甘酸っぱくて美味しいキウイフルーツは、私たち人間にとって身近な果物の一つですよね。ドッグカフェのメニューで見かけたり、手作り食に使われたりすることも増えてきました。愛犬がキウイを美味しそうに食べる姿を見て、「うちの子にもあげてみたい!」と思う飼い主さんもいるかもしれません。でも、本当に犬にキウイを与えても安全なのでしょうか?この記事では、犬にキウイを与える際の安全性について詳しく解説します。与えても良い理由から、適切な量、注意点まで、愛犬の健康を守るために必要な情報をしっかりとお届けします。
犬はキウイを食べても大丈夫
犬にキウイを与えても、基本的に心配はいりません。キウイには犬にとって有害な成分は含まれていないため、安心して与えることができます。キウイには様々な種類がありますが、どの種類も犬に与えて問題ありません。ただし、与えすぎには注意が必要です。キウイの約80%は水分なので、一度にたくさん与えると、お腹を壊して下痢をする可能性があります。そのため、与える量は「適量」にとどめましょう。犬に必要な栄養は、良質なドッグフードで十分に摂取できるため、キウイなどの果物は、栄養補給のためというよりは、食欲がない時に食べさせたり、水分補給をさせたり、愛犬に「食べる楽しみ」を与えたりする目的で、少量を与えるのがおすすめです。ただし、「与えすぎは良くない」「アレルギーに注意」など、キウイを与える際にはいくつかの注意点がありますので、以下を参考にしてください。
キウイの栄養と犬への効果

キウイフルーツは種類によって栄養価が異なりますが、犬の健康維持に役立つ多くの栄養素を含んでおり、様々な効果が期待できます。ここでは、代表的なキウイフルーツである「グリーンキウイ」と「ゴールデンキウイ」の可食部100gあたりに含まれる主な栄養成分と、それらが犬の体に与える影響について解説します。
アクチニジン
アクチニジンは、キウイに含まれる消化酵素で、タンパク質を分解する働きがあります。肉や魚など、タンパク質を多く含む食材と一緒にキウイを与えることで、タンパク質が分解され、犬が消化しやすくなる効果が期待できます。タンパク質を含む食品を食べた後にキウイを摂取することで、消化吸収を助けてくれます。ただし、アクチニジンは熱に弱いため、加熱すると効果が失われます。生のキウイを使うのがおすすめです。効果的な利用法としては、すりおろした生のキウイを、加熱調理する前の肉や魚にしばらく漬け込んでおくことで、食材が柔らかくなり、消化の負担を減らすことができます。
ビタミン群
キウイフルーツは、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンAといった様々なビタミンを豊富に含んでいます。特にビタミンCは100gあたり約71mgも含まれており、犬の体内でコラーゲンの生成をサポートする重要な役割を果たします。コラーゲンは、皮膚、被毛、粘膜の健康維持に不可欠なタンパク質です。また、ビタミンCは強力な抗酸化作用を持ち、細胞の老化を抑制するアンチエイジング効果や、動脈硬化の予防、免疫力向上など、様々な効果が期待されています。特にゴールデンキウイは、グリーンキウイよりも多くのビタミンCを含んでいます。ビタミンEは、紫外線などによって発生する活性酸素から体を守り、細胞の酸化を防ぐ効果があります。ビタミンCと同時に摂取することで、その抗酸化作用はより高まると言われています。さらに、キウイフルーツに含まれるビタミンAは、免疫機能の維持や、皮膚、視力、健康な毛並みの維持をサポートします。健康な犬は体内で十分な量のビタミンCを生成できますが、シニア犬の場合は積極的に摂取することを検討しても良いでしょう。摂取量に不安がある場合は、獣医さんに相談することをおすすめします。
食物繊維
キウイフルーツは、食物繊維が非常に豊富な果物です。食物繊維は、犬の腸内環境を整え、便秘の予防に効果があることで知られており、その含有量は他の一般的な果物と比較しても多い傾向にあります。特にグリーンキウイは、ゴールデンキウイの約2倍の食物繊維を含んでいます。キウイフルーツには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれています。水溶性食物繊維は、水分に溶けてゲル状になることで、糖の吸収を緩やかにし、食後の血糖値の急上昇を抑制する効果や、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を改善する効果が期待できます。一方、不溶性食物繊維は、水分を吸収して膨らむことで便のかさを増し、腸壁を刺激して排便を促し、便秘の解消に役立ちます。どちらの食物繊維も健康維持に役立ちますが、過剰に摂取すると便秘や下痢を引き起こす可能性があるため、与えすぎには注意が必要です。
カリウム
キウイフルーツには、ミネラルの一種であるカリウムが約300mg含まれています。カリウムは、体内のナトリウムとのバランスを保ちながら、細胞を正常に保ち、体液の浸透圧を調整する上で重要な役割を果たします。また、心臓の機能、神経伝達、筋肉の収縮など、生命維持に不可欠な多くの生理機能に関わっています。カリウムは、余分なナトリウムの排出を促進し、血圧を下げる効果も期待できます。ただし、腎臓病や腎不全を患っている犬がカリウムを過剰に摂取すると、体内のカリウム濃度が上昇し、「高カリウム血症」を引き起こす危険性があります。高カリウム血症は、命に関わることもあるため、心臓や腎臓に疾患を持つ犬へのキウイの投与は避けるべきです。特に、獣医から処方された療法食を摂取している犬の場合、カリウムの摂取バランスが非常に重要となるため、キウイを与える前に必ず獣医に相談し、安全性を確認するようにしてください。
犬へのキウイの与え方
犬にキウイを与える際には、いくつかの注意点があります。愛犬が安全にキウイを味わえるように、以下のポイントを参考にしてください。
皮を剥いて提供する
キウイを与える際は、必ず皮を剥いてください。キウイの皮は硬く、犬にとって消化しづらいため、消化不良を引き起こす可能性があります。また、皮の表面には細かい毛があり、犬によっては口の中に不快感を与えたり、アレルギー反応を引き起こしたりするリスクも考えられます。さらに、農薬が残留している可能性も否定できません。皮は厚めに剥き、安全性を確保することを心がけましょう。
小さく切ってから与える
キウイを与える形状にも注意が必要です。人間のように丸ごと与えるのは避けましょう。特に、小型犬や早食いの犬は、喉に詰まらせてしまう危険性があります。細かくすり潰す必要はありませんが、愛犬の口のサイズや普段の食べ方を考慮して、小さくカットしてあげてください。サイコロ状に細かく切ったり、薄切りにするなど、愛犬が安全に食べやすい大きさに調整することが重要です。キウイが喉に詰まる心配がある場合は、カットするだけでなく、すり潰したり、ピューレ状やスムージー状にして与えるのもおすすめです。これにより、誤嚥のリスクを減らし、安心してキウイを食べさせることができます。
種は可能な限り取り除く
キウイの種には、犬にとって有益な食物繊維や、脳と目の健康をサポートするオメガ3脂肪酸が含まれています。しかし、種は硬いため、消化に適さない場合があります。そのため、キウイを与える際は、できる限り種を取り除くことが推奨されます。特に、子犬やシニア犬は消化器官が未発達、または機能が低下しているため、消化しにくいものを食べると消化不良を起こしやすい傾向があります。キウイの種を取り除くのが難しい場合は、消化を助けるために、種を細かくすり潰してから与えるようにしましょう。
まとめ
キウイは、犬の健康維持に役立つ栄養素を豊富に含んでいますが、与え方には注意が必要です。栄養価が高いからといって、キウイはあくまで「おやつ」として与え、主食であるドッグフードの補助的な役割として考えましょう。犬の食事の基本は、栄養バランスの取れた総合栄養食であり、キウイがその代わりになるわけではありません。おやつとしてキウイを与えた場合は、そのカロリーを考慮して、主食の量を調整することが大切です。これにより、愛犬がカロリー過多になるのを防ぎ、健康的な体重を維持できます。また、与えすぎは消化器系の不調を招く可能性があるため、適量を守り、愛犬の体調を注意深く観察しながら与えるようにしてください。健康な犬にとってキウイは喜ばしいおやつになりえますが、心臓や腎臓に疾患がある場合、アレルギーの心配がある場合、尿石症の既往歴がある場合、あるいは下痢をしている場合は、必ず獣医に相談してから与えるようにしてください。愛犬にキウイを与えても良いか迷う場合は、獣医に相談した上で判断することが重要です。なお、動物病院の診療費が気になる場合は、ペット保険への加入を検討するのも良いでしょう。保険比較サイトを利用すれば、様々なペット保険の情報を比較検討することができます。
愛犬にキウイフルーツは大丈夫?
結論から言うと、キウイフルーツは犬が食べても問題ありません。キウイには犬にとって有害な物質は含まれていないため、安心して与えることができます。一般的に流通しているグリーンキウイ、甘みが強いゴールデンキウイのどちらも与えることが可能です。ただし、どんな食べ物でもそうですが、与えすぎは禁物。お腹を壊してしまう可能性があるので、適切な量を守って与えましょう。
キウイフルーツ、犬にとってどんな良いことがあるの?
キウイフルーツには、犬の健康をサポートする様々な栄養素が含まれています。例えば、ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、抗酸化作用も期待できます。ビタミンEも抗酸化作用を持ち、ビタミンAは免疫力の維持や、皮膚、視力、毛並みの健康に貢献します。カリウムは体内の水分バランスを調整し、心臓や神経、筋肉の機能を正常に保つのに役立ちます。また、水溶性・不溶性食物繊維は腸内環境を整え、便秘予防にも効果的です。さらに、キウイに含まれるアクチニジンというタンパク質分解酵素は、消化を助ける働きがあります。
犬にキウイフルーツをあげる際の適量は?
キウイフルーツを与える量の目安は、犬が一日に摂取する総カロリーの10%程度に留めておきましょう。キウイフルーツは水分が豊富なので、与えすぎると消化不良を起こし、お腹の調子が悪くなることがあります。標準的な緑肉種のキウイ1個(約100g)は約51kcalです。愛犬の体重や運動量、健康状態を考慮して、量を調整してください。例えば、体重3kg程度の小型犬の場合、一日に与えるキウイフルーツの量は約10g(キウイ1/10個程度)を目安にすると良いでしょう。













