冬の食卓を彩る、鮮やかな黄金色の果実「金柑(きんかん)」。その甘酸っぱい味わいと香りは、寒い季節にぴったりの楽しみのひとつです。ビタミンCなどを含む栄養成分があることでも知られ、昔から親しまれてきました。 でも、金柑の旬っていつ?どんな食べ方が美味しさを引き出せるの?この記事では、金柑の旬の時期をはじめ、風味を活かす食べ方や保存方法、手軽に楽しめるレシピまで、金柑の魅力をまるごとご紹介します。冬の味覚としての金柑を、ぜひご家庭で楽しんでみてくださいね。
金柑(キンカン)とは?基本情報と特徴

金柑はミカン科の植物で、常緑性の低木です。冬になると、鮮やかな黄金色の実をつけることから、庭木としても親しまれています。原産は中国ですが、その育てやすさと見た目の美しさから、日本各地で栽培されています。実の形は丸いものや卵型があり、品種によっては枝にトゲがあるものも。キンカン属にはいくつかの種類がありますが、食用として主に栽培されているのは、ネイハイキンカンを改良した品種です。また、観賞用としては、実が1cmほどの小さなマメキンカンという品種も存在します。
金柑(キンカン)の花言葉:込められた意味
金柑の花言葉は、「思い出」と「感謝」です。この花言葉は、金柑の持つ美しい姿、実を結ぶまでの道のり、そして私たちに与えてくれる恵みなど、様々な要素が由来となっていると考えられています。
金柑(キンカン)の花咲く季節:芳香を放つ夏の花
金柑の花は、夏にその美しい姿を見せてくれます。他のミカン科の果樹が5月頃に花を咲かせるのに対し、金柑は7月から9月にかけて開花するのが特徴です。花は葉の付け根(葉腋)に咲き、一つの葉腋から2~3個の花を咲かせることがあります。金柑の花は、他の柑橘類の花と同様に、甘く爽やかな香りを漂わせます。
金柑(キンカン)の収穫時期と旬:つやつや黄金色の実
金柑の実が大きく育ち、色づき始めるのは12月頃からです。最初は葉と区別がつかないほどの緑色をしていますが、熟していくにつれて、光沢のある鮮やかな黄金色へと変化していきます。オレンジ色に近い黄金色になったら収穫のサインです。金柑の旬は1月から3月頃で、この時期には、果皮につやがあり、ハリがあって、ずっしりと重みのある美味しい実を収穫することができます。
金柑の旬と市場での動き:美味しい時期を探る
金柑が最も美味しくなる旬は、晩秋の11月頃から春先の3月頃にかけて。特に2月頃は、市場への出荷量がピークを迎えます。2024年の東京都中央卸売市場における金柑の取扱量はおよそ721トン。その内、約76%にあたる546トンが宮崎県産、約17%の124トンが鹿児島県産、そして約3%の20.9トンが佐賀県産となっています。
金柑を味わい尽くす!おすすめレシピ集
生でそのまま、甘露煮でじっくりと、はちみつ漬けで優しい甘さを、ジャムにしてパンのお供に…。金柑は、その多様な風味を活かして、様々な形で楽しむことができる果物です。ここでは、特におすすめのレシピを詳しくご紹介します。
金柑を生で食す:皮の香りと味わいを堪能
金柑は、新鮮なものをそのまま生でいただくことができます。ポイントは、主に皮の部分を味わうこと。丁寧に水洗いした金柑の皮を、歯で薄く剥ぐようにして口に運びます。口の中に広がる芳醇な香りと、甘みの中に感じるほのかな苦味が、金柑ならではの味わいです。果肉は酸味が強い品種が多いため、酸味が苦手な方は皮と一緒にお召し上がりいただくか、加熱調理するのがおすすめです。
基本の甘露煮レシピ:金柑の美味しさを引き出す
冬の定番・金柑をじっくり煮詰めた「甘露煮」は、保存もきいて、風味豊か。皮ごと食べられる金柑の甘さとほろ苦さを生かした一品です。
材料(作りやすい分量)
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金柑:500g
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砂糖:250g(金柑の半量)
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水:200ml
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レモン汁:大さじ1/2
作り方
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金柑はよく水洗いし、ヘタを取り除きます。
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フォークで数カ所穴をあけるか、包丁で切れ込みを入れ、種を取り除きましょう。
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鍋に金柑、砂糖、水、レモン汁を入れて中火にかけます。
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沸騰したら弱火にし、アクを取りながら約20〜30分ほど煮詰めます。金柑が柔らかくなるまでじっくり煮るのがポイントです。
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粗熱が取れたら、煮沸消毒した瓶に移して保存してください。冷蔵庫で保存すれば、しばらく日持ちします。
はちみつ漬けレシピ:手軽にできるアレンジ
もっと手軽に楽しみたい方には、はちみつ漬けもおすすめ。煮る工程がないので、時間がないときでもさっと作れます。
材料(作りやすい分量)
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金柑:適量(例:300g〜500gなど、お好みで)
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はちみつ:金柑がしっかり浸かる量(目安として金柑と同量か、ひたひたになるくらい)
※はちみつは金柑が完全に浸かる分量が必要なので、瓶の大きさや金柑の量に合わせて調整してください。
作り方
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金柑は丁寧に洗って水気をしっかり拭き取ります。
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半分に切って、中の種を取り除きましょう。
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清潔な保存瓶に金柑を詰め、上から金柑がすっかり浸かるまではちみつを注ぎます。
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瓶のふたをして冷蔵庫へ。一晩以上漬けて味をなじませてください。
そのまま食べても美味しいですが、ヨーグルトに添えたり、炭酸水に入れてドリンクにするのもおすすめです。レモンのはちみつ漬けのように、風邪予防にもぴったりの一品です。
金柑(キンカン)のジャムレシピ:手作りならではの豊かな風味
金柑ジャムは、朝食のパンやクラッカーに添えるのに最適な、風味豊かな自家製ジャムです。
材料
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金柑:200g
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砂糖:100g
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水:100ml
作り方
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金柑を丁寧に水洗いし、ヘタを切り落とします。
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金柑を4等分にカットし、種を丁寧に取り除きます。
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鍋に金柑、水、砂糖を入れ、中火で加熱します。
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沸騰したら弱火にし、アクを丁寧に取り除きながら、焦げ付かないように混ぜ続けます。
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金柑が十分に柔らかくなり、程よいとろみがついたら火を止めます。
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粗熱を取ってから、清潔な保存容器に移して保存します。
完全に冷めたら、密閉可能な清潔な容器に移し替えて保存してください。パンやクラッカーにたっぷり塗ってお召し上がりください。

結び
鮮やかな色合いと様々な用途を持つ金柑は、私たちの暮らしに豊かな彩りをもたらす、まさに魅力あふれる果実です。旬の時期にその美味しさを堪能するのはもちろんのこと、この記事が、金柑をより深く理解し、日々の生活に取り入れるための一助となれば幸いです。
質問1:金柑の皮が食べられるのはどうしてですか?
回答:金柑の皮には、果肉を上回る栄養素が含まれており、独特の香りが楽しめます。また、金柑の皮は非常に薄く、柔らかいので、皮ごと美味しくいただくことができます。
質問2:金柑の種は、食べても問題ないのでしょうか?
回答:金柑の種には若干の苦みがあるため、そのまま食べることはあまりおすすめできません。甘露煮などに加工する際は、種を取り除くことをおすすめします。
質問3:金柑のおすすめの食べ方は何ですか?
回答:そのまま丸ごと食べるのはもちろん、甘露煮やはちみつ漬けにすると、皮のほろ苦さと果肉の甘酸っぱさが引き立ち、より一層美味しくいただけます。ヨーグルトや紅茶に添えるのもおすすめです。