タイといえば、甘くて美味しいマンゴーを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。温暖な気候で育まれたタイのマンゴーは、日本でも人気のフルーツです。しかし、タイには様々な品種のマンゴーがあり、それぞれに異なる味わいと魅力があります。この記事では、タイを代表するマンゴーの品種を厳選し、それぞれの特徴や旬の時期を詳しく解説します。タイ産のマンゴーの奥深い魅力を知り、より美味しくマンゴーを味わってみませんか？

タイと言えばマンゴー、そしてその手頃な価格が魅力ですが、実際にどんな種類があって、どんな味がするのか、詳しく知っている方は意外と少ないかもしれません。この記事では、タイで出会える多種多様なマンゴーの中から、特に人気の高い10品種を厳選し、その味の特徴や旬の時期を詳しく解説します。日本では高級フルーツとして知られるマンゴーも、タイでは信じられないほど安く、100円以下で購入できることも珍しくありません。タイのマンゴーは、品種や気候によって旬が異なりますが、一般的には3月から6月が最も美味しい時期とされています。この期間中は、様々なマンゴーをお手頃な価格で楽しむことができます。タイ国内には170種類以上ものマンゴーが存在すると言われ、その豊富なバリエーションは訪れる人々を惹きつけます。この記事を参考に、タイを訪れた際は、ぜひ色々な種類のマンゴーを味わい、その奥深い世界を堪能してください。

タイには本当にたくさんのマンゴーがあり、それぞれ味、食感、見た目が違います。ここでは、特に人気があって、お店でよく見かける代表的な品種を詳しく紹介します。それぞれのマンゴーが持つ独特の魅力を知れば、タイでのマンゴー選びがもっと楽しくなるはずです。

ナムドークマイは、タイで一番多く作られているマンゴーで、今ではナムドークマイ4号やナムドークマイシートーンなど、6つの品種が栽培されています。中でも、チャチューンサオ県のバーンクラー郡で作られるものは、特に高級品として扱われています。果皮はきれいな黄色で、熟すと明るいレモンイエローに変わります。形は細長くて、水滴のような形をしていることから、「花のしずく」という意味の「ナムドークマイ」という名前が付けられました。果肉は繊維がとても少なくて、舌触りがなめらかで、とろけるような食感が特徴です。味はクセがなく、コクのある甘さとほどよい酸味が絶妙なバランスで、多くの人に愛されています。タイの屋台で売られているカットマンゴーは、ほとんどがこのナムドークマイ種で、手軽に30バーツくらいで楽しめます。また、日本でも人気の高い、もち米とマンゴーを使ったデザート「カオニャオマムアン」や、マンゴーチーズケーキにもよく使われています。

マハチャノックは、サンセット種とナングランワン種が自然に交配して生まれた品種で、品質が高いため日本にも輸出されています。昔、プミポン国王に献上されたことがあり、「マハーチャノック」という名前が付けられたという話もあります。形は細長い楕円形で、果皮は熟すと緑色からオレンジ色、時には赤みがかることもあります。マハチャノックの果肉は繊維が少なくて、とろけるような食感が楽しめます。ナムドークマイ種に比べると甘さは少し控えめですが、桃とプラムを合わせたような、上品で豊かな香りが特徴です。一口食べると、その香りがずっと口の中に広がり、贅沢な気分になります。香りを重視する方には、ぜひ試してほしい品種です。

タイ産のチョークアナンは、年に2度収穫できる珍しいマンゴーで、日本への輸出も許可されています。果皮は美しい黄色で、熟すにつれてその色合いはさらに濃くなり、完全に熟すと明るいレモンイエローに変わります。食べ頃を見極めるには、果皮にわずかにしわが出始めた頃が最適で、これは完熟のサインです。見た目はコロンとした可愛らしい卵型で、サイズはやや小ぶりで約200g程度です。チョークアナンの果肉を切ると、鮮やかなオレンジ色が目に飛び込んできます。口に含むと、トロピカルフルーツならではの甘い香りが広がります。食感はただとろけるだけでなく、メロンのように滑らかな舌触りで、独特の食感も楽しめます。香り高く、蜜のように濃厚な甘さと、爽やかな酸味が絶妙なバランスで調和した、非常に完成度の高いマンゴーです。完熟すると糖度は20度を超え、濃厚な甘さと程よい酸味が調和し、滑らかな舌触りが口いっぱいに広がります。

オグロンはタイで古くから栽培されている伝統的な品種で、現在タイ国内では11種類が栽培されています。果皮は少し緑がかった薄い黄色で、熟すにつれてレモン色へと変化していきます。形は細長い丸石のような独特の形状をしています。オグロンの果肉は白っぽく、フォークを刺しただけで果汁があふれ出すほど、みずみずしいのが特徴です。豊かな甘さに加え、爽やかな酸味も持ち合わせているため、非常にさっぱりとした味わいが楽しめます。水分が多く、喉越しの良いマンゴーがお好みの方には特におすすめです。

デーンチャックラパットは、日本国内では「太陽のタマゴ」という名で知られる、宮崎県産のアーウィン種と全く同じ品種です。宮崎県産の太陽のタマゴは非常に高価ですが、タイの市場ではデーンチャックラパットが手頃な価格で販売されています。果皮はリンゴのように赤と緑が混ざり合い、熟すにつれて鮮やかな赤紫色に変化します。形状は卵型で、約1kgと他のマンゴーに比べて大きく、ずっしりとした重みが特徴です。「デーンチャックラパット」という名前はタイ語で「赤い皇帝」を意味し、まさにその名にふさわしい、素晴らしい味わいのマンゴーです。果肉を切ると鮮やかなオレンジ色が現れ、爽やかな香りが漂います。種が小さいため、果肉がたっぷりと詰まっており、食べ応えも十分です。果肉はジューシーでみずみずしく、柔らかすぎず、適度な歯ごたえもあります。酸味が少なく、繊維質も少ないため、糖度15度以上の濃厚な甘さを存分に堪能できます。市場の店主によると、「見た目の良いものは高級スーパーに出荷されるため、市場には見た目が劣るものしか並ばないが、味は変わらない」とのことです。高級マンゴーを心ゆくまで楽しみたい方にとって、デーンチャックラパットは最高の選択肢となるでしょう。

アートゥーイートゥーは、ケント種を改良した品種で、オーストラリアで生まれ、1994年からタイへの輸入が始まりました。果皮は黄色やオレンジ色をベースとしており、熟すにつれて美しい赤色へと変化します。形状は球形で、一般的なサイズは男性の拳くらいの300g程度ですが、大きいものだとソフトボールほどの800gになることもあります。この品種の最大の魅力は、未熟、中熟、完熟と、それぞれの段階で異なる味わいを楽しめる点です。中熟の果肉は鮮やかなオレンジ色で、柑橘系の爽やかな香りが特徴です。程よい硬さで、あっさりとした甘さと、もちもちとした独特の食感が楽しめます。また、他の品種に比べて果肉が厚く（果肉の割合は81％）、食べ応えがあります。完熟すると、果皮は茶色がかった赤みがかった山吹色に変わります。完熟した果肉は、ややとろりとした食感になり、アボカドやパパイヤのような独特の風味に変化します。糖度も上がり、芳醇な甘さを存分に味わうことができます。

ジンホウマンゴーは、台湾原産の金煌（きんこう）という品種を改良して生まれた、比較的新しいマンゴーです。特徴的なのはその外観で、黄緑色の果皮は熟成が進むにつれて鮮やかな黄色へと変化します。形状はスマートで細長く、そのサイズも魅力の一つ。大きいものだと2kgを超えることもあります。収穫後すぐではなく、追熟させてから食べるのが美味しく味わう秘訣で、収穫から約10日後あたりが食べ頃とされています。完熟には約2週間ほど見ておくと良いでしょう。カットした果肉は、目を引くような濃い黄色で、先端部分は若干白っぽい色をしています。味は、他の品種に比べてやや酸味が強めですが、果肉がたっぷり詰まっており、繊維質が少ないため、非常に食べやすいのが特徴です。その大きさを活かして、家族や友人たちと分け合って楽しむのもおすすめです。

キイアオサウェイは、一般的に「青マンゴー」として知られていますが、実は完熟させても格別な美味しさを楽しめる品種です。果皮は深緑色で、熟していくにつれて黄緑色を帯び、最終的には黄色っぽく変化します。食べ頃を見極めるポイントは、指で軽く押したときに少しへこむ感覚があるかどうかです。ただし、キイアオサウェイのような青マンゴーは、完全に熟しても果皮が鮮やかな黄色になることはありません。カットする際は、果皮と果肉の間にペティーナイフを滑り込ませると、意外なほどスムーズに切れます。見た目は硬そうに思えますが、実際には柔らかく、扱いやすいのが特徴です。果肉はもっちりとした独特の食感で、噛むほどにその弾力が楽しめます。甘みと同時に、青リンゴのような爽やかな酸味が感じられ、絶妙なバランスの風味が口の中に広がります。

マンシィウィチャイの最大の特徴は、一度嗅ぐと忘れられないほど豊かなフローラルな香りです。未熟な状態と完熟した状態とで異なる風味を楽しめるのも魅力の一つです。果皮が深緑色から黄色みを帯びた黄緑色に変わったら、食べ頃のサインです。カットすると、みずみずしいオレンジ色の果肉が現れ、同時に芳醇な香りが広がります。濃厚な甘さと滑らかな舌触りはもちろん、鼻を抜けるフローラルな香りは、他のマンゴーにはない特別な体験をもたらします。一度味わえば、その印象的な風味に魅了されること間違いありません。さらに、マンシィウィチャイは「皮ごと食べられる」という珍しい特徴も持っています。皮には苦味がなく、金柑やオレンジピールのような風味があり、写真のように皮付きのままカットして美味しくいただけます。このユニークな食べ方も、マンシィウィチャイならではの魅力と言えるでしょう。

タイでマンゴーを求めるなら、地元の市場が断然おすすめです。スーパーでも購入できますが、市場ではより手頃な価格で、新鮮かつ美味しいマンゴーが見つかる可能性が高いです。市場では通常、重さで販売されており、人気のナムドークマイ種であれば、1キロあたり約3個が目安となります。旬の時期（2月～6月頃）であれば、価格は通常150バーツ程度、高くても300バーツを超えることはほとんどありません。ただし、シーズンを外れると、400バーツを超えることもあります。市場での買い物では、キロあたりの価格がマンゴーの上に置かれた紙に表示されていることが多いので、値段を尋ねたり、交渉したりする手間はほとんどありません。ただし、タイの市場では、半キロだけ、またはマンゴーを1個だけ購入するような買い方は好まれないことがあるため、注意が必要です。旅行者として訪れる際は、複数個またはキロ単位での購入を検討することをお勧めします。そうすることで、スムーズな購入ができ、より質の高いマンゴーに出会えるチャンスも広がります。

市場などで購入したマンゴーを最高の状態で味わうためには、適切な追熟と保存が不可欠です。もし購入したマンゴーがまだ硬く、熟していない場合は、すぐに冷蔵庫に入れるのは避けましょう。低温環境では追熟が妨げられ、本来の甘みや風味が十分に引き出されなくなってしまいます。マンゴーを美味しく食べるためには、常温で追熟させることが重要です。タイの気温では、マンゴーの種類や熟度にもよりますが、一般的に1日から4日程度で食べ頃を迎えます。食べ頃のサインは、指でマンゴーの表面を軽く押してみて、わずかにへこむ程度の柔らかさになった状態です。この状態になると、果肉は最も甘く、豊かな香りを放ちます。完全に熟したマンゴーは、それ以上常温に置いておくと品質が低下するため、頃合いを見てすぐに冷蔵庫に移しましょう。低温下では追熟が抑制され、多少日持ちしますが、長期間保存すると風味が損なわれるため、できるだけ早く食べきることをお勧めします。また、特に大きく、柔らかくなったマンゴーは、自重で傷みやすくなることがあります。そのため、冷蔵庫に直接入れるのではなく、柔らかい布やキッチンペーパーの上に置くなど、丁寧に保存することで品質を保つことができます。

マンゴーを安心して楽しむために特に注意したいのが、「マンゴー皮膚炎」というアレルギー性のかぶれです。マンゴーはウルシ科の植物であるため、果皮や樹液に触れることで、体質によってはアレルギー反応を起こし、皮膚炎を引き起こす可能性があります。症状としては、かゆみを伴う赤み、発疹、炎症などが現れ、重症化すると水ぶくれが生じることもあります。マンゴーに触れた手で顔や体の他の部位に触れると、炎症が広がる可能性があるため注意が必要です。筆者もマンゴー皮膚炎を経験し、腕に赤い発疹とかゆみに悩まされましたが、薬局で処方された軟膏（ステロイド外用剤など）を塗布することで、4日から5日で症状が改善しました。特に肌がデリケートな方やアレルギー体質の方は、マンゴーを扱う際に手袋を着用するなどの予防措置を講じることを強く推奨します。市場などでマンゴーを購入した際には、まず流水で果皮を丁寧に洗い、樹液を洗い流すことも効果的な対策となります。万が一、症状が現れた場合は、掻きむしらず、早めに医療機関を受診するか、適切な市販薬を使用してください。

タイでは、日本では高価な高級マンゴーが、地元の市場で驚くほど手頃な価格で手に入ります。この記事でご紹介したナムドークマイ、マハチャノック、チョークアナン、デーンチャックラパットなどの人気品種から、珍しいマンシィウィチャイまで、タイには実に多様なマンゴーが存在し、それぞれが独自の風味と魅力を備えています。旬の時期である3月から6月にかけてタイを訪れる際には、ぜひこれらのマンゴーを味わい比べ、その甘さ、香り、食感の違いを堪能してみてください。さらに、今回ご紹介した外観や触感による選び方のポイント、ぷっくりマンゴーの秘密、炭疽病に関する知識、そして市場での購入方法や適切な追熟・保存方法を実践することで、タイのマンゴーをより深く、美味しく味わうことができるでしょう。また、マンゴー皮膚炎のリスクに留意し、安全な取り扱いを心がけることで、タイの豊かなフルーツ文化に触れる旅は、忘れられない思い出となるはずです。

タイでは170を超える多種多様なマンゴーが栽培されています。中でも、特に人気が高いのは、甘い香りが特徴のナムドークマイ、独特の風味を持つマハチャノック、濃厚な甘さのチョークアナン、そして、オグロン、デーンチャックラパット、アートゥーイートゥー、ジンホウ、キイアオサウェイ、マンシィウィチャイなどが挙げられます。これらの品種はそれぞれ、味、香り、食感、見た目に個性があります。

タイのマンゴーは、種類やその年の気候条件によって収穫時期が異なりますが、一般的には3月から6月にかけてが旬を迎えます。この時期には、様々な種類のマンゴーが市場に豊富に出回り、最も美味しく、手頃な価格で楽しむことができます。

美味しいマンゴーを選ぶためには、まず「いつ食べるのか」を考慮し、熟度を見極めることが大切です。例えば、ナムドークマイの場合、表面の皮にわずかなシワが見られ、小さな黒い斑点が出始めたものが、完熟しているサインです。また、軽く押してみて、硬すぎず、柔らかすぎて指が沈み込まない程度の弾力があるかを確認しましょう。小ぶりで真ん中がふっくらとした形状のマンゴー（通称：ぷっくりマンゴー、マムアン トーン）は、種が薄く、濃厚な甘さを持つ傾向があります。

マンゴーの表面に現れる黒い点は、「炭疽病」というカビによるものです。バナナのシュガースポットとは異なり、一種の病気ですが、人体には無害であり、黒い点が皮だけに留まっている場合は、味に影響を与えることはありません。黒い斑点が現れ始めたら、冷蔵庫で保存することで、広がりを抑えることができます。もし果肉内部まで黒い部分が広がっている場合は、その部分を取り除けば食べられますが、そのようなケースは稀です。黒い点は、熟成が進み、甘みが増す過程で現れることが多いため、食べ頃のサインと考えることもできます。

タイで購入したマンゴーがまだ硬い場合は、室温で熟させましょう。指で軽く触れてみて、わずかに弾力を感じる程度になれば食べ頃です。十分に熟したら、鮮度を保つために冷蔵庫での保存に切り替えます。冷蔵保存によって熟成の速度を緩やかにし、品質をある程度維持できます。ただし、冷蔵期間が長すぎると本来の風味が損なわれる可能性があるため、できるだけ早くお召し上がりください。なお、熟したマンゴーはデリケートで傷つきやすいので、冷蔵庫に入れる際には柔らかい布などを敷いて保護することをおすすめします。