粉末抹茶:自宅で楽しむ本格的な味わい - 抹茶、粉末緑茶、緑茶の違いと美味しい点て方
自宅で本格的な抹茶を楽しんでみませんか?抹茶ラテやお菓子作りだけでなく、ほろ苦い抹茶そのものを味わうのは格別です。一見難しそうな抹茶点てですが、コツを掴めば手軽に楽しめます。ところで、粉末状の緑茶には抹茶の他に「粉末緑茶」があるのをご存知ですか?見た目は似ていても、製法や味わいは大きく異なります。この記事では、抹茶と粉末緑茶、そして一般的な緑茶の違いを解説し、美味しい抹茶の点て方をご紹介。ご自宅で気軽に抹茶を楽しむための一助となれば幸いです。

抹茶の奥深き世界

丹精込めて育てられた茶葉は、熟練の職人によって特別な製法で抹茶へと生まれ変わります。抹茶と聞くと、抹茶ラテやスイーツを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は、甘いお菓子と共に、そのほろ苦さを味わうのも粋な楽しみ方です。抹茶を点てるのは難しそう? いいえ、ちょっとしたコツさえ掴めば、誰でも気軽に楽しむことができます。市場には様々な粉末状のお茶がありますが、抹茶はその中でも特別な存在。製法、成分、味わい、用途、どれをとっても他の粉末茶とは一線を画します。この記事では、ご自宅で抹茶を美味しく点てる方法から、抹茶と粉末緑茶の違い、さらには一般的な緑茶との違いまで、詳しく解説。抹茶の世界をより深く知って、ご自宅で気軽に抹茶を楽しんでみませんか?

抹茶とは? 定義、製法、緑茶・粉末緑茶との違いを徹底解説

「抹茶は緑茶を粉末にしたもの」と思っていませんか? 実は、それは少し違うのです。抹茶、緑茶、粉末緑茶。これらは、茶葉の栽培方法から加工方法、成分に至るまで、明確な違いがあります。「粉末緑茶と抹茶って何が違うの?」 そんな疑問をお持ちの方もいるかもしれません。見た目が似ているため、違いが分かりにくいのは当然です。かつては、抹茶と粉末緑茶の違いを知らない人も少なくありませんでした。簡単に言えば、抹茶と粉末緑茶の違いは、原料となる茶葉にあります。抹茶は「碾茶(てんちゃ)」という特別な茶葉を粉末にしたもの。一方、粉末緑茶は、煎茶などの一般的な茶葉を粉末にしたものです。この違いを知ることで、それぞれの魅力がより一層際立ちます。

抹茶の定義:特別な栽培と製法

抹茶の原料は、特別な茶葉「碾茶(てんちゃ)」です。碾茶は、新芽の収穫前、約20日間、よしずなどで茶畑を覆い、日光を遮って育てられます。この「被覆栽培」によって、茶葉は光合成を抑制され、旨味成分であるテアニンが豊富に生成されます。こうして育った茶葉は、抹茶特有の芳醇な香りと甘み、そしてまろやかな味わいを生み出すのです。収穫された碾茶は、蒸す工程を経て、揉まずに専用の炉で乾燥させます。その後、茎や葉脈を取り除き、残った葉肉を石臼で丁寧に挽いて粉末状にしたものが、正真正銘の「抹茶」です。市場には、茶葉を粉砕機で粉末にしたものや、抽出したお茶をフリーズドライにしたものも「抹茶」として販売されていますが、厳密にはこれらは抹茶ではありません。本物の抹茶は「碾茶を茶臼で挽いたもの」と定義されます。玉露と同様に、手間暇のかかる製法のため、一般的な粉末緑茶よりも高価になる傾向があります。

抹茶の健康パワー:テアニンと豊富なミネラル

抹茶は、風味だけでなく、健康効果でも注目されています。抹茶の原料である碾茶には、テアニンが豊富に含まれています。テアニンは、リラックス効果、集中力向上、ストレス抑制、睡眠の質の改善、疲労感の軽減などが期待できる成分です。また、抹茶は茶葉をそのまま粉末にして摂取するため、茶葉に含まれる栄養成分を余すことなく取り入れることができます。ビタミンC、ビタミンE、葉酸、カリウム、カルシウム、鉄など、美容と健康に良い様々な栄養素が豊富に含まれています。これらの栄養素は、免疫力向上、美肌効果、アンチエイジングなど、様々な効果をもたらします。抹茶を、ケーキやお菓子と共に味わえば、心身ともにリラックスできる至福のひとときを過ごせるでしょう。

粉末緑茶とは?製造方法と抹茶との違いを解説

粉末緑茶は、普段私たちがよく飲む煎茶を粉末状にしたものです。抹茶の原料となる碾茶(てんちゃ)とは異なり、煎茶は日光を遮らずに育てられた一般的な茶葉を使用します。太陽の光をたっぷりと浴びることで、茶葉は光合成を盛んに行い、旨味成分であるテアニンが、渋味成分であるカテキンへと変化します。そのため、煎茶は碾茶に比べて旨味は少ないものの、カテキンを豊富に含んでいるのが特徴です。煎茶の製造過程では、摘み取った茶葉を蒸した後、揉んで針のような形に整え、乾燥させます。この煎茶を機械で細かく粉砕することで、粉末緑茶が作られます。粉末緑茶と抹茶の最も大きな違いは、原料となる茶葉の種類と、それに伴う主要な成分の含有量の違いです。抹茶がテアニンを多く含むのに対し、粉末緑茶はカテキンを豊富に含んでいます。また、粉末緑茶は、碾茶のように茶畑を覆う手間や、石臼で挽く手間が不要なため、抹茶に比べて比較的安価に手に入れることができます。

粉末緑茶の健康効果と人気の秘密

粉末緑茶は、豊富なカテキン含有量により、「健康に良いお茶」として近年注目を集めています。煎茶は日光を浴びて育つため、カテキンが碾茶よりも多く含まれており、粉末状にすることで茶葉全体の栄養を余すことなく摂取できます。カテキンには、抗酸化作用、抗菌作用、コレステロール値の低下作用、脂肪燃焼効果など、様々な健康効果が期待されています。「どうせ飲むなら健康に良いものを」という考えから、日常的に粉末緑茶を選ぶ人が増えています。さらに、粉末緑茶が人気を集める理由として、手軽さと便利さが挙げられます。急須を使わずに簡単に淹れられ、茶殻が出ないため後片付けも簡単です。粉末状なので持ち運びにも便利で、外出先でも手軽に楽しめます。温かいお茶としても冷たいお茶としても楽しめるため、季節や場所を選ばずに楽しめるのも魅力です。このように、健康成分を手軽に摂取でき、日常生活に取り入れやすいことから、粉末緑茶は現代のライフスタイルに合った健康的な飲み物として多くの人に選ばれています。

抹茶と粉末緑茶:用途と楽しみ方の違い

抹茶と粉末緑茶は、どちらも粉末状の緑茶ですが、その特性の違いから用途が異なります。抹茶は、その上品な風味と鮮やかな色合いから、伝統的な茶道の世界で大切にされてきました。また、抹茶ケーキ、抹茶クッキー、抹茶アイス、抹茶チョコレートなど、抹茶を使ったスイーツには欠かせない存在です。甘いデザートと組み合わせることで、抹茶のほろ苦さが引き立ち、上品な味わいを生み出します。塩と混ぜて抹茶塩にすれば、天ぷらやお刺身、おにぎり、焼き鳥、ステーキなどの料理に添える薬味としても重宝します。特に油分の多い料理に抹茶塩をかけると、抹茶の香りが口の中をさっぱりとさせ、味を引き締める効果があります。抹茶を使ったスイーツは見た目も美しく、その深い緑色が食卓を彩り、特別な日のおもてなしにも最適です。このように抹茶は、その品質と風味を最大限に活かし、格式高い場面から日々のちょっとした贅沢まで、様々な形で私たちの生活を豊かにしてくれます。

普段使いから料理まで:粉末緑茶の多様な活用方法

粉末緑茶は、その手軽さと健康効果から、普段の生活の様々な場面で活用されています。自宅で飲むお茶としてはもちろん、急須を使わずに簡単に淹れられるため、オフィスでの利用も増えています。居酒屋などで焼酎と割って作る緑茶割りは、ペットボトルの緑茶飲料やウーロン茶で割ったものとは一味違う、本格的な味わいを楽しめます。お酒好きの方には特におすすめです。また、お寿司屋さんや飲食店などでも、手軽に美味しいお茶を提供するために粉末緑茶がよく使われています。もちろん、粉末緑茶も抹茶と同様に、スイーツに混ぜたり、パンケーキにかけたり、温かいミルクに砂糖と混ぜて抹茶ミルクにするなど、様々なレシピに活用できます。塩と混ぜて緑茶塩として使えば、抹茶塩と同様に天ぷらやおにぎりの風味付けにも最適です。さらに、粉末緑茶の活用方法はアイデア次第で無限に広がります。例えば、パスタ生地に混ぜ込んでお茶パスタを作ったり、ヨーグルトやスムージーに加えて健康ドリンクにしたりと、料理のバリエーションを豊かにする万能な食材としても活躍します。このように粉末緑茶は、手軽に美味しく健康をサポートするだけでなく、日々の食生活に彩りと新しい風味を加える、非常に使い勝手の良い食品です。

自宅で抹茶を味わう:必要な道具と材料

自宅で本格的な抹茶の風味を堪能するためには、いくつかの道具と材料を準備することが大切です。抹茶を点てるのは少し敷居が高いと感じるかもしれませんが、必要なものを揃え、手順を把握すれば、どなたでも手軽に美味しい抹茶を味わえます。ここでは、ご家庭で抹茶を気軽に楽しむことを前提としており、本格的な茶道具を全て用意する必要はありませんが、最低限必要なものがあります。特に「茶筅」は、抹茶ならではのきめ細かく滑らかな泡を作るために非常に重要な役割を果たします。これらの道具と材料をあらかじめ準備しておくことで、スムーズに抹茶を点てる作業に取り掛かれます。ここでは、一人分の抹茶を点てるのに必要な材料と、それぞれの道具の役割を詳しく説明します。

材料(1人分)

抹茶を点てるのに必要な材料は非常にシンプルです。まずは主役となる「抹茶」の粉末を用意します。目安として、ティースプーンに軽く一杯(約1.7~2g)が一人分です。次に、沸騰させたお湯を約70cc準備します。そして、抹茶を飲むための「茶碗」を用意します。専用の茶碗がなくても、普段使っているお茶碗や少し深めのマグカップで代用できます。抹茶の粉を濾すための「茶こし」があると、ダマになるのを防ぎ、よりきめ細かい泡立ちになります。また、お湯の温度を適温にするための「湯冷まし」も準備しましょう。これは、陶器製のマグカップなどで代用可能です。最も大切な道具の一つが「茶筅(ちゃせん)」です。これは、抹茶とお湯を混ぜ合わせ、泡立てるために使用します。茶筅がない場合は、100円ショップなどで売られている小型の泡立て器でも代用できますが、抹茶特有のきめ細かい舌触りを再現するには不十分な場合があります。できれば、専用の茶筅を購入することをおすすめします。その他、抹茶を量るための「ティースプーン」と、茶碗や道具を拭くための「布巾」を用意してください。茶筅はインターネット通販などで1,000円程度から購入でき、穂先の数が多いもの(80本・100本以上)ほど、よりきめ細かい泡立ちの抹茶を点てられます。ただし、穂先が多いほどデリケートなため、取り扱いには注意が必要です。最近では、3,000円前後で茶筅と茶碗のセットも販売されているので、これから抹茶を始める方は、そのようなセットの購入も検討してみると良いでしょう。

抹茶を点ててみましょう

準備ができたら、いよいよ抹茶を点ててみましょう。抹茶を点てる作業は、いくつかの段階に分かれていますが、それぞれの段階でちょっとしたコツがあります。これらのコツを抑えることで、自宅でも簡単に、カフェで味わうような滑らかで美味しい抹茶を楽しむことができます。特に、茶碗の温度や使用するお湯の温度は、抹茶の風味に大きく影響するため、丁寧に行うことが重要です。また、茶筅の動かし方も抹茶の泡立ちを左右するポイントです。初めての方でも安心して点てられるように、各段階を詳しく説明していきます。これらの手順を実践することで、抹茶の奥深い風味と豊かな香りを存分に味わえるでしょう。

茶碗を温める

まず、抹茶を点てる茶碗に茶筅を入れ、沸騰したお湯を注ぎ、茶碗を温めます。この工程は非常に重要で、抹茶の風味と泡立ちに大きく影響します。茶筅は竹でできているため、乾燥して冷たい状態だと柔軟性が不足し、抹茶を点てている最中に穂先が折れてしまうことがあります。そうならないように、あらかじめ穂先に水分を含ませて温めることで、穂先が柔らかくなり、折れにくくなるだけでなく、きめ細かい泡が作りやすくなります。茶碗全体にお湯を回し、器がほんのり温かくなるまで温めます。茶碗が温まったら、お湯を捨て、清潔な布巾やキッチンペーパーなどで茶碗の内側の水分を丁寧に拭き取ります。この工程を面倒に感じるかもしれませんが、茶碗の温度が低いと抹茶が冷めやすくなり、泡立ちも悪くなるため、美味しい抹茶を点てるためには欠かせない準備です。必ず行い、抹茶の豊かな香りと味わいを最大限に引き出すための準備をしましょう。

抹茶の点て方(茶こし使用時)

茶碗が温まったら、抹茶の準備です。茶こしをお持ちの場合は、ティースプーン山盛り一杯(約2g)の抹茶を茶こしに入れ、丁寧に抹茶をこしながら茶碗へ落とします。この工程は抹茶がダマになるのを防ぎ、お湯とよくなじませるために欠かせません。茶こしを使うことで、抹茶の粒子が均一になり、点てた時に滑らかで、きめ細かい泡立ちが期待できます。抹茶を茶碗に入れたら、お湯の準備をしましょう。別の容器(耐熱マグカップ等)に、沸騰させたお湯を約70ml注ぎ、少し冷まします。抹茶は、熱すぎるお湯で点てると、苦味が出やすくなり、本来の旨味が損なわれてしまいます。お湯を別の容器に移すことで、温度が下がり、抹茶の旨味を引き出すのに最適な約80℃になります。この温度で点てることで、抹茶本来の甘みと風味を堪能できます。

抹茶の点て方(茶こし無しの場合)

茶こしがない場合でも、心配はいりません。抹茶を「練る」ことでダマを防ぎ、美味しく点てることができます。まず、茶碗に抹茶を入れたら、小さじ1杯(約5ml)の水を加え、茶筅で丁寧に練り、ペースト状にします。この作業で、抹茶の粉末が水と均一に混ざり合い、ダマになりにくくなります。茶こしを使わない場合は、湯冷ましの必要はありません。事前に水を加えて練ることで、沸騰したお湯を注いでも、適温の約80℃になります。お湯を注ぐ際は、一気に注ぎ込まず、ゆっくりと茶碗に回し入れるようにすると、より均一な温度になり、ダマを防ぐ効果があります。また、事前に水を加えていますので、お湯の量は約65mlに調整してください。こうすることで、抹茶の風味を損なわずに、滑らかで美味しい一杯を点てられます。

抹茶を点てる

茶碗に抹茶とお湯が準備できたら、いよいよ点てていきましょう。左手で茶碗を支え、右手で茶筅を持ち、手首を使い、リズミカルに、そして素早く泡立てます。卵をかき混ぜるように、茶筅を円を描いて回すのではなく、「W」の字を描くように、手首を柔軟に動かすのがポイントです。茶筅の先が茶碗の底を軽くこするように意識し、「シャカシャカ」と音がするように振りましょう。抹茶が徐々に泡立ち、最初は大きな泡が目立ちますが、次第にきめ細かい泡へと変化していきます。泡立ちの速さは、茶筅の穂の数(多いほど泡立ちやすい)、振る速度、抹茶の量や質によって異なりますが、約1分ほどで理想的な泡になるでしょう。茶碗全体が細かい泡で覆われたら、最後に茶筅を茶碗の中央でゆっくりと円を描くように動かし、泡を中央に集めてから、そっと茶筅を引き抜けば完成です。暑い季節には、冷たい抹茶もおすすめです。お湯の量を少し減らして点て、氷を加えて冷やすと、爽やかな味わいを楽しめます。

残った抹茶の保存方法と活用術

抹茶はデリケートな食品なので、風味を保つためには適切な保存方法が重要です。抹茶は粉末状のため、空気に触れる面積が大きく、酸化や湿気を吸収しやすい性質があります。開封後は、できるだけ早く使い切るように心がけましょう。保存する際は、光と空気を遮断できる密閉容器に入れ、冷蔵庫で保管するのがおすすめです。ただし、密閉が不十分だと、冷蔵庫内のにおいを吸着してしまうことがあるので、しっかりと密閉してください。冷暗所で保管する場合は、夏場は開封後2週間程度、冬場は1ヶ月程度を目安に使い切るのが良いでしょう。計画的に消費することをおすすめします。
毎回抹茶を点てるのが難しい場合は、他の方法で抹茶を楽しみましょう。抹茶は栄養価が高く、様々な使い方ができる万能食材です。例えば、パンケーキに混ぜて抹茶パンケーキにしたり、ヨーグルトやアイスにかけたり、温かいミルクに混ぜて抹茶ミルクにするのもおすすめです。特におすすめなのが「抹茶塩」です。塩と抹茶を1:1の割合で混ぜるだけで、簡単に作れます。天ぷらや刺身の薬味としてだけでなく、焼き鳥やステーキに振りかければ、抹茶の香りが油っぽさを和らげ、食欲をそそります。また、おにぎりにまぶすだけで、いつもと違う風味を楽しめます。抹茶は、飲み物としてだけでなく、料理のアクセントにもなる万能食材です。ぜひ色々な活用方法を試して、抹茶の新しい魅力を発見してください。

まとめ

抹茶は、ただの緑茶を粉にしたものではありません。特別な方法で栽培され、丁寧に加工された、格別な飲み物です。新芽は、約20日間日光を遮って育てられます。こうすることで、旨味成分であるテアニンが豊富になるのです。それを碾茶(てんちゃ)と呼び、伝統的な石臼でゆっくりと挽いて、抹茶は作られます。この特別な栽培と加工によって、抹茶は他にない香りと甘さを持ち、苦味や渋みが少ない、まろやかな味わいになるのです。リラックス効果や集中力を高めるテアニン、そして、美容と健康に良いとされるビタミンやミネラルもたっぷり含まれています。一方で、見た目が似ている「粉末緑茶」は、太陽の光を浴びて育った煎茶を、機械で粉末にしたものです。カテキンが豊富で、手軽に健康効果を得られるため、日常的に飲まれています。抹茶と粉末緑茶は、茶葉の育て方と主な成分が大きく異なります。抹茶は、旨味と奥深い風味が特徴で、粉末緑茶は、カテキンの健康効果と手軽さが魅力です。
自宅で抹茶を点てるのは難しそうに思えるかもしれませんが、いくつかのコツを覚えれば、誰でも美味しく点てられます。まず、茶筅(ちゃせん)と茶碗を温めて、茶筅の穂先を柔らかくします。抹茶は茶こしでふるってダマを防ぎます(茶こしがない場合は、少量の水で練りましょう)。そして、お湯の温度は80℃前後にするのが理想的です。抹茶を点てる時は、左手で茶碗を支え、右手で茶筅を使い、「m」の字を描くように素早く動かします。こうすることで、きめ細かい泡が立ちます。泡がクリーミーになったら、茶筅を静かに持ち上げて完成です。温かい抹茶だけでなく、冷やして飲むのもおすすめです。
使いきれなかった抹茶の保存方法も大切です。抹茶は、酸化しやすく湿気を吸いやすいので、しっかりと密閉できる容器に入れて、冷蔵庫で保管しましょう。開封後は、夏場なら2週間、冬場なら1ヶ月を目安に、早めに使い切るようにしてください。抹茶は、飲み物としてだけでなく、抹茶塩、パンケーキ、抹茶ミルク、お菓子など、様々な料理に使える万能な食材です。この記事でご紹介した、抹茶の定義、栽培方法、粉末緑茶との違い、そして自宅での点て方や使い方を参考に、ぜひ本格的な抹茶の風味と健康効果を体験してみてください。きっと、毎日の生活に癒しと彩りを添えてくれるでしょう。

抹茶と粉末緑茶、一般的な緑茶の主な違いは何ですか?

抹茶、粉末緑茶、一般的な緑茶の大きな違いは、原料となる茶葉の栽培方法、加工方法、そしてそれによって変わる成分にあります。
  • 抹茶:収穫前の新芽を約20日間覆い隠して栽培した碾茶(てんちゃ)を使用します。これにより、旨味成分であるテアニンが豊富になります。蒸した後、揉まずに乾燥させ、茎などを取り除いた碾茶を、石臼で丁寧に挽いて粉末にしたものが、本来の抹茶です。そのため、価格は比較的高価です。
  • 粉末緑茶:太陽の光を十分に浴びて育てられた煎茶(せんちゃ)を原料としています。健康に良いとされるカテキンが豊富に含まれています。蒸して揉んだ後に乾燥させた煎茶を、機械で粉末状にしたものです。抹茶に比べて安価に入手できます。
  • 一般的な緑茶:抹茶と同様に、太陽の光を浴びて育てられた煎茶や番茶などを指します。粉末状ではなく、茶葉の形で販売されており、お湯を注いで成分を抽出して飲みます。粉末緑茶の原料となるのが、この煎茶です。

抹茶を点てる際に最も重要な道具は何ですか?

抹茶を点てる際に欠かせない最も重要な道具は、茶筅(ちゃせん)です。茶筅は竹でできており、抹茶の粉末とお湯を均一に混ぜ合わせ、抹茶ならではのきめ細かくクリーミーな泡を作り出すために使用します。茶筅がない場合は、小さな泡立て器で代用することもできますが、本格的な泡立ちと滑らかな口当たりを実現するためには、穂先の数が多い専用の茶筅を使うことをおすすめします。また、茶筅の穂先を事前に温めて柔らかくしておくことも、きめ細かい泡を作る上で重要なポイントです。

抹茶を点てる際のお湯の最適な温度はどれくらいですか?

抹茶を点てる際のお湯の適温は、80℃前後が理想的です。沸騰したばかりのお湯(約100℃)をそのまま使うと、抹茶本来の旨味が損なわれ、苦味や渋みが際立ってしまうことがあります。そのため、一度別の器(湯冷まし用の茶碗など)にお湯を移し、5~10℃ほど温度を下げる「湯冷まし」という工程が大切になります。茶こしを使わずに抹茶を点てる場合は、あらかじめ少量の水を加えて抹茶を練っておくことで、沸騰したお湯を直接注いでも適温に近づけやすくなります。

抹茶のダマを防ぐにはどうすればいいですか?

抹茶がダマになるのを効果的に防ぐには、主に二つの方法があります。一つ目は、抹茶を「ふるいにかける」ことです。抹茶の粉末を茶こしのようなものでふるいながら茶碗に入れることで、粉が細かくなり、お湯と馴染みやすくなります。二つ目は、「抹茶をペースト状にする」方法です。特に茶こしがない場合に有効で、茶碗に入れた抹茶にほんの少しの水(小さじ1程度)を加え、茶筅を使ってなめらかになるまで丁寧に混ぜてからお湯を注ぐと、ダマになりにくく、口当たりの良い抹茶を楽しめます。

抹茶の余りを保存するには?

開封後の抹茶は、品質を保つためにしっかりと密閉できる容器に入れ、直射日光を避け、涼しい場所か冷蔵庫で保管するのが理想的です。抹茶は非常に細かい粉末状であるため、空気や湿気に触れると品質が低下しやすいという特徴があります。また、冷蔵庫内のにおいを吸収しやすいため、容器の密閉性は特に重要です。一般的に、開封後は冷暗所であれば夏は2週間、冬は1ヶ月を目安に使い切るのがおすすめです。

粉末緑茶は抹茶の代わりに茶道で使えますか?

粉末緑茶を茶道の練習用として使用することはできますが、本来の抹茶とは風味や点てた時の泡立ちが異なります。抹茶は、碾茶という特別な茶葉を石臼で丁寧に挽いたもので、きめ細かい粉質と、点てた時に生まれるふっくらとした泡、そしてまろやかな旨味が特徴です。一方、粉末緑茶は煎茶などの茶葉を機械で粉砕したもので、抹茶ほどのきめ細かさはなく、点てても抹茶のようなきめ細かい泡を作るのは難しいことが多いです。本格的な茶道を楽しみたい場合や、抹茶ならではの風味や泡立ちを体験したい場合は、やはり抹茶を使うのが最適です。

粉末緑茶にはどんな健康効果がありますか?

粉末緑茶は、原料となる煎茶に豊富に含まれる「カテキン」による健康効果が期待できます。煎茶は太陽光をたっぷりと浴びて育つため、テアニンがカテキンへと変化しやすく、そのカテキンを茶葉ごと摂取できる粉末緑茶は、高い抗酸化作用や抗菌・抗ウイルス作用、コレステロール値の抑制、脂肪燃焼の促進、血糖値コントロールなど、健康維持に役立つ様々な効果が期待できます。急須で淹れるお茶と違い、茶葉の成分を余すことなく摂取できるため、より効率的にカテキンを摂取できると言えるでしょう。
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