ぶどう種類一覧:人気品種から希少品種まで徹底解説!

秋の味覚の王様、ぶどう。定番の巨峰やシャインマスカットから、まだ見ぬ希少品種まで、その魅力は尽きません。この記事では、数多あるぶどうの中から人気の品種を厳選し、特徴から美味しい食べ方までを徹底解説。あなたをぶどう博士にする、知識の果実をお届けします!

主要なぶどう品種:色、特徴、誕生秘話を探る

ぶどうは、果皮の色、原産地、親品種、特性などによって様々な種類に分類されます。ここでは、日本で広く流通している主要な品種を、その特徴や背景とともにご紹介します。それぞれのぶどうが持つ個性や、品種改良にかけた育種家の情熱を知ることで、より深くぶどうを楽しめるようになるでしょう。

【黒系】ぶどうの種類

黒系ぶどうは、濃い紫黒色の果皮が特徴で、濃厚でコクのある味わいの品種が多い傾向にあります。

巨峰

「ぶどうの王様」とも呼ばれる巨峰は、「石原早生」と「センテニアル」を交配して1945年に誕生しました。濃い紫黒色の果皮を持ち、果汁が豊富で、大粒ならではの豊かな甘みと程よい酸味のバランスが魅力です。主な産地は山梨県や長野県で、旬は9月頃。元々は種あり品種でしたが、現在は種なしのものが主流となっています。一般的に皮をむいて食べます。日本で最も多く栽培されている品種の一つであり、その濃厚な味わいは多くの人々に愛されています。

あづましずく

福島県生まれの「あづましずく」は、その名の通り、みずみずしい大粒の黒ぶどうです。福島の恵まれた環境で育ち、一粒一粒に詰まった濃厚な甘さと、食べ応えのある大きさが魅力です。旬は9月頃。糖度は18度前後で、酸味は控えめ。果肉は締まっており、ジューシーな食感が楽しめます。種あり品種です。

オーロラブラック

岡山県が誇るオリジナル品種「オーロラブラック」は、巨峰やピオーネのような紫黒色の美しい果皮を持つ大粒ぶどうです。濃厚な甘さと、ぎっしりと詰まった果肉が特徴で、満足感の高い味わいを楽しめます。種がなく皮ごと食べられる手軽さも人気の理由で、旬は8月下旬から9月中旬頃です。

グローコールマン

「グローコールマン」は、黒色の果皮と大粒の実が特徴的な晩生品種のぶどうです。収穫時期が遅いため、秋が深まる頃に旬を迎えます。比較的貯蔵性にも優れており、長く楽しめるのも魅力の一つです。

スチューベン

「スチューベン」は、「ウェイン」と「シェリダン」を親に持つ品種です。耐寒性に優れ、日持ちもするため、特に寒冷地での栽培に適しています。甘みと酸味の絶妙なバランスが、その美味しさを引き立てています。

高尾

高尾は、東京生まれの大きな黒ぶどうです。都会で生まれたという珍しいルーツを持ち、その土地ならではの特性が生かされた品種として知られています。糖度が高く酸味が少ないのが特徴で、種なしで栽培されることが多いです。9月下旬から10月上旬が旬の時期です。

高妻(たかつま)

高妻は、長野県の山越幸男氏が「ピオーネ」と別の品種を交配させて作ったぶどうです。ピオーネの良いところを受け継ぎつつ、独自の持ち味を出しています。大粒で、糖度が高く酸味が少ないのが特徴です。旬は9月下旬から10月上旬。種なしで食べやすい品種です。

ピオーネ

大粒で濃い紫色の「ピオーネ」は、「巨峰」を母とし、マスカットを交配して1957年に静岡県で生まれました。見た目の美しさから「黒い真珠」とも呼ばれ、巨峰から受け継いだ豊かな甘さとみずみずしさ、そして大粒ならではのしっかりとした上品な食感が魅力です。主な産地は岡山県や山梨県で、9月から10月にかけてが旬です。種ありと種なしがあり、皮ごと食べられる手軽さも人気の理由の一つで、巨峰と人気を分ける代表的な品種です。

藤稔(ふじみのり)

紫黒色の果皮を持つ「藤稔(ふじみのり)」は、神奈川県のぶどう農家が開発した大粒の品種です。一つ一つの実が非常に大きく、強い甘みと豊富な果汁で、食べ応えがあります。主な産地は山梨県や兵庫県で、8月中旬から9月中旬頃に旬を迎えます。種ありと種なしがあり、皮を剥いて食べる必要がありますが、簡単に剥けるので手間はかかりません。

ブラックオリンピア

東京都在住の育種家、沢登春雄氏によって生み出されたブラックオリンピアは、その名の通り、漆黒の果皮が印象的なぶどうです。他にはない独特な風味をご堪能いただけます。糖度は17度程度で、酸味はやや強め。濃厚な味わいが特徴です。旬は9月中旬頃です。

ブラックビート

熊本県の河野隆夫氏が開発したブラックビートは、大粒の実が特徴的な黒ぶどうです。濃厚な甘みが際立ち、近年人気が高まっている注目の品種の一つです。糖度は20度を超えることもあり、酸味は穏やか。果肉は柔らかく、ジューシーな味わいです。旬は8月下旬から9月上旬です。

マスカット・ベリーA

マスカット・ベリーAは、そのまま食べるのはもちろん、ワイン造りにも頻繁に使用される品種です。日本の風土に順応しやすく、その旺盛な生命力から日本各地で栽培されています。比較的育てやすく、家庭菜園でも楽しまれています。7月下旬から10月にかけて収穫期を迎えます。

ナガノパープル

長野県生まれのナガノパープルは、「巨峰」と「リザマート」を交配して誕生しました。しっかりとした食感で、強い甘さと豊かな風味が魅力です。皮ごと食べられる種なしぶどうで、巨峰の濃密な甘さと、皮に含まれるポリフェノールが特徴です。長野県でのみ栽培され、旬は9月から10月です。

キャンベル・アーリー

キャンベル・アーリーは、長年愛されてきたぶどうの代表的な品種です。中くらいの粒で、厚めの皮を持ち、さわやかな酸味と豊富な果汁が特徴です。独特の風味と香りは、そのまま食べるだけでなく、ジュース、ジャム、ワインなど、さまざまな加工品にも利用されています。主に北海道や岩手県で栽培され、旬は8月下旬から9月頃です。種があるため、皮をむいて果肉を味わうのが一般的です。

ウインク

ウインクは、「ルーベルマスカット」と「甲斐路」を掛け合わせて生まれた品種で、1998年に登録されました。赤みがかった紫黒色の楕円形の実が特徴です。酸味が少なく、ほとんど種がない上、皮が薄いため、皮ごと食べられます。山梨県を中心に栽培されていますが、生産量が少ないため、市場では珍しい品種として知られています。旬は9月中旬から10月中旬頃です。

紫玉

紫玉(しぎょく)は、非常に大粒で、厚めの皮と柔らかい果肉が特徴の品種です。見た目や味わいは巨峰によく似ています。主な産地は山梨県や兵庫県で、旬は8月中旬から9月です。基本的に種はありません。

高墨

高墨(たかすみ)は、巨峰よりもやや小ぶりですが、見た目や風味は巨峰に近いぶどうです。熊本県で主に生産されており、濃厚な甘味と風味が特徴で、旬は8月中旬頃から9月中旬頃までです。ほとんどが種なしで、皮ごと食べることもできます。

オリエンタルスター

主に山梨県や長野県で栽培されているオリエンタルスターは、中程度の大きさで、少し楕円形の実をつけるのが特徴です。果肉はしっかりとしており、酸味はほとんど感じられません。種がないため、皮ごと手軽に食べられます。収穫時期は9月中旬から下旬にかけてです。

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【赤系】ぶどうの種類

赤系のぶどうは、その鮮やかな色合いが目を引きます。一般的に酸味が穏やかな品種が多いのが特徴です。

甲斐路(かいじ)

甲斐路は、ぶどう栽培が盛んな山梨県の植原葡萄研究所で開発された、鮮やかな赤色のぶどうです。山梨県生まれの優れた品種として知られています。糖度は18度~20度と高く、酸味はやや強め。独特の風味があり、和菓子のような上品な甘さが特徴です。旬は9月中旬から10月上旬です。

クイーンニーナ

広島県で生まれたクイーンニーナは、ひときわ目を引く赤色のぶどうです。1999年に交配された新しい品種で、その美しい見た目と美味しさで人気を集めています。大粒で強い甘味が特徴で、果肉は引き締まっており、酸味はほとんど感じられません。種がなく皮も薄いため、手軽にそのまま食べられます。主な産地は山梨県、長野県、山形県などで、旬は9月下旬から10月頃です。

クリムゾン・シードレス

クリムゾン・シードレスは、アメリカで開発された赤ぶどうです。種がないため食べやすく、鮮やかな赤色とパリッとした食感が魅力です。主に輸入されており、スーパーなどでよく見かける品種です。

悟紅玉(ごこうぎょく:旧ゴルビー)

悟紅玉は、以前は「ゴルビー」という名前で知られていたぶどうで、山梨県の植原葡萄研究所で育成されました。独特の形と風味、鮮やかな赤色は、他のぶどうとは異なる個性を放っています。糖度は18度前後で、酸味は穏やか。果肉は柔らかく、ジューシーな食感が楽しめます。旬は8月下旬から9月中旬です。

サニードルチェ

山梨県生まれのサニードルチェは、皮ごと食べられる赤ぶどうです。皮を剥く手間がかからず、手軽に食べられるのが嬉しいポイント。爽やかな甘さが特徴で、食後のデザートにもぴったりです。糖度は18度程度で、酸味は控えめ。果肉はやや硬めで、パリッとした食感が楽しめます。旬は8月下旬から9月中旬です。

サニールージュ

広島県で生まれたサニールージュは、味の良い赤色ぶどうとして親しまれています。その名の通り、太陽を思わせる鮮やかな赤色が目を引き、見た目の美しさも魅力的な品種です。糖度は17度~19度程度で、酸味は穏やか。果肉は柔らかく、ジューシーな食感が楽しめます。旬は8月上旬から9月上旬です。

紫苑(しえん)

「紅三尺」と「赤嶺」を交配させて生まれた紫苑(しえん)は、深みのある紫色が印象的なぶどうです。晩生品種として知られ、秋の深まりとともに収穫時期を迎えます。個性的な風味を堪能できるでしょう。糖度は18度程度で、酸味はやや強め。果肉は締まっており、食べ応えがあります。旬は10月上旬から11月上旬です。

シナノスマイル

1995年に品種登録されたシナノスマイルは、長野県で誕生した赤色ぶどうです。その名前が示すように、口にした人を笑顔にするような、甘みと酸味の絶妙なバランスが特徴です。糖度は17度~19度程度。果肉はやや硬めで、ジューシーな食感が楽しめます。旬は9月上旬から10月上旬。種なしで食べやすい品種です。

赤嶺(せきれい)

赤ぶどうの一種である「赤嶺(せきれい)」は、「甲斐路」の枝変わりとして生まれました。甲斐路の特性を受け継ぎ、鮮やかな赤色が特徴です。しっかりとした甘さと程よい酸味、そして豊かな香りを楽しむことができます。種ありのものが一般的ですが、皮が薄いため、皮ごと食べられるのも魅力です。主に山梨県で栽培されており、旬は9月頃です。

デラウェア

鮮やかな赤紫色の果皮を持つ小粒の「デラウェア」は、アメリカで偶然生まれた品種です。スーパーマーケットでもよく見かける定番のぶどうで、甘みの中にほどよい酸味が感じられ、後味はさっぱりとしています。長年にわたり日本のぶどう市場で親しまれており、特に甘みが強く、小さなお子様でも食べやすいことから、夏のぶどうとして人気があります。種がなく、皮をむかずに果肉を押し出すようにして食べるのが一般的です。主な産地は山形県で、旬は7月から8月にかけてです。

紅伊豆(べにいず)

「紅伊豆(べにいず)」は、8月上旬から収穫できる大粒の赤色ぶどうです。目を引く鮮やかな赤色と、比較的早い時期に旬を迎えることが特徴です。糖度は16度~18度程度で、酸味は穏やか。果肉は柔らかく、ジューシーな食感が楽しめます。種あり品種です。

マニキュアフィンガー

「マニキュアフィンガー」は、山梨県の植原葡萄研究所で生まれたユニークな品種です。名前が示すように、指のような細長い形状をしており、先端がまるでマニキュアを塗ったかのように赤く色づくのが特徴的な外観を持つぶどうです。糖度は18度~20度程度と高く、酸味は穏やか。果肉は締まっており、独特の食感が楽しめます。旬は9月上旬から10月上旬です。

ルビーオクヤマ

赤い果皮が特徴の「ルビーオクヤマ」は、白ぶどうである「イタリア」の枝変わりとして誕生しました。「イタリア」の優れた性質を受け継ぎながら、美しいルビー色をまとっているのが魅力です。糖度は17度~19度程度で、酸味はやや強め。果肉は柔らかく、ジューシーな食感が楽しめます。旬は8月下旬から9月中旬。種あり品種です。

ルビーロマン

鮮やかな紅色をまとう大粒の「ルビーロマン」は、石川県が生み出した高級ぶどうとして知られています。その最大の特徴は、何と言ってもその大きさ。一粒一粒が非常に大きく、糖度も高く、見た目の美しさも兼ね備えているため、特別な贈り物としても重宝されています。赤色系のぶどうの中でも特に大粒で甘みが強く、種ありと種なしのものが存在し、皮を剥いて食べることも、皮ごと食べることも可能です。石川県でのみ栽培されており、旬は8月から9月にかけてとなります。

レッドグローブ

スーパーなどでよく見かける「レッドグローブ」は、輸入ぶどうとして広く知られています。比較的保存がきき、手頃な価格で安定供給されているため、普段使いのぶどうとして親しまれています。糖度は16度~18度程度で、酸味は穏やか。果肉は硬めで、パリッとした食感が楽しめます。種あり品種です。

竜宝

「竜宝(りゅうほう)」は、少し楕円形をした大粒のぶどうで、果肉の柔らかさとジューシーさが魅力です。滋賀県や宮崎県などで栽培されていますが、市場に出回ることは稀で、希少な品種と言えます。旬は7月中旬から8月で、種ありと種なしの両方があります。皮を剥いて食べるのが一般的です。

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【黄緑系】ぶどうの種類

黄緑色のぶどうは、その爽やかな香りと、透き通るような美しい色合いが特徴です。

黄華(おうか)

1994年に登録された黄華は、その名の通り、目を引く黄緑色の果皮を持つぶどうです。他にない独特の風味を楽しめます。糖度は17度~19度程度で、酸味は穏やか。果肉は柔らかく、ジューシーな食感が楽しめます。旬は8月下旬から9月中旬です。

シャインマスカット

「安芸津21号」と「白南」を親に持つシャインマスカットは、近年、非常に高い人気を誇るぶどうです。水分をたっぷり含んだ果肉と、爽やかで上品な甘い香りが特徴。皮ごと食べられる種なしぶどうであり、そのパリッとした食感も魅力です。味の良さと食べやすさから、贈答品としても重宝されており、市場での存在感は抜群です。山梨県や長野県などが主な産地で、旬は9月頃です。

翠峰(すいほう)

1996年に登録された翠峰は、鮮やかな緑色が印象的なぶどうです。大粒で果汁をたっぷり含んだ果肉が特徴で、すっきりとした甘さを楽しめます。糖度は18度~20度程度と高く、酸味は穏やか。果肉は柔らかく、ジューシーな食感が楽しめます。旬は9月上旬から10月上旬です。

瀬戸ジャイアンツ

緑黄色の果皮を持つ「瀬戸ジャイアンツ」は、1989年に品種登録されました。「桃太郎ぶどう」という愛称でも親しまれており、大粒で皮が薄く、種なしでそのまま食べられる手軽さから人気を集めています。特徴的な形状とパリッとした食感に加え、強い甘みと少ない酸味が魅力です。主に岡山県で栽培されており、9月頃が旬です。

多摩ゆたか

東京都で生まれた多摩ゆたかは、青色の美しいぶどうです。調布市で大切に育てられたこの品種は、その名が示すように、多摩の豊かな自然を彷彿とさせる、さっぱりとした風味を持っています。

トンプソン・シードレス

トンプソン・シードレスは、世界中で栽培されている人気の種なしぶどうで、緑色の果実が特徴です。特にカリフォルニアからの輸入品として、一年を通してスーパーマーケットで見かけることが多いでしょう。レーズンの原料としても広く知られています。

ナイアガラ

ナイアガラは、1872年にアメリカで誕生した歴史あるぶどうです。その特徴は、甘いキャンディーのような独特の香り(フォクシー香)にあります。生で食べるのはもちろん、ジュースやワインにも加工されます。種あり品種であり、種の周辺は酸味が強く、皮に近い部分は甘いのが特徴です。厚めの皮なので、果肉を押し出すようにして食べるのがおすすめです。主に北海道や長野県で栽培され、旬は9月から10月頃です。

ネオ・マスカット

ネオ・マスカットは、高級品種「マスカット・オブ・アレキサンドリア」の良いところを受け継ぎつつ、日本の風土に適応するように改良されたぶどうです。マスカットならではの上品な香りが、口いっぱいに広がります。糖度は18度~20度程度と高く、酸味は穏やか。果肉は柔らかく、ジューシーな食感が楽しめます。旬は9月上旬から10月上旬です。

マスカット・オブ・アレキサンドリア

「果物の女王」とも呼ばれるマスカット・オブ・アレキサンドリアは、長い歴史を持つ中粒のぶどうです。一般的に「マスカット」として知られている品種であり、その高貴なマスカット香と、まるで翡翠のような美しい緑色が特徴で、高級ぶどうとして大切にされています。多くは種を含みますが、皮ごと味わうこともできます。主な産地は岡山県で、最も美味しい時期は9月中旬から10月頃です。

ロザリオ・ビアンコ

ロザリオ・ビアンコは、山梨県の植原葡萄研究所で生まれた中粒の白ぶどうです。楕円形の果実が特徴で、種はありますが、皮ごと食べられるのが魅力です。皮と一緒に食べると、シャクシャクとした食感とともに、優しい甘さと爽やかな香りが口いっぱいに広がり、その独特な風味と甘みが楽しめます。主な産地は山梨県で、旬は9月頃です。

ピッテロ・ビアンコ

ピッテロ・ビアンコは、小粒で先端が尖った楕円形が特徴的な品種です。種ありと種なしの両方のタイプがあり、皮ごと食べることができ、そのパリパリとした食感が楽しめます。山梨県、長野県、山形県などで栽培されており、旬の時期は9月下旬から10月にかけてです。

ゴールドフィンガー

ゴールドフィンガーは、ピッテロ・ビアンコとピアレスを掛け合わせて生まれた品種です。形や味わいはピッテロ・ビアンコによく似ており、種ありと種なしのものが存在し、皮ごと食べられます。山梨県で栽培されており、7月下旬から8月中旬頃に旬を迎えます。

白峰

白峰(はくほう)は、山梨県を中心に栽培されている品種で、巨峰がルーツと言われています。巨峰に似た大粒の果実で、ジューシーな果肉が特徴。甘さと酸味の調和がとれており、食味が良いと評判です。旬は8月下旬から9月頃で、種なしであることが多く、皮を剥いていただきます。

黄玉

黄玉(おうぎょく)は、大粒で強い甘みが特徴のぶどうです。マスカットのような芳醇な香りを持ち、その香りはジャスミンに例えられることもあります。種ありと種なしのものが存在し、皮は剥かずにそのまま食べても、剥いて食べても美味しくいただけます。主な産地は山梨県や長野県で、旬の時期は8月中旬から9月頃です。

甲斐美嶺

甲斐美嶺(かいみれい)は、フランスの画家ミレーにちなんで命名された、ロマンチックな名前を持つ品種です。中粒で、上品な甘さの中に爽やかな酸味が感じられます。果皮はやや厚めなので、剥いて食べるのが一般的ですが、種がないのが嬉しいポイント。山梨県での栽培が盛んで、旬は8月下旬頃です。

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ぶどうのむき方・保存方法

ぶどうをより美味しく、そしてより長く楽しむための、上手なむき方と保存方法を解説します。

ぶどうのむき方

ぶどうの皮をスムーズにむくには、熱湯に短時間浸し、すぐに冷水で冷やすのが効果的です。この方法(湯むき)なら、皮だけを簡単に取り除くことができ、果肉を傷つけずに美味しくいただけます。

冷蔵保存方法

ぶどうは乾燥に弱いので、冷蔵保存には工夫が必要です。購入後は房ごと、新聞紙やキッチンペーパーでふんわりと包み、ポリ袋か密閉容器に入れて野菜室へ。小粒種は房のまま、大粒種は一粒ずつカットして保存するのがコツです。カットする際は、枝の付け根から少し離れた所をハサミで切ると、より鮮度が長持ちします。

冷凍保存方法

ぶどうを長期保存したいなら、冷凍がおすすめです。小粒のものは、優しく水洗いした後、しっかり水気を拭き取り、冷凍用保存袋に入れて空気を抜き冷凍庫へ。大粒のものは、一粒ずつ枝から切り離し、同様に水洗いと水気取りを行ってから冷凍保存袋へ。凍ったままシャーベットとして、または半解凍でいただくのも美味しいです。

まとめ

濃厚な味わいの黒系、穏やかな甘さの赤系、爽やかな香りの黄緑系まで、ぶどうは様々な個性で私たちを楽しませてくれます。この記事を通して、ぶどうの世界の奥深さを知り、ご自身の好みや用途に合ったぶどうを見つけるお手伝いができれば幸いです。購入されたぶどうは、ご紹介した保存方法を参考に、その風味を最大限に楽しんでください。

ぶどうの種類はどれくらいあるの?

世界には1万を超えるぶどうの品種が存在すると言われています。日本国内で市場に出回っているのは、そのうち約50~60種類です。果皮の色で分類すると、赤、黒、緑のぶどうがあり、皮ごと食べられるもの、種がないもの、ワイン醸造に使われるものなど、用途に応じた様々な品種が栽培されています。

皮ごと食べられるぶどうの種類は?

皮ごと食べられるぶどうとして広く知られているのは、やはり「シャインマスカット」です。その他、「サニードルチェ」「瀬戸ジャイアンツ」「ナガノパープル」のほか、「クリムゾンシードレス」「トンプソンシードレス」といった品種も皮ごと美味しくいただけます。これらの品種は、果肉と果皮の間に美味しさが凝縮されているため、皮ごと味わうことでぶどうの風味をより深く楽しむことができます。

種なしぶどうはどうして種がないの?

種なしぶどうは、ジベレリンという植物ホルモンを使った処理を行うことで種なしにすることが一般的です。ぶどうの花が咲いた後と、果実が成長する過程の計2回、ジベレリン溶液に浸すことで種子の形成を抑制し、果実の肥大を促進します。この処理によって、消費者はより手軽にぶどうを味わえるようになりました。

高級ぶどうにはどんなものがありますか?

特に名高い高級ぶどうといえば、石川県生まれの「ルビーロマン」でしょう。その特徴は、大粒で、まるで宝石のような深紅の色合いと、際立つ甘さにあります。また、「シャインマスカット」や「マスカット・オブ・アレキサンドリア」も、その品質の高さと希少性から、高級品種として知られています。

ぶどうの旬はいつですか?

ぶどうの旬は、品種によって時期が異なります。しかし、一般的には夏から秋にかけてが最盛期と言えるでしょう。早いものでは7月頃から市場に出回り始め、「デラウェア」などがその代表例です。8月から9月にかけては、「巨峰」や「シャインマスカット」といった人気の品種が旬を迎え、10月以降も「紫苑」のような晩生品種を楽しむことができます。加温栽培によって、一年を通して味わえる品種も存在します。

ぶどうの保存方法は?

ぶどうは乾燥に弱い性質を持っているため、購入後は房ごと新聞紙やキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存するのが良いでしょう。食べる直前に水洗いし、房から取り外す際は、枝を少し残してハサミで丁寧にカットすることで、鮮度をより長く保てます。長期保存を希望する場合は、房から外して冷凍保存することも可能です。

ぶどう