イクリ(コウメ)の魅力を再発見!採れたてを味わう至福の食べ方
初夏の訪れを告げる、甘酸っぱい宝石「イクリ(コウメ)」。あなたは最後にいつ味わいましたか?子どもの頃、庭先で頬張った懐かしい味でしょうか。それとも、名前は知っていても、まだその美味しさを体験したことがないでしょうか?この記事では、忘れかけていたイクリの魅力を再発見し、採れたてならではの風味を最大限に引き出す至福の食べ方をご紹介します。庭先で、市場で、あるいは道の駅で。イクリとの素敵な出会いが、あなたの日常をちょっぴり特別なものに変えてくれるはずです。

国境の島・対馬から紐解く、スモモとイクリのミステリー

違いを見抜けない男、局長Nが、田舎暮らしの醍醐味を語ります。その一つが、出自が確かで安心な食材を手に入れられること。例えば、ビワは都会では高級フルーツですが、対馬では庭先や山に自生し、無農薬で思う存分味わえる自然の恵みです。今年は時期を逃し、実が傷んでしまいましたが、その恩恵は計り知れません。先日、妻の実家で「イクリが美味しいから、どうぞ」と勧められました。虫取り網で収穫した実の甘酸っぱさは格別で、子供たちも夢中で頬張っていました。このイクリとの出会いが、スモモとの違いに疑問を持つきっかけとなりました。

「イクリ」と「スモモ」?地方色豊かな呼び名の迷宮と、ひとまずの定義

翌日、勤務先の観光情報館「ふれあい処つしま 特産品の間」では、厳原(いづはら)町南部の豆酘(つつ)地区で採れた桃とスモモが販売されていました。ここで、前日に食べた「イクリ」と「スモモ」の違いが気になり、同僚に尋ねてみると、「え、同じものじゃないの?」「違うでしょ!」「じゃあレイシって何?」と、一同混乱状態に。この地域独特の曖昧な呼び方は、多くの人を困惑させているようです。JA対馬の「ふれあい潮彩館 美津島店」で売られていたスモモとイクリを写真に収めましたが、正直、見た目だけでは区別できませんでした。職場で議論した結果、とりあえずの結論として、果肉が赤いものがイクリ(長崎や熊本など九州地方での通称で、ユクリとも呼ばれる)、果肉が白や黄色いものがスモモ、「レイシ」はイクリの別名ではないか、ということに。しかし、この定義は一見シンプルに見えて、実際にはさらなる複雑さを秘めているのです。

定義崩壊の瞬間:赤い果肉の「スモモ」と、新たな方言「メスレ」の出現

先ほどの定義を信じて「スモモ」と書かれた果物を食べてみたところ、なんと果肉は鮮やかな赤色でした。この経験から、果肉の色で区別することの難しさ、そして地域ごとの呼び名と品種の関係の複雑さを痛感しました。もし「スモモ」と「イクリ」の違いに興味を持たれた方は、ぜひ実際に食べ比べてみてください。そして、私のような「違いの分からない男」に、その明確な違いと、「レイシ」の正体を教えていただきたいです。夏の訪れとともに、甘くて酸っぱくて、時には渋い、スモモ(天草地方では「いくり」と呼ばれることが多いそうです)が旬を迎えます。しかし、「いくり」という呼び名がスモモ全体を指すのか、特定の品種を指すのかは、まだ謎に包まれています。地元の人にとっては「いくり」が一般的な呼び方で、「スモモ」や「プラム」と呼ぶ人はあまりいません。さらに、リンゴの「フジ」のように、スモモにも「いくみ」など様々な品種があり、その多様性が呼び名の複雑さを増幅させています。方言の奥深さを愛する筆者が、親しい地元のおじさんから冷えた果物をもらった際、「わ、いくり!ですよね?」と尋ねたところ、「いや、これはメスレ」という新たな方言が飛び出し、スモモの世界の奥深さを改めて思い知らされたのでした。

まとめ

さあ、この初夏はイクリを探しに出かけませんか。甘酸っぱい宝石のようなイクリとの出会いが、きっとあなたの心に忘れられない彩りを添えてくれるでしょう。懐かしい記憶を呼び覚ますもよし、新たな味覚の扉を開くもよし。イクリがもたらす、ほんのり甘く、ちょっぴり酸っぱい喜びを、心ゆくまでお楽しみください。

スモモとイクリは同じ果実?

スモモとイクリは、地域差によって呼び方が変わることがあります。特に九州地方(長崎県や熊本県など)では、スモモの一種を「イクリ」と呼ぶことが多いようです。果肉の色で区別するという考え方(果肉が赤いものがイクリ、白や黄色いものがスモモ)もありますが、地域によっては果肉が赤いスモモも流通しているため、区別は一概には言えません。

イクリという呼び方はどの地域で見られる?

「イクリ」という名前は、主に九州地方、とりわけ長崎県や熊本県、天草地域などで使われていると考えられています。「ユクリ」と呼ばれることもあるようです。

イクリとスモモは外観で見分けられる?

外見だけで明確に区別するのは難しいケースが多いです。一時的な判断材料として果肉の色(赤いものがイクリ、白いまたは黄色いものがスモモ)で区別されることもありますが、「スモモ」として販売されているものでも果肉が赤い場合があるため、見た目だけで判断するのは必ずしも正確とは言えません。

イクリ