離乳食のエビはいつから?開始時期、注意点まで解説

離乳食のバリエーションとして魅力的なエビですが、アレルギーのリスクから与える時期や方法に悩む保護者の方は少なくありません。この記事では、離乳食にエビを取り入れる適切な時期や注意点を詳しく解説します。

離乳食の「エビ」はいつから?開始時期と焦らないこと

離乳食でエビを与えるのは、離乳食後期(9~11ヶ月頃)からにしましょう。少量から始めるのが基本です。エビはアレルギーを起こしやすく、弾力があり噛みにくく、消化も悪いため、無理に離乳食に取り入れる必要はありません。離乳食完了後も、焦って与える必要はなく、3歳以降でも問題ありません。これには、以下の3つの理由があります。

アレルギー反応のリスク

エビは、特定原材料28品目に入っており、アレルギーを起こしやすい食品です。初めて与える際は、少量から始め、食後の様子を注意深く観察することが大切です。アレルギー反応は、すぐに現れるとは限らず、数時間後に発症することもあります。

消化器官への負担

エビは繊維質とタンパク質が多いため、消化しにくい食材です。消化器官が未発達な赤ちゃんにとって、エビは負担になることがあります。消化不良を起こすと、下痢や嘔吐などの症状が出ることがあります。離乳食で与える際は、細かく刻んだり、すりつぶしたりして、消化しやすいように調理しましょう。

塩分や調味料の制限

エビは、もともと塩分を比較的多く含んでいます。まだ腎臓の機能が十分に発達していない離乳食期の赤ちゃんにとって、塩分の摂りすぎは好ましくありません。厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」によると、生後6ヶ月から11ヶ月の赤ちゃんが一日に摂取する塩分の目標量は1.5g未満、1~2歳では男子3.0g未満、女子3.5g未満と定められています。エビそのものが持つ塩分に加えて、調理の際に調味料を使ってしまうと、簡単に一日の塩分摂取量の目安を超えてしまう可能性があります。特に、桜エビなどは塩分が非常に多いため、離乳食には適していません。そのため、離乳食にエビを取り入れる場合は、塩抜きを丁寧に行ったり、ほんの少しだけにするなど、塩分の摂取量には細心の注意を払うことが大切です。

離乳食でエビを与える際の具体的なポイントと注意点

エビは離乳食で積極的に与えるべきではないとされていますが、保育園などに預ける際に、園から「アレルギー対策や食育のために、ご家庭で少しずつ慣れさせてください」とお願いされるケースもまれにあります。そのような場合でも、過剰に心配することなく、離乳食の後期から少量ずつ試すことは可能です。ただし、以下の5つの重要なポイントと注意点をきちんと守り、お子さんの成長に合わせて慎重に進めていくことが大切です。

① 新鮮なものを選ぶ

離乳食にエビを使う際は、何よりも鮮度が大切です。新鮮なエビを選ぶことで、食中毒のリスクを減らし、より安全に与えることができます。鮮度の良いエビは、身にハリがあり、変色がなく、不快な臭いがしないのが特徴です。購入後はすぐに調理するか、適切な方法で保存するようにしましょう。

② 加熱はしっかりと

赤ちゃんに海老を与える際は、必ず中心部までしっかりと火を通してください。加熱が不十分だと、食中毒を引き起こす原因となるだけでなく、アレルギー物質が分解されずに残ってしまい、アレルギー反応のリスクを高める可能性があります。十分に加熱することで、アレルゲンを弱体化させ、消化しやすくする効果も期待できます。加熱後も、念のため生の部分がないか確認しましょう。

③ 食べやすい大きさに

海老は弾力があり、大人でも噛み応えがある食材です。しかし、赤ちゃんの噛む力や消化機能は発達段階なので、そのまま与えるのは大変危険です。誤嚥を防ぎ、消化への負担を減らすために、お子様の成長に合わせて細かく刻んだり、すり潰すなどの工夫をしましょう。離乳食の段階が進んだとしても、包丁で非常に細かく刻むか、フードプロセッサーなどでペースト状にして、喉に詰まらせないように注意が必要です。初めて海老を与える際は、特に細かくし、少量から試すようにしましょう。

④ 少量から試す

海老はアレルギーを引き起こしやすいことに加え、もともと塩分を含んでいます。そのため、最初に与える際は、他の食材と混ぜてごく少量から試すことをおすすめします。万が一、アレルギー反応が出た場合に、原因となる食材を特定しやすくするためです。また、塩分の摂取量にも配慮する必要があるため、一度にたくさんの量を与えないようにしましょう。特に塩分を多く含む桜えびは、離乳食には適していません。

⑤ 体調の変化に注意(アレルギーに注意)

海老を初めて与えた日、または量を増やした日は、お子様の様子をよく観察してください。アレルギー反応として、じんましんや湿疹、目の周りや唇の腫れ、咳、嘔吐、下痢などの症状が出ることがあります。重い場合には、アナフィラキシーショックを起こす可能性もあります。もし何か異常が見られた場合は、すぐに医療機関を受診し、海老を食べたことを医師に伝えてください。体調が優れないときや、初めて食べる食材が多い日には、海老を与えるのは避けた方が良いでしょう。

食べ慣れないときは保育園に相談を

もし離乳食でエビを扱うことに不安を感じたり、お子様がなかなかエビに慣れないようでしたら、決して無理強いせず、保育園の先生や栄養士の方に相談してみるのがおすすめです。保育園によっては、アレルギーに配慮した除去食を提供している場合もありますし、専門家からのアドバイスを受けることで、より適切な対策を見つけられるはずです。必要に応じて、アレルギー検査を検討することも有効です。

新鮮なエビを見分けるための3つのポイント

離乳食に使うエビは、特に鮮度が重要です。以下の3つのポイントを参考に、できるだけ状態の良いエビを選びましょう。

① 色とツヤをチェックする

新鮮なエビは、一般的に鮮やかな赤色やピンク色をしており、表面には自然なツヤが見られます。色がくすんでいたり、本来の色と異なっている場合は、鮮度が低下していると考えられます。また、黒ずみが見られるエビは避けた方が良いでしょう。透明感があり、皮がしっかりと張っているものがおすすめです。

② 触感を確かめる

実際に手で触れて、表面がなめらかでつるつるとしており、適度な弾力があるものが新鮮なエビの証拠です。身が柔らかすぎたり、押すと凹んでしまうような場合は、鮮度が落ちて水分が失われている可能性があります。全体的にふっくらとしていて、ハリのあるものを選びましょう。

③ 目で鮮度を見極める

エビの目は、鮮度を判断する上で大切な情報源です。新鮮なエビは、目が澄んでいて、生き生きとした黒色をしています。もし目が濁っていたり、白っぽく変色していたり、生気が感じられない場合は、鮮度が落ちている兆候と考えられます。お店でエビを選ぶ際には、できる限り目をチェックしてみることをおすすめします。

まとめ

エビは栄養豊富な食材ですが、離乳食の後期から与えることが一応可能とされています。しかし、アレルギー反応のリスクが高く、独特の弾力があり噛み切りにくく、消化にも負担がかかるため、離乳食に必須というわけではありません。したがって、焦って離乳食の時期に無理に取り入れる必要はありません。ただし、保育園などから食べるように勧められるケースもあります。そういった場合は、「新鮮なエビを選ぶ」、「中心部まで完全に加熱する」、「お子さんの成長段階に合わせて細かく刻むか、すりつぶす」、「ほんの少しの量からスタートする」、「食べた後の様子をよく観察する」という5つのポイントをきちんと守り、慎重に進めてください。少しでも不安を感じたら、保育士さんや栄養士さんなどの専門家へ相談し、適切なアドバイスをもらうことが重要です。ご両親とお子さんのペースを大切にし、無理なく、安全に離乳食を進めていきましょう。本記事で提供する情報は、一般的な知識の共有を目的としており、個別の医療的アドバイスに代わるものではありません。お子様の健康やアレルギーに関して不安な点がある場合は、必ずかかりつけの医師や小児アレルギー専門医にご相談ください。

離乳食にエビを取り入れるのは、いつ頃からが良いのでしょうか?

離乳食でエビを与える場合は、早くても離乳食後期(生後9ヶ月から11ヶ月頃)からが良いとされています。ただし、アレルギー反応が起こりやすく、消化にも優しくない食品なので、ごく少量から試し、お子さんの体調をしっかり見ながら慎重に進めることが大切です。無理に離乳食の時期に与えなくても、3歳以降に始めても問題ありません。

エビはアレルギーが出やすい食品ですか?

はい、エビは特定原材料28品目の中に含まれており、アレルギーを引き起こしやすい食品として知られています。甲殻類アレルギーは、アナフィラキシーショックといった重い症状を引き起こす可能性もあるため、初めて与える際は特に注意が必要です。ごく少量から試してみて、食べた後は、お子さんの様子を注意深く観察するようにしてください。

離乳食でエビを使う時の調理の注意点は?

エビを離乳食に取り入れる際は、いくつかの注意点があります。まず、鮮度が良いものを選び、確実に火を通して、食中毒やアレルギー反応のリスクを減らすことが大切です。次に、赤ちゃんの噛む力や消化機能に合わせて、細かく切るか、すりつぶすなど、食べやすい状態に調理してください。最初は少量から試し、味付けは極力せず、塩分の摂りすぎに注意しましょう。

離乳食の時期にエビを食べないと、アレルギーになる可能性は高まりますか?

離乳食の時期にエビを与えなかったことが、将来的なアレルギーの発症に直接影響するかどうかは一概には言えません。アレルギーの発症には様々な要因が複雑に関与しており、早期に摂取すれば必ずアレルギーを予防できるというわけではありません。むしろ、アレルギーのリスクが高い食品は無理に与える必要はなく、お子様の成長や体調を第一に考えることが重要です。

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