芳醇な香りと、口の中でとろけるような独特の食感が魅力のマカダミアナッツ。「ナッツの王様」とも呼ばれるその理由は、一体どこにあるのでしょうか?高級チョコレートやスイーツに使われるイメージが強いですが、実は栄養価も高く、美容や健康をサポートしてくれる万能食材でもあるんです。今回は、そんなマカダミアナッツの知られざる魅力に迫り、その歴史から栄養成分、美味しい食べ方まで、余すところなくご紹介します。さあ、マカダミアナッツの世界へ、一緒に旅立ちましょう!
マカダミアナッツとは
オーストラリアを原産とするマカダミアナッツは、学名をMacadamia integrifoliaという常緑樹の種子です。別名クイーンズランドナッツとも呼ばれ、日本ではクイーンズランドナットノキという呼び名もあります。その実は直径約2cmの球状で、食用として珍重され、特有の香りと口当たりが魅力です。マカデミアと略されることもありますが、この名称は、植物学者のフォン・ミューラーが、親交のあった化学者ジョン・マカダムに敬意を表し、学名にその名を冠したことに由来すると言われています。もっとも、その語源については異説も存在します。
マカダミアナッツの特徴と栄養:その美味しさの理由
マカダミアナッツは、独特のサクサク感としっとりとした舌触りが魅力の淡白な味わいのナッツです。ローストして塩味を加えたり、チョコレートで包んだり、細かく砕いてアイスやケーキの材料としても楽しまれています。また、圧搾して得られるオイルは、食用油としてはもちろん、アロマセラピーのキャリアオイルやマッサージオイルとしても活用されています。脂質は100gあたり76.8gと豊富ですが、コレステロールは含まれていません。オレイン酸やパルミトレイン酸といった不飽和脂肪酸が全体の8割以上を占めています。脂質を多く含むことから、主要産地のハワイでは、砕いたマカダミアナッツを非常用ランプの燃料として利用した例も見られます。
マカダミアナッツ栽培の歴史:豪州からハワイへ
マカダミアナッツは、オーストラリア東部を故郷とし、古くからその地に住む人々にとって重要な食糧でした。19世紀後半には、オーストラリアで最初の農園が開かれ、その後ハワイへと渡り、本格的な栽培が開始されました。1892年には、数多くの苗木がハワイに持ち込まれ、現在私たちが口にするハワイ産マカダミアナッツのルーツとなっています。当初の品種は、味や栄養価が十分ではなかったため、ハワイ大学の研究機関が品種改良に着手。20年にも及ぶ研究の結果、商業生産に適した品種が生み出されました。また、ハワイ州政府による税制優遇措置も後押しとなり、1950年代末には、マカダミアナッツの作付け面積がサトウキビやパイナップルを凌駕し、ハワイを代表する農産物としての地位を確立しました。原産地はオーストラリアでありながら、ハワイで大きく発展を遂げた、珍しい植物と言えるでしょう。
チョコレートとマカダミアナッツ
製菓業界はマカダミアナッツとチョコレートの絶妙なコンビネーションに着目し、その魅力を活かした商品を開発、大ヒットを記録しました。1950年代、マウイ島出身の日系人、M.タキタニがチョコレートとマカダミアナッツを組み合わせるという画期的なアイデアを生み出し、中でもミルクチョコレートでマカダミアナッツを包んだものが特に支持されました。1960年代にタキタニが拠点をオアフ島に移したことが、現在のハワイアンホスト社設立のきっかけとなります。ハワイアンホストのチョコレートはホノルルで広く愛され、1970年代にはハワイを代表するお土産としての地位を確立し、今日までマカダミアナッツを使用したチョコレート菓子として圧倒的な消費量を誇っています。

マカダミアナッツの主な生産地
世界のマカダミアナッツ生産量は年間約2万トン。オーストラリアとハワイがその大半を占めています。南アフリカやケニアにも大規模農園が見られます。1984年にはハワイが世界生産の8割を占めていましたが、近年はオーストラリアでの生産が拡大。ハワイのシェアは減少しつつも、依然として世界トップの生産量を誇ります。ハワイ島ではコナとマウカ、マウイ島ではハレアカラ山麓、カウアイ島では南岸などに広大な農園が点在。ケアウホウ、イカイカ、カケア、カウ、ケアアウといった品種が主に栽培されています。ハワイ産マカダミアナッツは、そのまま食べるだけでなく、チョコレートやオイルなど様々な加工品としても販売され、観光客に広く親しまれています。
マカダミアナッツの多彩な活用法
マカダミアナッツは、その油分を活かして、非常時には灯火としても役立ちます。また、良質な油は健康志向の方々から支持されています。焙煎すればコーヒーのような味わいになり、アーモンドコーヒーとして親しまれることも。ペースト状にすれば、ピーナッツバターのような風味のナッツバターとしても楽しめます。コレステロールフリーで美味しいと評判ですが、カロリーは高めなので、食べ過ぎには注意が必要です。
まとめ
原産はオーストラリアながら、ハワイで独自の進化を遂げたマカダミアナッツ。その芳醇な風味は、チョコレートとの相性も抜群で、世界中で愛されています。お土産やギフトとして、あるいは普段の自分へのご褒美として、色々な楽しみ方ができるでしょう。美味しさはもちろん、栄養も豊富なマカダミアナッツを、ぜひ一度お試しください。
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