キウイ 原産国

キウイ 原産国

鮮やかな緑色の果肉と甘酸っぱい味わいが魅力のキウイ。スーパーでは一年を通して手に入りますが、その原産国をご存知でしょうか?実は意外にも、キウイのルーツは中国にあります。そこからニュージーランドへと渡り、品種改良を経て世界的なフルーツへと成長しました。この記事では、キウイの知られざる原産国と、世界に広がるまでの道のりを紐解きます。

キウイフルーツの概要

キウイフルーツは、マタタビ科に属するつる性の植物、およびその実を指します。中国が原産地ですが、ニュージーランドでの品種改良を経て世界中で親しまれています。果実の表面は細かい毛で覆われており、ビタミンCをはじめとする様々な栄養素が豊富です。日本へは1970年代に導入され、現在では国内でも栽培が行われています。

キウイフルーツの歴史

キウイフルーツの起源は、およそ1世紀前に中国からニュージーランドへ持ち込まれた「ヤンタオ」という果実の種子にさかのぼります。1904年、イザベル・フレイザーが中国の揚子江上流から持ち帰った種子を、植物学者のアレキサンダー・アリソンに栽培を依頼したのが始まりとされています。その後、ヘイワード・ライトが緑色の果肉を持つ品種を開発し、これが現在の一般的なキウイフルーツの原型となりました。「キウイフルーツ産業の父」と呼ばれるジム・マクローリンが商業栽培を開始し、1952年にはイギリスへ初めて輸出されました。当初は「チャイニーズ・グーズベリー」と呼ばれていましたが、1959年にニュージーランドの象徴的な鳥である「キーウィ」にちなんで「キウイフルーツ」と命名されました。

キウイフルーツの品種

キウイフルーツには多種多様な品種が存在し、果肉の色、味、形などがそれぞれ異なります。最も一般的なのは、果肉が緑色の「ヘイワード」種で、世界中で広く栽培されています。その他、果肉が黄色の「ゴールドキウイ(例:ゼスプリゴールド)」や、赤色の「レッドキウイ(例:ゼスプリレッド)」といった品種も存在します。日本国内でも、「香緑(こうりょく)」、「さぬきゴールド」、「甘熟娘」など、地域ごとの特色を生かした品種が開発されています。

キウイフルーツの栽培

キウイフルーツは比較的育てやすい果樹であり、家庭菜園でも楽しむことができます。通常は苗木を購入し、雄株と雌株をそれぞれ1本ずつ植える必要があります。つる性の植物なので、フェンスや棚などの支えとなるものが必要です。収穫時期は10月から11月頃で、収穫後30~60日程度の追熟期間を経ると美味しく食べられます。ただし、実をつけすぎると糖度が下がり味が落ちるため、摘果を行うことが推奨されます。日本における商業栽培は、ミカンの生産過剰対策として始まったという背景があります。ミカンの産地とキウイフルーツの産地が重複している地域も多く、ミカンよりもキウイフルーツの栽培に適した土地も存在します。しかし、1990年代の輸入自由化により価格が大幅に下落し、栽培を断念する農家も増加しました。その後、産地が協力して安定供給に努めることで、2000年以降は価格と生産量が安定傾向にあります。

キウイフルーツの栄養価と健康効果

キウイフルーツは、非常に栄養価が高いことで知られる果物です。特に、ビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは抗酸化作用を持つ栄養素として知られています。その他にも、ビタミンE、食物繊維、カリウム、そしてアクチニジンといった栄養素を含んでいます。アクチニジンはタンパク質分解酵素の一種で、肉料理と一緒に摂取することで消化を助ける効果があると言われています。健康的な食生活を目指し、厚生労働省と農林水産省が共同で作成した「食事バランスガイド」では、1日に200gの果物(キウイフルーツであれば約2個)を摂取することを推奨しています。

美味しいキウイフルーツの選び方と保存方法

美味しいキウイフルーツを選ぶポイントは、まず形が整った楕円形であること、そして果皮全体に細かな毛(うぶ毛)が生えていることです(ただし、品種によってはうぶ毛がないものもあります)。果皮の色は明るい黄褐色が良いとされ、軽く握った際にわずかに柔らかさを感じる程度が食べ頃のサインです。傷やへこみがあるものは避けるようにしましょう。もし硬くてまだ熟していない場合は、リンゴと一緒に袋に入れて追熟させると良いでしょう。乾燥を防ぐためにポリ袋に入れ(ただし、完全に密閉はしない)、20℃前後の室温で数日間保管すると、食べ頃になります。食べる際には、冷蔵庫で冷やすとより一層美味しくいただけます。

キウイフルーツの多様な食べ方

キウイフルーツは、皮を剥いてそのまま食べるのが一般的ですが、半分にカットしてスプーンで果肉をすくって食べるのも手軽でおすすめです。また、ヨーグルトやサラダに加えても美味しく、スムージーの材料としても最適です。ベビーキウイのように皮が薄い品種であれば、皮ごと食べることができます。キウイフルーツ特有の甘酸っぱい風味を活かして、肉料理や魚料理のソースとして利用するのもおすすめです。

キウイフルーツの主な産地について

キウイフルーツの原産国は中国ですが、現在ではニュージーランドが主要な産地として広く知られています。日本に輸入されるキウイフルーツの大部分は、ニュージーランド産です。日本国内でも、愛媛県、福岡県、和歌山県、神奈川県、静岡県などを中心に栽培されています。国産のキウイフルーツは、主に11月から4月頃にかけて市場に出回ります。世界のキウイフルーツ生産量においては、中国が第1位、ニュージーランドが第2位、そしてイタリアが第3位となっています。イタリアは、主にヨーロッパ地域向けの主要な産地となっています。

キウイフルーツに関する一般的な誤解

過去に、キウイフルーツにソラレンという光毒性物質が含まれているという情報が流布されたことがありましたが、これは事実ではありません。過去に、キウイフルーツにソラレンという光毒性物質が含まれているという誤った情報が流布されたことがありました。この情報は、ある書籍で紹介された後、テレビ番組でも取り上げられたことがきっかけで、インターネットを通じて広まったとされています。その後、当該書籍の発行元は、この記述に根拠がなかったことを認め、書籍から当該部分を削除するとともに、ウェブサイト上で謝罪と訂正を発表しました。さらに、主要な商業栽培品種であるグリーンキウイ(ヘイワード種)やサンゴールドキウイ(ZESY002種)を用いた実験の結果、果肉および果皮の両方からソラレン類は一切検出されなかったことが報告されています。

キウイフルーツの様々な表記と名称

キウイフルーツという名前は、ニュージーランドで名付けられました。英語圏、特にニュージーランドでは、kiwifruitをkiwiと省略して呼ぶことは一般的ではありません。日本語では、「キウイフルーツ」「キーウィーフルーツ」「キーウィフルーツ」「キウィフルーツ」など、複数の表記が見られます。アレルギー反応を引き起こす可能性があるため、キウイフルーツを使用した加工食品には、その旨を表示することが推奨されています。中国語では、原種であるシナサルナシを指す言葉として「獼猴桃」(ミーホウタオ)が広く使われており、栽培品種のキウイフルーツも同様に呼ばれます。栽培品種のキウイフルーツを特に区別する場合は、kiwifruitの音訳である「奇異果」(チーイーグオ)という表現が一般的です。

キウイフルーツの主要ブランド:ゼスプリ

ゼスプリは、ニュージーランド産のキウイフルーツを世界的に展開している有名なブランドです。1980年代後半にキウイの輸出業者が増加し、価格競争が激化したことを受け、生産者たちは輸出窓口を一本化する計画を立て、ニュージーランド・キウイフルーツ・マーケティングボード(NZKMB)を設立しました。その後、グローバル展開を進めるにあたり、ブランド名として「ゼスプリ」が採用されました。ニュージーランドの主要ブランドであるゼスプリは、徹底した品質管理を行い、世界中の消費者にキウイフルーツを提供しています。また、環境保護にも力を入れ、持続可能な農業を推進する取り組みを行っています。

まとめ

キウイフルーツは、その独特な歴史、豊富な栄養価、そして多様な品種によって、世界中で広く親しまれている果物です。毎日の食生活にキウイフルーツを取り入れることで、より健康的なライフスタイルを送ることができます。ぜひ、様々な品種を試してみて、自分にとって最高のキウイフルーツを見つけてください。

よくある質問

質問1:キウイフルーツの上手な追熟方法を教えてください。

キウイフルーツの追熟には、エチレンガスを発生させるリンゴやバナナが役立ちます。一緒にポリ袋に入れ、20℃程度の室温で数日置くと追熟が進みます。触って少し柔らかくなったら、美味しく食べられるサインです。

質問2:猫にキウイフルーツを食べさせても問題ないでしょうか?

キウイフルーツはマタタビ科に属しており、猫によってはマタタビに似た反応を示す可能性があります。ただし、一般的に販売されているキウイフルーツに含まれるマタタビラクトンの量はごくわずかです。そのため、反応しない猫もいます。猫に与える際は、少量から様子を見るようにしてください。

質問3:キウイフルーツは冷凍保存可能ですか?

はい、キウイフルーツは冷凍保存に適しています。皮を剥き、お好みの大きさにカットしてから、密閉できる保存袋や容器に入れて冷凍庫へ。冷凍したキウイフルーツは、スムージーやジャムの材料として活用できます。

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