冬の食卓を彩るゆず。その爽やかな香りと酸味は、料理のアクセントとしてだけでなく、美容と健康をサポートする力も秘めていることをご存知でしょうか?特に注目すべきは、豊富なビタミンC。ゆずにはレモンの約3倍ものビタミンCが含まれていると言われています。美味しく、そして賢くゆずを取り入れて、内側から輝く毎日を手に入れましょう。
ゆずの特質
ゆずはミカン科に属する常緑樹で、柑橘類の一種として知られています。その起源は中国の揚子江上流地域とされ、日本へは古代に伝わりました。奈良・平安時代には既に栽培されていた記録があり、山口県や徳島県には原生林が現存しています。ゆずは寒さ、乾燥、湿気に強く、青森県の海岸地域まで生育しています。樹木は直立する性質を持ち、枝にはトゲがあります。
ゆずの成分
ゆずの果実には、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの有機酸が豊富に含まれています。特に果皮にはビタミンCが豊富で、女性特有の肌トラブルや冷えの改善に役立つとされています。また、果汁にはカリウムやカルシウムも含まれています。ゆずの種に含まれる苦味成分であるリモノイドには、抗がん作用や悪玉コレステロールを抑制する効果が期待されています。さらに、精油成分やクエン酸、ビタミン類が相互に作用することで、リウマチや関節炎などの炎症による腫れや痛みを和らげる効果があると言われています。腰痛、ひざ痛、神経痛といった炎症性の痛みの緩和にも効果が期待できるでしょう。その他、風邪、二日酔い、月経不順、膀胱炎、食欲不振、貧血など、さまざまな症状の改善に役立つとされています。ゆずの果皮100グラムあたりには、ビタミンCが150ミリグラム、カルシウムが75ミリグラム、カリウムが260ミリグラム含まれています。
皮のぬめりは
ペクチンは、食後の血糖値上昇を抑制し、コレステロール値を調整する効果が期待されています。ビタミンCとの組み合わせにより、血流を促進し、毛細血管の機能を高めることで、小じわの予防やシミ・そばかすを薄くする効果も期待できます。古くから薬用としても利用され、風邪薬の成分として用いられたり、葉、果汁、種子を民間薬や漢方薬として活用し、止血、トゲによる傷、歯の痛み、生理不順など、様々な症状の治療に役立てられてきました。その他、疲労回復や肩こり、筋肉痛の予防にも効果があると言われています。ビタミンCやフラボノイドは抗酸化作用を持ち、病気の原因となる活性酸素を除去する働きがあります。血中コレステロールの低下、抗ウイルス作用、抗がん作用も報告されています。さらに、ビタミンPも含まれており、血圧を下げる効果や、脳卒中、心筋梗塞の発作を予防する効果も期待されています。