お中元・お歳暮:時期、由来、マナー、金額相場、熨斗の書き方まで完全ガイド
日頃お世話になっている方へ、感謝の気持ちを伝えるお中元とお歳暮。日本の美しい習慣として根付いていますが、贈る時期や金額相場、熨斗の書き方など、意外と知らないことも多いのではないでしょうか。この記事では、お中元とお歳暮の由来からマナーまでを徹底解説。品物選びのポイントや、相手に失礼なく喜んでもらうための情報も満載です。この記事を読めば、自信を持って贈り物を選び、感謝の気持ちを伝えることができるでしょう。

そもそもお中元とは?

「お中元」とは、日頃お世話になっている方、特に取引先や上司、両親、親戚などに対して、その年の初めから夏までの約半年間の感謝の気持ちを込めて贈る、日本の夏の習慣です。これは、一般的に目上の人に対して、目下の立場から贈るものとされています。お中元の起源は、中国の道教に由来する「三元」の一つ、旧暦7月15日の「中元」にあります。この中国の行事に、日本古来の夏の先祖供養である「お盆」の文化が合わさり、最初はご先祖様へのお供え物や里帰りの手土産から、次第に日頃お世話になっている方々へ感謝を込めて品物を贈る現在の形へと、江戸時代以降に変化していったと考えられています。また、お中元には夏の厳しい暑さの時期に、相手の健康を気遣い、これからも元気に過ごしてほしいと願う気持ちが込められています。このように、お中元は感謝の気持ちとともに、相手の健康を気遣う大切な習慣として、現代に受け継がれています。

そもそもお歳暮とは?

「お歳暮」は「お中元」と同様に、普段お世話になっている方や仕事関係の方などに対して、1年間の感謝の気持ちを込めて品物を贈る年末の習慣です。お歳暮は12月に入ってから贈るのが一般的で、1年の締めくくりとして、1年間の感謝を伝える大切な意味を持っています。お中元と同じように、お歳暮も目下から目上の人に贈るのが基本です。お歳暮のルーツは様々ありますが、日本の年末に行われていた「御霊祭」というご先祖様を祀る儀式がその一つとされています。昔は嫁いだ娘や分家した親族などが実家や本家へ品物を贈る習慣がありましたが、時代とともに変化し、江戸時代には長屋の大家さんや取引先に対し、日頃の感謝と来年以降も良い関係でいたいという気持ちを込めて、店子や商人が贈り物をしたのが始まりとも言われています。この習慣が、血縁関係だけでなく、日頃お世話になっている方々へ幅広く感謝を伝える現在の「お歳暮」の形へと発展しました。お中元を贈った相手には、1年を通じた感謝を込めて、年末にお歳暮も贈るのがマナーとされています。品物の金額については、年始から夏までの感謝を表すお中元に対し、お歳暮は1年間の感謝を伝えるものなので、お中元の品物よりも少し高めのものを選ぶのが良いとされています。しかし近年では、企業によっては社内でお中元・お歳暮のやり取りを禁止している場合もあるため、特にビジネスシーンで贈りたい場合は、事前に社内ルールを確認することが重要です。ビジネスにおけるお歳暮は、単なる贈り物としてだけでなく、取引先へ年末の挨拶に伺い、より良い関係を築く機会としても活用されています。

お中元とお歳暮の違いは?

混同しやすいお中元とお歳暮ですが、両者にははっきりとした違いがあります。共通点は、普段お世話になっている人に品物を贈って感謝の気持ちを伝えることですが、その起源、贈る時期、金額の目安、そして熨斗の書き方にはそれぞれ異なる特徴があります。これらの違いを理解することで、より適切に感謝の気持ちを伝え、相手への敬意を示すことができるでしょう。

お中元とお歳暮、そのルーツの違いとは

お中元の起源は、中国の道教における「三元」という特別な日に由来します。三元とは、1月15日の「上元」、7月15日の「中元」、10月15日の「下元」のことで、このうち旧暦7月15日の中元が、日本のお中元の源流とされています。日本には古くから、夏にご先祖様を供養する「お盆」という風習があり、この中国の中元の行事とお盆の文化が結びつき、当初はお供え物をしていたものが、ご先祖様への供養とともに、日頃お世話になっている方々へ感謝の品を贈る習慣へと変化していきました。そして、江戸時代以降に、現代のような贈答文化として広く人々に受け入れられるようになったのです。
一方、お歳暮は、日本の年末に行われていた「御霊祭」にルーツを持つと言われています。昔から日本では、年末にご先祖様をお祀りし、お供え物をする習慣がありました。この習慣が時を経て、嫁いだ娘や分家した親族などが実家や本家へ贈り物をするようになり、さらに、血縁関係を超えて、常日頃からお世話になっている方々へ感謝の気持ちを込めて品物を贈る、現在のお歳暮の形へと発展していきました。また、お歳暮の起源には別の説もあり、江戸時代に長屋の大家さんや取引先に対して、日頃の感謝と今後の良好な関係をお願いするために、店子や商人が贈り物をしたのが始まりだという説も有力です。このように、お中元もお歳暮も、もともとは祖先を敬い、共同体の中での人間関係を円滑にするための行事から生まれた、感謝の気持ちを形にする文化と言えるでしょう。

お中元・お歳暮を贈る際のマナーと注意点

お中元やお歳暮を贈る相手に明確なルールはありませんが、一般的には「いつもお世話になっている方」へ、感謝の気持ちを込めて贈ることが多いでしょう。特にビジネスの場面では、今後も良好な関係を維持したい取引先や、日々の業務で深く関わっている関係者などが主な贈り先として挙げられます。ただし、お中元とお歳暮は原則として毎年贈るものですが、すべてのお取引先へ贈る必要はなく、継続的な関係性や、今後のビジネス展開において重要な相手かどうかなどを考慮して選ぶのが一般的です。相手によっては、お返しのことを考えなければならないため、かえって負担をかけてしまう可能性もあります。もし、毎年お付き合いがあるわけではないものの、その年にお世話になったため、どうしても感謝の気持ちを伝えたいという場合は、表書きを「御中元」「御歳暮」ではなく「御礼」として、その年だけの贈り物とするのも良いでしょう。また、これらの贈り物は、基本的に目下の立場から目上の方へ贈るのがマナーとされています。相手への敬意を払い、感謝の気持ちがきちんと伝わるように、ふさわしい相手を選ぶことが大切です。一方で、贈答を控えるべき相手も存在しますので、注意が必要です。例えば、政治家や公務員は、利害関係者からの金銭や物品などの贈与を受けることが法律や倫理規定で厳しく禁じられており、お中元やお歳暮を受け取ることはできません。また、近年では一部の民間企業でも、企業コンプライアンスの観点から、取引先からの贈答品の受け取りを禁止、あるいは制限しているケースが増えています。ビジネスシーンで贈答を検討する際は、贈る前に相手先の社内規定を確認するか、関係者を通じて確認を取ることを強く推奨します。そうすることで、相手に不要な負担をかけたり、企業のルールに違反したりする事態を避け、相手との関係を損なうリスクを減らすことができます。

お中元とお歳暮、贈る時期の違い

お中元とお歳暮を区別する上で、最もわかりやすい違いの一つが、品物を贈る時期です。お中元は夏に、お歳暮は年末に贈るのが一般的ですが、この時期は地域によって大きく異なるため、注意が必要です。特に、贈り先が企業の場合は、その企業の所在地を考慮して適切な時期を選ぶ必要があります。例えば、関東地方ではお中元は7月初旬から7月15日までに、お歳暮は12月初旬から12月31日までに贈るのが一般的です。一方、関西地方ではお中元は7月中旬から8月15日まで、お歳暮は12月13日から12月31日までに贈るのが一般的です。このように、単純に「関東・関西」で分けられるだけでなく、北海道、東北、北陸、東海、中国、四国、九州、沖縄といった各地方によって、お中元やお歳暮の時期は細かく異なっています。そのため、贈る相手の地域に合わせて、適切な時期を事前に調べてから手配することが、マナーとして非常に重要となります。
以下に、地域別のお中元とお歳暮を贈る時期の目安をご紹介します。
お中元を贈る時期:
北海道:7月15日~8月15日
東北・関東:7月初旬~7月15日
北陸:地域によって異なる
関西・東海・中国・四国:7月中旬~8月15日
九州:8月1日~8月15日
沖縄:旧暦の7月15日前後
お歳暮を贈る時期:
北海道:12月13日~12月20日
東北:12月13日~12月25日
関東:12月初旬~12月31日
北陸:12月13日~12月20日
関西:12月13日~12月31日
東海・中国・四国:12月13日~12月25日
九州:12月13日~12月20日
沖縄:12月13日~12月20日
ビジネスシーンにおいては、近年、お中元やお歳暮が特定の時期に集中することで、先方の業務の負担となることを避けたり、他社との差別化を図る目的から、それぞれの地域で定められている贈答時期よりも早めに贈るケースが増えています。また、リモートワークやハイブリッドワークが普及している現代では、相手がオフィスにいない可能性も考慮しなければなりません。品物を贈っても受け取る人が不在の場合、再配達の手配をさせてしまったり、お中元やお歳暮を受け取るためだけに出社を促してしまったりと、かえって迷惑をかけてしまうこともあります。そのため、ビジネスで贈答を行う際には、事前に相手に受け取り可能な日時を確認する、置き配の手配が可能な場合はその旨を伝える、あるいは常温で保存でき、傷みにくい品物を選ぶなど、細やかな配慮が欠かせません。

お中元とお歳暮、金額の相場の違い

お中元は、新年から夏までの半年間の感謝と、夏以降の健康を願って贈るものですが、お歳暮は1年間の感謝を伝える意味合いがあるため、一般的にはお歳暮の方がお中元よりも少し高価な品物を選ぶとされています。具体的には、お歳暮はお中元よりも2~3割程度高めの品を贈るケースが多いようです。金額の目安は、贈る相手や目的によって異なりますが、親戚や知人であれば3,000円前後が相場とされています。しかし、この目安にとらわれず、特にお世話になったと感じる人には、予算を少し高めに設定して、より高価な品物を選んで贈ることもあります。ビジネスシーンでの贈答においては、お中元・お歳暮の時期は、取引先へ直接訪問して挨拶をする良い機会にもなります。このような場合、営業担当者が複数の取引先に贈る際には、相手にお返しの負担をかけさせないように、比較的控えめな金額の品物(例えば1,000円程度の消耗品や個包装のお菓子など)を選ぶ工夫も考えられます。品物の種類としては、お中元は暑い夏の時期に贈るため、旬の果物を使ったゼリーやジュース、ビールなどが喜ばれ、特にビジネスシーンでは、個包装で分けやすいアイスコーヒーや紅茶のセットなども人気です。一方、お歳暮は年末に家族や親戚が集まって楽しめるように、高級な肉、新鮮な魚介類、お菓子、アルコールなどが好まれますが、ビジネスシーンでは、年末年始の挨拶として多くの部署で共有できる個包装のお菓子やコーヒー、調味料セットなども重宝されます。相手の状況や好み、家族構成などを考慮し、消費に困らないものを選ぶことが大切です。

お中元とお歳暮の熨斗の違い

お中元とお歳暮では、品物に添える熨斗にも違いがあります。贈る時期に応じて適切な表書きを選ぶ必要があり、「御中元」のほかに「暑中御見舞」、「残暑御見舞」などがあります。熨斗をつけることは礼儀であり、熨斗紙の上段中央には「御中元」や「御歳暮」と書き、贈り主の名前は水引の下に記します。水引は、何度あっても喜ばしいお祝い事に用いられる「紅白5本蝶結び」が一般的です。地域によって時期が異なるため、相手の地域に合わせた表書きを選ぶことが重要です。例えば、関東地方では、6月中旬から7月15日までが「御中元」、7月16日から8月7日までが「暑中御見舞」、8月8日から9月上旬までが「残暑御見舞」となります。関西地方では、7月16日から8月15日までが「御中元」、8月16日から9月上旬までが「残暑御見舞」となります。お歳暮の場合、12月上旬から12月20日までが「御歳暮」、12月21日から立春(2月4日頃)までが「寒中御見舞」、1月1日から1月7日までが「御年賀」とするのが一般的です。お中元やお歳暮は、贈る相手や自分が喪中であっても贈ることができますが、相手が喪中の場合は、慶事を避ける意味合いから紅白の水引ではなく、白無地の熨斗を使用するのが望ましいでしょう。自分が喪中の場合は、時期をずらして「暑中見舞い」や「寒中見舞い」として贈るのが一般的です。百貨店やオンラインストアなどを利用して贈る際は、熨斗の用意を依頼すれば、適切な形で贈ることができます。

お中元とお歳暮のマナー

お中元とお歳暮には、感謝の気持ちを相手に失礼なく伝えるための様々なマナーが存在します。特にビジネスシーンにおいては、日ごろお世話になっている取引先などに贈るものであるため、マナーを知らずに贈ると相手に不快感を与えてしまう可能性もあります。せっかく贈り物をするのであれば、細部にまで配慮し、相手に気持ちよく受け取ってもらえるように心がけましょう。感謝の気持ちを伝える大切な習慣だからこそ、丁寧な心遣いが大切です。

お中元やお歳暮を持参する場合と持参しない場合

お中元やお歳暮は、本来であれば品物を持参して直接相手の自宅へ伺うのが通例でしたが、近年では相手の負担を考慮し、百貨店やインターネット通販などを利用して配送するのが一般的になっています。持参する場合は、相手の都合を考慮し、早朝や食事の時間帯は避けるのがマナーです。一般的には、午前10時から11時、または午後2時から4時頃が適切とされています。事前に相手に連絡を入れ、都合の良い日時を確認する方がより丁寧な印象を与えます。連絡せずに訪問してしまった場合は、玄関先で手短に品物を渡し、長居しないようにしましょう。現代では、特にビジネスシーンにおいてリモートワークや多様な働き方が普及しているため、会社に贈っても相手が不在の場合も考えられます。そのため、配送を利用する際は、事前に相手の都合を確認するか、不在時でも受け取りやすいように置き配を利用したり、常温保存が可能で日持ちする品物を選ぶなどの配慮が重要です。これにより、相手に再配達の手間をかけたり、贈り物を受け取るためだけに出社させるような事態を避けることができます。

お中元やお歳暮を贈る場合の送り状の書き方

お中元やお歳暮を配送で贈る際に注意すべき点として、品物だけを送ることは挨拶を省略していると捉えられ、マナー違反となる可能性があるため、送り状を添えることが重要です。送り状は、品物が届く前に事前に送るのがより丁寧ですが、品物に同封しても構いません。送り状には、日頃の感謝の気持ちとともに、お中元・お歳暮を贈った旨を伝える目的があります。親戚や親しい間柄の相手には、自身の近況や家族の様子などを書き添えると喜ばれるでしょう。季節の挨拶を盛り込み、相手の健康や幸福を願う言葉を添えることで、より気持ちが伝わる送り状になります。贈り物が果物などの生鮮食品である場合は、到着予定日を記載しておくと、相手への配慮となります。

お中元やお歳暮の熨斗(のし)の書き方

お中元やお歳暮を贈る際、心を込めて熨斗を添えるのが一般的です。熨斗の表書きには、上段に「御中元」「お中元」「御歳暮」「お歳暮」と書き記し、下段には、やや小さめの文字で贈り主のフルネームを記載します。連名で贈る場合は、役職が上の方から順に右側から名前を並べて書きましょう。もし4名以上になる場合は、代表者の氏名を中央に書き、その左側に「他一同」と小さく添えます。水引は、慶事を意味する紅白の蝶結びを選ぶのが一般的です。百貨店やオンラインストアを利用して贈る際は、熨斗の用意を依頼するのがスムーズです。

お中元とお歳暮、両方贈るべき?

お中元とお歳暮は、日頃の感謝の気持ちを形にする、日本ならではの美しい習慣です。しかし、「必ず両方を贈らなければならない」という厳格な決まりはありません。どちらか一方のみを贈ったとしても、マナー違反にはあたりません。もしどちらか一方を選ぶのであれば、一年の感謝を込めるお歳暮を選ぶのが一般的です。お中元は上半期の感謝を、お歳暮は一年全体の感謝を表すとされているため、より広い範囲への感謝を示すことができるお歳暮が優先されることが多いようです。ビジネスシーンでの贈答においては、取引の期間や関係性の深さを考慮して、お中元とお歳暮のどちらを贈るかを判断すると良いでしょう。ただし、一度贈り始めたら、特別な事情がない限り毎年続けることが大切です。贈る年と贈らない年があったりすると、相手に良くない印象を与えてしまう可能性があります。日頃からお世話になっている方々には、感謝の気持ちを継続的に伝えることで、良好な関係を維持し、さらに深めていくことができるでしょう。継続することは、単なる形式的なマナーではなく、相手への誠意を示す重要な行為と捉えられています。

お中元やお歳暮を贈るのをやめたい場合

毎年欠かさずお中元やお歳暮を贈っていたものの、様々な理由で贈るのをやめたいと考えることもあるでしょう。しかし、突然贈答をストップしてしまうのは、相手に対して失礼にあたる可能性があります。お中元やお歳暮は、一度始めると毎年続けるのが礼儀とされているため、一方的にやめてしまうと、相手に不快感を与えたり、心配させてしまうかもしれません。そのような場合は、相手への配慮を忘れずに、段階を踏んで徐々に贈答を控えていくことをおすすめします。例えば、お中元とお歳暮の両方を贈っていた場合は、まずはお中元を控え、お歳暮のみを贈るように変更します。その後、お歳暮の品物の金額を少しずつ控えめにしていくなどの工夫も考えられます。最終的には、品物の贈答を完全にやめ、年末の挨拶状のみを送るという形に移行することで、相手への負担を軽減しつつ、感謝の気持ちを伝えることができます。また、お互いに贈答をしないという提案をしたり、こちらから辞退を申し出るという方法も有効です。いずれにしても、贈答を中止する理由(会社の規定変更、経済的な状況の変化、関係性の変化など)に応じて、最も丁寧な方法を選ぶことが大切です。一方的な中止は避け、感謝の気持ちを伝えつつ、良好な関係を維持するための配慮が求められます。

お中元やお歳暮の時期を過ぎた場合、喪中の場合

お中元やお歳暮を贈る予定だったにも関わらず、時期を逃してしまったという経験があるかもしれません。また、相手の地域によって贈るべき時期が異なる場合もあります。そのような場合でも、感謝の気持ちを伝える手段はあります。お中元の時期を過ぎてしまった場合は、「暑中見舞い」や「残暑見舞い」として贈ることができますし、お歳暮の時期を過ぎてしまった場合は、「寒中見舞い」として贈ることが可能です。その際、熨斗の表書きも状況に合わせて変更する必要があります。具体的には、お中元の時期が過ぎ、立秋(8月8日頃)までは「暑中御見舞」「暑中御伺」とし、立秋を過ぎてから9月上旬までは「残暑御見舞」「残暑御伺」とします。地域によって時期は異なりますが、関東では7月15日まで、関西では8月15日までがお中元の時期とされています。お歳暮の時期を過ぎた場合は、松の内(一般的に1月7日まで)までは「御年賀」として贈ることができ、それ以降は「寒中御見舞」「寒中御伺」として贈ります。また、お中元やお歳暮を贈る相手、または贈る側が喪中の場合は、慶事を意味する紅白の水引は避け、白無地の熨斗を使用するなどの配慮が必要です。企業自体に喪中はありませんが、取引先の社長や役員など、個人として喪中の方へ贈る際は注意が必要です。お中元やお歳暮は「お礼や健康を願う」意味合いを持つ贈り物であり、お祝いとは性質が異なるため、喪中であっても贈ることは可能とされています。しかし、四十九日以内の忌中は避け、熨斗紙には白無地の奉書紙と黒白の水引を使用するなどの配慮が求められます。忌中を避けた結果、お中元やお歳暮の時期を過ぎてしまう場合は、表書きを上記のように変更して贈りましょう。贈る側が喪中の場合は、忌明けを待って時期をずらし、「暑中見舞い」や「寒中見舞い」として贈るのが一般的です。相手への敬意を払い、状況に応じた適切なマナーを心がけましょう。

お中元やお歳暮の品物選びに迷ったら

お中元やお歳暮の贈り物選びは、何を誰に贈れば喜ばれるか悩ましいものです。相手に本当に喜んでもらえる品を選ぶには、事前に相手の好みや生活スタイル、家族構成、食物アレルギーなどを把握し、よく考えることが重要です。例えば、大家族にはみんなで楽しめるお菓子や飲み物、一人暮らしの方には保存がきく食品や日用品、健康志向の方にはオーガニック食品や健康ドリンクなどがおすすめです。また、会社に贈る場合は、個包装で分けやすく、常温保存できるコーヒーやお茶、焼き菓子などが喜ばれます。予算や品物の種類が豊富なデパートやオンラインストアを利用すれば、選択肢が広がり、失敗も少なくなるでしょう。例えば、三越伊勢丹オンラインストアのように、人気のグルメやスイーツ、ドリンク、洗剤など、幅広い商品を取り扱っているところは、贈り物選びに役立ちます。何を選べば良いか迷ったら、一度オンラインストアなどをチェックして、相手が喜ぶ品を見つけるヒントにするのも良いでしょう。季節限定品や地元の特産品なども、特別な贈り物として喜ばれることが多いです。

お中元・お歳暮を受け取ったときのマナー

お中元やお歳暮は、贈るだけでなく受け取ることもあります。贈る際にマナーがあるように、受け取る際にも守るべきマナーが存在します。マナーを知らないと、相手に失礼な印象を与え、その後の関係に影響を及ぼす可能性もあります。お礼の方法や、お返しの品を贈る場合に注意すべき点について見ていきましょう。ここでは、お中元やお歳暮を受け取った際に、心がけるべきマナーを解説します。

1.迅速にお礼を伝える

お中元やお歳暮を受け取ったからといって、必ずしも同等の品物を贈り返す必要はありません。しかし、品物を贈らなくても良いからといって、お礼を省略して良いわけではありません。お中元やお歳暮を受け取ったら、できる限り早めに感謝の気持ちを伝えましょう。ビジネス上の関係者には、感謝状を送るのが礼儀です。感謝状の書き方については、以下の情報を参考にしてください。

2.お返しをする際は時期と内容に配慮する

取引先からお中元やお歳暮をいただいた場合、お返しとして贈り物をするかどうか検討することもあるでしょう。その際は、時期をずらして「残暑お見舞い」「残暑伺い」「寒中お見舞い」「寒中伺い」といった名目で贈るのが一般的です。この際、いただいたものと全く同じ品物を選んだり、相手に贈られたものよりも高価な品物を選んだりするのは避けるべきです。お返しを贈る際は、時期や品物の内容に注意し、相手に負担をかけないように配慮することが大切です。

まとめ

お中元とお歳暮は、日頃からお世話になっている方々への感謝を表現し、健康と幸福を願う日本の伝統的な美しい習慣です。これらの贈り物は、起源、贈る時期、金額の目安、熨斗の書き方など、明確な違いがあります。それぞれの慣習を理解することは、より心のこもった贈り物を実現するために重要です。特に、地域によって贈る時期が異なる点、政治家や公務員、一部の企業で贈答が禁止されている場合がある点、喪中の配慮、一度始めた贈答を継続するかどうかの判断など、細やかな気遣いが求められます。近年、リモートワークの普及により、宅配で贈る際には、相手の都合の良い時間を確認するなど、現代ならではの配慮も大切です。贈り物の選択からタイミング、受け取り後の対応まで、マナーを守ることで相手との信頼関係を築き、良好な関係を維持し、ビジネスや個人的な繋がりを深めることができます。相手を思いやりながら最適な贈り物を選び、日頃の感謝や健康、繁栄を願う気持ちを伝えることで、温かいコミュニケーションを育みましょう。

質問:お中元とお歳暮は、両方贈るのが必須ですか?

回答:一般的に、お中元を贈った相手にはお歳暮も贈るのが礼儀とされていますが、必ずしも両方を贈らなければならないわけではありません。どちらか一方のみの贈答でも失礼にはあたりません。もし片方だけ贈るのであれば、一年の感謝を込める意味合いから、お歳暮を選ぶのが良いでしょう。両方贈ることが理想的ですが、難しい場合は、お中元のみを贈り、年末の挨拶状で感謝を伝えることも可能です。

質問:お中元とお歳暮の品物選びで重要なことは何ですか?

回答:贈り選びで最も重要なのは、相手が本当に喜んでくれる品を選ぶことです。事前に相手の好み、家族構成、生活スタイル、アレルギーの有無などを調べ、実用的で喜ばれるものを選びましょう。例えば、お中元には暑い時期に合うゼリー、ジュース、ビールなどが、お歳暮には年末年始に楽しめる高級な肉、新鮮な魚介類、お菓子、お酒などが適しています。ビジネスシーンでは、個包装のお菓子、コーヒー、常温保存できる調味料などが喜ばれます。消費期限や保存方法、サイズにも配慮し、相手が困らないような贈り物を選びましょう。

質問:贈る時期を過ぎてしまった場合は、どうすれば良いですか?

回答:贈る時期を過ぎてしまった場合は、「暑中見舞い」「残暑見舞い」「寒中見舞い」として贈るのが適切です。お中元の時期を過ぎた場合は、立秋(8月8日頃)までは「暑中見舞い」として、立秋以降は「残暑見舞い」として贈ります。お歳暮の時期を過ぎた場合は、松の内(一般的に1月7日)までは「御年賀」として、それ以降は「寒中見舞い」として贈るのがマナーです。熨斗の表書きも変更し、水引は紅白の蝶結びではなく、白無地のものを使用しましょう。
お中元お歳暮