初心者でも簡単!パセリの育て方:種まきから収穫、病害虫対策まで完全ガイド

料理に彩りと風味を添えるパセリは、家庭菜園初心者にもおすすめのハーブです。実は栄養満点で、ビタミンやミネラルも豊富。上手に育てれば一年を通して収穫できます。この記事では、種まきから収穫まで、パセリ栽培の基本を丁寧に解説。プランターでの育て方や、病害虫対策もばっちり紹介します。採れたての新鮮なパセリで、食卓をさらに豊かに彩りましょう!

パセリの基本情報、種類、栽培に適した時期

パセリは、その清々しい香りと鮮やかな緑色で、料理に彩りを添える人気のハーブです。セリ科に分類され、地中海沿岸が原産地である二年草ですが、適切な管理を行うことで、一年を通して収穫を楽しめます。一度植え付ければ、翌年に花が咲くまでの約一年間、収穫が可能です。パセリが健康に育つためには、生育に適した温度が15~20℃、発芽に適した温度が15~23℃という、比較的温暖な環境が理想的です。日本の気候では、春(3月~5月頃)と秋(9月~10月頃)が、植え付けに最適な時期とされています。パセリは寒さにも暑さにも比較的強いため、適切な管理をすれば一年を通して育てられます。特に秋に植え付けることで、寒い冬の間も新鮮なパセリを収穫し続けることができます。収穫時期は、春に植えた場合は6月~11月、秋に植えた場合は9月~11月と翌年の4月~5月が目安です。地域によって植え付けや収穫に適した時期は異なりますが、これらは一般的な期間です。一年を通して自宅でパセリを栽培することで、お店で買うよりも新鮮で風味豊かなパセリを手軽に食卓に取り入れられます。パセリは比較的涼しい気候を好むため、真夏の暑い時期は生育がやや遅くなることがありますが、土の表面が乾燥しないように管理すれば、夏を越え、春や秋に育てた株も冬を越すことができ、一年を通して栽培を楽しめます。また、パセリは丈夫な植物なので、家庭菜園が初めての方でも育てやすいでしょう。

パセリ栽培に必要なものと苗選びのコツ

パセリをプランターで栽培するために、いくつかの基本的な園芸用品を用意しましょう。まずは、パセリの苗と、深さが15cm以上あるプランター、または直径15cm以上の5号鉢を用意します。プランター栽培の場合は、根がしっかりと張れるように、十分な深さがあるものがおすすめです。土は、市販の野菜用培養土を使うか、自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜたものを用意します。プランターの深さ10cmくらいになる量を用意し、水はけを良くするために、鉢底石も忘れずに準備しましょう。また、袋に入ったまま育てられる培養土も市販されており、これを利用すれば、プランターや鉢を別途購入する必要がありません。袋栽培の場合は、夏の暑い時期に土が直射日光による熱を吸収するのを防ぐために、袋の周りをアルミホイルなどで覆うと、根の状態が良くなり、収穫量が増えることが期待できます。その他、植え付け作業には移植ごて(小型のシャベル)、肥料や収穫には化成肥料、園芸用ハサミ、水やりにはじょうろが必要です。これらの道具は、ホームセンターや園芸店で手軽に購入できます。苗を選ぶ際は、葉が濃い緑色をしていて、枯れた部分がなく、全体的に葉が多く、茎がしっかりとしている健康な苗を選びましょう。病害虫の兆候がないか確認することも大切です。パセリは鉢でも育てられるので、キッチンなどの室内で栽培して、必要な時に摘み取って使うこともできます。

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パセリの主な品種とその特徴

料理用ハーブとしてよく知られるパセリは、地中海沿岸が原産地のセリ科の植物で、葉や茎に独特の香りがあります。料理の添え物というイメージが強いですが、実際にはビタミンやカルシウム、マグネシウムなどの栄養素やミネラルを豊富に含んでおり、栄養価の高い食材としても注目されています。世界にはたくさんの種類のパセリがありますが、ここでは家庭菜園初心者でも育てやすく、用途も様々な代表的な3つの品種をご紹介します。

カーリーパセリ(モスカールパセリ)

国内で広く栽培され、よく見かけるのが、葉が細かく縮れている「カーリーパセリ」です。鮮やかな緑色の葉は、料理の見栄えを良くするだけでなく、特有の香りと爽やかな苦みが魅力です。収穫した葉は、細かく刻んでパスタやスープ、ドレッシングに散らしたり、肉や魚料理の付け合わせにしたりと、様々な料理に使われます。特徴的な見た目から、料理の飾りとしても重宝されます。

イタリアンパセリ(平葉パセリ、フレンチパセリ)

葉が平らなタイプで、「平葉パセリ」あるいは「フレンチパセリ」とも呼ばれるのがイタリアンパセリです。ヨーロッパでは一般的な品種で、カーリーパセリと比べて香りが穏やかで苦味が少ないのが特徴です。そのため、ハーブ本来の風味を味わいたいサラダや、素材の味を活かしたシンプルな料理に向いています。生のまま手でちぎってサラダに加えたり、細かく刻んでソースに混ぜ込んだりするほか、食後に口の中をすっきりさせる効果も期待できます。

ルートパセリ(根パセリ)

根が白いニンジンのような形をしているのが特徴的なパセリが「ルートパセリ」です。根の直径は3~5cm程度に成長し、葉と合わせると全体で20cm程度になります。ドイツやオランダなどヨーロッパ地域でよく食べられており、葉はもちろん、甘みのある根も煮込み料理やスープ、ロースト料理などに利用されます。根菜としても楽しめるため、一般的なパセリとは違った食感や風味を試したい方におすすめの種類です。

パセリの種まきの時期と発芽のコツ

パセリは苗から育てるのが一般的ですが、種から育てる場合は適切な時期と方法を知っておくことが大切です。種まきに最適な時期は、春は4月~5月、秋は9月~10月頃です。パセリの種は15~20℃の気温を好むため、気温が安定してくる時期や、涼しくなる時期に種をまくのが適しています。発芽率はあまり高くないため、種まき前の準備が重要になります。発芽を促すためには、種を水に一晩浸けておく「浸水処理」をすると効果的です。この処理によって、種が水分を吸収しやすくなり、発芽までの時間を短縮し、発芽率を高めることが期待できます。

パセリの播種と初期育成のポイント

発芽を成功させるには、事前の準備が不可欠です。育苗箱やセルトレイに、野菜用の培養土を均一に入れ、種が密集しないように丁寧に種を蒔きましょう。理想的な間隔は1cm程度で、一箇所に3~4粒が目安です。パセリの種は、光が発芽を促す性質(好光性種子)を持つため、土を厚く被せる必要はありません。種が隠れる程度に薄く土をかけます。種蒔き後は、霧吹きで土の表面を優しく湿らせ、種が流れないように丁寧に水を与えます。パセリは乾燥に弱いため、発芽するまでは土の表面が乾かないように注意し、こまめな水やりを心がけましょう。発芽率はそれほど高くないため、初心者の方は市販の苗から育てるのがおすすめです。育苗箱で本葉が2~3枚になったら、生育の良い株を選んで育苗ポットへ移植します。この段階で、生育の悪い株を間引き、元気な株が十分なスペースと栄養を得られるように調整します。本葉が5~6枚程度に成長したら、プランターや畑への定植が可能な「苗」の完成です。一本立ちにすることで、株の更なる成長を促しましょう。

プランターへの移植と水やり

パセリのプランターへの移植は、生育を左右する重要な作業です。まず、プランターに鉢底石を敷き、野菜用培養土を深さ10cmまで入れ、表面を平らにならします。次に、苗を植えるための穴を、株間15~20cm程度の間隔で掘ります。この間隔を守ることで、パセリは十分に成長することができます。植え穴の深さは、苗のポットと同じ高さが目安です。穴を掘り終えたら、それぞれの穴にたっぷりと水を注ぎ、土と水をなじませます。パセリは移植を嫌うため、ポットから苗を取り出す際は、根を傷つけないように注意深く行いましょう。根が傷つくと、根付きが悪くなり、生育にも影響が出ます。苗を植え穴に置く際は、株元が土の表面より少し高くなるように調整し、周囲の土を寄せて軽く押さえます。株元を少し高くすることで、水やり後の過剰な水分を避け、根腐れのリスクを減らすことができます。植え付け後は、プランターの底から水が流れ出るまで、たっぷりと水を与えましょう。培養土を使用する場合は、1袋につき1株が適量です。移植後2~3日間は、直射日光を避けた日陰で管理することで、苗にかかるストレスを軽減し、根の活着を促進します。

畑での栽培準備

畑にパセリを直接植える場合は、定植の2~3週間前から土壌の準備を始めましょう。パセリは弱アルカリ性の土壌を好むため、堆肥や肥料を入れる約2週間前に、苦土石灰を1平方メートルあたり100g混ぜて耕します。苦土石灰は土壌のpHを調整し、パセリの生育に適した環境を作ります。その後、堆肥を1平方メートルあたり3L、元肥を1平方メートルあたり100gを加えて再度耕し、土壌に栄養を補給します。元肥は、2~3ヶ月間効果が持続するものがおすすめです。これらの準備を丁寧に行うことで、畑でのパセリ栽培の成功率を高めることができます。

成長に応じた肥料と土寄せ

パセリが順調に成長し始めたら、定期的な追肥が大切です。植え付け時に元肥として、緩効性肥料を株元に混ぜ込むと、初期の生育を助けます。より生育を促すためには、植え付け1ヶ月後から2~3ヶ月ごとに、化成肥料を株元から少し離れた場所にばらまき、軽く土と混ぜ合わせるように土寄せをします。化成肥料は、パセリが必要とする栄養素を効率的に供給します。土寄せは、肥料が根に均等に行き渡るのを助けるだけでなく、株元を安定させ、風などから守る役割も果たします。さらに、土寄せによって株元に新しい根が生えやすくなるという利点もあります。この追肥と土寄せを定期的に行うことで、パセリは常に栄養豊富な状態で成長し続け、収穫後にも軽く追肥と土寄せを行うことで、新しい葉の発生を促し、継続的な収穫が可能になります。その後は、液体肥料を週に1回程度与え、新葉の成長を促しましょう。ただし、ハーブ類は肥料を与えすぎると葉が硬くなる傾向があるため、適切な量を守ることが大切です。適切な肥料管理が、柔らかく風味豊かなパセリを育てる秘訣です。

パセリをすこやかに育てるための水やりと日当たりのコツ

パセリが元気に育つためには、適切な水やりと日当たりが大切です。パセリは乾燥に弱いので、土の表面が乾いたら、たっぷりと水をあげましょう。特にプランターで育てている場合は土の量が少ないため、乾燥しやすいので注意が必要です。水やりの際は、プランターの底から水が出てくるまでしっかりと与えることで、土全体に水が行き渡り、根が深く広く伸びるのを助けます。ただし、常に土が湿っていると根腐れの原因になるので、土の表面が乾いたのを確認してから水を与えるのが理想的です。春から夏にかけては特に乾燥に注意し、下の方の葉が黄色くなってきたら水不足のサインです。反対に、冬場は土が完全に乾いてから水を与えるようにし、庭植えの場合は基本的に水やりは不要です。日当たりに関しては、パセリは日当たりの良い場所と風通しの良い場所を好むため、南向きの暖かい場所で育てるのがおすすめです。十分な日光は、光合成を促し、葉の色を濃くし、香りを強くする効果があります。しかし、パセリは日陰でも育てることができ、日当たりの良い場所に置くと葉の色が濃くなり、少し硬めの食感になりやすく、日陰に置くと葉の色は少し薄くなり、柔らかい食感になるという特徴があります。育てる場所に合わせて、葉の硬さや風味を調整するのも良いでしょう。ただし、日光が不足しすぎると、植物が間延びして弱ってしまうため、適切な光量を確保することが重要です。また、夏場の強い日差しは葉焼けの原因になることがあるため、春に植えた場合は特に注意が必要です。夏場は、十分に水を与えることに加えて、風通しの良い涼しい場所に移動させたり、北側や東側の直射日光が当たらない日陰に置くなど、適切な場所を選ぶことで、高温多湿によるダメージからパセリを守り、健康な状態を保つことができます。パセリの状態をよく観察して、最適な場所で育ててあげましょう。

おいしいパセリをたくさん収穫する方法

パセリの収穫は、種をまいてから約70日後、または苗が十分に大きくなり、本葉が15枚以上になったら始められます。初めての収穫は楽しみですが、葉の数をしっかり確認してから収穫しましょう。収穫する際は、外側の葉から必要な分だけを摘み取るのが基本です。このとき、株の中心にある新しい葉の成長を邪魔しないように、葉を8枚ほど残しておくのがポイントです。そうすることで、次々と新しい葉が生え、長く収穫を楽しむことができます。ハサミで根元から切り取っても大丈夫ですが、株全体に負担をかけないように、一度にたくさん摘み取らないようにしましょう。収穫した後は、株の回復と成長を促すために、少し肥料を与え、株元に土を寄せておきましょう。この手入れをすることで、パセリは次々と新しい葉を出し、継続的に収穫できるようになります。新鮮なパセリを食卓に並べられるのは、家庭菜園ならではの喜びです。

花芽を摘んで収穫期間を長くする方法

パセリを長くおいしく収穫するためには、花芽を摘むことがとても大切です。パセリは二年草なので、普通は植え付けた翌年に花を咲かせます。花が咲くと、植物は種を作るためにエネルギーを使い、葉の成長が止まってしまい、茎や葉が硬くなって味が落ちてしまいます。さらに、栄養が花に集中することで、株自体の寿命も短くなってしまいます。そのため、花芽を見つけたら、小さいうちに摘み取ることが大切です。花芽は、中心から伸びてくる太い茎の先に、つぼみのような形で現れます。これを見つけたら、すぐにハサミなどで切り取りましょう。花芽を摘み取ることで、植物は再び葉の成長にエネルギーを使うようになり、柔らかく香りの良い葉を長く収穫することができます。もしパセリを観賞用として楽しみたい場合は、花を咲かせた株を残しておくのも良いでしょう。花を咲かせると、その後種を採取することができます。採取した種を新しい鉢にまけば、また新しいパセリを育てることができます。この作業をすることで、パセリ栽培がもっと楽しくなり、一年中収穫できるようになるでしょう。

パセリによくつく害虫と対策

パセリを育てていると、どうしても病害虫の問題が出てきます。特に家庭菜園でよく見られるパセリの害虫は、アブラムシとキアゲハの幼虫です。これらの害虫はパセリの葉や茎を食べてしまうため、生育が悪くなるだけでなく、見た目も悪くなってしまいます。アブラムシは、春から夏の暑くて湿気の多い時期に多く発生し、葉の裏や新芽に集まって植物の汁を吸うため、葉が縮れたり、成長が止まったりします。また、排泄物によって「すす病」を引き起こすこともあります。アブラムシの対策としては、市販の農薬を使う以外に、環境に優しい方法として、霧吹きで強く水をかけて洗い流す方法が効果的です。数が少ないうちは、テープなどを使って手作業で取り除くこともできます。また、枯れた葉はこまめに取り除き、風通しを良くすることも予防につながります。発生が多くなってきたら、殺虫剤の使用も考えましょう。一方、キアゲハの幼虫は、キアゲハという蝶の幼虫で、パセリの葉を好んで食べます。幼虫は比較的大きく、葉にフンを見つけたら幼虫を探しやすく、見つけやすいのが特徴です。対策としては、箸などでつまんで捕まえるのが最も確実で効果的な方法です。幼虫は一度にたくさんの葉を食べてしまうため、見つけたらすぐに取り除くことが大切です。定期的にパセリの葉を観察し、害虫の兆候を早く見つけることで、被害が広がる前に対処し、健康なパセリを育てることができます。

注意すべきその他の害虫

パセリを育てる上で、アブラムシやキアゲハの幼虫以外にも警戒すべき害虫が存在します。その代表格が「ネキリムシ」です。ネキリムシは夜間に活動し、生育初期の若い苗の茎を地際で食い荒らす厄介者です。日中は土中に潜んでいるため発見が難しいですが、苗が突然倒れたり、茎が切断されていたりする兆候があれば、株の周辺の土を数センチ掘り返して探してみましょう。ネキリムシは比較的大きいため、発見次第、手で捕獲して駆除することが有効です。これらの害虫にも注意を払い、早期に異変に気づき対策を講じることで、大切なパセリを害虫から守り、順調な生育をサポートできます。

春植えパセリの栽培と夏季の管理

ここでは秋植えを中心に解説しましたが、パセリは春(4月~5月頃)に植えても育てられます。春植えの場合も、基本的な栽培方法は秋植えと同様ですが、特に夏季の管理には注意が必要です。日本の夏は高温多湿になりやすく、この環境はパセリにとって大きな負担となります。春植えのパセリを夏場に元気に育てるためには、水切れを起こさないように、こまめに水やりを行うことが大切です。朝方や夕方などの涼しい時間帯にたっぷりと水を与え、土壌の乾燥を防ぎましょう。また、風通しの良い、涼しい場所にプランターを置くことも重要です。強い直射日光は葉焼けの原因となるため、特に真夏の強い日差しが当たる場所は避け、日陰に移動させるなどの工夫をしましょう。適切な夏越し対策を行うことで、春に植えたパセリも秋以降に再び生育が旺盛になり、美味しい葉を収穫できるようになります。

収穫したパセリを長持ちさせる保存方法

たくさん収穫できた新鮮なパセリは、適切な方法で保存することで、風味と香りを長く楽しむことができます。主な保存方法としては、冷蔵、冷凍、乾燥が挙げられます。それぞれの方法に合わせた保存を行うことで、必要な時にいつでもパセリを料理に活用できます。

冷蔵保存

生のパセリを冷蔵庫で保存する場合は、まず茎の切り口を少し切り戻し、水を張った容器にパセリの茎を浸します。その容器ごとビニール袋で覆うか、密閉できる容器に入れて野菜室で保存します。こうすることでパセリの鮮度をより長く保つことができます。冷蔵保存の目安期間は1~2週間です。

冷凍保存

パセリを長期間保存したい場合は、冷凍保存が適しています。まず、収穫後のパセリは、キッチンペーパーなどで丁寧に水分を取り除いてください。水分をしっかり拭き取ることで、冷凍時の霜の発生を抑え、品質の劣化を防ぐことができます。次に、使いやすい大きさに刻むか、またはそのまま冷凍用保存袋に入れ、できる限り空気を抜いてしっかりと密閉し、冷凍庫で保管します。冷凍保存の目安は約1ヶ月です。使用する際は、凍ったまま刻んだり、軽くもんだりすることで簡単に使えるため、非常に便利です。

乾燥保存

乾燥パセリは、生のパセリや冷凍パセリとは異なる独特の風味と保存性を提供します。まず、水気を丁寧に拭き取ったパセリの葉を、重ならないようにキッチンペーパーの上に広げます。電子レンジを使用する場合は、500W~600Wで約2~3分加熱し、パリパリになるまで乾燥させます。乾燥が不十分な場合は、様子を見ながら加熱時間を調整してください。完全に乾燥したら、手で軽くもんで細かくし、密閉できる容器に入れて保存します。乾燥パセリの常温保存は約1週間、冷蔵保存は約1ヶ月、乾燥状態を保てれば2~3ヶ月ほど保存可能です。完全に乾燥させることで、香りが凝縮され、スープやソースの風味付けに最適です。

パセリを活用した多様な料理

冷凍保存したパセリは、解凍することで生のパセリに近い状態で料理に利用できます。また、冷凍庫から出したばかりのパセリを袋に入れたまま軽くもむと、簡単に細かく砕けるため、刻む手間を省いてスープやサラダなどのトッピングとして手軽に使うことができます。パセリは生でも食べられますが、特有の風味や食感が苦手な方もいるかもしれません。そのような場合は、さっと茹でてから和え物やおひたしにしたり、天ぷらにしたりすると、苦味が和らぎ食べやすくなります。また、肉料理や魚料理のソースに加えることで、料理全体の風味を豊かにし、彩りを添えることもできます。パセリは様々な料理に活用でき、食卓をより一層魅力的に演出してくれるでしょう。

パセリの豊富な栄養と健康効果

料理の飾りや添え物としてよく使われるパセリですが、近年ではその栄養価の高さから、健康的な食材として注目を集めています。パセリには、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンB群(B1、B2など)、ビタミンK、カリウム、食物繊維、カルシウム、鉄分など、多種多様な栄養素がバランス良く含まれています。特に、ビタミンCや鉄分の含有量は、他の多くの野菜や果物よりも豊富です。これらの豊富な栄養素により、パセリは生活習慣病の予防、抗酸化作用、美肌効果、整腸作用、むくみ対策、貧血予防、口臭予防など、幅広い健康効果が期待できます。毎日の食生活にパセリを積極的に取り入れることで、美味しく健康をサポートすることができるでしょう。

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まとめ

プランターでパセリを育てることは、適切な準備と日々の手入れによって、一年を通して新鮮なハーブを家庭で楽しめる素晴らしい方法です。パセリはセリ科の二年草で、寒さや暑さに強く丈夫な植物です。生育に適した温度は15~20℃、発芽に適した温度は15~23℃と比較的育てやすく、春と秋が植え付けに最適な時期です。種から育てる場合は、発芽率を高めるために種を水に浸したり、光を好む性質を考慮して種まきをすることが大切です。本葉が5~6枚になったら苗として植え付けられます。元気な苗を選び、根を傷つけないように丁寧に植え付け、土が乾燥しないように水やりをし、定期的に肥料を与えれば、豊かな収穫につながります。特に、最初に与える肥料と追肥を適切に行い、肥料の与えすぎには注意しましょう。パセリには、カーリーパセリ、イタリアンパセリ、ルートパセリなど様々な種類があり、それぞれ風味や食感、用途が異なります。葉が15枚以上になったら、外側の葉から順に収穫し、葉を8枚ほど残すことで、継続的に収穫できます。花が咲くと葉が硬くなるため、花芽は早めに摘み取ることで、長くおいしい葉を楽しめます。ただし、観賞用や種を採取する目的で花を咲かせるのも良いでしょう。アブラムシやキアゲハの幼虫、ネキリムシなどの害虫対策も忘れずに行い、早期発見・早期駆除を心がけましょう。特に春に植えた場合は、夏場の高温多湿に注意し、風通しの良い涼しい場所で管理することが大切です。収穫したパセリは、冷蔵、冷凍、乾燥などの方法で保存できます。料理に活用するだけでなく、βカロテンやビタミンC、鉄分など豊富な栄養素による健康効果も期待できます。これらのポイントを押さえれば、初心者でも自宅で簡単に美味しいパセリを育て、採れたての香りと風味をスープやドレッシングなど様々な料理で味わえるでしょう。ぜひ、今日からパセリの家庭菜園に挑戦し、食卓に彩りと香りを添えてみてください。

パセリは一年を通して収穫できますか?

はい、パセリは基本的に二年草なので、種まきから開花までの約一年間は、一年中収穫を楽しめます。生育に適した温度は15~20℃と比較的過ごしやすい温度帯なので、適切な時期に植え付けを行い、季節に合わせた手入れをすることで、寒い冬場でもフレッシュな葉を食卓に添えることができます。特に、この記事でご紹介しているように秋に植え付けると、冬の期間も収穫できるためおすすめです。

パセリをプランターで育てるには何が必要ですか?

パセリをプランターで栽培する際には、パセリの苗(または種)、深さが15cm以上あるプランター(もしくは直径15cm以上の5号鉢)、野菜用の培養土、プランターの底に敷く鉢底石、移植ごて、肥料、園芸用のハサミ、そして水やり用のじょうろが必要です。苗を選ぶ際は、葉の色が鮮やかな緑色で、枯れている部分がない元気な苗を選びましょう。これらの道具は、園芸店やホームセンターなどで簡単に手に入れることができます。

パセリの苗を植え付ける時の注意点はありますか?

パセリは移植をあまり得意としないため、苗をポットから取り出す時は、根を傷つけないように丁寧に扱うことが大切です。株の間隔は15~20cmほど空けて植え付け、根元が少し土から出るくらいの高さにすると良いでしょう。植え付けが終わったら、プランターの底から水が流れ出るくらいたっぷりと水をやり、その後2~3日は直射日光を避けた場所に置いて管理することで、根付きを良くし、苗への負担を減らすことができます。袋栽培の場合は、一つの袋に一つの株が適しています。

パセリの種をまく際に注意すべき点はありますか?

パセリの種は発芽しにくいことがあるため、種をまく前に一晩水に浸けておくことで発芽を促すと効果的です。また、パセリの種は光を好む性質があるため、土に深く埋めずに、種がわずかに隠れる程度の土を薄くかけるだけで十分です。種をまいた後は、土の表面が乾燥しないように霧吹きなどでこまめに水を与え、発芽するのを待ちましょう。初めてパセリを育てる方は、種から育てるよりも、すでに育っている苗から始めるのがおすすめです。

パセリへの水やりと施肥:適切な頻度とは?

パセリは乾燥を嫌うため、土壌の表面が乾いたと感じたら、たっぷりと水を与えましょう。特にプランターで栽培している場合は、水切れを起こしやすいので注意が必要です。肥料に関しては、植え付け時に、株あたり約10gの緩効性肥料を元肥として土に混ぜ込みます。生育が旺盛になる植え付け1ヶ月後からは、追肥として2~3ヶ月ごとに、株元に1株あたり約10gの化成肥料を施し、軽く土寄せをします。さらに、1週間に一度程度、液体肥料を与えることで、新芽の成長を促進し、継続的な収穫が見込めます。ただし、肥料の与えすぎは葉が硬くなる原因となるため、用法・用量を守ることが重要です。

パセリにつきやすい害虫とその対策

パセリによく見られる害虫は、アブラムシ、キアゲハの幼虫、そしてネキリムシです。アブラムシを見つけた場合は、霧吹きで勢いよく水をかけることで洗い流したり、粘着テープなどを利用して手作業で取り除くのが効果的です。必要に応じて、適切な農薬を使用することも検討しましょう。キアゲハの幼虫は、見つけ次第、割り箸などを使って捕獲し、駆除するのが確実な方法です。ネキリムシによる被害が確認された場合は、株の根元の土を注意深く掘り返し、潜んでいるネキリムシを捕殺します。日頃からパセリの状態を観察し、害虫の早期発見と迅速な駆除に努めることが大切です。

収穫後のパセリ:保存方法のヒント

収穫したパセリは、冷蔵、冷凍、乾燥という3つの方法で保存できます。冷蔵保存する場合は、パセリの茎を水に浸し、ビニール袋で覆って野菜室に入れると、約1~2週間鮮度を保てます。冷凍保存の場合は、パセリをよく洗い、水気をしっかりと拭き取ってから保存袋に入れ、冷凍庫で約1ヶ月保存可能です。乾燥保存の場合は、パセリを洗い、水気を切った後、電子レンジで加熱して完全に乾燥させ、カリカリになったら細かく砕いて密閉容器に入れることで、約2~3ヶ月保存できます。

パセリの栄養価と健康効果

パセリには、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンE、カリウム、食物繊維、カルシウム、鉄分など、私たちの健康に不可欠な栄養素が豊富に含まれています。これらの栄養素は、生活習慣病の予防、抗酸化作用、美肌効果、整腸作用、むくみ軽減、貧血予防、口臭予防など、多岐にわたる健康効果をもたらすと期待されています。

パセリ