【決定版】ピーマン栽培:初心者でも失敗しない育て方と収穫までのコツ

緑鮮やかなピーマンは、家庭菜園でも人気の野菜の一つ。でも、「なかなか大きくならない」「実がならない」とお悩みの方もいるのではないでしょうか?この記事では、初心者さんでも安心してピーマン栽培を始められるように、種まきから収穫までの全ステップを徹底解説!失敗しないためのコツや、美味しいピーマンを収穫するための秘訣を分かりやすくご紹介します。この記事を読めば、あなたもきっとピーマン栽培の達人に!

ピーマン・パプリカ栽培の基礎知識と魅力

ピーマンは夏の強い日差しに強く、病害虫の被害も比較的少ないため、初心者でも育てやすい野菜です。適切な管理をすれば、夏から秋にかけて一株からたくさんの実を収穫でき、食卓を豊かにします。緑色のピーマンは独特の苦味が特徴ですが、完熟して赤や黄色に変わると甘みが増し、カラーピーマンとして楽しめます。特に、肉厚で大きなパプリカは、食感が良く、サラダなどの生食から炒め物などの加熱料理まで、幅広い用途で人気があります。ただし、ピーマンとパプリカは寒さに弱いため、苗を畑に植える時期は、霜の心配がなくなり、土の温度が十分に上がってからにすることが大切です。土質は特に選びませんが、土が乾燥すると実付きが悪くなり、実が落ちたり、尻腐れになったりすることがあります。そのため、有機物をたっぷりと含み、水はけと保水性のバランスが良い土壌を作ることが重要です。また、ピーマンやパプリカは連作を嫌うため、過去3〜4年の間にトマトやナスなどのナス科野菜を栽培していない場所を選びましょう。収穫量を安定させるためには、栽培期間中に肥料切れを起こさないように、定期的に肥料を与えることが重要です。種から苗を育てる場合、発芽から定植まで2ヶ月以上の時間が必要で、特に寒い時期の温度管理が難しいため、家庭菜園では市販のしっかりした苗を利用するのがおすすめです。

ピーマン・パプリカの栽培適期

ピーマンとパプリカの栽培時期は、以下の情報を参考にしてください。一般的な地域では、2月下旬に種をまき、ポットで育てた苗を5月上旬から中旬に畑に植え付け、7月から10月にかけて収穫できます。ただし、地域や品種によって適期は異なり、近年の気候変動による異常気象の影響も考慮する必要があります。そのため、状況に応じて植え付け時期を調整したり、品種選びを工夫したりすることが大切です。種から育てる場合、ピーマンとパプリカは育苗期間が長く、温度管理が難しいため、家庭菜園で数株だけ育てる場合は、市販の苗を購入する方が簡単で確実です。

丈夫な苗を育てるための種まきと育苗

ピーマンとパプリカの丈夫な苗を育てるには、適切な種まきと育苗管理が欠かせません。種まきの方法としては、育苗箱に育苗用の土を入れ、深さ1cmの溝を8cm間隔で作り、種を5mm間隔でまく方法が一般的です。セルトレイや育苗ポット(直径約9cm)を使う場合は、種まき用の培養土を入れ、1つのポットに1粒ずつ種をまき、軽く土をかぶせて水をやります。大きめのポットに種をまく場合は、1つのポットに3粒ずつ種をまき、本葉が出た頃に元気な苗を1本残して間引きましょう。種をまいた後は、5mm程度の薄さで土をかぶせ、水やりをして、発芽に適した温度(25~30℃)を保つように管理します。この温度を維持することで、通常1週間程度で発芽します。

発芽後は、夜間の温度を少し下げて管理し、本葉が2枚になったら、大きめのポット(直径10.5~12cmの4号サイズ)に植え替えます。植え替え後は、夜間の温度を20℃程度に保ちながら育てます。ピーマンとパプリカは種まきから定植まで1ヶ月半から2ヶ月程度の育苗期間が必要で、特に寒い時期に育苗する場合は、ビニールハウスや育苗ヒーターなどの設備を使って、適切な温度管理を行うことが重要です。最終的には、本葉が13~14枚に増え、一番花が咲き始めた、しっかりとした苗に育ててから畑に植え付けます。もし、十分な保温環境を準備できない場合や、家庭菜園で少しだけ栽培する場合は、育苗の手間を考慮して、市販の苗を購入するのも良いでしょう。その際は、茎が太く、葉の色が濃い、健康な苗を選びましょう。市販の苗は9cmポットに入っていることが多いですが、可能であれば12cmポットに植え替えて、定植までの間に大きく育てると、その後の生育が安定します。

畑を整え、苗を植えるまでの手順

ピーマンやパプリカを畑に植え付ける際は、事前の土壌準備と適切なタイミングを見計らうことが成功の鍵となります。まず、植え付け予定日の2週間以上前に、栽培に適した土壌pH(pH6.0~6.5が目安)にするため、1平方メートルあたり約150g(片手で軽く3杯ほど)の苦土石灰を畑全体に丁寧にまき、深く耕して土と混ぜ合わせます。その後、植え付けの1週間前になったら、ふかふかの土壌にし、水はけと通気性を良くするために、1平方メートルあたり3~4kgの堆肥を施します。生育初期に必要な栄養を補給する元肥として、化成肥料(窒素:リン酸:カリウム=8:8:8など)を約150g(片手で軽く3杯ほど)、さらに実付きを良くするために過リン酸石灰を約30g(軽く片手で1杯ほど)施用し、再度丁寧に耕し、土と肥料をしっかりと混ぜ合わせます。ピーマンやパプリカは、茎や葉を伸ばしながら次々と実をつけるため、栽培期間中に肥料不足にならないよう、初期からバランス良く配合された肥料を活用するのがおすすめです。

畝作りは、植え付け予定の2~3日前に行い、地温を上げ、雑草の発生を抑制するため、黒色のポリマルチを張りましょう。土壌の乾燥を防ぎ、泥はねによる病気を予防する効果も期待できます。この際、土壌が乾燥している場合は、マルチを張る前に十分に水やりをしておくことが重要です。また、黒色ポリマルチの代わりに、苗を植えた後に株元に藁を敷くことでも同様の効果が期待できます。ピーマンやパプリカの苗は、本葉が13~14枚程度に成長し、一番花が咲き始めた頃が植え付けに適した時期です。植え付けは、遅霜の心配がなくなり、地温が安定した時期を選び、ピーマンもパプリカも高温を好むため、晴れた日の午前中に行うことで苗の活着を促すことができます。

植え付け作業では、ポットから苗を慎重に取り出し、根を傷つけないように浅めに植え付けます。株間は、その後の成長を考慮して50cm程度確保しましょう。植え付け前に、ポットごと水に浸して十分に吸水させておくと、根付きが良くなります。植え付け後は、根がしっかりと張るように、株の周りにたっぷりと水をあげてください。ピーマンやパプリカは茎が折れやすく、実がなり始めると株全体が重くなり、強風などで倒れやすくなるため、植え付けと同時に仮支柱を立て、株を支えることが、その後の生育を大きく左右するポイントです。

Image

植え付け後の生育を助ける栽培管理:剪定・支柱立て・追肥・水やり

植え付け後のピーマンやパプリカは、丈夫な株を育て、安定した収穫を得るために、剪定、支柱立て、そして適切な追肥と水やりが欠かせません。剪定は、「3本仕立て」を基本とします。これは、一番花が咲いている場所のすぐ下から勢いよく伸びている脇芽を2本残し、主となる茎1本と合わせて合計3本の主要な枝を育てる方法です。この3本の主要な枝以外に、株元近くから伸びる枝や、主枝と脇枝の葉の付け根から出てくる芽は、早めにすべて取り除きましょう。伸ばした茎は、V字型に分かれ、さらにそこから枝分かれしていくことで成長していきます。果実は主にこの分岐点に実ります。そのままにしておくと、葉が茂りすぎて風通しが悪くなり、実がつきすぎて株が弱ってしまうことがあります。そのため、葉が密集している場合は、風通しを良くするために枝を間引いたり、収穫時に内側に向かって伸びる茎を剪定して花の数を調整するなど、株の勢いを維持することが、株への負担を減らし、長期にわたる安定した収穫につながります。

ピーマンやパプリカの枝は比較的弱く、根も浅いため、実がなり始めると株全体が重くなって倒れやすくなります。そのため、植え付け時に立てた仮支柱に加えて、早めにしっかりとした支柱を立てて固定することが大切です。一般的には、株の中心に1本、そして3本仕立てにした主枝と2本の脇枝それぞれを支えるように、斜めに交差させて2本の支柱を立てます。これらの合計3本の支柱に、各枝を誘引紐でしっかりと固定することで、風や果実の重みによる枝の折れを防ぎ、安定した生育を促します。

追肥は、栽培期間を通して肥料切れを起こさないように定期的に行います。1回目の追肥は、植え付け後2~3週間経った頃に株元に施し、その後は収穫が始まったら2~3週間ごとに定期的に施します。1回あたりの化成肥料(窒素:リン酸:カリウム=8:8:8など)の量は、片手で軽く1杯(約50g)を目安とします。マルチ栽培の場合は、マルチの端を少し持ち上げて、畝の両側の肩の部分(株の根元から少し離れた場所)に化成肥料をばらまきます。その後、肥料が土とよく混ざるように軽く耕し、最後にマルチを元に戻します。畝の片側の裾に交互に施すことで、肥料が均等にいきわたりやすくなります。水やりは、乾燥が続くと奇形果やカルシウム不足による尻腐れ果が発生しやすくなるため、雨の少ない夏は特に入念に行いましょう。ただし、水の与えすぎにも弱いため、常に土が湿っている状態は避け、土の表面が乾いたタイミングで水やりを行うことが重要です。

病害虫対策と生理障害の予防

ピーマンやパプリカの栽培では、病害虫の早期発見と適切な対処が、安定した収穫を得るために非常に重要です。特に注意すべき害虫は、アブラムシ、ヨトウムシ、タバコガなどです。これらの害虫は、葉や茎、果実を食い荒らすだけでなく、植物ウイルス病を媒介することもあるため、日々の観察を怠らず、発見次第、速やかに薬剤を散布するなどの対策を講じることが大切です。病気に関しては、ウイルス病が大きな脅威となります。ウイルス病は主にアブラムシによって媒介されることが多いため、アブラムシの徹底的な駆除が予防の第一歩となります。ピーマンやパプリカの葉にモザイク状の模様が現れたり、株全体が萎縮したりする症状が見られた場合、ウイルス病に感染している可能性が高いです。残念ながら、一度ウイルス病に感染した株を治療する方法はありません。他の健康な株への感染拡大を防ぐためにも、感染が確認された株は速やかに抜き取り、畑から離れた場所で適切に処分してください。もう一つの主要な病気である疫病は、水はけの悪い環境で発生しやすいため、土壌の排水対策をしっかりと行うとともに、必要に応じて殺菌剤を散布することが有効な予防・治療策となります。

ピーマンやパプリカの果実のお尻が黒くなって腐る「尻腐病」は、主にカルシウム不足が原因で起こる生理障害です。すでに発症している場合は、土壌からのカルシウム吸収が不足している状態のため、葉面散布でカルシウムを補給するのが効果的です(予防にも効果があります)。また、果実に強い日差しが当たりすぎると、果実が白くなってへこんでしまう「日焼け果」が発生することがあります。これを防ぐためには、枝を剪定する際に葉を刈り込みすぎないように注意し、内側に伸びて混み合ってきた部分だけを剪定するようにしましょう。そうすることで、適度な葉が果実を覆い、直射日光から守る役割を果たします。

連作障害とコンパニオンプランツによる予防

同じ種類の野菜を同じ場所で続けて栽培すると、土壌中の特定の成分バランスが崩れたり、病原菌が増えたりして、病気にかかりやすくなったり、生育が悪くなったりする「連作障害」が発生します。ピーマンやパプリカはナス科の野菜であるため、連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を最低でも3〜4年空けるようにしましょう。連作を避けられない場合は、土壌改良材を利用したり、接ぎ木苗を使うことを検討するのも有効な対策です。異なる種類の野菜を一緒に植えることで、病害虫を抑制したり、生育を助けたり、土壌環境を改善したりする効果が期待できる「コンパニオンプランツ」も、予防策の一つとして有効です。ピーマンやパプリカと相性の良い野菜を周囲に植えることで、より健康な栽培環境を築くことができます。

Image

収穫のタイミングと方法:たくさん収穫し、株を維持するために

ピーマンやパプリカの収穫は、その後の生育や実のつき方に大きく影響します。そのため、適切な時期と方法で収穫することが、収穫量を増やし、株を健康に保つ上で非常に重要です。特に、まだ株が若い時期や、一度にたくさんの実がついている場合は、株への負担を減らすために、実が小さいうちに早めに収穫することをおすすめします。そうすることで、株は元気を保ち、花がたくさん咲いたり、実が大きく育ったりするのを促し、結果的に長く収穫できるようになります。ピーマンは、花が咲いてから15~20日ほどで収穫に適した時期になります(最初の頃は約25日、一番多い時期には約15日)。色つやが良く、実に張りが出てきたら収穫しましょう。重さの目安は、30g程度の緑色の実(まだ熟していない実)です。実がつきすぎて株が弱り、実が落ちることが増えてきたら、株を回復させるためにも、積極的に早めに収穫しましょう。

一方で、赤や黄色など、色鮮やかな完熟したカラーピーマンやパプリカを収穫したい場合は、ピーマンの未熟な実と比べて、花が咲いてから50~60日ほどと、さらに長い期間、じっくりと待つ必要があります。カラーピーマンやパプリカは、完全に熟すまでに時間がかかるため、枝についている実を全てそのままにしておくと、株の負担が大きくなりすぎてしまいます。そのため、長く栽培できるように、下の方の節についた実は小さいうちに全て摘み取り、まずは株の成長を優先させましょう。それより上の実は大きく育てますが、最初は緑色の未熟なうちに収穫し、その後は色づいた完熟した実を収穫するなど、株の生育状態(元気さ)を見て、収穫量を調整することが大切です。ピーマンやパプリカは、まだ熟していない実でも、完全に熟した実でも食べられるため、収穫時期を自由に選ぶことができます。株が弱っているときは、小さい実も含めて早めに収穫し、逆に株が元気なときは、完熟させてから収穫するなど、状況に応じて株の生育を調整することで、株への負担を減らし、よりたくさんの収穫を長い期間楽しむことができます。

収穫するときは、ピーマンやパプリカの枝はとても折れやすいので、実のヘタの上の部分をハサミを使って丁寧に切り取るようにしてください。また、全ての実が完熟するまで株につけておくと、株が大きく疲れてしまい、その後の収穫量が減ったり、生育が悪くなったりする原因となります。そのため、完熟した実として残しておく実は、全体の半分以下に抑えるのが良い方法です。収穫が遅れると、実の皮のツヤがなくなり、シワが寄ってしまうため、光沢とハリがあるうちに収穫を終えましょう。

まとめ

ピーマンやパプリカは、夏の暑さに強く、比較的病気や害虫も少ないため、家庭菜園が初めての人からベテランまで、多くの人が長く収穫を楽しめる魅力的な野菜です。健康に育てるためには、まず寒さを避け、霜が降りる心配がなくなってから、土の温度が十分に上がった時期に植えることがとても大切です。種をまいてから苗を育てるまでは、発芽に適した温度(25~30℃)を保ち、長期間にわたって温度管理をする必要がありますが、市販の苗を使う場合は、しっかりとした元気な苗を選び、必要であれば12cmのポットで大きく育てることで、植え付け後の生育が安定します。畑の準備では、pH6.0~6.5を目安に苦土石灰で土の酸っぱさを調整し、堆肥や元肥を適切に与えることで、水はけと保水性が良く、有機物をたくさん含んだ土を作りましょう。また、同じ場所で続けて栽培すると生育が悪くなる連作障害を避けるために、3~4年間はナス科の野菜を栽培していない場所を選ぶか、相性の良い植物(コンパニオンプランツ)の活用を検討することも有効です。植え付けの時期は、一番花が咲き始めた頃が目安で、暑さを好むため、晴れた日の午前中に行い、同時に支柱を立てて株をしっかりと支えます。植え付け後は、「3本仕立て」という方法で枝を整理し、余分な芽を取り除いたり、葉が茂りすぎないように適度に剪定することで、株の勢いを維持します。肥料は、植え付け後2~3週間から始め、その後は2~3週間おきに定期的に与え、乾燥が続く時期には、実の先が腐る病気や、形がおかしくなるのを防ぐためにも、適切に水やりをしましょう。収穫は、株の負担を減らすために、最初についた実や小さい実を早めに収穫し、特にカラーピーマンやパプリカは、株の状態を見ながら摘果や収穫のタイミングを調整することが、たくさん収穫し、秋まで長く収穫を楽しむための秘訣です。アブラムシなどの害虫対策や、ウイルス病、実の先が腐る病気、日焼け果といった生理的な障害にも、早く気づいて適切に対処し、健康な株を維持しましょう。この記事でご紹介したピーマンやパプリカの育て方や栽培のコツを参考に、ぜひご自宅で色鮮やかで新鮮なピーマンやパプリカの収穫を体験し、豊かな食卓を囲んでください。

ピーマンは同じ場所で続けて栽培できますか?

いいえ、ピーマンやパプリカはナス科の野菜であり、同じ場所で続けて栽培することを嫌います。同じ畑でナス科の野菜(トマト、ナスなど)を続けて栽培すると、土の中の特定の栄養が偏ったり、病気の原因となる菌が増えたりして、生育が悪くなる「連作障害」が起こりやすくなります。そのため、同じ畑でピーマンやパプリカを栽培する際は、少なくとも3~4年間はナス科の野菜を植えていない場所を選んでください。どうしても同じ場所で栽培しなければならない場合は、土壌改良材を使ったり、接ぎ木苗を利用したりすることを検討すると良いでしょう。

ピーマンの種まきはいつ頃にすれば良いですか?

ピーマンやパプリカの種まきは、苗を植え付ける時期から逆算して行います。苗が植え付けに適したサイズ(本葉が13~14枚、一番花が咲き始め)になるまで、種まきから45~70日程度の期間が必要です。寒さに弱いため、植え付けは霜が降りる心配がなくなり、土の温度が十分に上がってから行う必要があります。そのため、温暖な地域では2月下旬頃に種をまき、5月の上旬から中旬に植え付けるのが目安となります。発芽に適した温度は25~30℃と高めなので、苗を育てている間は、ビニールハウスやヒーターなどで適切な温度管理を心がけましょう。

ピーマンの苗を選ぶ際のポイントは何ですか?

良質なピーマンやパプリカの苗を見分けるには、まず茎の太さと丈夫さを確認しましょう。葉は色が濃く、つややかなものが理想的です。本葉が13~14枚程度に成長し、最初の花が咲き始めている苗は、植え付けに適した状態と言えます。病害虫による被害がないか、全体的に生育が旺盛で健康な苗を選びましょう。もし購入した苗が9cmポットに入っている場合は、定植する前に12cmポットへ植え替えて、さらに大きく育てると、定植後の生育がより安定します。

ピーマンの適切な整枝方法を教えてください。

ピーマンやパプリカの整枝では、一般的に「3本仕立て」という方法が推奨されます。これは、株の一番花の下から力強く伸びる2本の側枝を選び、主枝と合わせて3本の主要な枝を育てるやり方です。株元から生えてくる不要な枝や、主枝と側枝から出てくるわき芽は、見つけ次第早めに摘み取ります。枝はV字型に分かれ、その分岐点に実がなります。また、葉が過剰に茂って風通しが悪くなるのを防ぐために、混み合ってきた枝を適宜間引いたり、花の数を調整したりすることで、株全体の生育バランスを保ちましょう。ピーマンの枝は比較的弱いため、各枝に支柱を立てて支えるようにしてください。

ピーマンへの追肥は、どのくらいの頻度と量で行うのが適切ですか?

ピーマンやパプリカの栽培期間中は、肥料切れを起こさないように、定期的な追肥が不可欠です。最初の追肥は、苗を植え付けてから2~3週間後に行い、その後は収穫が始まったら、2~3週間ごとに追肥を行います。化成肥料(N:P:K=8:8:8など)を使用する場合、1回あたり約50g(ひとつかみ)を目安に株元に施します。マルチ栽培をしている場合は、マルチの端をめくり上げて、畝の両側の肩部分に肥料を散布し、軽く土と混ぜてからマルチを元に戻すと効果的です。畝の片側ずつ交互に肥料を施すことで、肥料がより均等に行き渡ります。

ピーマンの果実のお尻が黒く腐る原因は何ですか?

ピーマンやパプリカの果実の先端が黒くなって腐る現象は、「尻腐病」と呼ばれる生理障害であり、主な原因はカルシウム不足です。土壌中のカルシウムが不足しているか、あるいは乾燥や過剰な湿気、根の損傷などによって、根がカルシウムを十分に吸収できない状態に陥っていることが考えられます。すでに尻腐病が発生している場合は、緊急的な対策として、葉面散布でカルシウムを補給することが有効です。予防策としては、土壌のpHを適切な範囲(6.0~6.5)に維持し、有機物を施用すること、そして土壌が乾燥しないように適切な水やりを行うことが重要です。

ピーマンの花が大量に落ちるのはなぜ?

ピーマンは一つの株からたくさんの花を咲かせますが、すべての花が実を結ぶわけではありません。通常、実になるのは半分程度なので、少し花が落ちる程度であれば心配はいりません。しかし、急にたくさんの花が落ちる場合は、「なり疲れ」という状態が考えられます。これは、株に必要な栄養が行き渡らず、弱っている状態です。対策としては、速やかに肥料を追加して栄養を補給すること、土を耕して空気の通りを良くすること、土が乾いている場合は十分に水やりを行うことが大切です。また、すでに大きくなっている実を早めに収穫して、株の負担を減らすことも有効な回復手段となります。

ピーマンの実に白い点々や凹みが現れるのはどうして?

ピーマンやパプリカの表面に白い斑点や凹んだ部分が見られるのは、「日焼け果」と呼ばれる生理的な障害です。これは、強い日差しが直接果実に当たりすぎることが原因で起こります。日焼け果を防ぐためには、枝を剪定する際に葉を切りすぎないように注意し、内側に伸びて込み入った枝だけを剪定するようにしましょう。適切な量の葉を残すことで、葉が日傘のように働き、強い日差しから果実を守り、日焼け果の発生を抑えることができます。

ピーマン