冬の定番フルーツとして、私たちの食卓を彩るみかん。手軽に食べられる上、ビタミンCも豊富で、健康にも良いのが魅力です。さて、日本一のみかん生産地はどこかご存知でしょうか?本記事では、みかんの産地ランキングを徹底解説。各地域が誇る品種の特徴や、その土地ならではの栽培方法にも注目し、みかんの奥深い世界へとご案内します。日本が誇るみかんの産地を巡り、お気に入りの味を見つけてみませんか?
みかんの産地ランキング!生産量や主力品種をご紹介!
甘酸っぱくてジューシーなみかんは、手軽に購入できて年中楽しめる人気の果物です。国内のみかん主要産地はどこなのか、生産量が多い都道府県以外にも美味しいみかんが栽培されている“隠れた名産地”はあるのか、と疑問に思う方もいるでしょう。この記事ではみかん産地ランキング、産地ごとの栽培の特色、主力品種を詳しくご紹介します。各地の名産みかんを味わいたい方は、ぜひ参考にしてください。
みかんの産地ランキングと栽培の特色
農林水産省発表の「令和5年産みかんの結果樹面積、収穫量及び出荷量」によると、みかんの年間総生産量は約600t。生産量トップ3の産地で半分以上を占めています。温州みかんの栽培地域は九州から関東までで、比較的温暖な地域で盛んに生産されています。各産地独自の気候条件や栽培技術が、みかんの品質を左右します。ここでは、生産量トップ3の産地におけるみかん栽培の特色と、栽培される主力品種を詳しくご紹介します。
第1位:和歌山県「有田みかん」の魅力
みかん生産量第1位は和歌山県で、全国シェアの21.1%を占めます。年間平均気温が16度と温暖で日照時間も長く、みかんをはじめ様々な果物の栽培に適しています。特に有名な産地は有田地方で、「有田みかん」は全国的に高い知名度を誇ります。有田地方は温暖な気候と豊富な日照に加え、みかんの味を左右する7月から8月の降水量が少ないのが特徴です。この時期に適度な乾燥ストレスを与えることで、みかんの甘みが凝縮されると言われています。和歌山県では、水はけの良い斜面や石垣、平地では畝を作るなど、地形に合わせた多様な栽培方法で温州みかんを栽培。みかんの木全体に太陽光が当たるように工夫することで光合成が促進され、甘みたっぷりなみかんに育ちます。主要品種は宮川早生で、他にも極早生や早生など収穫時期が早い品種が多く栽培されています。また、和歌山オリジナル品種として田口早生やゆら早生も生産。「ゆら早生」の中でも糖度12度以上かつ品質検査基準をクリアしたものは「味一ゆら早生」というブランドで販売され、薄いじょうのう膜と甘い味わいが特徴のおすすめ温州みかんです。
第2位:愛媛県 多彩な品種とオリジナルブランドみかん
みかんの生産量第2位は愛媛県で、全国シェアの16.3%を占めています。愛媛県も和歌山県と同様に温暖な気候で、年間を通して15度以上の気温が保たれ、晴れの日が多いのが特徴です。瀬戸内海に面したミネラル豊富な土壌は潮風からミネラル分を多く含み、栄養価の高いみかんを栽培するのに適しています。愛媛県では40種類以上ものみかんが栽培されており、その多様性は全国トップクラスです。温州みかんの主な栽培品種は宮川早生です。また、愛媛県が独自に開発したオリジナルブランドみかんも豊富で、特に有名なのが「紅まどんな」、「甘平(かんぺい)」、そして「はれひめ」です。「紅まどんな」は11月下旬頃から1月上旬頃に旬を迎え、ゼリーのようにとろける果肉と濃厚な甘さが特徴です。「甘平」は1月下旬から3月上旬頃に旬を迎え、シャキッとした独特の食感としっかりとした甘さが楽しめます。大玉で平べったい形も特徴です。「はれひめ」など、これらのオリジナル品種は、爽やかな果汁やプリプリの果肉を味わえる柑橘として人気を集めています。
第3位:静岡県 温州みかんの主要産地、多様な品種
みかん生産量で全国3位に位置する静岡県は、国内シェアの約14.6%を占めています。温暖な気候を最大限に活かし、12月中旬から3月下旬にかけて旬を迎える温州みかんの重要な生産地として知られています。和歌山県や愛媛県が比較的早い時期に収穫できる品種を多く栽培しているのに対し、静岡県では収穫時期が遅い晩生系の品種に力を入れている点が特徴です。特に有名な品種としては、静岡県原産の「青島温州」と「寿太郎温州」が挙げられます。「青島温州」は静岡市で発見され、その美味しさから全国各地で栽培されるようになり、温州みかんを代表する品種の一つと言えるでしょう。高い糖度と控えめな酸味が特徴で、濃厚な味わいが楽しめます。「寿太郎温州」は静岡県沼津市で生まれた品種で、青島温州よりも小ぶりなサイズが特徴です。特筆すべきはその貯蔵性で、12月頃に収穫した後、貯蔵庫で1~2ヶ月保管することで、酸味と甘みのバランスが整い、熟成された甘さを持つ高級みかんとして出荷されます。年明け後も長く楽しむことができ、青島温州よりもさらに濃厚な甘さと深いコクが感じられるのが魅力です。
知る人ぞ知る、みかんの名産地:長崎県の歴史と特徴
みかんの産地として和歌山県や愛媛県が広く知られていますが、実は長崎県もその品質の高さから「隠れた名産地」として評価されています。令和5年度のデータでは全国第5位の生産量を誇り、甘みと酸味のバランスがとれた濃厚な味わいの「長崎みかん」は、多くのファンを持つ特産品です。驚くことに、長崎県では江戸時代からみかん栽培が行われてきたという長い歴史があります。この長い歴史の中で培われた高度な栽培技術により、長崎県は高品質なみかんを安定して全国に出荷し続けています。長崎県に拠点を置くJA長崎せいひは、この長崎みかんを販売しており、濃厚な味わいと爽やかな香りが楽しめる旬の「長崎みかん」は、消費者の間で高い人気を集めています。
早生、晩生とは?みかんの生育時期について
みかんは、品種によって収穫時期が異なり、それが「早生」や「晩生」といった区分の基準となっています。一般的に、露地栽培の温州みかんは9月頃から翌年2月頃まで収穫され、その期間に「極早生」「早生」「中生」「晩生」と分けられます。このうち、「中生」と「晩生」はまとめて「普通品種」と呼ばれることもあります。例えば、極早生みかんは9月から10月上旬、早生みかんは10月上旬から11月下旬、中生みかんは11月下旬から12月下旬、晩生みかんは12月下旬から2月下旬が旬です。収穫量全体で見ると、極早生と早生を合わせた早生品種が過半数を占め、比較的早い時期に店頭に並ぶみかんが多い傾向にあります。また、夏のお中元シーズンにも楽しめる「ハウス栽培」の温州みかんもあり、主に佐賀県や愛知県で栽培されています。ハウス栽培によって収穫時期を調整し、安定供給を実現していますが、収穫量は全体の約3%程度と少数で、露地栽培が依然として主流です。このように、栽培方法や品種による収穫時期の違いを知ることで、一年を通して様々なおいしさのみかんを堪能できます。
まとめ
本記事では、みかんの主要な産地、その特徴、代表的な品種について詳しく解説しました。みかんの産地ランキングトップ3は、和歌山県、愛媛県、静岡県です。これらの地域に共通しているのは、年間を通して温暖な気候と長い日照時間であり、これこそが美味しいみかんを育むための重要な要素と言えるでしょう。また、長崎県は生産量ではトップ3には及びませんが、全国第5位の生産量を誇る知る人ぞ知る名産地です。江戸時代から続く長い栽培の歴史と、そこで培われた高度な技術によって、品質にこだわった極上のみかんが栽培されています。温州みかんは、露地栽培に加えてハウス栽培も行われており、一年を通して様々な時期に味わうことができます。各産地の気候が育んだ個性豊かなみかんの味わい、そして品種ごとの甘みと酸味の絶妙なバランスを、ぜひお試しください。この記事が、みかん選びの一助となれば幸いです。
和歌山県のみかんの特徴は何ですか?
温暖な気候と長い日照時間に恵まれた和歌山県は、みかん栽培に最適な環境です。年間平均気温は約16度。特に「有田みかん」は全国的に有名で、その美味しさの秘密は、7月から8月にかけての少ない降水量にあります。この乾燥がみかんに適度なストレスを与え、甘みを凝縮させるのです。また、水はけの良い斜面地や石垣を利用した栽培、平地での畝作りなど、地形に合わせた工夫も凝らされています。主力品種は宮川早生ですが、和歌山県オリジナルの田口早生やゆら早生も栽培されています。中でも、糖度12度以上の厳しい基準をクリアした「味一ゆら早生」は、薄いじょうのう膜と濃厚な甘さが際立つ逸品です。
愛媛県で有名なみかんの品種は何ですか?
愛媛県は、なんと40種類以上ものみかんが栽培される、多様性豊かなみかん王国です。温州みかんでは宮川早生が広く栽培されています。特に注目すべきは、愛媛県生まれのオリジナルブランド、「紅まどんな」と「甘平(かんぺい)」、そして近年人気の「はれひめ」です。「紅まどんな」は、まるでゼリーのようなとろける果肉と、濃厚な甘みが特徴。「甘平」は、シャキシャキとした食感と、しっかりとした甘さが魅力です。どちらの品種も、爽やかな果汁と、口の中で弾けるような果肉感が楽しめます。
静岡県のみかんはどのような特徴がありますか?
静岡県は、12月中旬から3月下旬にかけて旬を迎える普通温州みかんの主要産地です。早生品種が多い和歌山県や愛媛県に対し、静岡県では晩生系の品種が中心に栽培されています。代表的な品種は、「青島温州」と「寿太郎温州(じゅたろううんしゅう)」です。「青島温州」は、高い糖度と控えめな酸味、そして豊かなコクが特徴です。「寿太郎温州」は、青島温州よりも小ぶりで、12月頃に収穫した後、1~2ヶ月間貯蔵されます。この貯蔵期間によって酸味が和らぎ、甘みが増し、熟成された甘さを持つ高級みかんとして出荷されます。貯蔵性に優れているため、より濃厚な甘さを楽しめます。