ナッツは古くから健康食品として知られ、その栄養価は豊富です。しかし、高カロリーであるために「ナッツを食べると太るのでは?」と心配する方も多いでしょう。そこで今回は、ナッツに含まれる栄養素とその影響について詳しく解説し、健康的なライフスタイルを維持しながらナッツを楽しむ方法を提案します。ナッツが実際に体重増加につながるのか、その真相を探りましょう。
100kcalで食べられるナッツの量はどのくらい?
重さで見ると14gから17g程度でほとんど差はありませんが、粒数で比べると大きく異なります。
【100kcal相当の粒数】20粒以上は、例としてピーナッツが28粒、ピスタチオが23粒です。10〜19粒では、アーモンドが15粒、カシューナッツが12粒、ヘーゼルナッツが10粒です。10粒未満では、マカダミアナッツが6粒、くるみが5かけです。もしピーナッツと同じ数のアーモンドを食べれば、カロリーは約2倍になります。少ない粒数でも満足できるナッツも多いため、ナッツの粒数とカロリーのバランスを参考に、楽しくスナックタイムを過ごしましょう。
ナッツは脂肪の摂取過多になる?
ナッツを食べる際に気になるのが脂肪の摂取過多です。ナッツによって大きな違いはないものの、100kcalのナッツには一日の目標摂取量の約15%の脂質が含まれています。脂肪には多くの種類と異なる役割があり、特に生活習慣病のリスク要因となる「飽和脂肪酸」は100kcal分で一日の基準の約10%を占めます。体内で作られない必須脂肪酸である「n-6系不飽和脂肪酸」や「n-3系不飽和脂肪酸」についても確認が必要です。
【n-6系不飽和脂肪酸】…「オメガ6」として知られており、体内で作れないため食事から摂取する必要があります。くるみはその優れた供給源で、100kcal分(5かけ)で一日目標量の77%に達します。しかし、ゴマ油やベニバナ油など一般的な食品にも含まれやすく、過剰摂取の可能性があります。対照的に、マカダミアやヘーゼルナッツはこの脂肪酸をあまり含みません。
【n-3系不飽和脂肪酸】…「オメガ3」としても知られ、脳梗塞の予防などに役立つとされていますが、体内では生成されず、魚の脂肪に多く含まれます。くるみを100kcal分(5かけ)摂取することで、一日の目標の83%を摂取できます。魚に含まれるDHAやEPAも同じグループの脂肪酸で、ナッツだけでなく魚からも適度な摂取を心がけることが重要です。
ナッツの適量とは
ナッツを適切な量で食べることで、摂取カロリーを増やさずに特定の栄養素を効果的に取り入れることが可能です。しかし、現在の食生活に変化を加えずに毎日100kcal分のナッツを摂取した場合、カロリーの総摂取量が増える可能性がありますし、人によっては脂質やビタミンEの過剰摂取となることもあります。そのため、例えば100kcal以上のスナックや洋菓子を間食としている方が、それをナッツに置き換えることで、体重を増やすことなくナッツの栄養を楽しむことができます。また、「ナッツ ダイエット」という検索ワードが気にかかるところです。これは「ダイエット中にナッツを食べても問題ないか?」という意味であれば、量や種類を調整すれば効果的な栄養摂取が可能です。しかし、「ナッツでやせる!」という意味であれば、それだけでは痩せる効果は期待できません。3食の食事で栄養バランスを確保することが大前提で、自分のお気に入りのナッツの種類や、普段食べる量を確認してみてください。

体重管理に役立つおやつ選びのコツ
どのようなおやつが太りにくく健康的なのでしょうか?低カロリーであるのは当然ですが、それ以外にも注目すべきポイントがあります。ダイエットや健康維持のためにも、賢いおやつ選びのコツを学びましょう。
①しっかり噛める食材を選ぶ
噛むことは、健康にさまざまなメリットをもたらします。噛むことで満腹感を得られるだけでなく、ストレスの軽減や自律神経の調整にも役立つとされています。
ストレスをためずにポジティブな気持ちでいると、ダイエットの成功率も高まります。
②添加物が含まれていないものを選ぶ
現代では、私たちの食生活において添加物が広く使われています。必要に応じて使われる保存料や着色料もありますが、健康のためには余計なものを避けたいものです。
特にお菓子については、人工甘味料や香料が使われることがあります。健康やダイエットを考えるなら、添加物を含まないナチュラルなおやつを選ぶのが良いでしょう。
③プロテイン豊富な食品を選択する
タンパク質は、筋肉などの体の組織を築くための基本的な栄養成分です。また、基礎代謝を向上させるには筋肉量を増やすことが大切で、これが太りにくい体質を作る鍵となります。
ダイエットを目指す際、ボディビルダーのような筋肉をつける必要はありませんが、適度な筋肉をつけることでより健康的に体重を落とすことが可能です。そのために欠かせないのが、タンパク質です。通常の食事にプラスして、おやつでタンパク質を摂取すると、筋肉づくりがさらに促進されるでしょう。
④食物繊維の豊富なもの
食物繊維は非常に重要な栄養素として、5大栄養素に続く「第6の栄養素」とも呼ばれています。便秘の解消だけでなく、腸内の善玉菌をサポートし、腸内環境を整える働きがあります。さらに、食後血糖値の急上昇を抑える効果もあり、ダイエットにとって心強い味方です。腹持ちが良くなるため、間食にも最適です。
ダイエット中には便秘で困る人が多いですが、この状態のままいくら努力しても痩せることは難しいです。便秘になると腸内環境が悪化し、老廃物の蓄積によって代謝が低下し、悪い循環に陥るためです。したがって、腸内環境を整えて代謝を高めることで、痩せやすい体作りをすることが大事です。