ル・レクチェ 切り方

ル・レクチェ 切り方

芳醇な香りととろけるような舌触りで、人々を魅了するルレクチェ。その美しい姿を最大限に引き出し、最高の状態で味わうには、切り方が重要です。せっかくの高級フルーツ、切り方次第で美味しさが変わってしまうのはもったいない!この記事では、プロのフルーツカッターが、ルレクチェの魅力を余すことなく堪能できる、簡単で美しい切り方をステップごとにご紹介します。特別な日のデザートや、大切な方への贈り物にも最適な、ワンランク上のルレクチェ体験を、ぜひお試しください。

ル・レクチェとは?基本情報と特徴

ル・レクチェは、舌の上でとろけるようななめらかな食感と、芳醇で気品のある香りが魅力の西洋梨です。そのルーツはフランスにあり、日本国内では新潟県が生産量の大部分を占めています。栽培地域が限られていることから、「幻の洋梨」や「西洋梨の貴婦人」といった異名を持ち、その希少性から「妖艶の果実」と表現されることもあります。果皮の表面に「さび」と呼ばれる斑点が少なく、酸味が穏やかで、濃厚な甘さが際立ち、鼻を近づけなくても豊かな香りが漂うのが特徴です。糖度は16度を超えることもあり、桃とラ・フランスを合わせたような上品な味わいと言えるでしょう。果肉は非常にみずみずしく、ナイフを入れると果汁が滴り落ちるほどです。形状はラ・フランスよりもやや細長く、重さは1個あたり300~450g程度ですが、中には600g近い大玉もあります。生産量が限られていることに加え、その美味しさから、特に大きなものは贈答品として重宝されています。

ル・レクチェとラ・フランスの違い

どちらも人気の高い西洋梨であるル・レクチェとラ・フランスですが、いくつかの点で違いが見られます。ル・レクチェは、ラ・フランスに比べてやや大きく、香りがより強く感じられる傾向があります。味わいについては、ラ・フランスが甘みと酸味のバランスがとれたさっぱりとした風味であるのに対し、ル・レクチェはより濃厚で、とろけるような甘さが際立っています。外観にも違いがあり、ラ・フランスは表面がゴツゴツとしていますが、ル・レクチェは比較的、果皮にサビが少なく、なめらかで美しい見た目をしています。

ル・レクチェの歴史と新潟県との繋がり

ル・レクチェが日本に導入されたのは明治36年頃のことです。当時の茨曽根村(現在の新潟市)の庄屋であった小池左右吉氏が、1903年(明治36年)にウラジオストクを訪れた際、ル・レクチェに出会い、翌年にフランスから苗木を取り寄せて栽培を始めたことが、日本での普及のきっかけとなりました。新潟県の気候や土壌がル・レクチェの栽培に適していたことも、普及を後押しする大きな要因となりました。特に、新潟市南区は信濃川と中ノ口川に囲まれた肥沃な土地であり、ル・レクチェは柔らかい土壌で根を張りやすく、冷涼な気候を好むため、この土地との相性が抜群でした。また、日照時間も冬は短いものの、春から秋にかけては比較的長く、晴れやすい気候であり、適度な降水量もル・レクチェの生育に適しています。土壌改良などの努力も重ねられ、ル・レクチェは新潟市南区を代表する特産品として広く知られるようになりました。現在では、新潟県のル・レクチェ生産量は全国シェアの約8割を占めています。

ル・レクチェの旬な時期

ル・レクチェの旬は非常に短く、11月下旬から12月中旬頃までの限られた期間のみです。主産地である新潟県では、12月に入るとル・レクチェの出荷がピークを迎え、市場には旬を迎えた新鮮なル・レクチェが豊富に出回ります。西洋梨の中でも特に旬が短いル・レクチェですが、お歳暮のシーズンと重なるため、贈答品としても大変人気があります。新潟県では、ル・レクチェの旬が近づくと、産地直送のオンラインショップを中心に、ギフト向けの商品が多数販売されるようになるため、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

美味しいル・レクチェの選び方

お店でル・レクチェを選ぶ際には、いくつかのポイントを意識しましょう。まず、全体の色合いをチェックし、鮮やかな黄色に染まっているものを選ぶのがおすすめです。収穫直後のものはまだ熟しておらず、黄緑色のことが多いです。次に、形をよく見て、ふっくらと丸みがあり、お尻の部分に傷やへこみがない、きれいなものを選びましょう。そして、実際に香りをかいでみてください。甘くて良い香りが強ければ、食べ頃でおいしいル・レクチェだと判断できます。軸の周りの皮にシワが見られたら、それは完熟しているサインです。ただし、果皮に黒っぽいシミがある場合は、熟しすぎている可能性があるので、避けた方が無難です。

ル・レクチェの追熟方法と食べ頃の見極め方

ル・レクチェは、収穫後に追熟させることで、甘みが増しておいしくなります。追熟させる際は、直射日光を避け、風通しの良い、涼しい場所(5~10℃が理想的)に置いてください。個別に包装されている場合は、袋に入れたまま追熟させましょう。追熟が進むにつれて、果皮の色が緑色から黄色へと変化し、特有の芳醇な香りが強くなってきます。また、軸の周辺をそっと触ってみて、少し柔らかくなってきたら食べ頃です。表面に黒い斑点が出てくることがありますが、これは完熟のサインなので、心配せずに食べられます。追熟には3~4日程度かかるので、こまめに状態をチェックし、食べ頃のサインを見逃さないようにしましょう。

ル・レクチェの保存方法

ル・レクチェは、完熟するとあまり日持ちしません。すぐに食べきれない場合は、以下の方法で保存しましょう。
  • まだ熟していない場合:直射日光を避け、風通しの良い涼しい場所で追熟させます。
  • 完熟している場合:冷蔵庫で保存し、できるだけ早く食べきりましょう。
  • カットした場合:カットして皮をむいた状態で、保存用の袋などに入れ、冷蔵庫で保存します。
たくさんあって、一度に追熟させたくない場合は、包装を開けずに冷蔵庫で保存するのがおすすめです。包装がない場合は、ビニール袋に入れておくと良いでしょう。

ル・レクチェの美味しい食べ方

ル・レクチェは、そのまま生で食べるのが一番おいしい食べ方です。冷蔵庫で少し冷やしてから食べると、より一層おいしく味わえます。食べる際は、冷蔵庫から出して1時間ほど常温に置いてからカットすると、ル・レクチェならではの芳醇な香りを存分に楽しめます。また、皮ごと食べられるのも魅力の一つです。皮には栄養が豊富に含まれているので、ぜひ試してみてください。

ル・レクチェの切り方

ル・レクチェのおすすめの切り方は、くし形切りです。手順は以下の通りです。
まず、ル・レクチェを縦半分にカットします。
次に、半分にしたものをさらに4等分、または8等分に切り分けます。
中心部分の種を取り除きましょう。
最後に、皮を剥けば完成です。
最も手軽なのは、りんごと同じようにくし形に切る方法です。ル・レクチェを半分に切った後、果実の大きさに応じて4〜8等分にカットします。その後、種の部分をV字型に切り取り、皮をむきます。半分に切った状態で、専用のくり抜き器やスプーンを使って種を取り除くことも可能です。タルトや焼き菓子などに使用する場合は、加熱調理が必要になるため、少し薄めにカットすると良いでしょう。

ル・レクチェを使ったアレンジレシピ

ル・レクチェは、そのまま味わうのはもちろん、様々なアレンジレシピで楽しむこともできます。
  • ル・レクチェジャム:長期保存したい場合は、ジャムにするのがおすすめです。シンプルな作り方で、ル・レクチェ特有の芳醇な香りと甘みを閉じ込め、長く楽しめます。
  • ル・レクチェのコンポート:お砂糖と水を鍋に入れ、一緒に煮込むだけの簡単な調理法なので、料理初心者の方でも気軽に作れます。コンポートは日持ちもするため、ヨーグルトやトーストに添えて、色々な味わい方を楽しんでみてください。
  • ル・レクチェタルト:タルト生地にカスタードクリームを塗り、薄くスライスしたル・レクチェを美しく並べれば、見た目も豪華なタルトが完成します。

ル・レクチェの栄養価と効能

ル・レクチェは、水分と食物繊維が豊富に含まれており、整腸作用が期待できます。さらに、疲労回復に効果があると言われるアスパラギン酸も含まれています。
  • 食物繊維:お腹の調子を整え、生活習慣病の予防に貢献すると言われています。
  • カリウム:水分バランスを保ち、高血圧の予防に貢献すると言われています。
  • ビタミンC:健康維持をサポートし、免疫力アップに貢献すると言われています。

ル・レクチェの価格相場

ル・レクチェは、その優れた味、香り、そして食感から、希少価値の高い洋梨として知られています。そのため、価格はやや高めで、ちょっとした高級品と言えるでしょう。一般的に、ラ・フランスと比較すると、1.5倍から2倍程度の価格で販売されていることが多いようです。スーパーマーケットなどで見かける小ぶりのものであれば、1個あたり300円前後、専門店やデパートなどでは500円から800円程度が相場となっています。贈答用として選ばれる場合は、3kg(7〜11個入り)あたり6000円から7000円程度が目安となるでしょう。

ル・レクチェ栽培の苦労

ル・レクチェは非常にデリケートな品種で、病害に弱く、実がなっても風によって容易に落果してしまいます。さらに、隔年結実性という性質を持つため、安定した収穫を得るには人の手による受粉作業が欠かせません。結実後も一つ一つ丁寧に袋掛けを行い、大切に育てられます。また、洋梨全般に言えることですが、ル・レクチェも樹上では完熟しません。収穫後に追熟という工程を経て熟成が進むのですが、ラ・フランスがおよそ2週間であるのに対し、ル・レクチェは約40~45日と非常に長い期間を要します。果実自体も傷つきやすいため、取り扱いには細心の注意が必要であり、広大な保管場所も必要となります。自然追熟に任せると出荷時期が不揃いになるため、収穫後は果実一つ一つを保護袋に入れ、呼吸を抑制するために2~5℃で冷蔵保存します。この予冷処理によって、常温に戻した際に追熟が一斉に始まり、より高品質なル・レクチェへと仕上がります。

ル・レクチェが手に入る場所

ル・レクチェは旬を迎える時期になると、スーパーマーケットや百貨店、高級フルーツ専門店などで目にすることができます。また、新潟県内の農産物直売所やインターネット通販でも購入が可能です。新潟県へお越しの際は、ぜひ本場のル・レクチェを味わってみてください。

まとめ

芳醇な香りととろけるような舌触りが特徴のル・レクチェは、まさに「幻の洋梨」と呼ぶにふさわしい逸品です。栽培の難しさから市場に出回る量が限られており、その希少性から贈答品としても大変喜ばれます。旬の時期にはぜひル・レクチェを味わい、その上品な甘さと芳香を心ゆくまでお楽しみください。

よくある質問

質問1:ル・レクチェが「幻の洋梨」と呼ばれる理由は?

ル・レクチェは、栽培の難易度が高く、生産量が限られているため、非常に希少価値が高く、「幻の洋梨」という名で親しまれています。

質問2:ル・レクチェ、最高の味わいを見つけるには?

おいしさを最大限に引き出すには、果皮の色をチェック。鮮やかな黄金色に変わり、お尻の部分をそっと押すと少し弾力を感じるくらいが食べ頃のサインです。さらに、芳醇で甘い香りが漂ってきたら、いよいよ味わう時です。

質問3:ル・レクチェ、おいしさを保つ保存方法は?

まだ固いと感じたら、常温でじっくり追熟させましょう。十分に熟したら、冷蔵庫に入れることで美味しさを長く保てます。
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