャキシャキとした食感が楽しめるという嬉しい効果もあります。
「時短テク」電子レンジで辛味を和らげる
時間をかけずに玉ねぎの刺激を抑えたいなら、電子レンジの活用がおすすめです。加熱によって玉ねぎの辛味成分であるアリシンが分解され、刺激が軽減されます。水にさらす方法とは異なり、栄養素が流れ出る心配も少ないのが利点です。手順としては、薄切りまたはみじん切りにした玉ねぎ(1/2個程度)を耐熱容器に入れ、ラップをせずに500Wの電子レンジで約1分加熱します。ラップをしないことで、加熱中に発生する水分とともにアリシンが蒸発しやすくなります。加熱後、粗熱を取り冷蔵庫で冷やすと、さらに辛味が落ち着きます。電子レンジ加熱は手軽さが魅力ですが、加熱しすぎには注意が必要です。加熱しすぎると、玉ねぎが柔らかくなりすぎて、シャキシャキとした食感が損なわれることがあります。生の玉ねぎの食感を活かしたいサラダなどには不向きかもしれません。和え物やマリネ、炒め物など、玉ねぎの食感が多少変化しても問題ない料理に向いています。加熱時間は、電子レンジの機種や玉ねぎの量によって調整してください。短時間で加熱することで、食感を保ちながら辛味を効果的に和らげることができます。
「ほのかな熱」料理の余熱で辛味を抑える
玉ねぎを生で食べたいけれど、強い辛味は避けたい。でも、加熱しすぎると食感や風味が物足りない。そんな悩みを解決するのが、料理の余熱を利用する方法です。この方法は、玉ねぎの風味を損なわずに、程よく辛味を抑えたい場合に最適です。例えば、薄切りやみじん切りにした玉ねぎを、温かい味噌汁やスープ、ラーメンやうどんなどの麺類にトッピングとして加えます。また、チャーハンの仕上げに混ぜ込むのもおすすめです。料理の余熱が玉ねぎにじんわりと伝わり、アリシンが穏やかに分解されます。完全に加熱するよりも、シャキシャキとした食感を残しつつ、刺激を和らげることができます。熱々のお味噌汁にスライスした新玉ねぎを乗せると、玉ねぎの甘みと香りが引き立ちます。インスタントラーメンに生の玉ねぎをトッピングするのも手軽でおすすめです。この方法は、玉ねぎを主役として使うのではなく、料理全体の風味を引き立てる名脇役として活用したい場合に適しています。短時間の加熱で辛味を和らげるため、アリシンが完全に失われるわけではなく、玉ねぎの栄養も摂取できるというメリットもあります。
「揉みこみ」塩もみで辛味を絞り出す
マリネや南蛮漬け、和え物など、しっかり味付けされた料理に玉ねぎを使う際に役立つのが、「塩もみ」という方法です。塩の浸透圧を利用して、玉ねぎから水分と辛味成分であるアリシンを抜き出すのが目的です。まず、玉ねぎを1~2mm程度の薄さにスライスします。スライスした玉ねぎ(1/2個程度)に、塩小さじ1/3程度を加え、手で優しく揉み込みます。塩を揉み込むことで、玉ねぎの細胞から水分が引き出され、その水分と一緒に辛味成分も排出されます。10分ほど置いておくと、玉ねぎから水分が出てきます。この水分をしっかりと絞り切ることで、辛味が抑えられた玉ねぎになります。絞った後、さらに辛味と塩分を抜きたい場合は、水で軽く洗い流し、再度水分を絞ると良いでしょう。ただし、塩もみは水にさらすのと同じように、栄養素が流れ出てしまう可能性があります。栄養素を重視する場合は、電子レンジや加熱など、他の方法を検討しましょう。しかし、味の濃い料理に玉ねぎを加えたい場合や、玉ねぎの水分を抜いてシャキシャキ感を強調したい場合には、塩もみは非常に効果的です。料理の風味や食感を向上させるのに役立ちます。
《裏ワザ》調味料で辛味をごまかすテクニック
これまで紹介した方法は、玉ねぎの辛味成分を直接取り除く方法でしたが、「酢」や「油」を使うことで、辛味を和らげる効果が期待できます。これらの調味料は、辛味を直接抜くわけではありませんが、味覚を変化させ、玉ねぎの辛味を感じにくくする効果があります。例えば、酢の物やマリネのように、玉ねぎを酢に漬け込むと、酢の成分が玉ねぎに浸透し、辛味成分の刺激を和らげます。酸味と辛味が組み合わさることで、辛味がアクセントとなり、玉ねぎの旨味が引き立つこともあります。マリネ液に玉ねぎを漬け込む前に、軽く塩もみをすると、さらに効果的です。また、油を使ったドレッシングや和え物も同様の効果が期待できます。オリーブオイルをベースにしたドレッシングをサラダにかけると、油が玉ねぎの表面をコーティングし、辛味成分が舌に直接触れるのを防ぎます。油にはアリシンを分解から守る働きもあるため、辛味を抑えながらアリシンを摂取できるというメリットもあります。玉ねぎの辛味が苦手な方は、これらの方法を試してみて、より美味しく玉ねぎを楽しみましょう。酸味や油分は、辛味を和らげるだけでなく、料理全体の風味を豊かにし、食欲を増進させる効果もあります。
辛味が少なく生食に最適な玉ねぎの種類と選び方

玉ねぎは種類が豊富で、収穫時期や品種によって辛さ、食感、適した調理法が大きく変わります。特に、生の玉ねぎを美味しく味わいたい場合は、辛味が穏やかな品種を選ぶことが大切です。一般的な玉ねぎは辛味が強いため、生食にはあまり向きませんが、中には水にさらす手間なく食べられる品種も存在します。これらの違いを知っておくと、玉ねぎを使った料理のレパートリーが広がります。
新玉ねぎと乾燥玉ねぎ:季節が辛味に与える影響
玉ねぎの辛味の程度は、水分含有量と深く関係しています。春先に出回る「新玉ねぎ」は、収穫後すぐに出荷されるため水分が多く、辛味成分であるアリシンが少ないのが特徴です。そのため、水にさらさなくても生で美味しく食べられることが多く、サラダやサンドイッチなど、生の食感を活かしたい料理に最適です。一方、年間を通して手に入る「乾燥玉ねぎ」(貯蔵玉ねぎ)は、収穫後に乾燥・貯蔵されることで水分が抜け、保存性が向上しています。この過程でアリシンが凝縮され、辛味が強くなります。したがって、乾燥玉ねぎを生食する場合は、辛味を和らげる処理が必要になります。新玉ねぎは「生」で味わうのが一番美味しく、それ以外の玉ねぎは辛味抜きや加熱調理で美味しさが引き立つと言えるでしょう。
生食にぴったりな、辛味控えめの玉ねぎ品種
市場には、生で食べることを前提とした、辛味の少ない玉ねぎが多くあります。これらの品種は、通常の玉ねぎとは異なる特徴を持つため、手間をかけずにサラダなどで楽しめます。
本州で手に入る主な生食用玉ねぎ
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**新玉ねぎ**: 春ならではの味覚で、みずみずしさと甘みが際立つ玉ねぎです。辛味が非常に少ないため、薄切りにして軽く水にさらすか、そのまま生で美味しく食べられます。皮が薄くて柔らかいので、サラダや和え物に最適です。
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**サラダ玉ねぎ**: 特定の品種を指すのではなく、生食に適した辛味の少ない玉ねぎの総称として使われることもあります。特に、辛味が少なく、シャキシャキとした食感が魅力の品種を指すことが多いです。
北海道産 生で美味しい玉ねぎたち
玉ねぎの名産地として知られる北海道。豊かな大地と気候が育む、個性豊かな玉ねぎをご紹介します。
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**雪景色**: その名の通り、雪のように白い玉ねぎ。まるで新玉ねぎのように、辛味が少なく、みずみずしい食感が特徴です。シャキシャキとした歯ごたえと、見た目の美しさから、サラダやカルパッチョのアクセントに最適です。
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**オホーツク222**: 北海道の玉ねぎシーズン幕開けを告げる品種。7月から秋にかけて市場に出回ります。辛味が穏やかなので、軽く水にさらすだけで生食できます。その爽やかな風味は、様々な料理を引き立ててくれます。
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**赤玉ねぎ(紫玉ねぎ)**: 鮮やかな紫色が目を引く玉ねぎ。見た目だけでなく、辛味が少ないのも魅力です。アントシアニンを豊富に含み、健康効果も期待できます。サラダやサンドイッチに加えるだけで、食卓が華やかになります。
加熱で甘みが増す!辛味が強い玉ねぎ
長期保存を目的とした品種や、熟成された玉ねぎは、辛味が強くなりがちです。しかし、加熱することで辛味は甘みに変わり、素材本来の美味しさが際立ちます。
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**北もみじ2000**: 北海道で冬を越す玉ねぎの代表品種。長期保存に適していますが、辛味成分のアリシンも豊富です。水にさらしても辛味が抜けにくいため、生食には不向き。煮込み料理や炒め物など、じっくり加熱して甘みを引き出す調理法がおすすめです。
同じ玉ねぎでも、品種によって個性は様々。産地、品種、旬の時期を考慮して選ぶことで、玉ねぎの美味しさを最大限に楽しむことができます。
玉ねぎの旨味を堪能!辛味抜きレシピ
辛味抜きした玉ねぎは、様々な料理で活躍します。ここでは、玉ねぎ農家の奥様がおすすめする、簡単絶品レシピを3つご紹介。玉ねぎのシャキシャキ感、甘み、そしてアリシンの健康効果を意識した、バランスの良いレシピです。ぜひ、食卓に取り入れてみてください。
◆定番!オニオンスライスサラダ(2人分)
玉ねぎの風味と食感をシンプルに味わえる、定番サラダです。辛味の抜き加減で風味が変わるので、お好みに合わせて調整してください。
材料
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玉ねぎ: 1/2個(特に新玉ねぎや甘みの強い品種がおすすめ。普通の玉ねぎを使う場合は、丁寧に辛味を抜いてください)
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削り節: 適量
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ポン酢醤油: 大さじ2~3(お好みに合わせて量を調整)
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薬味(大葉や小ねぎなど): 適量(彩りと風味を添えるために)
作り方
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玉ねぎの皮をむき、上下の端を切り落とします。スライサーを使うか、包丁でできる限り薄くスライスしてください。薄く切ることで辛味成分が抜けやすくなり、食感も向上します。
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辛味取りの方法: 辛味が好きな方(風味を生かす): スライスした玉ねぎをザルにあげ、サッと流水で洗う程度で大丈夫です。玉ねぎ本来の風味とわずかな辛味が残ります。 しっかり辛味を抜きたい方(まろやかな味わい): 一度水洗いした玉ねぎを、水を張ったボウルに重ねたザルに移し、5~10分ほど水を少量ずつ流し込みます。時々、手で軽く混ぜると、より効果的に辛味が抜けます。 栄養をキープしつつ辛味を抑えたい方(気化法): 薄切りにした玉ねぎを重ならないように平らな皿に並べ、ラップをせずに室温または冷蔵庫で10~30分程度置いておきます。水にさらさないので、水溶性の栄養成分の流出を最小限に抑えられます。
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辛味抜きが終わったら、玉ねぎをザルにあげてしっかりと水気を切ります。キッチンペーパーなどで丁寧に水分を絞ることで、水っぽさをなくし、シャキシャキとした食感を際立たせます。
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水気を切った玉ねぎをお皿に盛り付け、上から削り節をたっぷりとかけます。お好みで刻んだ大葉や小ねぎを散らすと、見た目も華やかになります。
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最後に、ポン酢醤油をかけたら完成です。風味付けにごま油を数滴たらすと、香ばしさがプラスされ、より一層美味しくなります。
このサラダは、玉ねぎの自然な甘さとシャキシャキとした食感、そして削り節とポン酢醤油の旨味が絶妙に組み合わさっています。ご飯のお供にも、お酒の肴にも最適です。
◆玉ねぎの簡単お吸い物(1人分)
玉ねぎの優しい香りと甘みが染み渡る、手軽に作れるお吸い物です。余熱を利用して玉ねぎの辛味を和らげるので、時間がない時にもおすすめです。
材料
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玉ねぎ: 少量(1/8~1/4個程度、お好みで調整)
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とろろ昆布: ひとつまみ
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削り節: ひとつまみ
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熱湯: 150ml
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塩: ひとつまみ(味をみて調整)
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薄口しょうゆ: 少量(風味付け程度、なくても可)
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刻みネギ: 少量(彩りとして)
作り方
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玉ねぎの茶色い外皮を丁寧に剥き、根元を切り落とします。玉ねぎを立て半分にカットし、繊維に沿って薄切りにします。こうすることで、加熱時の煮崩れを防ぎ、シャキシャキとした食感を保てます。
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器に薄切りにした玉ねぎを盛り付け、とろろ昆布とかつお節を少量ずつ加えます。とろろ昆布は旨味を、かつお節は風味をプラスします。
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沸騰させたお湯を150ml、玉ねぎの上にゆっくりと注ぎます。熱湯で玉ねぎの辛味成分を和らげ、自然な甘さを引き出します。
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塩や薄口醤油をほんの少し加え、味を調えます。お好みで、風味付けに醤油の代わりにめんつゆを使用しても美味しく仕上がります。すぐに食べられますが、数分置いてからいただくと、玉ねぎの甘みが際立ちます。
時間がない時や、あと一品追加したい時に手軽に作れるのが嬉しいポイントです。玉ねぎ本来の甘さと出汁の優しい味わいが、心と体を温めます。お好みで、刻んだミツバやユズの皮を添えると、より上品な香りが楽しめます。
◆さつまいもと紫玉ねぎのマリネ(3~4人分)
辛味が少なく、鮮やかな色合いが特徴の紫玉ねぎを使った、見た目も美しいマリネです。さつまいもの甘さと玉ねぎの食感が絶妙に調和します。
材料
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さつまいも: 中サイズ1/2本
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紫玉ねぎ: 1/2個
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オリーブオイル: 大さじ3
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酢(米酢か穀物酢): 大さじ2
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砂糖: 小さじ1/2
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塩: 小さじ1/3
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粗挽き黒コショウ: 少々
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乾燥パセリやディル: お好みで少量(飾り用)
作り方
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さつまいもは丁寧に洗い、皮付きのまま1cm角の拍子切りにします。切ったさつまいもを5分ほど水に浸し、アク抜きをします。アク抜きをすることで、変色を防ぎ、より美味しく仕上がります。
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フライパンにオリーブオイル大さじ3を入れ、中火で温めます。さつまいもを加え、表面に焼き色が付き、柔らかくなるまで炒めます。焦げ付かないように、時々混ぜてください。
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紫玉ねぎは薄皮を剥き、3~5mm幅にスライスします。紫玉ねぎは辛味が少ないため、水にさらす必要はありませんが、気になる場合は軽く水にさらして水気を切ってください。
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さつまいもが柔らかくなったら火を止め、スライスした紫玉ねぎをフライパンに入れます。余熱で軽く混ぜ合わせます。紫玉ねぎは生でも食べられるので、加熱しすぎないように注意しましょう。
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ボウルに酢大さじ2、砂糖小さじ1/2、塩小さじ1/3、黒コショウ少々を混ぜ合わせ、マリネ液を作ります。砂糖と塩が完全に溶けるまで、しっかりと混ぜてください。
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炒めたさつまいもと紫玉ねぎをマリネ液が入ったボウルに加え、全体を優しく混ぜ合わせます。
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器に盛り付ければ完成です。冷蔵庫で30分以上冷やすと味が馴染み、より美味しくなります。お好みで、乾燥パセリやディルを散らして彩りを添えましょう。
鮮やかな色合いが食欲をそそるこのマリネは、さつまいもの自然な甘みと紫玉ねぎの風味が絶妙にマッチし、お酢の酸味がアクセントになっています。作り置きにも最適で、パンやご飯のお供として、様々な料理に合わせやすい便利な一品です。
まとめ
玉ねぎ特有の刺激臭と辛さの元凶であるアリシンは、決して単なる不快な成分ではありません。強力な抗菌作用に加え、疲労回復を助け、コレステロールや中性脂肪、血糖値の安定化をサポートし、新陳代謝を促進するなど、健康維持に貢献する多岐にわたる効果が期待できる貴重な栄養成分なのです。とりわけ、ビタミンB1の吸収率を高め、その機能を最大限に引き出す働きは、玉ねぎが健康的な食材として重宝される重要な理由の一つと言えるでしょう。ここでは、玉ねぎの辛味を効果的に取り除きつつ、その栄養価をできる限り損なわずに調理するための様々な方法を、様々な角度からご紹介しました。加熱、流水にさらす、空気に触れさせる、電子レンジ加熱、予熱を利用する、塩もみをする、といった方法は、それぞれアリシンの特性(水溶性、揮発性、熱による分解性)に着目した科学的な根拠に基づいています。そのため、求める食感や維持したい栄養素の量に応じて、最適な方法を選択することが重要です。例えば、水に溶けやすい栄養素の流出を最小限に抑えたい場合は、空気に触れさせる方法や電子レンジでの加熱が有効です。生のシャキシャキとした食感を残しながら辛味だけを抑えたいのであれば、流水にさらす方法や空気に触れさせる方法が適しています。さらに、玉ねぎの種類によって辛味の強さは異なり、春に出回る新玉ねぎや特定のサラダ玉ねぎの品種は、辛味が少なく生で食べるのに最適です。北海道産の雪景色やオホーツク222、赤玉ねぎ(紫玉ねぎ)なども、生食に適した品種として推奨できます。一方、長期保存を目的とした北もみじ2000のような品種は辛味が強いため、加熱調理することで甘みを引き出すのが良いでしょう。ご紹介した基本のオニオンスライスサラダ、玉ねぎのお吸い物、さつまいもと赤玉ねぎのマリネなどのレシピは、上記で説明した辛味抜きの手法を実践し、玉ねぎの美味しさを最大限に引き出すための具体的な提案です。これらの知識やレシピを参考に、日々の食生活に玉ねぎを積極的に取り入れ、より健康的で豊かな食生活を送ってください。玉ねぎは、その辛味を適切にコントロールすることで、料理の可能性を広げる素晴らしい食材となるはずです。
玉ねぎの辛味の元となる成分は何でしょうか?
玉ねぎの辛味は、アリシンという硫黄化合物の一種によってもたらされます。アリシンは、玉ねぎの細胞が傷つけられることで生成される物質で、特徴的な刺激臭の源であり、舌を刺激する辛さや、玉ねぎを切った際に目にしみ込む原因となる成分です。
玉ねぎの辛味を取り除くことで、栄養価は低下しますか?
辛味の除去方法によっては、栄養素の一部が失われることがあります。特に、流水で長時間さらす方法は、アリシンだけでなく、水溶性のビタミンB群やビタミンC、カリウムなどの栄養素が水に溶け出して失われるリスクがあります。栄養素をできるだけ保持したい場合は、空気に触れさせて辛味を飛ばす方法や、電子レンジで短時間加熱する方法がおすすめです。
水にさらす以外の方法で、栄養を損なわずに辛味を和らげる方法はありますか?
はい、水にさらす以外にも、栄養素の損失を最小限に抑えながら辛味を軽減させる方法は存在します。最も推奨されるのは、玉ねぎを薄切りにして、重ならないように広げ、ラップをせずに常温または冷蔵庫で約10分から30分程度置いておく方法です。この方法により、アリシンが空気中に揮発し、水溶性の栄養素を失うことなく辛味を和らげることができます。また、電子レンジで短時間加熱する方法も、水を一切使用しないため、栄養素の流出を最小限に抑えることができます。













