秋の味覚として人気のいちじく。独特の甘みとプチプチとした食感が魅力ですが、せっかくなら一番美味しい旬の時期に味わいたいですよね。この記事では、いちじくの選び方から、その美味しさを最大限に引き出すおすすめの食べ方までを徹底解説します。生でそのまま食べるのはもちろん、ジャムやコンポートなどの加工品、意外な料理への活用法もご紹介。いちじくの魅力を余すことなくお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
いちじくとは
いちじくには、日本原産の「蓬莱柿(ほうらいし)」に代表される、比較的皮がしっかりとした品種と、西洋いちじくのように皮が薄くて繊細な品種が存在します。ヨーロッパでは、いちじくを皮ごと食すのが一般的ですが、日本国内でも品種改良が進み、皮ごと食べられる「キング」や、福岡県が誇るブランド品種「とよみつひめ」などが誕生しています。十分に熟したいちじくは、皮も柔らかく、まるごと美味しく味わえます。
いちじくの栄養価
完熟したいちじく特有の赤褐色は、アントシアニンという色素によるものです。アントシアニンはポリフェノールの一種で、優れた抗酸化作用を持つことで知られています。また、いちじくを切った際に出てくる白い液体には、フィシンというタンパク質分解酵素が含まれています。このフィシンは、肉料理と一緒に調理することで、肉を柔らかくする効果が期待できます。ただし、フィシンは体質によってはかゆみを引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
いちじくが熟したサイン
いちじくの熟度は、その香りや見た目から判断することができます。甘く芳醇な香りが漂っているか、お尻の部分にひび割れが見られる、または少し割れている状態であれば、熟しているサインと言えるでしょう。
いちじくの皮の剥き方【基本】
いちじくの皮を手で剥く際の基本的な手順は、まずヘタを実が曲がっている方向とは逆に折り曲げ、ヘタをゆっくりと下方向に引っ張りながら皮を剥いていきます。果肉を傷つけないように、優しく丁寧に皮を剥くのがポイントです。剥き残しがないように、同様の手順で皮を剥いていきましょう。お尻の部分に残った皮が気になる場合は、包丁で薄くそぎ落とすと綺麗に仕上がります。このようにして剥いたいちじくは、そのまま食べるのはもちろん、くし形にカットして盛り付けても美味しくいただけます。
手で剥けない場合の対処法
まだ熟していない、皮が緑色で硬いいちじくは、手で剥こうとしてもなかなか上手くいかないことがあります。そのような時は無理せず、包丁を使いましょう。まず、包丁でいちじくの軸を切り落とし、縦方向に数等分にカットします。その後、軸の切り口から包丁を入れて皮を剥けば、綺麗に皮をむくことができます。
いちじくは皮ごと食べられる?
いちじくの表面には小さな毛が生えていますが、丁寧に水洗いすれば皮ごと食べられます。特に、皮が赤紫色に色づき、お尻の部分が少し割れているような完熟したいちじくは、皮も柔らかく、そのまま食べるのに最適です。皮ごと食べる際は、表面のざらつきが気になることがあるため、軽く塩もみ洗いをするのがおすすめです。

いちじくの保存方法:冷蔵保存
いちじくはデリケートな果物なので、冷蔵で保存する際は一つずつ丁寧にくるみ、冷蔵庫に入れ、2~3日を目安に食べきるようにしましょう。乾燥を防ぐために、ラップや保存用密閉袋を活用するのがおすすめです。
冷蔵保存のポイント
冷蔵庫に入れる前に、いちじくを傷つけないようにそっと包むことが大切です。そうすることで、いちじくの新鮮さを維持し、風味を長く保つことができます。
いちじくの保存方法:冷凍保存
すぐに食べきれない場合は、冷凍保存が便利です。生の時とは風味が少し変わりますが、コンポートのような柔らかい食感を楽しむことができます。冷凍保存は約1ヶ月可能です。
冷凍保存の手順
いちじくを冷凍保存する際は、しっかりと水分を拭き取り、一つずつラップで包んでから冷凍保存用の袋に入れると良いでしょう。こうすることで、いちじく同士がくっつくのを防ぎ、使いたい時に必要な量だけ取り出せます。
冷凍いちじくの解凍方法と楽しみ方
冷凍保存したいちじくは、常温での自然解凍、または冷蔵庫での時間をかけた解凍が適しています。解凍後は、フレッシュな状態とは異なる食感と風味を活かして、スムージーに加えたり、自家製ジャムやコンポートにアレンジするのがおすすめです。
いちじくを美味しく味わうおすすめレシピ
十分に熟したいちじくは、皮ごと食べられるのが魅力です。
イチジクとチーズクリームのハーモニー
生のいちじくを贅沢に、皮ごと使用した手軽なレシピです。カットしたいちじくに、濃厚なクリームチーズを添えるだけで、特別なデザートに変わります。お好みでナッツやフレッシュハーブを添えれば、見た目も華やかに仕上がります。
いちじくと生ハムのブルスケッタ
手軽に作れておしゃれなブルスケッタは、お家で気軽にバル気分を楽しめる一品です。いちじくの優しい甘さと、生ハムの塩味が織りなす絶妙なハーモニーは、ワインとの相性も抜群です。
いちじくの赤ワイン煮
皮ごと赤ワインでじっくり煮込むコンポートは、いちじく特有の香りを最大限に引き出します。とろけるような食感と芳醇な香りが、ヨーグルトの爽やかさと絶妙に調和し、食後のデザートに最適です。
オーブントースターで簡単!いちじくとりんごの焼き菓子
手軽に作れる焼きいちじく&りんごは、ラム酒漬けレーズンとシナモンの香りが食欲をそそります。温かいうちにバニラアイスクリームを添えれば、至福のひとときを味わえます。
未熟ないちじくの活用法:美味しく変身させるレシピ
まだ熟しておらず、硬くて食べにくいと感じるいちじくは、加熱調理することで美味しくいただくことができます。例えば、焼いたいちじくにバターを添えると、香りが引き立ち、より美味しくなります。
焼きいちじくのバターのせの作り方
十分に熟していないいちじくは、オーブントースターやグリルなどで焼くことで甘みが増し、美味しく食べられます。焼き上がったいちじくにバターをのせれば、コクが加わり、風味豊かなデザートとして楽しむことができます。
美味しいいちじくの見分け方
美味しいいちじくを選ぶには、色合い、形状、そして実のやわらかさをチェックしましょう。全体的に濃い色で、ふっくらと丸みを帯び、軽く触れた時にわずかに弾力があるものがおすすめです。また、お尻の部分に少し亀裂が入っているものは、十分に熟しているサインです。
いちじくが美味しい時期
いちじくの旬は、種類によって多少異なりますが、おおむね夏から秋にかけて収穫できます。とりわけ、8月~10月頃が最も味が良いとされています。
いちじくの故郷
いちじくは、太陽の恵み豊かな地中海地方が発祥の地とされています。日本へは、江戸時代に遠い中国を経てやってきたと言い伝えられています。
いちじくの種類
いちじくには様々な品種が存在し、それぞれが独自の個性を持っています。その中でも特に親しまれているのは、桝井ドーフィン、蓬莱柿、バナーネなどが挙げられます。
桝井ドーフィン
日本で最も広く栽培されている品種であり、とろけるような果肉と濃厚な甘みが魅力です。
蓬莱柿
日本の風土で育まれた古来からの品種で、独特のもっちりとした食感が楽しめます。
バナーネ
フランス生まれのバナーネは、果肉が大きく、甘さと酸味の調和がとれているのが魅力的な品種です。
いちじくの効能
いちじくには、豊富な食物繊維に加え、カリウムやカルシウムなどのミネラルもたっぷり含まれています。これらの栄養素により、便秘の改善や高血圧の予防といった健康効果が期待できます。
ドライいちじくについて
皮ごと手軽にいちじくを味わいたいなら、ドライいちじくもおすすめです。皮が付いたまま乾燥させているので、栄養も風味も凝縮されており、美味しくいただけます。
結び
いちじくは、品種によっては皮ごと食べられるものもあり、その多様な食べ方が魅力的な果物です。適切な皮の剥き方や保存方法を身につけ、旬の時期ならではの美味しさを存分に堪能しましょう。今回ご紹介したレシピを参考に、いちじくを色々な料理やスイーツに取り入れて、その魅力を再発見してみてください。
質問1:いちじくを切ると出てくる白い液体の正体は?
回答:いちじくを切った時に見られる乳白色の液体は、フィシンと呼ばれる酵素です。これはタンパク質を分解する性質を持ち、お肉を柔らかくする効果も期待できますが、体質によってはかゆみを感じる原因となることもあります。
質問2:いちじくは皮を剥いて食べるのが基本ですか?
回答:必ずしもそうではありません。品種や熟度によっては、皮ごと美味しく食べられるいちじくも存在します。特に皮が薄くて柔らかい品種や、十分に熟したいちじくは、皮の風味も楽しめます。もし気になる場合は、塩で表面を軽くこするように洗うと良いでしょう。
質問3:いちじくの保存期間の目安は?
回答:冷蔵庫で保存する場合は2~3日程度、冷凍保存では約1ヶ月程度が目安となります。冷蔵保存する際は、乾燥しないように工夫し、冷凍保存する際は、使いやすいように小分けにして保存するのがおすすめです。