漢方では『銀耳(ぎんじ)』と呼ばれ、美肌効果、エイジングケア、滋養強壮など、女性に嬉しい効果が期待できるとされています。この記事では、白きくらげの基本情報から、乾燥白きくらげを美味しくいただくための正しい戻し方・茹で方、保存方法まで、白きくらげの魅力を余すところなくご紹介します。白きくらげのぷるぷる食感と豊富な栄養で、内側から輝く美しさを手に入れましょう。
白きくらげとは?
白きくらげは、中国で古くから珍重されてきたきのこです。「不老長寿の薬」「食べる美容液」とも呼ばれ、美容と健康に良いとされてきました。楊貴妃が美貌を保つために愛食していたという逸話は、白きくらげの効果を物語るエピソードとして広く知られています。現在、日本で手に入る白きくらげの多くは中国産の乾燥品です。
乾燥白きくらげの上手な戻し方と下ごしらえ
乾燥白きくらげは、見た目の美しさと独特の食感で、デザートなどによく使われる食材です。しかし、特有のにおいがあるため、おいしくいただくには適切な下処理が欠かせません。ここでは、白きくらげ本来の風味を活かしながら、よりおいしく、そして安心して食べるための、効率的な戻し方と下処理のコツを詳しくご紹介します。
ステップ1:水に浸してじっくり戻す(お湯は使わない)
乾燥白きくらげを戻す際に最も大切なのは、「水」を使って「時間をかけて」戻すことです。早く戻したいからと、ついぬるま湯を使いたくなりますが、お湯を使うと白きくらげの組織が急激に変化し、特有のにおいが抜けにくくなるだけでなく、食感も損なわれる原因になります。冷水に数時間、または一晩かけて丁寧に時間をかけて戻すことで、白きくらげはゆっくりと水分を吸収し、本来のぷりぷりとした食感と自然な風味を取り戻します。
「水」を使う理由:風味と食感を大切にするために
冷水でじっくりと戻すことで、白きくらげは均等に水分を吸収し、細胞構造が穏やかに膨らみます。これにより、乾燥時に発生する独特のにおいが水に溶け出しやすくなり、白きくらげが本来持っている、弾力のある食感を保つことができます。お湯で急いで戻すと、表面だけが早く戻ってしまい、中心部が硬いままになったり、においが内部に閉じ込められたりすることがあります。
適切な戻し時間:季節や乾燥状態に合わせた調整方法
乾燥白きくらげの一般的な戻し時間の目安は3~6時間ですが、商品の種類や乾燥具合、そして季節によって変わってきます。最もおすすめなのは、冷蔵庫で一晩(約8時間)かけてじっくりと戻す方法です。戻しすぎると食感が損なわれることがあるため、十分に膨らんで柔らかくなったら、すぐに取り出すようにしましょう。
戻した後の汚れ:入念なチェックと取り除く方法
自然環境で育つ白きくらげは、稀にですが、戻した際に小さなゴミや汚れが付いていることがあります。戻し終わったら、ボウルに移し、きれいな水で丁寧に洗いながら、汚れがないか確認しましょう。優しく混ぜるように洗い、必要であれば何度か水を交換してください。
ステップ2:特有のにおいを軽減する揉み洗いと水にさらす方法
白きくらげ特有の乾燥したにおいは、あっさりとした味付けのデザートなどに使用する際に気になることがあります。このにおいを効果的に軽減するには、戻した後に「揉み洗い」と「水にさらす」方法を組み合わせるのがおすすめです。
においの原因と対策:効果的な揉み洗い
白きくらげのにおいは、乾燥させる過程で発生するもので、しっかり取り除くことで料理の風味が向上します。戻した白きくらげをボウルに入れ、少量の塩(別途用意)を加えて優しく揉み洗いします。塩の浸透圧によってにおいの原因となる成分が取り除かれ、表面のぬめりも落としやすくなります。この工程は、においを軽減するだけでなく、白きくらげの食感をより良くする効果もあります。
水にさらしてさらにクリアに:水交換の頻度と時間
揉み洗い後、白きくらげをたっぷりの水に15~30分ほど浸します。その間、何度か水を替えることで、残ったにおい成分や塩分が水に溶け出し、さらににおいが軽減されます。水がきれいになるまで繰り返すと、よりクリアな風味になります。特にデザートに使う際は、この工程を丁寧に行うことが、上品な味わいにつながります。
ステップ3:丁寧に石突きを取り除く
乾燥白きくらげの根元には、硬い「石突き」と呼ばれる部分が存在します。この部分は、残念ながら食感が悪く美味しくいただけないため、下処理の際に必ず取り除く必要があります。
食感を左右する:取り除く範囲の目安
石突きとは、白きくらげの中心に見られる、硬くて少し黄色っぽい部分のことです。包丁の先を使い、この硬い部分のみを丁寧に切り落としましょう。可食部を大きく削ってしまうことのないよう、硬い部分との境目を見極め、最小限の除去を心がけることが大切です。指で触って、柔らかい部分との違いを確認しながら進めると、より正確に取り除くことができます。
下処理を楽にするコツ:手で割く、包丁を使う
石突きを取り除いた後、白きくらげが大きい場合は、手で食べやすい大きさに割いておくと、その後の調理がスムーズになります。もちろん包丁で切っても構いませんが、手で割くことで、きくらげの繊維が自然な状態を保ち、より良い食感につながります。特にサラダやデザートなど、見た目の美しさも重視したい料理には、手で割く方法がおすすめです。

白きくらげの茹で方:臭みを取り除く秘訣
白きくらげは、水戻しと下処理だけでは、まだ美味しく食べられる状態ではありません。安全に、そして最大限に美味しくいただくためには、必ず「加熱調理」が必要です。ここでは、白きくらげ本来の風味を引き立て、気になる乾物臭を効果的に取り除くための茹で方と、特別なコツをご紹介します。
必須!白きくらげの加熱調理と茹で時間のポイント
乾燥白きくらげは、水で戻した後、必ず加熱調理を行うことが大切です。加熱することで、安全性を高めるだけでなく、独特のにおいを軽減し、より美味しい食感へと変化させることができます。
加熱調理が欠かせない理由:安全性と食感向上のため
乾燥状態の白きくらげには、まれに微生物が付着していることがあります。これらの微生物を死滅させ、安全に食するためには、十分な加熱が不可欠です。また、加熱によって白きくらげの組織が柔らかくなり、より滑らかで心地よい食感が生まれます。特に、生のまま食べるような感覚で味わう料理、例えばデザートやスープに使用する場合は、この加熱工程が非常に重要になります。
茹でる際のポイント:時間(約5分)と状態の確認
たっぷりの水を鍋で沸騰させ、水戻し処理済みの白きくらげを加えます。中火で約5分間茹でてください。茹でる際は、白きくらげが軽く対流する程度の火加減を維持しましょう。5分経過後、ザルにあげ、速やかに冷水にさらして冷まします。冷水で締めることで、より一層食感が向上します。茹で上がりの状態は、全体的に透明感が増し、弾力がありながらも、歯で容易に噛み切れる程度の柔らかさが目安です。
気になる乾燥臭を解消!二度茹での裏ワザ
乾燥白きくらげの種類や保存状態によっては、特有の乾燥臭が強く残ってしまうことがあります。
茹でこぼしで臭みを徹底除去:美味しさを引き出す秘訣
最初の茹でこぼしで大部分の気になる臭いは取り除けますが、もし少しでも臭いが気になるようでしたら、お湯を交換して再度沸騰させ、白きくらげをさらに5分ほど茹でてください。この二度茹でこぼしを行うことで、水に溶けやすい臭み成分がより一層除去され、白きくらげが持つ本来の風味を最大限に引き出すことができます。この丁寧な下処理こそが、料理の出来栄えを大きく左右すると言えるでしょう。
シンプルなデザートでの活用:臭みがないからこそ際立つ美味しさ
特に、白きくらげを主役にしたシンプルなデザート、例えばシロップ煮やフルーツ和えなどに使用する際は、この二度茹でこぼしが美味しさを格段に向上させるための重要なポイントとなります。臭みを完全に取り除くことで、白きくらげ特有のぷるぷるした食感と、組み合わせる食材の繊細な風味が引き立ち、雑味のない洗練された味わいを堪能できます。少し手間はかかりますが、ぜひお試しください。
下処理後の白きくらげ:最適な保存方法
下処理を施した、あるいは茹でた白きくらげは、そのまま放置すると品質が劣化しやすい食材です。しかし、適切な方法で保存することで、新鮮さを保ち、いつでも手軽にお料理に活用することができます。ここでは、冷蔵保存と冷凍保存、それぞれの長所と注意点について詳しく解説します。
冷蔵保存:短期保存に最適。保存期間と注意点
比較的すぐに使い切る予定がある場合は、冷蔵保存が手軽でおすすめです。茹で上がった白きくらげの余熱を取り除き、密閉容器や保存用袋などに入れて冷蔵庫で保存してください。
保存期間と鮮度を保つためのポイント
冷蔵庫で保存する場合、風味を損なわずに美味しくいただけるのは、基本的に翌日までと考えてください。水気をしっかりと切ることが大切ですが、乾燥を防ぐために、少しだけ水を入れた保存容器に入れるか、湿らせたキッチンペーパーで優しく包むのがおすすめです。毎日水を交換すれば、数日程度は鮮度を維持できますが、なるべく早く使い切るようにしましょう。
冷蔵保存後のアレンジレシピ
冷蔵保存した白きくらげは、サラダや和え物はもちろん、スープの彩りとしても、加熱せずにそのまま活用できます。独特のコリコリとした食感を活かした様々な料理に活用できます。
長期保存には冷凍が最適:約1ヶ月の保存と活用術
一度にたくさん戻してしまった時や、すぐに使う予定がない場合は、冷凍保存がとても便利です。およそ1ヶ月程度、みずみずしさと食感をキープできます。
小分け保存のすすめ
茹でて冷ました白きくらげは、1回に使う量(例えば、1人分や1回の調理に使う分量)ごとに分けて、ラップで丁寧に包むか、保存袋に入れて冷凍庫へ。こうすることで、使いたい時に必要な量だけを取り出せるので、とても経済的で、食材を無駄にすることがありません。
下処理いらず!冷凍白きくらげはそのまま調理OK
冷凍保存した白きくらげの便利な点は、解凍の手間をかけずに、必要なときにすぐ使えることです。お鍋や炒め物、煮物などに、凍った状態のまま加えてOK。加熱する過程で自然に解凍されるので、調理時間を短縮できます。特に、白きくらげを使った温かいデザートを作る際は、凍ったまま使えるのでとても便利です。例えば、白きくらげと梨をはちみつで煮るデザートなどにも最適です。
まとめ
白きくらげは、楊貴妃が愛用したとされる、美容と健康をサポートする食材です。漢方では『銀耳』と呼ばれており、古くから肌の潤いを保つ食材として珍重されてきました。この記事では、白きくらげの正しい戻し方や茹で方、特有の臭みを抑えるコツ、冷蔵・冷凍を活用した賢い保存方法をご紹介します。デザートからメイン料理まで様々な活用法を知ることで、日々の食生活に白きくらげを取り入れ、健やかな毎日を送りましょう。
白きくらげは水とぬるま湯、どちらで戻すのが良いですか?
白きくらげは、必ず「水」を使って時間をかけて戻すことを強くおすすめします。ぬるま湯で戻すと、急激な吸水によって白きくらげの組織が壊れやすくなり、独特の乾物臭が抜けにくくなったり、本来のプリプリとした食感が損なわれたりするおそれがあります。冷水でじっくりと戻すことによって、臭みが抜けやすくなり、食感も向上します。
白きくらげ特有の臭みを取り除く方法はありますか?
白きくらげ特有の乾物臭を効果的に取り除くには、水戻し後の「揉み洗い」と「水にさらす」こと、そして「茹でこぼし」が有効です。水で戻した後、少量の塩を使って揉み洗いし、綺麗な水に何度か入れ替えてさらします。さらに、沸騰したお湯で5分ほど茹でこぼし、もし臭いが気になるようであれば再度茹でこぼしを行うことで、臭いはほとんど気にならなくなるはずです。
戻した白きくらげは加熱必須?
はい、必ず加熱調理を行ってください。生の状態では食中毒のリスクがあるほか、独特の臭みが残っている場合があります。加熱することで、これらのリスクを回避し、より美味しく、安全に食べることができます。目安として、沸騰したお湯で5分程度茹でるのがおすすめです。













