ジョナゴールド:甘味と酸味の絶妙なバランスを持つりんごの魅力
秋の味覚を代表するりんごの中でも、ひときわ鮮やかな赤色で人々を魅了するジョナゴールド。そのルーツはアメリカにあり、ゴールデンデリシャスと紅玉という、それぞれ特徴的な品種を掛け合わせて生まれました。日本へやってきてからも、その美味しさは瞬く間に広がり、今では多くの人に愛される存在となっています。今回は、甘味と酸味の絶妙なバランスが織りなす、ジョナゴールドの魅力に迫ります。

ジョナゴールドについて

ジョナゴールド(Jonagold)は、1943年にアメリカ合衆国、ニューヨーク州の農業試験場にて誕生しました。親品種は、ゴールデンデリシャスと紅玉(こうぎょく)です。交配の結果生まれたこの品種は、1968年に正式に発表され、日本では1970年に青森県へと導入されました。特徴として、比較的大玉で、赤みがかった色合いを持ち、表面にベタつき(油あがり)が見られることがあります。果肉は固めで、甘みと酸味の調和がとれており、そのまま食べるのはもちろん、加工にも適しています。

ジョナゴールド:味、見た目、栽培の特徴

ジョナゴールドの果実は、重さが300〜400g程度とやや大きめで、丸みを帯びた円形から、やや細長い円錐形をしています。果皮の色は橙紅色で、縞模様のように色づき、表面には油上がりが現れることがあります。糖度は14〜15度、酸度は0.5%前後で、甘さと酸っぱさのバランスが絶妙であり、香りも楽しめます。遺伝子型はS2S3S9。たくさんの実をつけますが、自家不和合性のため、受粉を助ける品種が必要です。収穫時期は10月から11月にかけて。黒星病、赤星病、そして火傷病に対する抵抗力が弱い点に注意が必要です。

ジョナゴールドの生産量と主な産地

ジョナゴールドは、日本で広く栽培されているリンゴの中生品種の一つです。2023年度の生産量は約37,000トンで、これはリンゴ全体の生産量の約6%に相当します。生産量としては、ふじ、つがる、王林に次いで4番目に多い品種です。主な産地は青森県(約31,300トン)と長野県(約4,440トン)であり、その他、岩手県や秋田県などでも栽培されています。世界規模で見ると、2015年のリンゴ生産量(中国を除く)で7位、ヨーロッパでは2022-2023年に7位を記録しています。

ジョナゴールドの歴史と名前の由来

ジョナゴールドは、1943年にニューヨーク州農業試験場において、ゴールデンデリシャスを種子の親、紅玉を花粉の親として交配して生まれました。1953年に選抜が行われ、1968年に「Jonagold」として正式に発表されました。この品種の名前「ジョナゴールド」は、両親の品種名である「ジョナサン(Jonathan)」と「ゴールデンデリシャス(Golden Delicious)」から取られています。

ジョナゴールドから生まれた多様な品種

ジョナゴールドは、その性質上、枝変わりによる変異種が生まれやすいリンゴです。そのため、数多くの派生品種が存在します。例えば、通常よりも少し早く収穫できる「アーリージョナゴールド」や、油上がりが少ない改良品種「モリタジョナ」、より鮮やかな赤色が特徴の「ジョナゴレッド」などが挙げられます。これらの品種は、ジョナゴールドの優れた特徴を受け継ぎながらも、それぞれ独自の個性を持っています。

美味しいジョナゴールドの選び方と保存のコツ

ジョナゴールドを選ぶ際には、果皮の色が深く濃く、表面にハリがあり、手に持った時にずっしりと重さを感じるものを選ぶのがポイントです。果皮にベタつき(油上がり)が見られることがありますが、これは熟したサインの一つです。保存方法としては、乾燥を防ぐためにビニール袋などに入れ、冷蔵庫で保管すると比較的長期間、新鮮さを保つことができます。栽培方法によって保存期間が異なり、無袋栽培の場合は常温で約1ヶ月、冷蔵で2~3ヶ月、有袋栽培の場合は冷蔵で約5ヶ月の保存が可能です。

ジョナゴールド、おすすめの味わい方

ジョナゴールドは、そのまま食べるのはもちろん、ジュースや手作りジャム、定番のアップルパイなど、様々な用途で美味しく楽しむことができます。甘みと酸味のバランスが絶妙なため、加熱調理することで、その風味がより一層際立ちます。その他、サラダのアクセントとして加えたり、肉料理のソースとして使用するなど、工夫次第で様々なアレンジが可能です。

まとめ

ジョナゴールドは、その甘酸っぱい独特の風味と、豊富な栄養成分で、幅広い世代に親しまれているリンゴです。そのまま食するだけでなく、様々な料理やお菓子作りに活用できる汎用性の高さも魅力の一つです。ぜひ、ジョナゴールドを味わい、その奥深い魅力を改めて感じてみてください。

質問:ジョナゴールドに見られる油上がりとは?

回答:ジョナゴールドの油上がりは、リンゴの表面にリノール酸やオレイン酸といった脂肪酸が自然に滲み出て、光沢が出て少しベタベタする状態を指します。これはリンゴが熟したサインであり、品質が劣化したものではありません。

質問:ジョナゴールドの最適な保存方法は?

回答:ジョナゴールドの鮮度を保つためには、乾燥を避けることが重要です。ポリ袋に入れて冷蔵庫で保管するのがおすすめです。袋掛けされていないリンゴであれば、常温で約1ヶ月、冷蔵庫で2〜3ヶ月程度保存可能です。袋掛けされたものであれば、冷蔵保存で約5ヶ月持ちます。

質問:ジョナゴールドを生食以外で楽しむ方法はありますか?

回答:ジョナゴールドは、そのまま食べるだけでなく、ジュースやジャム、アップルパイなどの材料としても最適です。その他、サラダのアクセントとして加えたり、豚肉料理などのソースとして活用するなど、幅広い料理に利用できます。
りんごジョナゴールド