温州みかん品種一覧:人気品種から希少品種まで徹底解説
冬の味覚としておなじみの温州みかん。「有田みかん」や「愛媛みかん」など、地域ブランドとして親しまれていますが、実はこれらはすべて温州みかんという品種なのです。さらに、「宮川早生」や「南柑20号」など、様々な品種が存在することをご存知でしょうか?本記事では、人気の定番品種から、あまり知られていない希少品種まで、温州みかんの世界を徹底解説。それぞれの特徴を知れば、みかん選びがさらに楽しくなること間違いなしです。

温州みかんとは?基本情報と魅力

温州みかんは、日本人に最も馴染み深い柑橘類の一つです。「有田みかん」や「愛媛みかん」といった地域ブランドは有名ですが、これらはすべて温州みかんの仲間であり、その中には「宮川早生」や「南柑20号」といった様々な品種が存在します。市場では、品種名ではなく、産地の名前がブランドとして用いられることが多いのが特徴です。甘さと酸っぱさの絶妙なバランス、そして手軽に食べられる点が魅力で、幅広い年齢層から愛されています。

温州みかんの歴史:日本で生まれた柑橘

温州みかんは、実は日本生まれの柑橘です。およそ400年前、中国から渡ってきた柑橘の種から偶然生まれたと考えられており、その起源は鹿児島県の長島にあったとされる古木に遡ります。明治時代以降、本格的な栽培が始まりました。ちなみに、「紀州みかん」という品種も存在しますが、温州みかんとは異なる系統です。紀州みかんは、温州みかんよりも古い歴史を持ち、「小みかん」とも呼ばれ、江戸時代の豪商「紀伊国屋文左衛門」にまつわる逸話でも知られています。

温州みかんの種類:早生、中生、晩生、ハウスみかん

温州みかんは、収穫時期に応じて大きく「極早生温州」「早生温州」「中生・普通温州」「晩生温州」「ハウスみかん」という種類に分けられます。それぞれに個性があり、旬の時期や味わいが異なります。

極早生(ごくわせ)温州:さっぱりとした酸味

9月から10月頃に出回るみかんで、皮に緑色が残っているのが特徴です。果肉は水分が多く、酸味がやや強めです。甘酸っぱい風味が好きな方におすすめです。薄皮(じょうのう膜)が薄いため、食べやすいのもポイントです。代表的な品種としては、「日南1号」、「上野早生」、「宮本早生」などがあげられます。

早生温州:甘さと酸味の調和

10月下旬から12月にかけて旬を迎える早生温州は、鮮やかなオレンジ色の果皮が特徴です。口に含むと、甘味と爽やかな酸味が絶妙に絡み合い、みかんシーズンの到来を告げてくれます。中でも「宮川早生」は、高い糖度と豊かな風味が自慢の代表的な品種です。「興津早生」もまた、強い甘みで人気を集めています。どちらも果肉を包むじょうのう膜が薄く、食べやすいのが魅力です。さらに、宮川早生から生まれた「山下紅早生」や「小原紅早生」など、赤みがかった果皮を持つ品種も注目されています。

中生・普通温州:濃密な甘さ

11月下旬から12月下旬にかけて収穫される中生温州は、酸味が少なく、際立つ甘さが特徴です。代表的な品種である「南柑20号」は、濃いオレンジ色の果皮と、やや扁平な丸い形をしています。じょうのう膜は早生種に比べると少し厚めですが、日持ちが良いのが利点です。その他、「大津4号」や「向山温州」、「林温州」なども栽培されています。

晩生温州:深みのある甘さ

12月下旬から3月頃までと、みかんシーズンの終盤を飾るのが晩生温州です。最も一般的な品種は「青島温州」です。収穫後、通常1ヶ月程度の貯蔵期間を経て、甘さを凝縮させてから出荷されます。青島温州は、大きめの扁平な形で、じょうのう膜はやや厚めですが、程よい酸味とコクのある甘味が楽しめます。「十万温州」や「寿太郎温州」といった品種も存在します。

ハウスみかん:芳醇な甘みと香り

温室で栽培されるハウスみかんは、5月から9月頃に出回ります。手間暇かけて育てられるため、価格は比較的高めですが、その分、濃厚な甘さと食べやすさが際立っています。サイズはやや小ぶりで、果皮は鮮やかなオレンジ色をしています。品種名は特に表示されず、産地名をブランドとして販売されることが多いのが特徴です。

温州みかん品種一覧

温州みかんの品種は非常に多く、収穫時期や特徴によって分類されています。代表的な品種を一覧でまとめます。

極早生温州(ごくわせうんしゅう)
日南1号

上野早生

ゆら早生

豊福早生

岩崎早生

宮本早生

肥のあかり

日南の姫

おおいた早生

かごしま早生

いさお早生

肥のさやか

みえ紀南1号

早味かん

YN26

崎久保早生

大浦早生

徳森早生

楠本早生

堂脇早生

市文早生

高林早生

山川早生

扇温州

はつひめ

日南早生

香和早生

今田早生

山本早生

谷本早生

橋本早生

夢未来村上早生

秋光早生

伊都早生

久賀早生

白浜1号

脇山早生

金沢早生

力武早生

尾鈴早生

市丸早生

井上早生

石塚早生

早生温州(わせうんしゅう)
宮川早生

興津早生

田口早生

原口早生

肥のあけぼの

肥のあすか

北原早生

小原紅早生

太幸早生

静丸早生

山下紅早生

曽根早生

あいさん

興津3号

三保早生

山崎早生

持丸早生

松山早生

茶原早生

肥後早生

木村早生

福岡3号

福岡4号

22-4

絹平

木村

村上1号

盛田温州

中生温州(なかてうんしゅう)
南柑20号

向山温州

させぼ温州

久能温州

菊間中生

愛媛中生

繁田温州

瀬戸温州

きゅうき

ニュー則村

はじめ

熊本EC11

坂村1号

宮迫温州

橋川温州

興津5号

三豊1号

藤中温州

大岩5号

竹内温州

米沢温州

多以良中生

鹿島温州

河井

晩生温州(おくてうんしゅう)
青島温州

寿太郎温州

今村温州

紀の国温州

古田温州

紀州葵

石地

ひめのか

肥のみらい

白川

伊木力温州

山本温州

俊成温州

松山温州

松田温州

杉山温州

清水4号

大津4号

田上温州

繩手温州

南柑4号

南柑11号

林温州

尾張系温州

片山温州

阪和系温州

川田温州

大沼

主な特徴的な品種
宮川早生:糖度が高く、風味に優れる

興津早生:甘味が強い

青島温州:晩生で貯蔵性が高い

向山温州:果皮の紅色が濃く、糖度が高い

今村温州:濃厚な味わいで「幻のミカン」とも呼ばれる

寿太郎温州:小玉で濃厚な味、日持ちが良い

このほかにも、各地域や農園で独自に育成された品種が多数存在します。温州みかんは、極早生から晩生まで幅広い品種があり、収穫時期や味わいも多様です。

温州みかんの栄養と効能:ビタミンC、β-クリプトキサンチン、ヘスペリジン

温州みかんには、健康に役立つ様々な栄養素が詰まっています。特に豊富なのはビタミンC、β-クリプトキサンチン、そして食物繊維です。ビタミンCは、肌の調子を整えたり、風邪の予防に役立つことで知られています。β-クリプトキサンチンは、体内でビタミンAに変換され、消化器官の健康維持や視力保護に貢献します。さらに、がんの発生を抑える効果や、老化を遅らせる効果も期待されています。果肉を包む薄皮(じょうのう)には、便秘解消に役立つペクチンが豊富に含まれています。また、薄皮や白い筋には、ヘスペリジンというフラボノイドが含まれており、高血圧や動脈硬化の予防に効果があると言われています。

結び

温州みかんは、私たち日本人の生活に深く根ざした果物です。その長い歴史、バラエティ豊かな品種、そして優れた栄養価は、知れば知るほど魅力的です。いろいろな温州みかんを味わい、あなたにとって一番のお気に入りを見つけてみてください。

温州みかんという名前の由来は何ですか?

温州みかんの名前は、中国の温州という地域にちなんで名付けられたとされています。しかし、意外にも原産地は日本なのです。

温州みかんが最も美味しい時期はいつですか?

温州みかんは、品種によって旬の時期が異なりますが、一般的には10月から12月頃に多く市場に出回ります。また、ハウス栽培されたみかんであれば、5月から9月頃にも味わうことができます。

温州みかんの栄養成分で特に注目すべきは何ですか?

温州みかんは、ビタミンCを豊富に含んでいることに加え、β-クリプトキサンチンも多く含まれています。これらの成分は、美肌効果、免疫力アップ、抗酸化作用などが期待されています。
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