みずみずしくて甘いマスカットは、離乳食に取り入れたい食材のひとつですよね。離乳食開始時期の生後5~6ヶ月頃から与えられますが、適切な下処理と調理方法が大切です。この記事では、マスカットをいつからどのように与えれば良いのか、月齢別のポイントと注意点をまとめました。赤ちゃんが安全に、そして美味しくマスカットを楽しめるよう、ぜひ参考にしてください。
赤ちゃんはいつからマスカットを食べられる?
みずみずしくて甘いマスカットは、大人も子供も大好きなフルーツですよね。離乳食を始めたばかりの赤ちゃんにも、ぜひ食べさせてあげたいと思うかもしれません。マスカットは、離乳食開始時期である生後5~6ヶ月頃から食べさせることが可能です。ただし、そのまま与えるのではなく、赤ちゃんの成長に合わせた準備や調理が不可欠です。
離乳食初期はペースト状からスタート
離乳食初期の赤ちゃんには、マスカットの皮と種を丁寧に取り除き、すり鉢などで細かくすりつぶして、なめらかなペースト状にしてから加熱して与えましょう。離乳食に慣れてくる生後7ヶ月頃からの離乳食中期には、マスカットを細かく刻んで加熱してから与えます。
その後、離乳食の進み具合に応じて、粗いみじん切りにするなど、少しずつ形を残していくようにしましょう。ただし、4歳くらいまでは、誤って喉に詰まらせる事故を防ぐために、1/4程度の大きさにカットして与えるように心がけてください。丸くてつるつるしたぶどうは、窒息を引き起こしやすい果物の一つであることを覚えておきましょう。
初めて与える際はスプーン1杯から
赤ちゃんに初めてマスカットを与える際は、まずは離乳食用のスプーン1杯から試してみましょう。赤ちゃんの様子を注意深く観察し、特に変わった様子が見られなければ、少しずつ量を増やしていきましょう。
問題なく食べられるようになっても、欲しがるだけ与えるのは控えましょう。一度にたくさん与えすぎると、アレルギー反応が出たり、消化不良を起こして体調を崩したりする原因になることがあります。
もし、嘔吐や下痢、蕁麻疹などの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。初めてマスカットを与える際には、万が一の事態に備えて、病院の診療時間や休診日を確認しておくことをおすすめします。
離乳食初期(5~6ヶ月頃):マスカットピューレ
離乳食初期には、マスカットを丁寧にペースト状にして与えましょう。皮と種をしっかりと取り除き、加熱することで、より安全に食べさせることができます。アレルギー反応に注意しながら、少量から試していくようにしましょう。
材料
- マスカット:1~2個
- 水分:少々
作り方
- マスカットは丁寧に皮を剥き、種を完全に取り除く。
- 小鍋にマスカットと少量の水を入れ、弱火でじっくりと煮て柔らかくする。
- 少し冷ました後、ブレンダーにかけるか、丁寧に裏ごしして滑らかにする。
離乳食中期(7~8ヶ月頃):マスカットとヨーグルトのハーモニー
離乳食中期には、マスカットを非常に細かく刻み、プレーンヨーグルトと混ぜてあげましょう。ヨーグルトの良質なタンパク質とマスカットの自然な甘さが、栄養バランスに優れた一品となります。
材料
- マスカット:2~3個
- 無糖ヨーグルト:大さじ2
作り方
- マスカットは丁寧に皮を剥き、種を完全に取り除いてから、みじん切りにします。
- プレーンヨーグルトと刻んだマスカットを、均一になるまで混ぜ合わせれば完成です。
離乳食後期(9~11ヶ月頃):マスカット入りパン粥
離乳食後期には、マスカットをパン粥に加えてあげましょう。マスカットの自然な甘さが加わることで、赤ちゃんも食べやすくなります。食パンを牛乳で柔らかく煮ることで、消化吸収も良くなります。
材料
- マスカット:3~4粒
- 食パン(耳なし):1/4枚
- 牛乳:大さじ3
作り方
- マスカットは皮と種を取り除き、約5mm角の大きさにカットします。
- 食パンは細かく手でちぎり、牛乳に浸して柔らかくします。
- 電子レンジ対応の容器に、マスカットと牛乳でふやかしたパンを入れ、電子レンジで約30秒温めます。
完了期(1歳頃から):マスカットを使った手作りスムージー
1歳を過ぎた頃からは、マスカットをスムージーとして取り入れてみましょう。色々な果物と組み合わせることで、栄養バランスの良い美味しいスムージーが作れます。
材料
- マスカット:5~6粒
- バナナ:1/2本
- 牛乳:大さじ3
作り方
- マスカットは丁寧に皮をむき、種を取り除きます。
- 全ての材料をミキサーに入れ、滑らかになるまでしっかりと混ぜ合わせれば完成です。
美味しいマスカット選びの秘訣
せっかくマスカットを離乳食に使うなら、より美味しいものを選びたいですよね。ここでは、新鮮で美味しいマスカットを選ぶためのポイントをご紹介します。
- 色つやとハリ
全体的にムラがなく、色つやが良く、果皮にピンとハリのあるマスカットを選びましょう。色がまだらだったり、果皮がしんなりとしているものは避けるのがおすすめです。特にシャインマスカットは、明るい黄緑色で透明感があるものが新鮮です。
- ブルーム(白い粉)
マスカットの表面を覆っている白い粉はブルームと呼ばれ、マスカット自身が鮮度を維持するために作り出すものです。ブルームがたっぷりと付いているものは、新鮮である証拠と言えます。ただし、ブルームはデリケートで落ちやすいので、なるべく触らずに選びましょう。
- 房の形状
房の形が均整が取れていて、実がぎゅっと詰まっているものを選びましょう。実がまばらなものは、生育状態があまり良くなかった可能性があります。また、軸が太く、鮮やかな緑色をしているものが新鮮です。
- 香り
マスカット特有の、甘く芳醇な香りがするものを選びましょう。香りが弱かったり、不快な臭いがする場合は避けるのが賢明です。お店で香りを確かめるのが難しい場合は、購入後すぐに確認するようにしましょう。
マスカットの保存方法
マスカットを美味しく長持ちさせるには、適切な保存方法を知っておくことが大切です。ここでは、マスカットをより長く新鮮に保つための保存方法をご紹介します。
冷蔵保存の場合、マスカットは乾燥に弱いため、房ごと優しくキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存しましょう。この方法で、約1週間程度はみずみずしさを保つことができます。保存前に、傷んだ粒があれば取り除くことで、他の粒への影響を最小限に抑えられます。
冷凍保存をする際は、マスカットを一粒ずつ丁寧に房から切り離し、優しく水洗いした後、しっかりと水気を拭き取ります。その後、冷凍用保存袋に入れ、冷凍庫で保存してください。冷凍したマスカットは、半解凍でシャーベットのような食感を楽しむのがおすすめです。冷凍保存期間は約1ヶ月が目安です。
マスカットの栄養と健康効果
マスカットには、私たちの健康をサポートする様々な栄養素が豊富に含まれています。ここでは、マスカットに含まれる代表的な栄養素と、その健康効果について詳しく見ていきましょう。
- ポリフェノール
マスカットは、強い抗酸化作用を持つポリフェノールを豊富に含んでいます。ポリフェノールは、体内の活性酸素によるダメージから体を守り、アンチエイジング効果や生活習慣病の予防に貢献します。
- ビタミンC
ビタミンCは、免疫力を高める効果が期待でき、風邪やインフルエンザなどの感染症予防に役立ちます。また、肌のコラーゲン生成を助け、肌の健康と美しさを保つ効果も期待できます。
- カリウム
カリウムは、体内のナトリウムバランスを調整し、余分なナトリウムの排出を促すことで、血圧を下げる効果があります。高血圧の予防や、むくみの軽減に役立ちます。
- 食物繊維
食物繊維は、腸内環境を改善し、便秘の解消をサポートします。また、食後の血糖値の急激な上昇を抑制する効果もあり、糖尿病予防にもつながります。
まとめ
マスカットは、妊娠中の女性から離乳食を始める赤ちゃんまで、幅広い世代で楽しめる美味しい果物です。適切な知識と注意点に留意すれば、安心して食生活に取り入れることができます。今回ご紹介したマスカットを使ったレシピ、選び方のポイント、保存方法などを参考に、ぜひマスカットを日々の食卓に取り入れて、旬の味覚を家族みんなで満喫してください。