初夏の味覚、びわ。甘くてみずみずしい果肉は、私たちを魅了します。しかし、最高の味を楽しむためには、収穫時期が非常に重要です。早すぎると酸味が強く、遅すぎると実が柔らかくなりすぎて風味が落ちてしまいます。そこで今回は、びわの収穫に最適な時期を見極めるためのポイントを徹底解説。色、形、触感など、様々な要素から判断する方法を詳しくご紹介します。この記事を読めば、あなたも最高のびわを収穫できるはずです。
びわの収穫時期:場所と種類による違い
びわの収穫期は、種類や地域によって変わりますが、おおむね5月中旬から6月中旬頃が見込まれます。市場に出回るのは、およそ5月~7月頃までとなります。天候の影響で収穫期が変動することも考えられるため、熟したサインを把握しておくことが重要です。それぞれの産地と種類によって、びわが最も美味しくなる時期(旬の時期)が異なっています。同じびわでも、美味しい時期が多少ずれることがあります。そのため、びわの旬は、ハウス栽培と露地栽培の収穫時期を考慮すると、5月中旬が最も良い時期と言えるでしょう。
びわの生育条件:温暖な気候が重要
びわは中国南西部を原産とする果樹で、温暖な気候を好みます。冬に花を咲かせるため、寒さには比較的弱い性質を持っています。そのため、年間平均気温が15℃以上で、冬の最低気温が-3℃を下回らない地域が栽培に適しています。日本国内では、長崎県や千葉県などが主な産地として知られています。
長崎びわ:ハウス栽培と露地栽培
長崎県のびわは、まとめて「長崎びわ」と呼ばれ、水分が多く、甘くてさっぱりとした味わいが特徴です。栽培方法には露地栽培とハウス栽培があり、ハウス栽培の収穫時期は2月~4月、露地栽培の収穫時期は5月~6月と、出荷時期が異なります。同じ品種の「長崎早生」でも、ハウス栽培では2月中旬~3月末が旬となりますが、露地栽培では5月初旬~5月末が旬です。酸味が少ない品種の「茂木」や「長崎甘香」、大玉に改良された「涼風」「陽玉」などは、ハウス栽培で3月中旬~5月中旬、露地栽培で5月中旬~6月初旬が旬の時期です。
千葉県産びわ:芳醇な房州びわ
千葉県で育つびわは、その大ぶりな果実と豊かな果肉から「房州びわ」として広く知られています。県内では様々な品種が栽培されており、ハウス栽培のものは4月末から5月末にかけて、露地栽培のものは5月末から6月末にかけてが最も美味しい時期を迎えます。
熟したびわの見分け方:色合い、触感、香り
びわが収穫に適した時期かどうかを見極めるには、実の色と硬さを確認することが大切です。十分に熟したびわは、鮮やかな黄橙色を帯び、触るとわずかに柔らかさを感じます。また、芳醇な香りも強くなるのが特徴です。まだ熟していないびわは緑色で硬く、香りも弱いです。収穫のタイミングとしては、実をそっと押してみて、少し弾力があれば収穫時だと判断できます。
収穫の際の注意点:優しく摘み取る
びわを収穫する際には、果実を傷つけないよう、丁寧に扱うことが非常に重要です。びわは収穫後に追熟しないため、完全に熟したものを摘み取るようにしましょう。丁寧に扱うことで、最高の状態でびわを味わうことができます。また、びわは日持ちがあまりしないため、冷蔵庫や風通しの良い場所で保管し、できるだけ3日以内を目安に食べきるようにしてください。
びわの美味しい食べ方:生食が一番
びわ本来の美味しさを堪能するなら、生のまま食べるのが一番おすすめです。旬の時期のびわは、甘く、みずみずしく、バランスの取れた味わいが楽しめます。軽く水洗いした後、皮を剥いて食べましょう。びわのお尻側からヘタに向かって皮を剥くと、綺麗に剥けます。果物ナイフを使っても良いですが、手で剥くことも可能です。皮を剥いたびわは、リンゴのように変色しやすいので、すぐに食べない場合は、レモン水や薄い塩水に浸しておくと、変色を抑えることができます。
びわの加工方法:ジャム、コンポート
収穫したびわは、様々な加工をすることで長く楽しむことができます。例えば、ジャムにしてパンに塗ったり、コンポート(シロップ煮)にしてヨーグルトやデザートに添えれば、生のびわとは違った風味と食感が楽しめます。コンポートは日持ちもするため、おすすめです。
びわの保存方法
びわは追熟しない果物なので、購入後はできるだけ早く食べるのがおすすめです。常温で保存する場合は、傷やへこみがないか確認し、直射日光を避けた涼しい場所で保管しましょう。こうすることで、2~3日程度は保存可能です。長期保存したい場合は、冷凍保存が適しています。皮をむいて種を取り除き、ラップで包んでから冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。冷凍すれば1~2ヶ月ほど保存できますが、風味は多少落ちます。解凍する際は、冷蔵庫でゆっくりと解凍するのがおすすめです。
常温保存のポイント
びわは温暖な気候で育つ果実であり、常温での保存が適しています。ただし、びわはデリケートで、傷つきやすいのが難点です。少しでも傷がつくと、そこから鮮度が落ちてしまいます。また、高温多湿な場所や直射日光の当たる場所、冷蔵庫での保存は避けるようにしましょう。これらの環境下では、びわの傷みが早まり、甘みも損なわれてしまいます。そのため、風通しの良い冷暗所で常温保存するのが、びわの鮮度を保つ上で最も良い方法と言えるでしょう。
びわの冷凍保存の手順
びわを冷凍保存する手順は以下の通りです。
- びわを丁寧に水洗いします。
- キッチンペーパーなどで水気をしっかり拭き取ります。
- びわの皮をむき、種を取り除きます。
- 一つずつラップで丁寧に包みます。
- 冷凍用保存袋に入れ、冷凍庫で保存します。
冷凍したびわを解凍する際は、常温で解凍すると水分が出てべちゃっとしてしまうことがあるため、冷蔵庫に移してゆっくりと解凍するのがおすすめです。
まとめ
びわの収穫時期や熟し具合を見極めるポイントを知っておけば、より一層美味しいびわを堪能できます。産地や品種ごとの特徴、適切な保存方法なども参考に、旬の味わいを心ゆくまでお楽しみください。
びわの旬はいつですか?
びわが最も美味しくなる旬の時期は、品種や栽培地域によって多少前後しますが、おおむね5月中旬から6月中旬にかけてです。施設栽培と露地栽培とでも収穫時期が異なり、一般的には5月中旬頃が最も美味しい時期とされています。
美味しいびわの見分け方は?
美味しいびわを見分けるには、全体的にハリがあり、表面に繊細な産毛が残っているものがおすすめです。また、左右対称でふっくらとした丸みを帯びた形をしており、軸の付け根(へた)がしっかりと付いているものが良品です。
びわはどのように保存すれば良いですか?
びわは収穫後に追熟することがないため、購入後はできるだけ早く食べるのがおすすめです。どうしても保存する場合は、常温で風通しの良い冷暗所に置くか、冷凍保存することも可能です。常温保存では2~3日程度、冷凍保存では1~2ヶ月程度保存できます。