こだまスイカ

こだまスイカ

夏の風物詩、スイカ。中でも「こだまスイカ」は、その可愛らしいサイズ感と手軽さで、多くの人々に愛されています。小玉スイカが出てきたのは1958年、品種改良が進み1960年代には広く食べられるようになりました。その名前の由来や、核家族化が進む社会でのニーズに応えた背景、そして、おいしさを余すことなく楽しめる秘密に迫ります。この記事では、小玉スイカの代表格である「こだまスイカ」の魅力を徹底解剖します。

小玉スイカとは:品種と名前のルーツ、普及の背景

小玉スイカは、1958年に誕生し、改良を重ねて生まれた比較的小さなスイカです。名前の由来は、そのサイズ感に加え、東海道新幹線「こだま」が開通した1964年頃に品種改良が進んだことにちなんでいます。核家族化が進む日本において、運びやすさや保存のしやすさが支持され、人気を集めました。皮が薄く果肉がぎっしり詰まっており、甘みが均一なため、食べ終わった後のゴミが少ないというメリットもあります。

小玉スイカの魅力:甘さ、食感、大きさ

南原ファームの調べでは、一般的な小玉スイカの糖度は、品種や栽培条件によって異なりますが、平均で10〜12度程度です。しかし、信州の夏休みシリーズの小玉スイカは、最高で13〜14度にも達することがあります。皮の近くまで美味しく食べられることや、冷蔵庫にまるごと収まる手頃なサイズも人気の秘訣です。シャリシャリとした食感とみずみずしさは、春から初夏にかけて味わうのにぴったりです。種が少なく、食べられる部分が多い点も魅力の一つです。

小玉スイカの歩み:黄色から赤色への変化

小玉スイカの栽培が始まったのは,1957年に,古里地区堀之内集落の数人によるグループが,「長岡交配黄こだま」という品種を試作したことがきっかけであった(斉藤,1985)。スイカが日本にいつ、どこから伝わったのかは明確ではありませんが、西の方角から伝来したことから「西瓜(すいか)」と呼ばれるようになったと言われています。当時のスイカは、皮が黒く、果肉が赤色をしていました。そのため、黄色いスイカよりも赤い色のものが好まれたようです。

小玉スイカの旬と収穫時期:おいしい時期を知る

小玉スイカの旬は5月中旬頃から8月頃までと、大玉スイカよりも収穫期間が長めです。茨城県では4月下旬から6月頃が旬となり、初夏の味覚として親しまれています。購入後は追熟しないため、できるだけ早く食べるのがおすすめです。

こだますいかの主な産地:茨城県と群馬県

こだますいかといえば、茨城県が代表的な産地として知られています。特に、筑西市、桜川市、下妻市、常総市、牛久市、阿見町、鉾田市、八千代町、稲敷市、つくば市などで多く栽培されています。また、群馬県太田市藪塚地区も、高品質な小玉スイカの産地として有名で、3月上旬から7月上旬にかけて収穫時期を迎えます。

こだわりの栽培方法:美味しさの秘密

藪塚地区の土壌は水はけの良い堆積火山灰土でできており、冬には乾燥した「からっ風」が吹くため、晴天の日が多いのが特徴です。この水はけの良さと豊富な日照時間が、美味しいスイカを育てるのに最適な環境を作り出しています。農家の方々は、冬から初夏にかけてハウス内の温度管理を徹底し、種まきから収穫まで丹精込めて栽培することで、甘さと食感に優れたこだますいかを作り上げています。

こだますいかの選び方:美味しいスイカを見分けるポイント

美味しいこだますいかを選ぶには、いくつかのポイントがあります。例えば、以下の点に注目してみましょう。
  • 縞模様:縞模様がはっきりしていて、途切れていないものを選びましょう。
  • 形:全体的に丸みを帯びていて、均一な形のものを選びましょう。
  • お尻:お尻の部分が少しへこんでいるものが、甘みが凝縮されているサインです。
  • 重さ:サイズの割にずっしりと重みを感じるものが、果肉が詰まっていて美味しいです。

こだますいかの保存方法:購入後の扱いと保存の注意点

こだますいかは収穫後に追熟しないため、購入したらできるだけ早く食べるのがおすすめです。保存する際は、冷蔵庫で冷やしすぎると風味が損なわれることがあります。美味しく食べるには、購入後すぐに冷蔵庫で1~2時間ほど冷やしてからお召し上がりください。

小玉スイカ:甘みを最大限に引き出す食べ方

小玉スイカの美味しさを存分に味わうには、召し上がる1~2時間前に冷蔵庫で冷やすのがベストです。スイカは中心部分が特に甘いため、半分にカットした後、中心を通るように放射状にカットすると、甘みが均等に分配され、より美味しくいただけます。

黒小玉スイカ:珍しい品種、その魅力

「黒小玉スイカ」は一般的なスイカと比べて、生産地・生産者ともに数が少ない、希少な品種です。漆黒の皮と、鮮やかな果肉のコントラストが美しく、ギフトとしても喜ばれます。

自宅で小玉スイカ栽培:育て方とポイント

小玉スイカは、ご家庭の菜園でも育てることができます。太陽の光を好むため、日当たりの良い場所を選びましょう。土壌は特に選びませんが、水はけの良い土地が適しています。連作障害を防ぐために、4~5年の輪作を行うか、接ぎ木栽培を検討しましょう。

小玉スイカの種まきと育苗:苗を育てる手順

種まきは、9~12cm程度のポットを使用します。直径4~5cm、深さ1cm程度の穴を作り、3~4粒の種をまいて土を被せ、軽く押さえてから水を与えます。発芽後、本葉が1~2枚になったタイミングで2本に間引き、2~3枚になったら1本に間引きます。発芽するまでは25~30℃に保ちます。およそ4日程度で発芽します。定植に適した苗は、本葉が4~5枚になった頃(種まきから40~45日後)です。

こだますいか栽培に向けた畑の準備と苗の植え付け

苗を植え付ける2週間以上前に、畑に苦土石灰を混ぜ込み、丁寧に耕します。植え付け1週間前には、畝の内側の植え付け予定地に堆肥と肥料を撒いて耕し、土壌を整えます。その後、黒色のポリマルチを施します。苗を植える際は、根を傷つけないように注意し、浅めに植え付け、たっぷりと水を与えます。晩霜の心配がある場合は、ホットキャップなどで苗を保護しましょう。

こだますいかの生育管理:整枝、着果促進、追肥

親づるは本葉が5~6枚になった時点で摘芯し、最初の節から出る子づるは取り除きます。その後、元気な子づるを4本残して育てます。子づるの成長に合わせて株元にワラを敷き、互いに絡まないように配置します。第2雌花までの孫づるは摘み取りましょう。各子づるの第2雌花が開花したら、人工授粉を行い、着果を確認後、形の良い長卵形の果実を2つ選びます。追肥は、子づるが50cm程度に伸びた頃と、果実が鶏卵くらいの大きさになった頃の2回行います。人工授粉は、雌花が開花する午前9時頃までに行い、日付を記したラベルを取り付けます。最初に咲いた雌花や3番目に咲いた雌花に着果した果実は、変形しやすいので摘果します。追肥の量は、1株あたり1回につき約50gを目安とします。

こだますいかの病害虫対策:注意点と予防

こだますいかの栽培で最も注意すべき病気は、果実の肥大期に突然しおれて枯れてしまう「つる割病」です。その他、つる枯病やべと病にも注意が必要です。害虫としては、アブラムシやハダニによる被害が大きいため、早期発見と防除が重要です。スイカ栽培で注意すべき「つる割病」は、一度発症すると効果的な治療法が確立されていません。そのため、感染株は速やかに抜き取って処分し、土壌消毒を行うなど、まん延を防ぐ対策が重要です。また、抵抗性のある台木への接ぎ木や、4~5年の輪作を行うことが予防策として推奨されます。感染株は速やかに抜き取り、処分しましょう。その後4~5年は、同じ場所でスイカを栽培しないようにしてください。つる割病は、ユウガオを台木とした接ぎ木栽培によって回避することができます。

こだますいかの収穫時期の見極め方

開花後30日ほど経過したら、果実の日陰になっていた部分を日光に当てるように玉直しを行います。大玉系のスイカは開花後45~50日、小玉系は約35~40日が収穫の目安となります。収穫までの日数は品種によって異なるため、種袋の記載を確認しましょう。開花日のラベルがない場合は、果実を手のひらで軽く叩いたときに鈍い音がする、着果節の巻きひげが半分程度枯れている、といった点が収穫の目安となります。

こだますいかの通販とふるさと納税を活用した入手方法

美味しくて手軽なこだますいかは、インターネット通販サイトやふるさと納税でも手に入れることができます。旬の時期である5月~6月に発送されるので、ぜひチェックしてみてください。

まとめ

可愛らしい見た目と、ぎゅっと詰まった甘みが魅力のこだますいか。この記事を参考に、お好みのこだますいかを見つけて、色々な食べ方で味わってみてください。プランター栽培も可能なので、ご自宅で育てるのもおすすめです。

よくある質問

質問1:こだますいかと一般的なスイカの違いは?

こだますいかの特徴は、何と言ってもそのコンパクトなサイズ感です。通常のスイカよりも小ぶりで、皮が薄いのが特徴です。また、糖度が高く、果肉が締まっているため、濃厚な甘さを楽しめます。

質問2:小玉スイカの上手な保存方法は?

小玉スイカは、冷やしすぎると本来の甘みが損なわれることがあります。美味しく召し上がるには、食べる直前の1~2時間前に冷蔵庫で冷やすのがおすすめです。カットしたスイカは、種を取り除いてラップで包み、冷蔵庫で保管し、なるべく早くお召し上がりください。

質問3:小玉スイカの美味しい時期はいつ?

小玉スイカが最も美味しい時期は、一般的に5月中旬から8月にかけてです。特に茨城県産のものは、4月下旬から6月頃が旬となります。
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