甘くてジューシーなメロンは、夏のデザートとして人気が高い果物です。しかし、一部の方にとっては、その美味しさがアレルギー症状を引き起こす原因となることも。メロンアレルギーは、原因となる物質や症状の現れ方が人それぞれ異なります。この記事では、メロンアレルギーの原因、症状、そして日常生活でできる対策について詳しく解説します。メロンを安心して楽しむために、正しい知識を身につけましょう。
メロンを食べたときに感じる口の中の違和感は、もしかしてアレルギー？
メロンは、食物アレルギー反応を引き起こすことがあります。特に、口の周りに症状が現れる場合は「口腔アレルギー症候群」と呼ばれ、花粉症との関連性が指摘されています。しかし、症状の原因がアレルギーかどうかを自己判断することは避けてください。他の原因も考えられるため、医療機関を受診し、医師の診断を受けることが重要です。アレルギーに関する診療科は、症状に応じて内科、アレルギー科、皮膚科、耳鼻咽喉科、消化器科などが考えられます。受診前に、各医療機関へ診察が可能かどうか問い合わせることをお勧めします。※参考文献：一般社団法人日本アレルギー学会 アレルギーポータル、食物アレルギーの診療の手引き2020
食物アレルギーの症状として、皮膚に現れるものが多い
食物アレルギー反応として最も頻繁に見られるのは、皮膚に現れる発疹やかゆみです。これらの症状は、食事を摂った後の発現時間が個人や食物の種類によって異なることがあり、一般的には数分から数時間以内に現れることが多いとされています。その他、アレルギー反応は多岐にわたり、くしゃみ、鼻水、咳といった呼吸器系の症状や、下痢、腹痛、吐き気などの消化器系の不調、目の充血や腫れといった粘膜の異常が報告されています。呼吸困難などの重篤な症状や、複数の臓器に同時に症状が現れるアナフィラキシー、さらに血圧の低下や意識の喪失を伴うアナフィラキシーショックが発生した場合は、緊急の医療措置が必要です。この場合、救急車の手配を行うことが重要です。
口周辺の違和感は、花粉症との関連が指摘されています
花粉症を持つ人によく見られる口腔アレルギー症候群（OAS）は、唇、舌、喉といった口の周りに、ピリピリ感やかゆみを引き起こすことがあります。この症状は、花粉と特定の果物や野菜に含まれるアレルゲンの構造が類似しているために起こると考えられています。一般的に、メロン、桃、りんご、キウイ、マンゴー、オレンジなどが原因となることがあるため、花粉症をお持ちの方はこれらの果物を摂取した際に違和感を感じた場合、医療機関への受診を検討することが推奨されます。
ラテックスアレルギーの方は重い症状に警戒を
天然ゴム製品の原料であるラテックスにアレルギーをお持ちの方は、特定の果物（メロン、アボカド、バナナ、栗、キウイフルーツなど）を摂取した際に重篤な反応を示すことがあります。この現象は「ラテックス-フルーツ症候群」として知られています。ラテックスアレルギー患者の中には、食物アレルギーが見られる方もいますが、その割合は個々の状況によって異なります。ゴム手袋の使用時に皮膚にかゆみなどの異常を感じた場合は、アレルギー専門医を受診し、適切な診断と治療を受けることを推奨します。
検査は必要に応じて実施
メロンに対するアレルギーが心配な時は、医療機関で適切な検査を受けることをお勧めします。検査の種類としては、血液検査、皮膚に直接試薬をたらすプリックテスト、そして専門医の管理下で実際にメロンを少量ずつ摂取して反応を見る食物経口負荷試験などがあります。受診時には、いつ、どのような症状が出たのか、何を食べたのかなどを記録したメモを持参すると、診断の助けになるでしょう。
メロンは避けるべき？
食物アレルギーへの根本的な対応は、原因となる食品を食事から排除すること、つまり摂取しないことです。成人の食物アレルギーは改善が難しい場合もありますが、症状が軽減する可能性もあるため、一概に長期的な付き合いになるとは限りません。メロンアレルギーと診断された場合は、症状の重さや個々の状況に応じて食品除去の厳しさが変わることがあります。そのため、メロンアレルギーと診断された際は、自身にとって最適な対処法を専門医に相談し、確認することが重要です。
アレルギーの場合、メロンパンやゼリーなどの加工品は食べられますか？
メロンアレルギーを持つ方は、メロンそのものだけでなく、メロンを使用した加工食品にも十分な注意が必要です。たとえば、メロンゼリーにはメロンの果肉や果汁が使われていることがありますが、すべてのメロンゼリーがそうであるわけではないため、原材料表示を確認することが重要です。一方、メロンパンは一般的にメロンの成分を含まないことが多いですが、その名前の由来はメロンの形に似ているからという説があります。しかし、例外的にメロン果汁や果肉を使用したメロンパンも存在しますので、アレルギー体質の方は慎重に原材料を確認することをお勧めします。
メロンアレルギーの症状は多岐にわたる
メロンを食べた後に、皮膚のかゆみ、発疹、または口の中に不快感が生じた場合は、メロンアレルギーの兆候かもしれません。念のため、症状が悪化するのを防ぐために、それ以上の摂取は避けて、医師の診察を受けることをお勧めします。