ハワイの温かい日差しを浴びながら、頬張るマラサダ。一口食べれば、外はカリッと、中はふわふわの食感が広がり、幸せな気分に包まれます。ポルトガルから伝わったこの揚げ菓子は、今やハワイを代表するスイーツとして、地元の人々はもちろん、世界中の観光客にも愛されています。シンプルながらも奥深い味わいのマラサダは、ハワイの風景に欠かせない存在です。
マラサダとは?その魅力と特徴
マラサダは、ポルトガルを起源とする揚げ菓子で、小麦粉、イースト、砂糖などを混ぜて作った生地を揚げたものです。ハワイではポピュラーなスイーツとして広く愛されており、外側のカリッとした食感と、内側のふんわりとした食感のコントラストが特徴です。揚げたてに粉砂糖やシナモンシュガーをまぶして食べるのが一般的ですが、近年ではカスタードやチョコレートなど、様々なクリームを詰めたものも人気を集めています。
マラサダの歴史:大航海時代からハワイでの普及
マラサダの起源は、大航海時代に遡るポルトガルにあります。15世紀以降、ポルトガルは世界各地に進出し、ブラジルなどで砂糖の生産が盛んになりました。四旬節の前日に、貴重なラードや砂糖を使い切るために各家庭で作られていたお菓子が、ポルトガルからの移民によってハワイへと伝えられたのです。ハワイでマラサダを広めた立役者として知られるのが、1952年創業の「レナーズ・ベーカリー」です。ポルトガル出身の創業者が、故郷の味を再現したところ、たちまちローカルの人々の間で評判となり、ハワイ全土にその人気が広がりました。
マラサダ、ドーナツ、揚げパン:それぞれの違い
マラサダは、ドーナツや揚げパンと似た揚げ菓子ですが、その製法にはいくつかの違いが見られます。マラサダは、イーストを使って生地を発酵させることで独特の風味と食感を生み出すのに対し、一般的なドーナツはベーキングパウダーなどの膨張剤を使って生地を膨らませます。また、マラサダは生地に穴を開けずに揚げるのが特徴です。一方、揚げパンは、オーブンで焼いたパン生地を揚げて砂糖などをまぶしたもので、マラサダとは生地の作り方そのものが異なります。
ハワイにおけるマラサダ:マラサダの日と文化への根付き
ハワイでは、毎年3月上旬の火曜日が「マラサダの日」として祝われています。この日は、ポルトガルからの移民が、カトリック教会の四旬節の前に、余ったラードや砂糖を使い切るためにマラサダを大量に作り、近隣住民に分け与えたという習慣に由来しています。近年では、マラサダだけでなく、パンケーキやワッフルなど、様々なスイーツを楽しむイベントも開催されています。マラサダは、ハワイの食文化に深く根付いており、地元の人々にとって特別な存在として愛され続けています。
ハワイで愛されるマラサダ店:人気店から隠れた名店まで
ハワイには、様々なマラサダを提供するお店が点在しています。その中でも特におすすめしたいお店をいくつかご紹介します。
レナーズベーカリー(Leonard's Bakery)
1952年創業の老舗で、マラサダをハワイで広く知らしめたパイオニア的な存在です。カパフル通り沿いの本店は、地元住民や観光客でいつも賑わっています。定番のプレーンをはじめ、シナモン、カスタードなど、豊富なフレーバーが楽しめ、揚げたてアツアツのマラサダは格別です。
ペニーズ・マラサダ(Penny's Malasadas)
2022年7月にワイキキのロイヤル・ハワイアン・センターに開店したばかりのマラサダ専門店です。代々受け継がれてきたレシピで作られるマラサダは、毎朝6時から提供されています。ハワイアンケーンシュガーやシナモンシュガーをまぶした定番に加え、ココナッツ、あずき、ヌテラなど、色々なクリーム入りのマラサダも味わえます。
カメハメハベーカリー(Kamehameha Bakery)
カリヒ地区にある地元の人々に愛されるベーカリーで、タロイモを使った紫色のマラサダ、「ポイ・グレーズド」が看板メニューです。タロイモの優しい風味と、砂糖のシャリシャリ感が特徴で、午前中に売り切れてしまうほどの人気ぶりです。
パイプライン・ベイクショップ&クリーマリー
マラサダ愛好家なら見逃せないのが、パイプライン・ベイクショップ&クリーマリー。あの有名なレナーズで腕を振るっていた人物が、独自のレシピを追求してオープンしたお店です。定番のプレーンはもちろん、ココアやコーヒー、リーヒン、シナモンなど、バラエティ豊かなフレーバーが楽しめます。自家製アイスクリームとの相性も抜群で、至福のひとときを過ごせるでしょう。
アグネス・ポーチュギーズ・ベイク・ショップ
オアフ島カイルアで生まれたアグネス・ポーチュギーズ・ベイク・ショップは、現在フードトラックでハワイ各地を旅するように展開しています。ここのマラサダの特徴は、ハワイでは珍しい穴あきスタイル。もちもちとした独特の食感と、甘さを抑えた上品な味わいが魅力です。
リリハ・ベーカリー
1950年の創業以来、地元の人々に愛され続けているリリハ・ベーカリー。日系ベーカリーならではの親しみやすい味が魅力で、マラサダもその人気を支える一翼を担っています。アップル、あずき、ハウピア、リリコイなど、豊富なフレーバーが用意されており、アラモアナセンター内の店舗でも手軽に購入できるのが嬉しいポイントです。
自宅で簡単!手作りマラサダのレシピ
実はマラサダは、お家でも意外と簡単に作れるんです。ここでは、基本のマラサダレシピをご紹介します。ぜひチャレンジして、揚げたてアツアツのマラサダを味わってみてください。
材料
- パン用強力粉:200g
- 薄力粉:50g
- グラニュー糖:30g
- 食塩:少々
- ドライイースト:3g
- 牛乳:150ml
- 鶏卵:1個
- 無塩発酵バター:20g
- 揚げ油:適宜
- 粉糖:適量(仕上げ用)
作り方
- 大きめのボウルに強力粉、薄力粉、グラニュー糖、食塩、ドライイーストを加え、泡立て器で均一になるまで混ぜ合わせます。
- 別の容器に牛乳と卵を入れ、よく混ぜ合わせます。
- 1のボウルに2を少しずつ注ぎ入れながら、ゴムベラで丁寧に混ぜ、粉っぽさがなくなってきたらバターを加えてさらに混ぜます。
- 生地がまとまってきたら、丸めてボウルに戻し、ラップをして、温度が一定の場所で約1時間、一次発酵させます。
- 生地が約2倍に膨らんだら、軽く押してガスを抜き、8等分にして丸めます。
- オーブンシートの上に生地を間隔を空けて並べ、乾燥しないようにラップをかけ、約30分、二次発酵させます。
- 揚げ油を170℃に設定し、生地をオーブンシートごと油に入れ、両面がきつね色になるまで丁寧に揚げます。
- 油を切ったら、まだ温かいうちに粉糖を全体にまぶして出来上がりです。
生地がデリケートなため、オーブンシートごと揚げると綺麗な形を保てます。生地は、ホームベーカリーを使用するとより手軽に作れます。粉糖は、粗熱を取ってからまぶすと溶けにくいです。ぜひ、揚げたてアツアツのマラサダをお楽しみください。
マラサダ作りのコツ
マラサダをより美味しく作るための秘訣をご紹介します。
- 生地の発酵は、温度管理が重要です。適切な温度で発酵させましょう。
- 揚げ油の温度を一定に保つことで、均一に揚げることができます。
- 揚げたては非常に熱いので、召し上がる際は火傷に注意してください。
まとめ
マラサダは、ポルトガルをルーツとし、ハワイで独自の発展を遂げた、とても魅力的なお菓子です。ハワイ旅行の際には、ぜひ本場の味を体験してみてください。また、ご自宅でも簡単に作れるので、ハワイの風味を手軽に楽しむのもおすすめです。
質問:マラサダはどこで手に入りますか?
回答:ハワイには数多くのマラサダ専門店が存在します。その他、パン屋さんやスーパーマーケットでも購入可能です。日本国内でも、ハワイアンカフェやパン屋さんなどで見かけることがあります。
質問:マラサダのカロリーはどのくらいですか?
回答:マラサダのカロリーは、大きさや材料によって変動しますが、一般的には1個あたり約200〜300kcal程度とされています。
質問:マラサダをより美味しく味わうにはどうすればいいですか?
回答:マラサダは、揚げたてのアツアツをいただくのが最高の味わい方です。時間が経過すると油っぽさが増すため、できるだけ早くお召し上がりいただくことを推奨します。