モロヘイヤを美味しく茹でる!簡単ステップと栄養を逃さないコツ

夏の食卓を彩るモロヘイヤ。独特のねばりと豊富な栄養が魅力ですが、「茹で方がイマイチわからない」「栄養をできるだけ逃したくない」という方もいるのではないでしょうか。この記事では、モロヘイヤを美味しく茹でるための簡単ステップと、栄養を最大限に活かすためのコツを徹底解説します。色鮮やかでシャキシャキ、そして栄養満点のモロヘイヤを食卓へ!ぜひ、この記事を参考に、モロヘイヤの美味しさを再発見してください。

モロヘイヤとは?その魅力と旬

モロヘイヤは、栄養満点で独特のねばりが特徴的な夏野菜です。原産地はアフリカ東北部から中東地域で、エジプトを経て日本に伝わりました。高温多湿な環境を好むため、日本では6月から9月にかけてが旬。令和4年産(2022年)の都道府県別モロヘイヤ収穫量は、1位:群馬県、2位:沖縄県、3位:岐阜県、4位:神奈川県となっています。シンプルに茹でて食べるのはもちろん、味噌汁やスープの具材としても美味しく、和食との相性も抜群です。調理時間も短く、約5分で手軽に調理できるため、忙しい日にも重宝します。ナムルにしても美味しくいただけます。

モロヘイヤの豊富な栄養素とその健康効果

モロヘイヤは、その栄養価の高さから「野菜の王様」とも呼ばれています。特に豊富なのがβ-カロテンで、100gあたり10000μgと、ほうれん草の2倍以上も含まれています。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康を保ち、免疫力を高める効果が期待できます。また、日本人に不足しがちなカルシウムも豊富で、茹でた状態でも100gあたり170mg含まれています。その他にも、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンKなど、様々なビタミン類や、銅などのミネラル、葉酸、パントテン酸、ビオチン、カリウム、食物繊維など、バランス良く栄養素が含まれています。旬の時期には、スープやスムージーなど、様々な調理法で積極的にモロヘイヤを食生活に取り入れ、効率的に栄養を摂取しましょう。

新鮮なモロヘイヤの選び方

新鮮で美味しいモロヘイヤを選ぶには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。

  • まず、葉の色は濃い緑色で、全体的にハリがあるものを選びましょう。葉先が茶色く変色していたり、しなびているものは鮮度が落ちている可能性があります。
  • また、茎の切り口、特に根元部分をよく見て、変色していないかを確認しましょう。鮮度が落ちたモロヘイヤは、見た目が悪いだけでなく、食感も悪くなってしまいます。

これらの点に注意して選ぶことで、より美味しく、栄養豊富なモロヘイヤを食卓に並べることができます。

モロヘイヤ調理前の最重要事項:毒性に関する注意点

モロヘイヤを調理する前に、安全性について確認しておくべき重要な点があります。モロヘイヤの種子や莢には毒性があることが知られていますが、食品安全委員会によると、市場に流通しているモロヘイヤは適切な時期に収穫されたものであり、葉や茎、根に毒性はないとされています。したがって、スーパーなどで一般的に販売されているモロヘイヤの葉や茎は、安心して食べることができます。ただし、家庭菜園でモロヘイヤを栽培する場合は、収穫時期に注意が必要です。未熟な種子や莢には毒性があるため、自家栽培のモロヘイヤを調理する際は、スーパーで購入したモロヘイヤのみを対象とした調理法に従ってください。

冷蔵保存のコツ

モロヘイヤを瑞々しい状態で冷蔵庫で保存するには、一手間加えることが大切です。軽く水で湿らせたペーパータオルで丁寧に包み、その上からポリエチレン製の袋に入れるか、きちんと密閉できる容器に入れて冷蔵庫の野菜室で保管するのがおすすめです。この方法で乾燥を抑え、モロヘイヤのみずみずしさをキープできます。ただし、冷蔵保存できる期間はせいぜい2~3日程度と考え、できるだけ早く食べきるようにしましょう。下茹でしたモロヘイヤを冷蔵保存する場合は、水気をしっかり絞った後、清潔な保存容器やラップフィルムで小分けにして冷蔵庫へ。この場合も、風味や食感を損なわないためには、2~3日を目安に食べきるのが理想です。

冷凍保存の手順と注意点

モロヘイヤをすぐに使い切れない場合は、長期保存に適した冷凍保存が便利です。冷凍する際は、モロヘイヤをさっと茹でてから、冷水に浸して手早く冷まし、水分をしっかりと絞ることが重要です。この下処理が、冷凍後の品質を左右します。その後、1回に使用する分量ごとにラップで包み、さらにジッパー付きの保存袋などに入れて冷凍庫で保存しましょう。調理する料理が決まっている場合は、刻んでから冷凍すると、解凍後すぐに使えて便利です。冷凍保存した場合、約1ヶ月程度は風味や栄養価を保つことが可能です。モロヘイヤは鮮度が落ちると葉が硬くなる傾向があるため、購入後はなるべく早く茹でて、新鮮なうちに調理または保存することをおすすめします。

モロヘイヤの下処理・下ごしらえの詳細

モロヘイヤをより美味しく、安心して食べるためには、丁寧な下処理が欠かせません。まず、モロヘイヤの茎から葉を一枚ずつ手で摘み取ります。先端部分の柔らかい葉は、まとめて摘み取っても問題ありません。茹でる際に茎と葉で最適な茹で時間が異なるため、下ごしらえの段階で分けておくことが大切です。また、モロヘイヤの茎は、根元に近い部分ほど硬く、筋が多い傾向があります。そのため、茎全体の約1/3程度を切り落とし、柔らかい穂先部分のみを使用すると良いでしょう。穂先の柔らかい茎は、用途に合わせて食べやすい大きさにカットしておくと便利です。例えば、和え物や味噌汁に使用する場合は、4~5cm程度の長さに切るのがおすすめです。さらに、茹でたモロヘイヤを細かく刻む際は、あらかじめまな板を水で濡らしておくと、モロヘイヤのぬめりが付きにくく、後片付けが楽になります。

鍋を使った茹で方:旨味と栄養を逃さない時間差加熱

モロヘイヤの栄養価と風味を最大限に活かすためには、鍋での茹で方にちょっとした工夫が必要です。

  1. まず、鍋にたっぷりの水を入れ、沸騰したら小さじ1杯程度の塩を加えます。塩を加えることで、モロヘイヤの色鮮やかさを保ち、風味を引き立てる効果があります。
  2. 茹でる際は、下処理で分けておいた茎と葉を時間差で加えるのがポイントです。最初に、やや硬い茎の部分を鍋に入れ、約40秒ほど茹でます。
  3. 茎が少し柔らかくなったら、葉を加えて箸で沈め、全体が均一に茹で上がるようにします。葉はデリケートなため、20~30秒程度で十分です。茹で過ぎると水溶性の栄養素が流れ出たり、独特の食感が損なわれたりするため、茹で時間を守ることが重要です。
  4. 茹で上がったらすぐに冷水にさらし、手早く冷まします。

こうすることで、モロヘイヤの美しい緑色を保ち、余熱による過加熱を防ぎます。冷めたら、しっかりと水気を切ってから調理に使用しましょう。

電子レンジで簡単調理

時間がない時や、少しだけモロヘイヤを使いたい時に便利なのが電子レンジ加熱です。

  1. 葉を茎から外し、耐熱容器に入れ、軽くラップをかけます。
  2. 500W~600Wの電子レンジで約1分加熱し、鮮やかな緑色になったらすぐに冷水にさらして冷ましましょう。

電子レンジは手軽ですが、加熱ムラが出やすいので、途中で混ぜて確認するのがおすすめです。冷めたら、しっかりと水気を絞ってから調理に使用してください。

ゆでモロヘイヤ、おすすめの食べ方

上手に茹で上がったモロヘイヤは、独特のぬめりと風味が食欲をそそります。様々な料理に活用できますが、調理前に水気をしっかり絞ることが大切です。水気が残っていると味がぼやけたり、料理の仕上がりに影響します。刻んで使う場合も、まずは水気を切ってから丁寧に刻みましょう。スープに入れる場合は、茹でた後に軽く叩いて刻むと良いでしょう。細かく刻むほどぬめりが出るので、お好みの粗さに調整してください。モロヘイヤは味がしっかりしているので、シンプルにかつお節と醤油をかけるだけでも美味しくいただけます。その他、納豆に混ぜたり、麺類のトッピング、冷奴に乗せたりするのもおすすめです。これらの食材と組み合わせることで、栄養バランスがアップし、より美味しくいただけます。

まとめ

モロヘイヤは、アフリカや中東が原産の夏野菜で、「野菜の王様」と呼ばれるほど栄養満点です。β-カロテンやカルシウム、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。独特のぬめりと風味は、和食、洋食問わず様々な料理に合い、おひたし、和え物、炒め物、スープ、電子レンジ調理など、多様な調理法で楽しめます。この記事を参考に、モロヘイヤを食卓に取り入れて、その栄養と美味しさを堪能してください。

モロヘイヤの種や莢は本当に食べられない?

スーパーなどで販売されているモロヘイヤの葉、茎、根は、適切な時期に収穫されたものなので、食品安全委員会によると毒性はないとされています。安心して食べられます。ただし、モロヘイヤの種子や莢には毒性があります。家庭菜園で栽培する場合は、収穫時期に注意し、種子や莢は絶対に食べないようにしてください。

モロヘイヤを茹でる時、茎と葉は一緒に茹でても大丈夫ですか?

モロヘイヤの茎と葉は、それぞれ組織の密度が違うため、一緒に茹でてしまうと、茹で加減にムラが出てしまうことがあります。どちらかが茹ですぎになったり、反対に硬さが残ったりする原因になります。美味しく茹で上げるには、まず茎の部分を先に、約40秒ほど茹でて、その後葉を加えて20~30秒茹でるのがおすすめです。

モロヘイヤ特有のヌメヌメした食感は、一体何が理由なのでしょうか?

モロヘイヤのあの独特なぬめりは、ペクチンやマンナン、ガラクタンといった種類の水溶性食物繊維によるものです。これらの成分は、腸内環境を整えたり、コレステロール値を下げる効果があると言われています。茹でることでぬめり成分はより一層増し、口当たりが良くなるだけでなく、消化吸収を助ける働きも期待できます。以前は植物にもムチンが含まれていると考えられていましたが、最近の研究で、ムチンは動物由来の成分であり、植物には含まれていないことが明らかになっています。

モロヘイヤに含まれる栄養は、茹でることで減ってしまいますか?

水に溶けやすい性質を持つビタミンCなどは、茹でることで多少失われる可能性があります。しかし、モロヘイヤに豊富に含まれているβ-カロテンやカルシウム、ビタミンKといった栄養素は、比較的熱に強いのが特徴です。また、茹でることで葉のかさが減り、生の状態よりもたくさんの量を食べやすくなるという利点もあります。栄養素の流出をできるだけ抑えるためには、この記事でご紹介しているように、茹で時間を短くし、茹でた後はすぐに冷水で冷やすことが大切です。

モロヘイヤ