ズッキーニの栄養価:知っておきたい健康効果と活用法

夏野菜の代表格、ズッキーニ。淡白な味わいと独特の食感で、様々な料理に活用できます。しかし、その栄養価について詳しく知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。実はズッキーニは、美容と健康をサポートする栄養素がたっぷり詰まった優秀な野菜なのです。この記事では、ズッキーニに含まれる豊富な栄養素と、期待できる健康効果を徹底解説します。毎日の食卓にズッキーニを取り入れて、美味しく健康的な生活を送りましょう。

ズッキーニの基礎知識と豊富な種類

ズッキーニは、見た目からきゅうりの仲間だと思われることが多いですが、実はカボチャの仲間である「ペポカボチャ」に分類されます。その起源は古く、北アメリカ南部やメキシコ北部が原産地と言われています。特にヨーロッパの地中海沿岸地域では、昔からよく食べられてきました。イタリア料理のパスタやリゾット、フランス料理のラタトゥイユなど、西洋料理には欠かせない食材として世界中で愛されています。日本に伝わったのは比較的遅く、一般家庭に普及し始めたのは1980年代以降です。現在では、その手軽さと様々な調理法から、国内での生産量・消費量ともに年々増加しており、夏の食卓に欠かせない野菜となっています。

バラエティ豊かなズッキーニの種類と楽しみ方

スーパーなどでよく見かけるのは、緑色の太くて長いズッキーニですが、最近では様々な色や形のものが販売されています。例えば、黄色のズッキーニは緑色のものに比べて皮が薄く、加熱すると甘みが強くなる傾向があります。また、丸い形のズッキーニもあり、中身をくり抜いて具材を詰める料理に向いています。さらに、開花前の花も食用として楽しまれています。ズッキーニの花は、チーズなどを詰めて揚げるフリットなどに使われ、見た目の美しさと上品な味わいが特徴です。これらの多様な品種は、料理のバリエーションを豊かにし、食卓を華やかに彩ってくれます。

ズッキーニの主な栄養成分と健康への効果

ズッキーニは、あっさりとした味わいが特徴ですが、実は体に良い栄養素がたくさん含まれています。ここでは、厚生労働省のデータを参考に、ズッキーニに含まれる栄養素と期待できる効果について解説します。

カリウム:高血圧やむくみ対策、筋肉の痙攣予防に

ズッキーニには、100gあたり約320mgのカリウムが含まれています。カリウムが豊富な食品として知られるバナナ(100gあたり約360mg)やキウイ(約300mg)、ごぼう(約320mg)と比較しても、ズッキーニは野菜や果物の中で比較的多くのカリウムを含んでいると言えるでしょう。

カリウムは、体内の余分なナトリウムを排泄する働きがあり、むくみの解消や高血圧の予防に効果が期待できます。ナトリウムは、体内の水分バランスを調整するために不可欠なミネラルですが、過剰に摂取すると水分が体内に溜まりやすくなり、むくみや血圧上昇の原因となることがあります。カリウムは、ナトリウムの排出を促すことで、これらの症状を緩和し、体内の水分バランスを正常に保つサポートをします。これにより、身体のむくみを効果的に軽減することが期待されます。

また、体内の水分不足やミネラルバランスの乱れは、筋肉の痙攣、いわゆる「足がつる」状態を引き起こすことがあります。筋肉疲労や冷えなどが原因となる場合もありますが、カリウムはナトリウムとのミネラルバランスを調整する働きがあるため、足がつりやすい方は積極的に摂取すると良いでしょう。特に、運動後や発汗量の多い夏場など、ミネラルが失われやすい状況下では、カリウムの摂取が筋肉機能の維持に役立ちます。

ただし、カリウムの摂取制限が必要な場合もあります。特に、腎機能に障害があるなど、医師からカリウム摂取量の制限を受けている方は注意が必要です。過剰な摂取は腎臓に負担をかける可能性があるため、基礎疾患をお持ちの方は、必ず医師や管理栄養士に相談するようにしてください。

ビタミンC:美肌や疲労回復をサポートし、鉄分の吸収を促進

ズッキーニには、100gあたり約20mgのビタミンCが含まれています。

ビタミンCが豊富に含まれるキウイなどの果物や、パプリカ、ブロッコリーなどの野菜と比較すると含有量は多くありませんが、一般的な食品の中では比較的ビタミンCを摂取できる野菜と言えます。ビタミンCは、風邪の予防や疲労回復、肌荒れの防止などに効果が期待できる栄養素です。日々のストレスや紫外線によって消費されやすいビタミンCを積極的に摂取することで、体の抵抗力を高め、健康維持に貢献します。

さらに、ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、メラニンの生成を抑制する働きもあります。コラーゲンは、皮膚の弾力やハリを保つために重要なタンパク質であり、その生成をサポートすることで、健康的な肌を保つことに繋がります。また、シミの原因となるメラニンの生成を抑える効果も期待できるため、特に夏場や日焼けしやすい時期には積極的に摂取すると良いでしょう。加えて、ビタミンCは牛乳や卵、野菜などに含まれる非ヘム鉄の吸収を助ける効果もあるため、非ヘム鉄を多く含む食品とズッキーニを一緒に摂取すると、効率良く栄養を摂取できます。貧血気味の方や、鉄分の吸収を効率化したい方にとって、ズッキーニは有効な食材と言えるでしょう。

ただし、ビタミンCは水溶性ビタミンであり、熱に弱く、長時間加熱すると壊れやすくなる性質があります。そのため、調理する際は短時間で加熱するか、生で食べるなどの工夫をすると良いでしょう。例えば、サラダや和え物として生で摂取したり、炒め物であれば短時間でサッと火を通したりすることで、ビタミンCの損失を最小限に抑えることが可能です。

βカロテンとビタミンB群:免疫力向上、代謝促進、抗酸化作用

ズッキーニには、100gあたり約320μgのβカロテンが含まれています。ほうれん草やにんじんなどの緑黄色野菜(※)と比較すると含有量は少ないものの、一般的な野菜の中では比較的多く含まれています。

※緑黄色野菜とは、「可食部100gあたり600μg以上のカロテンを含む野菜の総称」を指します。

βカロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されるプロビタミンAの一種であり、皮膚や粘膜を丈夫にし、免疫力を高める働きがあります。これにより、細菌やウイルスの侵入を防ぎ、体の防御機能を強化します。特に、呼吸器系や消化器系の粘膜を健康に保つことで、病原体に対するバリア機能を強化する役割があります。また、体のサビの原因となる活性酸素の発生を抑制し、除去する抗酸化作用もあるため、細胞の損傷を防ぎ、アンチエイジング効果も期待できる栄養素です。

ズッキーニには、特に豊富に含まれているわけではありませんが、ビタミンB1、B2、B6、葉酸など、様々な種類のビタミンB群が含まれています。ビタミンB群は、主に三大栄養素(糖質、タンパク質、脂質)の代謝をサポートする重要な栄養素です。これらの栄養素が不足すると、摂取した食物からエネルギーが効率良く作られず、疲れやすくなったり、口内炎ができやすくなるなど、体の様々な機能に影響を及ぼす可能性があります。特に葉酸は、赤血球の生成を助け、細胞の成長や修復に不可欠な栄養素であり、妊婦の方や貧血気味の方にとって重要な役割を果たします。

食物繊維、カルシウム、マグネシウム、葉酸などのその他の栄養素

ズッキーニには、特に多く含まれているわけではありませんが、食物繊維、カルシウム、マグネシウム、葉酸など、様々な栄養素が含まれています。

食物繊維は、100gあたり約1.3g含まれており、これは白菜や大根など、他の野菜と同程度の量です。ちなみに、食物繊維が豊富な野菜として知られるごぼうには、100gあたり約5.7gの食物繊維が含まれています。

食物繊維は、腸内環境を整え、便秘の予防・改善に役立つほか、食後の血糖値の急激な上昇を抑えたり、血中のコレステロール値を低下させたりする効果も期待できます。食物繊維の1日あたりの目標摂取量は、成人男性で21g以上、成人女性で18g以上とされていますが、現代の日本人の多くは食物繊維が不足していると言われています(※)。食物繊維が豊富な食品だけでなく、ズッキーニなどの野菜も日常的に意識して摂取することで、不足しがちな食物繊維を補うことができるでしょう。

その他、骨や歯の健康維持に必要な栄養素であるカルシウムは、骨密度の維持だけでなく、ストレスを緩和して神経を安定させる、筋肉の収縮を助ける、血液凝固を促進するなど、体内の様々な生理機能に不可欠なミネラルです。

また、マグネシウムは、カルシウムとの相互作用によって骨を強くする、血圧を調整する、神経や筋肉の働きを正常に保つなど、身体の様々な重要な機能に影響を与えます。カルシウムとマグネシウムはバランス良く摂取することが重要です。

※参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、e-ヘルスネット「食物繊維」

皮ごと摂取で栄養満点!

ズッキーニは、皮を剥かずにそのまま調理して食べられるのが魅力です。特に皮と果肉の間には栄養が豊富に詰まっており、捨ててしまうのは非常にもったいないと言えます。例えば、強い抗酸化作用を持つβ-カロテンや、お腹の調子を整える食物繊維、そして健康維持に欠かせないミネラルなどが、皮の近くに多く含まれています。

ズッキーニを皮ごといただくことで、これらの栄養成分を余すことなく、効率的に摂取することができます。そのため、栄養価が飛躍的に向上するのです。また、皮独特の食感が料理のアクセントにもなるため、ぜひ皮ごと楽しめるおすすめレシピを試してみてはいかがでしょうか。

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ズッキーニの旬と産地

ズッキーニは一年を通して手に入りますが、最も美味しい旬の時期は3月から8月頃と言われています。特に、6月から8月の夏本番にかけては、太陽の恵みをたっぷりと受けて育つため、栄養価が最高潮に達し、格別な美味しさを堪能できます。この時期のズッキーニは、水分をたっぷり含んでみずみずしく、自然な甘みが際立ち、ズッキーニ本来の風味を存分に楽しむことができるでしょう。

主な産地:長野県と宮崎県

日本におけるズッキーニの主要な産地としては、長野県と宮崎県が挙げられ、この2県で国内出荷量の6割以上を占めています。長野県では、冷涼な気候を活かした露地栽培が主流で、主に夏から秋にかけて収穫が行われます。一方、宮崎県では、温暖な気候を利用し、施設栽培(ハウス栽培)によって一年を通じて安定供給を実現していますが、特に春から夏にかけての出荷量が多くなっています。これらの地域から、新鮮なズッキーニが全国各地の食卓へと届けられています。

ズッキーニを効率的に摂取する調理法と食べ方

ズッキーニに含まれる豊富な栄養素を最大限に活かすためには、調理方法が非常に大切です。特に、β-カロテンのような脂溶性ビタミンは、油を使った調理によって吸収率が大幅にアップします。一方で、ビタミンCなどの水溶性ビタミンは、加熱によって失われやすい性質があるため、調理方法に工夫が必要です。

油を使った加熱調理の利点と多彩な料理への展開

ズッキーニに豊富なβ-カロテンは、脂溶性ビタミンの一種です。そのため、油と共に調理することで、その吸収率が向上します。例えば、炒め物、フライ、揚げ浸しといった油を使用する料理は、β-カロテンの吸収を促進するのに適しています。ラタトゥイユのような南フランス料理はよく知られていますが、ズッキーニはクセがなく、淡白な風味が特徴なので、ナスと同様に様々な料理に応用できます。煮込み料理としてカレーやスープに、また天ぷらやフライといった揚げ物、味噌汁の具材など、和食、洋食、中華料理を問わず、幅広い料理でお楽しみいただけます。

ただし、水溶性のビタミンCは、お湯を使った加熱調理によって失われやすい点に注意が必要です。煮込み料理を作る際は、加熱時間を短縮したり、煮汁ごと摂取できるスープとして調理したりする工夫が効果的です。

生食のメリットと重要なポイント

ズッキーニは、ラタトゥイユのような加熱料理によく使われますが、実は生で食べても効率的に栄養を摂取できる野菜です。生で食べる最大の利点は、熱に弱いビタミンCなどの水溶性ビタミンを壊さずに摂取できることです。また、生ならではのシャキシャキとした食感も楽しめます。

ズッキーニはアクが少なく、あっさりとした味わいなので、生のままでもサラダや和え物、カルパッチョなど様々な料理に活用できます。薄くスライスしたり、ピーラーでリボン状にすると、より柔らかく食べやすくなります。例えば、薄切りにしたズッキーニを塩もみし、塩昆布と和えたり、塩漬け、浅漬け、ピクルスなどに利用するのもおすすめです。オリーブオイルやレモン汁、ハーブなどでシンプルに味付けするだけで、新鮮なズッキーニの風味と栄養を存分に堪能できます。

ズッキーニというと、パスタやトマト煮込みなど、加熱して食べるイメージが強いかもしれません。しかし、実は生でも美味しく食べられる野菜なのです。生食によって得られるメリットや、おすすめのレシピをご紹介しますので、ぜひ新鮮なズッキーニを味わってみてください。

ズッキーニの旬と選び方、適切な保存方法

ズッキーニは、その栄養価と美味しさを最大限に引き出すために、旬の時期に新鮮なものを選び、適切な方法で保存することが大切です。特に夏野菜であるズッキーニは、暑い時期の体調管理にも役立つ特性を備えています。

夏バテ予防にも最適な旬の時期

ズッキーニの旬は6月から8月にかけてです。旬の時期に収穫される野菜は栄養価が高く、他の時期よりも美味しく味わうことができます。夏場は暑さで食欲不振になりがちですが、ズッキーニには疲労回復や代謝促進に役立つビタミンB群、むくみ対策に効果的なカリウム、美肌効果が期待できるビタミンCなどが豊富に含まれています。これらの栄養素を積極的に摂取することで、夏バテ防止に貢献してくれるでしょう。夏野菜であるズッキーニは、暑い夏を乗り切るための栄養が豊富で、煮ても焼いても、生のままでも美味しくいただけます。管理栄養士が、ズッキーニが「買い」である理由を解説します。

夏野菜の代表格、ズッキーニ。独特の食感と淡白な味わいが魅力ですが、それ以外にも「買い」な要素がたくさんあります。管理栄養士がズッキーニのおすすめポイントをご紹介します。

新鮮でおいしいズッキーニの選び方

ズッキーニの美味しさと栄養を最大限に引き出すには、新鮮なものを選ぶことが大切です。鮮度が落ちたズッキーニは、食感や風味が損なわれてしまいます。選び方のポイントを以下にまとめました。

  • **サイズ**: 大きすぎるものは避けるのが賢明です。一般的に、中くらいのサイズ(長さ20cm程度、直径5cm前後)が、繊維が少なく、より美味しくいただけます。
  • **太さ**: 太さが均一なものを選びましょう。生育環境が安定している証拠であり、均一な食感が期待できます。
  • **皮**: 皮にハリとツヤがあるか確認しましょう。傷やシミが少ないものが理想的です。手に取った際に、見た目よりも重く感じるものは、水分をたっぷり含んでおり新鮮です。
  • **ヘタ**: ヘタの状態も重要なポイントです。みずみずしく、変色していないものを選びましょう。ヘタが乾燥していたり、茶色くなっている場合は、収穫から時間が経っている可能性があります。

上記の点を参考に、新鮮で美味しいズッキーニを選んで、様々な料理でその風味を堪能してください。

冷蔵保存で鮮度を保つ方法

ズッキーニは、適切な方法で保存することで、冷蔵庫でも比較的長く鮮度を保つことができます。乾燥を防ぐことが最も重要です。ズッキーニを一本ずつキッチンペーパーで丁寧に包み、ポリ袋に入れて口を軽く閉じ、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。こうすることで、約1週間から10日程度は美味しく保存できます。ただし、購入後はできるだけ早く食べるのがおすすめです。適切な保存方法で、ズッキーニの鮮度を保ち、美味しさを長く楽しみましょう。

冷凍保存で美味しさを長持ちさせる方法

ズッキーニは、生のままでも加熱調理しても美味しくいただけますが、使いきれない場合や、たくさん手に入った場合には、冷凍保存がおすすめです。適切に冷凍することで、長期間保存が可能となり、必要な時に必要な分だけ使用できます。ズッキーニは、特に下処理をしなくても冷凍保存できるのが魅力です。

丸ごと冷凍する場合

ズッキーニを丸ごと冷凍する際は、まず表面の水分を丁寧に拭き取ります。その後、一本ずつラップでしっかりと包み、冷凍保存用の密閉袋に入れて冷凍庫へ入れます。丸ごと冷凍したズッキーニは、解凍せずにそのまま煮込み料理やグリルなどに使うのがおすすめです。凍ったまま加熱することで、ズッキーニの食感の変化を最小限に抑えることができます。

カット後の冷凍保存方法

使いやすいサイズにカットしてから冷凍することで、調理時間を短縮できます。例えば、輪切り、半月切り、短冊切りなど、料理に合わせてカットし、表面の水分を丁寧に拭き取ります。水分が多いため、冷凍保存用袋に入れる際は、重ならないように平らに並べるのがコツです。凍ったまま炒め物やスープに加えて手軽に調理できます。冷凍保存したズッキーニは、1ヶ月を目安に使い切るようにしましょう。

解凍する際は、自然解凍や冷蔵庫解凍よりも、凍った状態で加熱調理するのがおすすめです。完全に解凍すると水分が流れ出て、食感が悪くなることがあるため、工夫して美味しさを保ちましょう。

ズッキーニの下処理のポイント

ズッキーニは比較的簡単に下処理ができ、切り方によって料理のバリエーションが広がります。調理を始める前に、基本的な切り方のコツを把握しておきましょう。

料理に合わせた切り方

ズッキーニのヘタとお尻の部分は硬く、食感が良くないため、通常は切り落としてから調理します。皮は薄く、栄養が豊富なので、基本的には皮ごと使うのがおすすめです。以下に、一般的な切り方と活用例をご紹介します。

  • 半割り(縦半分):ソテーやグリル、天ぷらに適しています。断面が大きいため、火が通りやすく、素材本来の味を楽しめます。
  • 厚めの輪切り(1.5~2cm程度):煮込み料理、炒め物、オーブン焼きに。食べ応えがあり、形が崩れにくいのが利点です。
  • 乱切り:煮込み料理、炒め物、フリットなどの揚げ物に。不揃いな形が味が染み込みやすく、食感のアクセントになります。
  • 拍子木切り(棒状):炒め物、スティックサラダ、ピクルスに。火の通りが早く、他の食材と合わせやすい形状です。
  • 千切り:サラダ、和え物、酢の物に適しています。生で食べるのに適しており、シャキシャキした食感が楽しめます。

これらの切り方を参考に、ズッキーニをより美味しく、さまざまな料理で活用してください。

ズッキーニの安全性について

ズッキーニは美味しい夏野菜ですが、まれに強い苦味を感じることがあります。この苦味には注意が必要です。日常的に食べる野菜だからこそ知っておきたい、ズッキーニの安全性に関する重要なポイントを解説します。

苦味成分「ククルビタシン」と食中毒のリスク

ズッキーニを口にした際、強い苦味を感じたら、それは食中毒を引き起こす可能性がある「ククルビタシン」という成分が過剰に含まれているサインかもしれません。

ククルビタシンは、ウリ科植物特有の天然の苦味成分です。通常、市場に出回っているズッキーニにはほとんど含まれていません。しかし、栽培環境におけるストレス(例えば、極端な高温、乾燥、水不足など)や、稀なケースとして突然変異によって、ククルビタシンが異常に多く生成されることがあります。特に、家庭菜園で栽培されたズッキーニや、異なる品種を交配させてできたズッキーニは、そのリスクが高まる傾向にあります。

ククルビタシンを大量に摂取すると、胃腸炎に似た症状(吐き気、嘔吐、下痢、腹痛など)が現れ、食中毒の原因となることがあります。症状の重さは摂取量によって異なりますが、場合によっては重篤化することもあります。

ズッキーニを少しでも食べてみて、舌が痺れるような、あるいは後味として不快な苦味が残る場合は、食べるのをためらいましょう。通常のズッキーニは、ごくわずかに苦味を感じることがあっても、不快に感じるほどではありません。少しでもおかしいと感じたら、すぐに摂取を中止し、体調に変化が見られた場合は、速やかに医療機関を受診してください。

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まとめ

夏野菜の代表格であるズッキーニは、見た目はきゅうりに似ていますが、実はカボチャの仲間です。カリウム、ビタミンC、βカロテン、ビタミンB群、食物繊維、カルシウム、マグネシウム、葉酸など、暑い季節に積極的に摂取したい栄養素が豊富に含まれています。高血圧やむくみの改善、美肌効果、疲労回復、免疫力アップ、代謝促進、腸内環境の改善など、様々な健康効果が期待できます。特に、油を使った調理法でβカロテンの吸収率を高めたり、生のまま食べることで熱に弱いビタミンCを効率的に摂取するなど、調理方法を工夫することで、その栄養価を最大限に引き出すことができます。旬の時期である6〜8月には、新鮮で太さが均一、表面にツヤがあり、ヘタがみずみずしいものを選びましょう。また、適切な冷蔵・冷凍保存の方法をマスターすれば、長期にわたって美味しく楽しむことができます。料理に合わせてカットの仕方を工夫し、様々なレシピで活用してみてください。ただし、強い苦味を感じる場合は、食中毒の原因となるククルビタシンの可能性があるため、摂取を控えるように注意が必要です。今回ご紹介したズッキーニの選び方、保存方法、そして安全性に関する注意点を参考に、旬のズッキーニを積極的に食卓に取り入れ、美味しく健康的な夏を過ごしましょう。

ズッキーニにはどんな栄養素が含まれていますか?

ズッキーニには、カリウム(100gあたり約320mg)、ビタミンC(100gあたり約20mg)、βカロテン(100gあたり約320μg)、ビタミンB群(B1、B2、B6など)、葉酸、食物繊維(100gあたり約1.3g)、カルシウム、マグネシウムなどが含まれています。これらの栄養素がバランス良く含まれているため、多岐にわたる健康効果が期待できます。

ズッキーニを食べることで、どのような健康効果が期待できますか?

ズッキーニの摂取によって、高血圧やむくみの予防(カリウム)、美肌効果や疲労回復、鉄分の吸収促進(ビタミンC)、免疫力向上や代謝促進、抗酸化作用(βカロテン、ビタミンB群)、腸内環境の改善(食物繊維)、骨や歯の健康維持(カルシウム、マグネシウム)などの効果が期待できます。特に旬の夏場には、夏バテ防止にも役立つと言われています。

ズッキーニは丸ごと食べられますか?

はい、ズッキーニは皮も一緒に食べられます。果肉と皮の間には、β-カロテン、食物繊維、ミネラルといった栄養が豊富に含まれているため、皮ごと調理することで、より効率的に栄養を摂取できます。また、皮独特の食感が料理にアクセントを加えるので、ぜひ色々な料理で皮を活用してみてください。

ズッキーニの栄養を最大限に引き出す調理方法は?

ズッキーニに含まれるβ-カロテンは、油に溶けやすい性質を持つため、油を使った調理がおすすめです。炒め物や天ぷら、揚げ浸しなどにすると、吸収率がアップします。一方で、ビタミンCは熱に弱いので、煮込み料理などの長時間加熱は避け、短時間で調理するか、サラダや和え物など、生のまま食べるのが効果的です。

苦味の強いズッキーニは食べても大丈夫?

いいえ、強い苦味を感じるズッキーニは、食べるのを控えるべきです。ウリ科の植物特有の苦味成分である「ククルビタシン」が異常に多く含まれている可能性があります。この成分を摂取すると、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの食中毒を引き起こすことがあります。一口試食して、舌が痺れるような強い苦味を感じたら、すぐに食べるのをやめてください。

ズッキーニが最も美味しい時期はいつ?新鮮なズッキーニの見分け方は?

ズッキーニの旬は、6月から8月にかけての夏です。一年を通して手に入りますが、特に3月から8月頃までが美味しい時期とされています。旬の時期には栄養価も高くなります。新鮮なズッキーニを選ぶポイントは、大きすぎず、太さが均一で、ハリとツヤのあるものを選ぶことです。また、ヘタの部分がみずみずしく、切り口が新しいものがおすすめです。

ズッキーニの上手な保存方法とは?

ズッキーニを長持ちさせるには、冷蔵保存がおすすめです。乾燥しないように、まずキッチンペーパーで丁寧に包み、その上からポリ袋に入れて野菜室で保管してください。大体1週間から10日程度は鮮度を保てます。長期保存したい場合は冷凍保存が便利です。使いやすいようにカットするか、丸ごとでも構いませんので、水気をしっかり拭き取ってから冷凍保存袋に入れて冷凍庫へ。約1ヶ月を目安に使い切りましょう。使う際は、解凍せずにそのまま加熱調理するのがおすすめです。

ズッキーニ