夏の訪れとともに、登場するフルーツの数々。中でも特別な存在感を放つのが、甘くて香り高く、見た目も鮮やかな「メロン」です。普段は高価なためなかなか手の届かないメロンですが、その旬を迎える夏はリーズナブルに購入するチャンスでもあります。様々な種類のメロンが存在する中で、その違いや選び方、味わい方などを詳しくご紹介します。どのメロンもあなたの暑い夏を透明感のある甘さで涼しくさせてくれること間違いなしです。この記事を読んで、今年の夏は格別なメロンとともに過ごしましょう。
メロンの旬の時期とは
メロンの主な産地
日本では、主要なメロン産地として特に注目すべきは、茨城県、熊本県、そして北海道です。その次には山形県や青森県といった地方もメロンの生産地として知られています。中でも、24年連続で生産量1位を獲得している茨城県は、全国最大のメロン生産地としてその名を馳せています。
2021年におけるメロンの収穫量は、茨城県が36,500トン、熊本県が25,400トン、北海道が20,400トンで、これら3つの県だけで収穫量全体の半分以上を占めています。これらの地域では、適度な湿度と昼夜の寒暖差を持つ気候条件が、メロン栽培に理想的な環境を提供しています。
北海道の夕張メロンは広く名が知れ渡っていますが、その甘さと香りの素晴らしさは、肥沃な大地と寒冷な気候が生んだものなのです。また石川県能登半島の紀州南高メロンは、海水を用いた塩分吸収栽培が行われており、特有のミネラル感と緻密な糖度が特長です。
全国的にも、茨城県のメロンから熊本県のメロンまで、土地の特性と気候を活かした栽培が様々に行われています。それぞれの地域で異なるテロワール(土地の特性)が、メロンの風味豊かさを引き立て、楽しむことができます。これらの産地のメロンは、その品種や風味、質感の異なる味わいを楽しむことができ、日本が誇る逸品であると言えるでしょう。
【茨城県】メロン品種ごとの旬の時期
茨城県は全国で最もメロンの生産量が多く、数々の魅力的な品種が生まれています。その中でも特に旬を迎えるのは5月からであり、6月はまさしくメロンの祭典と言えるでしょう。
その他の豪華な品種たちから旬の風味を引出すのが、茨城県の大地と気候なのです。春から夏にかけての「アンデスメロン」、初夏から夏の「ハニーデューメロン」、そして夏には「キャンタロープ」がそれぞれの旬を迎えます。これらのメロンは、日差しをたっぷり浴びて育ち、フレッシュな香りと豊かな甘さを我々のもとへ運んでくるのです。
そして、初秋には「エメラルドメロン」という少々珍しい品種が旬を迎えます。このメロンの特徴は、その爽やかで甘い香りです。これらのメロンたちは、それぞれの季節に茨城県の気候と大地から最高の味わいを引き出し、それぞれが我々に豊かな恵みをもたらしてくれます。
そんな茨城県のメロン、その四季折々の風味をぜひ味わってみてください。各品種の旬の味わいとともに、茨城県の豊かな大地が育んだ甘いメロンの世界へ、あなたをご案内します。
【熊本県】メロン品種ごとの旬の時期
熊本県は全国でメロン生産量が茨城県に次ぐ2位を誇り、その中でも幅広いメロンの品種が栽培されています。特長的なハネデワメロンから、糖度が19度以上と非常に高いアンデスメロン、冬の旬を迎える兎角メロン、そして新品種のピオーネまで、4月から始まる収穫シーズンには多彩なメロンが楽しめます。
ハネデワメロンはその名の通り、鋭い「ハネ」のようなスジが特徴の熊本県オリジナルメロンです。4月から8月までの旬では甘みと香りが際立ちます。
アンデスメロンは、5月下旬から10月上旬まで楽しめる甘口の果物です。このブランドメロンの最大の魅力は、なんといっても糖度19度以上の極上の甘みです。
9月中旬から11月中旬の旬を迎える兎角メロンは、マスカットのような香りが特徴の一風変わったメロンです。その見た目からもその名の通り、一風変わった存在感を放っています。
新品種のピオーネは7月中旬から9月中旬が旬で、高糖度と溶けるような食感が特徴。試食会での評価も高く、今後の拡大が期待されています。
その全ては熊本県畜産研究所が開発し、熊本県がプロデュースしているもの。果物栽培の先進地である熊本県が年間を通して提供する美味しいメロンを、ぜひ旬の時期にお試しください。
【北海道】メロン品種ごとの旬の時期
北海道は涼しい気候と均一な日照時間、大きな寒暖差を生かし、多くの品種和の美味しいメロンを育てる地として知られています。中でも代表格といわれるのは、「夕張メロン」、「富良野メロン」そして「えぼしメロン」の3つです。
最初に注目したいのは、1960年から栽培が始まり、その甘さと香りの圧倒的な味わいで人気の「夕張メロン」です。夏の訪れとともに、6月から8月頃にかけてその旬を迎え、特に7月上旬には美味しさの頂点に達します。北海道夕張地方の自然環境が育むこのメロンの濃厚な甘さと滑らかな食感は、まさに一度味わったら忘れられない至高の一品と言えるでしょう。
次に、「富良野メロン」は、日持ちする鮮度が特徴の品種です。豊富な種類がある中でも、山に囲まれた富良野地方で栽培されているメロンは、7月から9月頃を旬とし、糖度が高く、適度な酸味が混ざり合いバランスの良い風味が楽しめます。特に出荷量が多く、糖度のピークを迎える8月中旬は、その味わいを存分に味わうのに最適な時期です。
そして、「えぼしメロン」は、北海道南部で栽培されていて、形状、色合い、そして独特の味わいが特徴です。夕張メロンや富良野メロンよりも早い5月下旬から7月初旬が旬で、この期間に至福の食味を味わうことができます。
いずれのメロンも、それぞれの特徴と旬を知り、それぞれの最適な期間に味わうことで、その魅力を最大限に引き立てることができるでしょう。また、豊かな香りと甘さが特徴的なこれらのメロンは、プレゼントとしても喜ばれることでしょう。北海道を訪れた際は、ぜひそれぞれのメロンを旬の時期に味わってみてください。
メロンの選び方
メロンの風味を最大限に味わいたいなら、まずはどのメロンを選ぶかが重要なポイントとなります。良いメロンの選び方について説明します。
一番初めに視覚でチェックするのは、その形状です。均等さが取れたきれいな丸みを持つものが理想的です。形がバラバラではなく、サイズも大きめのメロンほど風味も濃厚とされています。
次に香りを確かめましょう。メロン独特の甘さが漂っていても、それが無理やり強調されているわけではなく、自然なバランスが取れているものが最高です。
続いて確認するのがヘタの部分です。適度に熟していて、プレッシャーに対してちょうど良い反発力を持っているものが理想的な熟度を示しています。
更に、その重さを確かめてみましょう。ずっしりと重みがあり、果汁や糖分がしっかりと詰まっている証拠です。
そして、最後に「鳴き声」を確認します。メロンを耳元で軽く叩いた時の音色が高ければ、そのメロンは果肉が甘く、美味しさが保証されます。
上記のように選んだメロンを家庭できちんと冷やして保存し、適した温度でいただくことも、美味しさを最大限に引き出す秘訣と言えるでしょう。
最後に、果皮の状態も見逃せません。網目メロンは網が立体的に浮き出ているもの、無網メロンは皮が滑らかで色味の均一なものを選んでください。以上のポイントを参考に、自分にとって一番美味しいメロンを見つけてください。
メロンの食べ頃は?
メロンはその甘さとジューシーさが誰もが唸るはずです。だからこそ、この美味しさを堪能するためには、完熟のタイミングを見極めることが必要不可欠です。
メロンの完熟タイミングの見分け方は幾つかあります。その一つが色からの判断です。メロンの表皮が鮮やかな緑色から、黄色みを帯びてくると、それは食べ頃が近いというサインです。特にネット系のメロンにこの変化が見られた場合、追熟が進んでいます。
また、メロンは熟してくると重みが増すため、手に取った時の重さも大切な指標となります。ある程度の重さを感じたものを選びましょう。
一番確実な方法は香りです。メロンが十分に熟すと甘い香りを放ちます。特に、果肉に近い底部に鼻を近づけて香りを嗅いでみると良いでしょう。十分に甘い香りが感じられたら、そのメロンは食べ頃と言えます。
ツルの付いたメロンは、ツルがしおれてきたら食べ頃を迎えています。それでもまだ完熟しきっていないようであれば、風通しの良い涼しい場所に置き追熟させましょう。
しかし、旬を逃すとメロンの風味は急速に減衰し、果肉の食感も損なわれる可能性があるため、食べ頃の見極めはマスターしておきたいものです。夏の風物詩であるメロンの味を最大限に楽しむため、自分だけの見極め方を見つけてください。
まとめ
夏はメロンの美味しさを堪能する最適な時期です。甘さと香りにこだわった選び方、食べ方によって、その魅力は一層深まります。洋風から和風まで、メロンを使った様々なレシピに挑戦しながら、新たな味の発見もお楽しみいただけます。鮮やかな色彩、心地よい甘さと爽やかさ、「旬」のメロンで暑い夏も一気に爽快なものへと変わります。今年の夏は、格別なメロンと共に過ごす贅沢な時間をお過ごしください。