マンゴーは、濃厚な甘みと芳醇な香りが特徴のトロピカルフルーツです。ウルシ科マンゴー属に属し、原産地のマレーシアなどでは高さ40mにも達します。チェリモヤやマンゴスチンと並んで「世界三大美果」の一つとしても知られています。本記事では、マンゴーを種から育てる方法を発芽から収穫まで詳しく解説します。
マンゴーの特徴
マンゴーの花は開花時期に房状に咲き、独特の強い香りを放ちます。受粉は主にハエやハチなどの虫によって行われます。品種によって果実の大きさは3〜25cmと幅広く、色も黄色、グリーン、桃紅色などさまざまです。
代表的なマンゴーの品種
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アップルマンゴー(アーウィン種):日本で最も一般的な品種。強い甘みとねっとりした食感が特徴。
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グリーンマンゴー:熟しても緑色のままで、主に沖縄で栽培される。
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ペリカンマンゴー:フィリピン原産。甘みと酸味のバランスが良い。
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インドマンゴー(アルフォンソ種):「マンゴーの王様」とも呼ばれるが、日本ではあまり流通していない。
栽培に適した環境
マンゴーは日光を好むため、日当たりの良い場所で育てることが大切です。寒さに弱いため、気温が5℃以下にならないように管理しましょう。関東以北では鉢植えにして冬は室内に移動させると安心です。
種の準備
国産マンゴーの種を使用します(海外産は発芽しにくい場合がある)。
果実から種を取り出し、白い殻と茶色い部分を除去します。
植え付け
6月〜7月が最適(気温20°C以上が理想的)です。
水やりと肥料
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水やり:3〜10月は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。冬場は乾燥気味に管理し、水やりの頻度を減らしましょう。
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肥料:4月、6月、8月に有機肥料を施し、収穫後にはお礼肥を与えて株の回復を促します。
マンゴーの剪定と樹形づくり
剪定は果実の品質向上に重要な作業です。枝が密集している部分や風通しの悪い枝を取り除き、木全体に日光が当たるようにしましょう。一般的な仕立て方としては開心自然形(かいしんしぜんけい)が適しています。
マンゴーの摘果と袋がけ
摘果を行うことで、果実に十分な栄養が行き渡ります。葉100枚につき果実1個を目安に摘果し、鉢植えの場合は3〜5個の果実に絞ると良いでしょう。ウズラの卵サイズまで育ったら袋掛けをし、害虫や傷から守ります。

マンゴーの受粉方法
マンゴーは自家結実性のため1本でも実がなりますが、受粉を促すためにハエやハチが寄るよう工夫が必要です。屋内栽培の場合、筆で花粉をなぞるか、花穂を揺らして人工授粉を行うと効果的です。
マンゴーの収穫と保存方法
品種ごとに適した収穫時期が異なります。
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玉文種・キーツ種:果皮の色が明るくなり、丸く膨らんできたら収穫。
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アーウィン種:完熟して木から自然落下する頃が最も美味しい。
保存方法
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冷蔵保存:新聞紙を湿らせてマンゴーを包み、ビニール袋に入れて乾燥を防ぐ。
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冷凍保存:食べやすい大きさにカットし、密閉容器に入れて保存。半解凍でシャーベット状にして食べるのもおすすめ。
マンゴーの病害虫対策
ここからはマンゴーの病害虫についてご紹介します。
代表的な病気と対策
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炭疽病:カビが原因で発生。病変部を早めに除去。
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うどんこ病:カビによる白い粉状の病変。風通しを良くし、日光を当てることで予防。
代表的な害虫と対策
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カイガラムシ:葉や枝に付着し、養分を吸い取る。ブラシでこすり落とすか、薬剤を使用。
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ハダニ:乾燥環境で繁殖。こまめな水やりで湿度を維持。
マンゴーの増やし方
マンゴーは種から育てることができますが、実がなるまで6〜7年ほどかかります。苗木から育てる場合は、1〜2年で実がつくこともあります。
マンゴーのおすすめの切り方
「花咲カット」が見た目も美しく、食べやすくておすすめです。種の周りをさいの目状に切り、皮を押し上げて反らせると綺麗に盛り付けられます。
結び
マンゴー栽培は手間がかかりますが、甘くておいしい実を収穫したときの喜びは格別です。温暖な地域に限らず、関東以北でも鉢植えで管理すれば育成可能です。愛情を込めて育てれば、きっと美味しいマンゴーが実ってくれるでしょう。ぜひマンゴー栽培に挑戦してみてください!
マンゴーは関東でも育てられますか?
はい、関東でも育てられます。温暖な地域が原産ですが、鉢植えで育てて冬は室内に取り込むなどの対策をすれば、関東でも栽培可能です。温度管理をしっかり行うことが重要です。
マンゴーは種から育てるのに何年かかりますか?
種から育てた場合、実がなるまで6〜7年ほどかかると言われています。苗木から育てる場合は、1〜2年ほどで実がなります。
マンゴーの冬場の水やり:注意点
マンゴーは冬になると成長が鈍化するため、水やりの頻度を減らすことが大切です。土の表面が乾いてから2、3日経ってから水を与える程度で問題ありません。やや乾燥気味に管理することで、開花を促す効果も期待できます。