秋の味覚を代表する栗。その風味を凝縮したマロンペーストは、製菓・パン作りの強い味方です。しかし、いざ選ぶとなると、種類やブランドの多さに迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。この記事では、プロの視点からマロンペーストを徹底比較!風味、甘さ、テクスチャーなど、様々な角度から製品を分析し、用途に合わせた選び方を解説します。さらに、マロンペーストの魅力を最大限に引き出す、プロ直伝の活用術もご紹介。さあ、あなたもマロンペーストをマスターして、ワンランク上のスイーツ&パン作りを楽しみましょう。
サバトン(SABATON)社とは
フランス、アルデッシュ地方。この栗の産地で100年以上の歴史を誇るサバトン社は、選りすぐりのマロン製品を作り続けています。伝統的な製法で作られるマロンペーストやクリームは、栗本来の風味と豊かな香りが特徴。世界中のプロの料理人や菓子職人から支持されています。高品質な同社の製品は、まさに品質の証です。
マロンペースト、マロンクリーム、マロンピューレの違い:原材料、質感、用途
サバトン社を代表するマロンペースト、マロンクリーム、マロンピューレ。これらは原材料、質感、そして用途がそれぞれ異なります。それぞれの特徴を理解することで、お菓子作りやパン作りの可能性が大きく広がります。異なる種類を組み合わせることで、より繊細で奥深い味わいを表現することも可能です。マロンペーストを使いこなすための第一歩として、これらの違いを把握しましょう。
マロンペースト:濃厚な風味としっかりとした質感
マロンペーストの主な材料は、栗、砂糖、グルコースシロップ(小麦由来)、そしてバニラ香料です。丁寧に皮を剥いた栗を裏ごしし、マロングラッセと共にペースト状にし、砂糖とバニラを加えてじっくりと煮詰めて作られます。特徴は、そのしっかりとしたテクスチャーと、糖度60度という安定感。生地に練り込んだり、モンブランクリームのように、泡立てた生クリームやバターと混ぜ合わせるのに最適です。お菓子作りやパン作りで最も頻繁に使われるため、どれを選べば良いか迷った際には、まずはこちらを試してみるのがおすすめです。
マロンクリーム:なめらかで混ぜやすい質感
マロンクリームの材料もマロンペーストと同様に、砂糖、グルコースシロップ(小麦由来)、栗、バニラ香料です。しかし、マロンペーストとは材料の配合比率が異なります。マロンクリームは、栗よりも糖類の割合が多くなっています(ただし、原材料割合は糖類と栗がほぼ同量とのことです)。裏ごしした栗、マロングラッセ、そしてその他の材料を加えて作られる、芳醇な香りの製品です。マロンペーストに比べて水分が多く、柔らかい質感が特徴で、塗りやすく、他の材料とも馴染みやすいのが利点です。糖度はマロンペーストと同じ60度。泡立てた生クリームやヨーグルトなどの乳製品に混ぜたり、マドレーヌなどの焼き菓子に混ぜ込むのもおすすめです。また、ジャムの代わりとしてパンに塗るなど、手軽に楽しむこともできます。
マロンピューレ:栗の持ち味を最大限に引き出す
マロンピューレの主原料は厳選された栗のみ。丁寧に蒸し上げた栗を丁寧に裏ごしすることで、栗本来の自然な甘さと豊かな風味が際立ちます。甘みが控えめなので、お菓子作りはもちろん、様々なお料理にも応用可能です。テクスチャはしっかりとしていますが、糖分を加えていないため、マロンペーストのような強い粘り気はありません。マロンペーストやマロンクリームと組み合わせて、甘さや食感を調整するのに適しています。ポタージュやソースといった料理に加えることで、風味に深みを与えられますが、単独で使用するよりも、他の材料と調和させることで、お菓子作りの可能性が広がります。砂糖不使用のため、長期保存には適していません。開封後は清潔な容器に移し替え、冷蔵庫で保存し、賞味期限に関わらず早めに使い切るように心がけましょう。
サバトンのマロン製品を活用したモンブランクリームのレシピ
サバトンのマロン製品を使用した定番レシピとして、モンブランクリームが挙げられます。それぞれの製品が持つ個性を活かした、特別なモンブランクリームの作り方をご紹介します。
マロンペーストで作るモンブランクリーム:基本レシピ
マロンペーストをベースにしたモンブランクリームは、そのしっかりとした質感が魅力です。モンブランクリームに適した力加減で絞り袋を扱い、均一な速度でらせんを描くように絞り出します。一段絞ったら、その上にまっすぐと層を重ねていくイメージで、美しく仕上げましょう。
材料(4個分)
- マロンペースト: 200g
- 無塩バター: 20g
- 生クリーム: 50g
- ラム酒: 5g
作り方
- マロンペーストをゴムベラで丁寧にほぐし、なめらかにします。そこにバターを加え、しっかりと混ぜ合わせます。
- 生クリームを少しずつ(2~3回に分けて)加え、その都度、生地になじませるように混ぜます。ダマにならないよう、丁寧に混ぜることが重要です。
- 最後にラム酒を加えて風味を付ければ完成です。
このモンブランクリームを、サクサクとしたダックワーズ生地の上に絞り出せば、クラシックなモンブランが手軽に楽しめます。
マロンクリームで作るモンブランクリーム:軽やかな口どけ
マロンクリームをベースにしたモンブランクリームは、泡立てた生クリームとの相性が抜群で、ふんわりと軽い食感が特徴です。ただし、分離しやすいデリケートなクリームなので、混ぜすぎにはくれぐれも注意が必要です。
材料(4個分)
- マロンクリーム: 170g
- 生クリーム(8分立て): 170g
- ラム酒: 8g
作り方
- マロンクリームに、8分立てにした生クリームを加え、優しく混ぜ合わせます。混ぜすぎると分離してしまうため、注意が必要です。
- 最後にラム酒を加え、全体がなじむようにさっくりと混ぜて、風味をプラスします。
- 絞り袋に入れ、お好みの形に絞り出してください。
マロンピューレ活用:自分で甘さを調整できるモンブランクリーム
マロンピューレをベースにしたモンブランクリームは、甘さの微調整が可能な点が魅力です。マロンピューレにパウダーシュガーを加えて、好みの甘さになるように丁寧に混ぜ合わせ、その後、風味豊かなバターとラム酒を加えて、極上のモンブランクリームへと昇華させます。
材料(4個分)
- マロンピューレ: 150g
- 粉糖: 20g
- 無塩バター: 50g
- ラム酒: 7g
作り方
- マロンピューレをゴムベラで丁寧に混ぜ、なめらかな状態にする。粉糖を加え、均一になるようにしっかりと混ぜる。
- 柔らかくしたバターを加え、ダマにならないよう丁寧に混ぜ合わせる。
- ラム酒を加え、全体が均一になるようしっかりと混ぜ合わせ、風味をなじませる。
- クリームを絞り袋に入れ、美しく絞り出す。
用途で選ぶマロン製品:モンブランを例にご紹介
モンブランクリームは、様々なマロン製品で作成できますが、それぞれ独特の風味と食感が生まれます。濃厚で本格的なモンブランを作りたい場合はマロンペースト、軽やかで口溶けの良いモンブランがお望みならマロンクリームが適しています。甘さを自分で調整したい場合や、甘さ控えめでフレッシュな味わいのモンブランを目指すなら、マロンピューレが最適です。ぜひ、色々なマロン製品を試して、理想のモンブラン作りに挑戦してみてください。
まとめ
サバトンのマロンペースト、マロンクリーム、マロンピューレは、それぞれ異なる個性を持つ素晴らしい製品です。それぞれの特性を理解し、作りたいお菓子やパンに合わせて使い分けることで、あなたの腕前はさらに向上するでしょう。ぜひ、様々なレシピに挑戦し、マロンの奥深い味わいを存分にお楽しみください。
サバトンのマロンペースト、マロンクリーム、マロンピューレの入手先
富澤商店のような製菓材料専門店や、便利なオンラインストアで手軽に購入できます。サバトン社のマロン製品は、一流のパティシエにも選ばれる、その品質の高さが魅力です。
マロンピューレ、開封後の保管はどうすれば?
マロンピューレは、砂糖を加えていないため、日持ちしません。開封後は清潔な容器に移し替え、冷蔵庫で保管し、お早めにご使用ください。
モンブランクリーム作り、最適なマロン製品はどれ?
しっかりとした濃厚な味わいのモンブランがお好みならマロンペースト、ふんわりと軽い口当たりのモンブランがお好みならマロンクリームが適しています。また、甘さを自分で調整したい場合や、甘さ控えめでフレッシュなモンブランを作りたい場合は、マロンピューレがおすすめです。