家庭菜園でみずみずしいきゅうりを収穫したいなら、きゅうりネットは必須アイテムです。しかし、いざ設置となると「どう張ればいいの?」「倒れないか心配…」と不安になる方もいるのではないでしょうか。この記事では、初心者の方でも安心してきゅうりネットを張れるよう、わかりやすく解説します。基本の張り方から、倒壊を防ぐコツ、栽培を成功させるポイントまで丁寧に解説。この記事を読めば、あなたもきゅうり栽培の達人に!
ネットの役割と重要性
きゅうりやゴーヤなどのつる性野菜を栽培する際、ネットを使用することは、植物が健全に成長し、より多くの収穫を得るために非常に重要です。主な役割として、まず、主となるつるだけでなく、子づるや孫づるなどの側枝を適切に誘導できる点が挙げられます。これにより、植物全体に均等に光が当たるようになり、光合成が促進され、生育が良くなります。また、実をつけた側枝がネットに絡みつくことで、果実の重さで茎が折れるのを防ぎ、安定して支えることができます。さらに、つるがネットに絡みつくことで、葉や実が地面に直接触れるのを防ぎ、土壌からの病原菌による感染リスクを大幅に減らすことができます。風通しが良くなることで、葉の間に湿気がこもりにくくなり、うどんこ病やべと病といったカビ性の病気の発生を抑える効果も期待できます。実が地面につかず、空中でぶら下がる形になるため、形が良く、傷つきにくい高品質な果実を収穫しやすくなるのも大きなメリットです。これらの複合的な利点により、ネットを適切に利用することは、病気の予防、収穫量の増加、品質の向上といった多岐にわたる効果をもたらし、つる性野菜の栽培を成功させるために不可欠な要素と言えるでしょう。ただし、主となるつる一本で育てる場合など、栽培方法によってはネットを使わないという選択肢もあります。
園芸ネット・きゅうりネットの種類とその特徴
園芸店やホームセンターでは、家庭菜園の規模や栽培経験に応じて選べる「園芸ネット」と「きゅうりネット」の2種類のネットが主に販売されています。それぞれのネットは異なる特徴と利点を持っており、ご自身の栽培スタイルや目的に合わせて選ぶことが成功への第一歩となります。ちなみに、園芸ネットはダイソーなどの100円ショップでも手軽に購入できるため、気軽に試してみたい方にはおすすめです。
きゅうりネット
きゅうりネットは、きゅうりやゴーヤなど、つる性の作物によく使われるネットです。一般的な園芸ネットよりも安価で大きなものが手に入るため、畑への地植え栽培や施設栽培など、ある程度の規模のある場所に向いています。一般的に販売されている大きさは、高さ1.8m×長さ6m〜100m程度と非常に幅広く、家庭菜園など小規模な栽培では「きゅうりネットミニ(高さ1.8m×長さ6m)」の大きさが特に使いやすいでしょう。きゅうりネットは菱目(ひし形)が採用されていることが多いですが、網目の大きさも主に2種類あります。特定の品種(節なり性や飛び節なり性)や栽培方法に合わせて、最適な網目を選ぶと良いでしょう。このネットは細い糸で構成されており、コストを抑えられるのが最大のメリットですが、糸が細いために切れやすく、ネット自体がほつれやすかったり、長さがあるため収穫後の片付けがしにくいという特徴もあります。そのため、基本的にはワンシーズンでの使い捨てを前提としています。また、ウイルス病などの病害予防の観点からも、使い回しはせず、シーズンごとに新しいものを使用することが推奨されます。プロの農家でも広い範囲での栽培に広く利用されており、広い面積にネットを張る必要がある場合に、大幅なコスト削減に貢献します。筆者の経験では、ネットのサイズが幅6m〜と家庭菜園には大きく感じられるかもしれませんが、余った部分は束ねておけば使用上の不便はなく、収穫後の片付け時にツルを外したり、ネットが絡まないように整理する手間も少ないため、現在では全てのネット栽培にこのきゅうりネットを活用しています。
園芸ネット
園芸ネットは、特に家庭菜園のような小規模な場所でよく使われるネットです。つる性の植物のために販売されていることが多いですが、エンドウ豆やインゲン豆など、さまざまな作物に使える便利なネットで、ベランダでのプランター栽培にも適しています。太めの糸でしっかりと編まれているため、丈夫でほどけにくいのが特徴です。そのため、何年も繰り返し使えるものが多く、経済的にもお得です。設置も非常に簡単で、ネットの四隅をあらかじめ立てておいた支柱に固定するだけなので、家庭菜園初心者の方や、プランターで気軽に野菜作りを始めたい方には特におすすめです。きゅうりネットとは異なり、四角い網目のものが多いです。購入する際は、自分の栽培環境に合わせて、大きさ(高さ、長さ)、網目の細かさなどを確認し、適切なものを選びましょう。
ネットの選び方:栽培規模と目的に合わせた最適な選択
きゅうりネットと園芸ネットはそれぞれ特徴が異なるため、自分の栽培規模や方法、何を重視するかによって最適なネットを選ぶことが大切です。ここでは、具体的な栽培状況に合わせて、どのようにネットを選べば良いかを説明します。
地植え栽培や施設栽培(ハウス栽培)など、ある程度の規模であればきゅうりネット
畑に直接植える場合や、ハウス栽培など、ある程度の広さがある場所でキュウリを育てるなら、きゅうりネットが良いでしょう。家庭菜園でも、5メートル以上の畝で栽培するなら、きゅうりネットがおすすめです。きゅうりネットは、いろいろな用途に使えて、プロの農家にも広く利用されており、広い範囲にネットを張る場合にコストを抑えられます。高さ1.8メートル×長さ6メートルの小さいサイズでも十分に広い面積をカバーでき、必要に応じて、さらに長いものを切って使うこともできます。また、細い糸でできているので、収穫後にツルが絡まっても比較的簡単に取り外せるため、片付けが楽になるというメリットもあります。ただし、ウイルス病などの病気を防ぐために、使い回しはせずに、毎年新しいネットに交換することをおすすめします。
プランターや鉢でベランダ栽培をするなら園芸ネット
プランターや鉢を使ったベランダ栽培や、1株から3株程度の少ない数を育てるなら、園芸ネットがおすすめです。園芸ネットは、丈夫な太い糸でできていて、ほどけにくいので、何年も繰り返し使うことができます。そのため、毎年かかる費用を抑えることができます。また、設置がとても簡単で、ネットの四隅を支柱に固定するだけなので、家庭菜園が初めての方でも安心して使えます。栽培が終わった後のツルの取り外しも比較的簡単にできるので、手軽に始めたい方や、限られたスペースで栽培する方にはぴったりの選択肢と言えるでしょう。四角い網目のものが多いため、ツルが絡みやすく、しっかりと誘引をサポートします。
以下に、それぞれのネットの主な特徴をまとめました。
- きゅうりネット: 材質: 細い糸
- 価格: 安い(特に広い範囲に使う場合)
- 強度・耐久性: 切れやすく、ほどけやすい。基本的には使い捨て。
- 網目: 菱形(ひし形)が一般的で、2種類の大きさがある。
- 主な用途: 畑に直接植える栽培、ハウス栽培、広い家庭菜園(5メートル以上の畝)。
- 設置の容易さ: 少しコツが必要。
- 再利用: おすすめしない(病気を防ぐため)。
- サイズ: 高さ1.8メートル×長さ6メートルから100メートル程度、小さいサイズ(1.8メートル×6メートル)もある。
園芸ネット: 材質: 太い糸
価格: きゅうりネットよりは高いが、繰り返し使えるので経済的。
強度・耐久性: 丈夫でほどけにくい。何年も繰り返し使える。
網目: 四角い網目が一般的。
主な用途: プランター栽培、ベランダ栽培、小規模な家庭菜園(1株から3株程度)。
設置の容易さ: 簡単。四隅を固定するだけ。
再利用: おすすめ。
サイズ: さまざま。自分の栽培環境に合わせて選ぶ。
入手性: 100円ショップでも購入できる。
園芸ネット・きゅうりネットの設置ガイド:初心者から上級者まで
ここでは、園芸ネットときゅうりネットの効果的な張り方をステップごとにご紹介します。ネットを張る作業は、「①支柱の設置」と「②ネットの取り付け」の2段階に大きく分けられます。どちらのネットを使う場合でも、最初に安定した支柱を立てることが重要です。つる性の植物が生長し、多くの実をつけると、ネットにかかる負荷は非常に大きくなります。そのため、たるみのない、強風にも耐えられる丈夫な支柱を設置することが不可欠です。
1. 支柱の立て方:ネットを支える確かな土台作り
ネットをしっかりと支えるためには、支柱をただ地面に立てるだけでなく、立て方を工夫することで強度を大幅に向上させることができます。露地栽培、プランター栽培など、栽培方法に関わらず、まずは頑丈な支柱を立てる必要があります。特に、つる性野菜が成長し、葉や実が増えると、ネット全体への負荷は想像以上です。ネットのたるみや、強風による倒壊を防ぐために、支柱の設置には十分な注意を払いましょう。きゅうりの栽培では、直立式、合掌式、アーチ式などが一般的な支柱の立て方です。強度を高める代表的な方法として、「合掌式」があります。これは、複数の支柱を上部で交差させ固定することで、全体の安定性を高める方法です。他にも、X字型に交差させたり、斜めに支柱で補強したりする方法があります。これらの詳細な手順や組み立て方については、別の詳しい解説ページでご紹介していますので、まずはそちらを参考に、栽培規模や環境に合わせた強固な土台を築いてください。この基礎がしっかりしていれば、ネット張り作業がスムーズに進み、野菜の生育も安定します。
2. 簡単ステップ:園芸ネットの張り方(初心者向け)
家庭菜園初心者や、手軽にネットを設置したい方には、園芸ネットがおすすめです。網目が固定されており、多くの場合、四隅に色付きの取り付け用ひもが付いているため、初めての方でも簡単に設置できます。園芸ネットは丈夫な素材で作られているため、きゅうりネットのように「張りひも」を通さなくても、たるみにくいのが特徴です。具体的な手順は以下の通りです。
- **ネットの準備**: 園芸ネットを袋から取り出します。四隅に色違いの紐が4本付いていることを確認してください。これが支柱に結びつけるためのロープです。
- **四隅の固定**: 支柱の四隅に、先ほど確認した色付きの紐をしっかりと結びつけます。ネットが滑り落ちないように、固く結んで固定しましょう。
- **ネットの展開**: 四隅を固定したら、ネット全体をゆっくりと広げます。網目が絡まったり、ねじれたりしないように、均等に広げることが大切です。
- **たるみ防止と最終固定**: ネットを広げ終えたら、たるみがないか確認します。たるんでいる部分があれば、軽く引っ張りながら調整し、ネットの上部や側面を、追加のひもなどで数カ所ずつ支柱に固定します。これにより、ネットが風で揺れたり、つるの重みで垂れ下がったりするのを防ぎ、ピンと張った状態を保てます。ビニール紐などで固定すると、さらに安定します。
以上の簡単な手順で、園芸ネットの設置は完了です。手軽に設置できるため、時間がない方にもおすすめです。
3. 効率的な張り方:きゅうりネット(プロ向け)
きゅうりネットは、プロの農家が広い面積に効率良くネットを張る際に使用する資材です。細い糸でできており、コストを抑えられるというメリットがある一方、園芸ネットに比べて設置には少しコツが必要です。しかし、慣れてしまえば広い範囲でも素早く、確実に張ることができます。ここでは、具体的な張り方を詳しく解説します。合掌式をベースに説明しますが、直立式でも同様にネットを張ることができます。
- **「張りひも」の準備と設置**: ネットの土台となる「張りひも」を用意します。張りひもは、ネットがたるまないように固定するためのものです。強度があり、伸びにくい素材を選びましょう。筆者の経験では、「サンライン」という商品が安価で丈夫、使いやすいのでおすすめです。この張りひもを、ネットを張る支柱の上部、中央部、下部の3箇所に横方向にしっかりと張ります。網目がピンと張るように、ひもで結んで固定してください。固定方法は、ビニール紐や麻ひもなど、しっかりと固定できるものであれば何でも構いません。市販されているDAIMの棚支柱セットなども、きゅうりネットを簡単に張れるので便利です。
- **きゅうりネットの確認**: きゅうりネットを袋から取り出すと、両端(通常は緑色)がひもで束ねられています。この緑色の部分がネットの上下の縁です。この束ねられたひもは、**まだ絶対にほどかないでください**。ほどいてしまうと、ネットが絡まり、広げるのが非常に難しくなります。
- **上部の固定**: まず、片側の上部の緑色の輪(ネットの縁)に、準備した上部の「張りひも」を通します。この張りひもをカーテンレールのように支柱上部を横に渡し、支柱に固定します。この時点では、ネット全体がたるんで見え、支柱の高さが足りないように感じるかもしれませんが、網目を広げていくうちにピンと張るので心配ありません。
- **下部の固定とネットの展開**: 同じように、もう片方の下部の緑色の輪にも下部の「張りひも」を通し、支柱下部に横に渡して固定します。**ここで初めて、ネットを束ねている紐を慎重にほどき、ネットを広げ始めます。**
- **側面の固定と全体の展開**: 片側の側面を網目の大きさに合わせて固定し、カーテンを開くようにゆっくりと広げていきます。その後、上から順に網目を意識しながら広げて固定し、最後に中央にも「張りひも」を通して固定します。
**成功のコツと注意点**:きゅうりネットを綺麗に張るための最大のコツは、「最初から強く引っ張りすぎないこと」と「たるみがないように、網目の大きさを意識して端から順に張っていくこと」です。最初から強く引っ張ったり、途中でたるんだりすると、最終的に綺麗な形に仕上がりません。ピンと張っていないネットは、風で揺れて作物を傷つける原因になるため、たるみがないように丁寧に、均一にテンションをかけながら張りましょう。ネットが余ってしまった場合は、切らずに束ねて支柱にくくりつけておけば問題ありません。
ネットの固定方法:耐久性を高める資材とコツ
ネットを支柱にしっかりと結びつけることは、強風による倒伏を防ぎ、生育したつる性植物の重みに耐えるために非常に重要です。ここでは、ネットを固定する際に役立つ主な材料と、それぞれの特徴、使用時のポイントを詳しく解説します。
紐(ビニール紐、麻紐)
ネットを支柱に固定する最も一般的で手軽な方法は、紐で結ぶことです。ビニール紐や麻紐は、多くの家庭菜園で準備されており、簡単に使うことができます。固定箇所を紐でしっかりと結んでおけば、基本的に緩んだり、ずれたりすることはありません。少なくとも一栽培期間は問題なく使用できる強度を維持できます。特に麻紐は、ビニール紐と比較して自然素材であり、誘引にも利用できるため、一つ持っておくと非常に重宝するでしょう。固定する際は、ネットの網目や支柱にしっかりと巻き付け、固結びなどで確実に結ぶことが大切です。複数の場所で固定することで、ネットにかかる負荷を分散させ、より安定した状態を保つことができます。
結束バンド(園芸用タイ、ケーブルタイ)
結束バンドは、園芸支柱同士やネットを支柱に固定する際に非常に便利な道具です。軽い力で簡単に締め付けることができ、一度締めると緩みにくいという特性を持っています。しっかりと締め付けることができるため、容易には外れることがなく、強固な固定が可能です。一般的に市販されている結束バンドで十分ですが、屋外で使用する場合は、紫外線による劣化を防ぐために「耐候性」の製品を選ぶことを強く推奨します。園芸用のタイとして専用品も販売されていますが、基本的な機能は同じです。結束バンドは、作業効率が高く、見た目もすっきりしているので、手軽かつ確実に固定したい場合に非常に有効な選択肢となります。
誘引の方法:つる性野菜を適切に導く技術
ネットを設置しただけでは、つる性野菜が自然に理想的な場所へ伸びていくわけではありません。植物の成長に合わせて、つるをネットに絡ませたり、固定したりする「誘引」作業が欠かせません。適切な誘引は、日光と風通しを最大限に活用し、病気の発生を抑制し、収穫量を増加させる上で非常に重要です。ここでは、キュウリなどのつる性野菜をネットに誘引するための主な資材と方法を解説します。
紐(麻ひも、ビニールひも)
植物のつるを支柱やネットに固定する基本的な方法として、麻ひもやビニールひもを使用する方法があります。これは、植物が倒れたり、茎が折れたりするのを防ぐために行われ、適切な間隔でつるを支えます。誘引作業では、植物を傷つけないように丁寧に扱い、紐をきつく締めすぎないことが重要です。成長を妨げないように、少しゆとりを持たせた「8の字結び」で固定するのがおすすめです。特に、きゅうりが実をつけ始めたら、果房の下の節を誘引することで、実の重さに耐え、安定した成長を促せます。個人的な経験から言えば、トマトの誘引にもこの方法がよく用いられます。
誘引テープ・テープナー
誘引テープとテープナーを使う方法は、コストを抑えながら作業効率を上げたい場合に適しています。テープナーは、ホッチキスのような道具で、植物のつると支柱やネットをテープで簡単に留められます。プロの農家は、広範囲の誘引を迅速に行うためにこの方法をよく利用します。家庭菜園向けには、粘着力の弱い誘引紙テープも販売されており、手軽に利用できます。特に株数が多い場合や、定期的な誘引が必要な場合に、この方法が役立ちます。
その他の誘引方法
施設栽培などでは、さらに効率的な専門的な誘引方法があります。例えば、上から吊り下げた誘引ひもに植物を絡ませる方法では、トマトクリップや誘引クリップ(くきタッチ)がよく使われます。私も以前、大規模農場でパプリカを栽培していた時に、誘引ひもとトマトクリップを使っていました。これらのクリップは、植物の茎を優しく挟んで誘引ひもに固定するため、植物への負担が少なく、成長に合わせて位置を簡単に調整できます。また、横に張ったビニール紐(棚線)に誘引するための棚線クリップもあり、効率的な誘引をサポートします。これらの資材を活用することで、植物の健全な成長を促し、作業効率を高めることができます。
まとめ
きゅうりやゴーヤなどのつる性野菜を栽培する際、園芸ネットやきゅうりネットを適切に設置することは、植物の健康な成長を促し、病害虫を防ぎ、収穫量を増やすために非常に重要です。この記事では、手軽で初心者にもおすすめの「園芸ネット」と、コスト効率が良くプロの農家も使う「きゅうりネット」の二つのネットについて、特徴を比較し、具体的な張り方を詳しく説明しました。園芸ネットは太い糸でできており、四隅を固定するだけで簡単に設置できるため、家庭菜園初心者や手軽に始めたい人に最適です。丈夫で繰り返し使えるので、プランターやベランダでの小規模栽培にも経済的です。一方、きゅうりネットは細い糸で安価ですが、張りひもを使って丁寧に設置する必要があります。しかし、コストを抑えられ、ゴーヤやエンドウなど他のつる性野菜にも広く使えるため、地植えや大規模栽培に適しています。どちらのネットを選ぶにしても、強風や作物の重さに耐えられるように、事前に頑丈な支柱を合掌式、直立式、アーチ式などの方法でしっかりと立てることが大切です。ネットを張る際は、たるみがないように、網目の大きさを意識しながら端から順に均一な力で固定していくことが、植物を健康に育て、豊かな収穫を得るための鍵となります。ネットの固定には紐や結束バンドを適切に使い、植物の成長を促す誘引作業には、紐、誘引テープ、各種クリップなど、目的や規模に応じて資材を使い分けることで、より効率的かつ効果的な栽培が可能です。これらの情報を参考に、ご自身の栽培スタイルや目的に合ったネットを選び、丁寧に設置・誘引作業を行い、美味しいつる性野菜をたくさん収穫してください。
きゅうりネットと園芸ネット、何が違うの?
きゅうりネットは、その多くが細い糸で作られており、手頃な価格が魅力です。そのため、広い畑を持つ農家の方に選ばれています。サイズは様々で、高さ1.8m、長さ6mから100m程度のものまであり、菱形(ダイヤ型)の網目が一般的です。基本的には使い捨てを前提としており、病気のリスクを減らすためにも再利用は推奨されていません。一方、園芸ネットは太めの糸で編まれており、網目がしっかりしているのが特徴です。丈夫で長持ちするため、数年にわたって繰り返し使用できます。正方形の網目が主流で、設置が簡単なので、家庭菜園初心者の方やプランター栽培にもおすすめです。
きゅうりネットって、きゅうり以外にも使える?
もちろん、使えます!名前は「きゅうりネット」ですが、ゴーヤやエンドウ豆、インゲン豆など、つる性の野菜なら何でも誘引できます。汎用性が高く、広い範囲で使えるのがメリットです。
ネットを張る前に、一番大切な準備って何?
ネットを張る前に最も大切なのは、ネットを支える土台となる支柱を、ぐらつかないようにしっかりと立てることです。つる性の野菜は、成長するにつれて葉や実がどんどん増え、ネット全体にかかる重みも大きくなります。また、強風にも耐えられるようにする必要があります。合掌式や直立式、アーチ式など、強度を高めるための様々な立て方を参考に、丈夫な土台を築くことが、栽培成功へのカギとなります。
ネットがだるだるにならないように張るコツは?
ネットがたるんでしまわないように張るには、いくつかポイントがあります。まず、大前提として、支柱を頑丈に立てることが重要です。きゅうりネットの場合は、ネットの上下だけでなく、中央にも「張りひも」を通して土台を作り、網目の大きさを意識しながら、端から少しずつ均等に引っ張って固定していくのがコツです。最初から強く引っ張りすぎず、様子を見ながら少しずつ調整し、ピンと張った状態を目指しましょう。園芸ネットの場合は、まず四隅をしっかりと固定し、その後、上部と側面を数カ所追加で固定することで、たるみを防ぐことができます。
きゅうりネットの再利用は避けるべきですか?
はい、きゅうりネットは繊細な構造のため、一度の使用で劣化しやすいという性質があります。加えて、再利用を避けるべきより重要な理由として、病害の予防が挙げられます。前作で発生した病気の原因菌がネットに付着している場合があり、それが新たな作物に感染するリスクがあります。そのため、原則として、きゅうりネットは一年ごとに新しいものを使用することが推奨されます。
ネットを固定する際に必要な材料は何ですか?
きゅうりネットを固定するためには、主に紐(ビニール紐や麻紐など)や、結束バンド(園芸用やケーブルタイ)を使用します。紐は比較的安価で、しっかりと固定できるという利点があります。特に麻紐は、誘引作業にも活用できるため便利です。結束バンドは、手軽に固定でき、緩みにくいというメリットがありますが、屋外で使用する際は、紫外線に強いタイプを選ぶと長持ちします。それぞれの特性を考慮して、最適なものを選びましょう。
つる性植物を誘引するにはどんな方法がありますか?
つる性植物の誘引方法としては、主に3つの方法が挙げられます。最も一般的なのは、紐(麻紐やビニール紐など)を用いて、つるをネットや支柱に丁寧に結びつける方法です。また、誘引テープと専用のテープナーを使用する方法は、効率的に作業を進められるため、多くの農家で採用されています。さらに、ハウス栽培などでは、誘引紐にトマトクリップや誘引クリップ(くきタッチ)、棚線クリップなどを利用して、植物への負担を軽減しながら固定する方法も用いられています。













