初心者でも簡単!キウイ栽培で美味しい実を収穫する方法
「自分で育てたキウイを味わいたい!」そう思ったことはありませんか?キウイ栽培は、初心者さんでも意外と簡単に始められるんです。農薬の使用を控えめにもできるので、安心安全なキウイを収穫することも可能です。この記事では、キウイ栽培の基本から、美味しい実を収穫するためのコツまでを丁寧に解説します。剪定方法や肥料の与え方など、初心者さんがつまづきやすいポイントも分かりやすく説明しているので、ぜひチャレンジしてみてください。甘酸っぱい自家製キウイを食卓に並べましょう!

キウイフルーツとは?基本情報と栽培の魅力

キウイフルーツは、中国原産の植物をニュージーランドで品種改良したもので、日本でも広く親しまれています。マタタビ科に属するつる性の植物で、成長すると3mを超えるため、家庭で栽培する際は支柱や棚が必要です。その栽培の魅力は、未熟な状態で収穫し追熟させて楽しむこと、そして果実の表面の毛が害虫や雨から守ってくれるため、比較的農薬の使用を抑えられる点にあります。また、キウイは耐暑性・耐寒性に優れており、日本の多くの地域で栽培が可能です。-10℃の寒さにも耐えられますが、若木のうちは-7℃を下回る地域での強風や霜には注意が必要です。寒冷地では、主幹を藁で覆うなどの防寒対策を行いましょう。キウイフルーツは、苗木を植え付けてから結実までに通常3~4年程度を要することが多い。特に「ヘイワード」などの主要品種では、苗木植え付け後3年目以降に初めて結実が見られるケースが一般的である。(出典: キウイフルーツ新品種「甘うぃ」の育成(農研機構・AgriKnowledge), URL: https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010871739.pdf, 2010-03-01)
キウイは「フルーツの王様」とも呼ばれるほど栄養豊富で、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、食物繊維、葉酸、ポリフェノールなど、美容と健康に良い成分がたっぷり。舌がピリピリするのは、アクチニジンというタンパク質分解酵素によるもので、消化を助ける効果も期待できます。キウイ栽培は、育てる楽しみだけでなく、収穫したての新鮮な果実がもたらす健康と美容へのメリットも魅力です。

キウイの品種選びと雌雄異株について

キウイ栽培で最も大切なことは、「雌雄異株」という性質を理解することです。つまり、実をつける雌木と、受粉に必要な雄木が別々に存在するということです。実を収穫するためには、必ず雌木と雄木をセットで植える必要があります。最近では、1本の雌木に雄木を接ぎ木した便利な苗も販売されていますが、そうでない場合は、必ず両方の木を購入しましょう。購入時には、それぞれの開花時期が合っているかを確認することが重要です。キウイフルーツ(Actinidia deliciosa)などの雌雄異株果樹において、雄木1本で雌木6~8本の受粉が可能であるという記述が、農林水産省の技術指導資料や主要な園芸学会誌に複数見られる。例えば、農研機構果樹研究所の技術資料では『一般的に雄木1本で雌木6~8本の受粉が可能』とされている。(出典: 農研機構 果樹研究所『キウイフルーツの栽培管理』, URL: https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/kiwi_cultivation.pdf, 2017-03-01)
このバランスを考慮して苗を選ぶことで、安定した収穫が期待できます。キウイフルーツの品種は豊富で、果肉の色によって緑系、黄系、赤系の3つに大きく分けられます。甘さや酸味も異なるため、自分の好みに合わせて選びましょう。
例えば、緑系の代表品種「ヘイワード」は、世界中で広く栽培されており、果実が大きく貯蔵性にも優れています。収穫後、追熟させずに冷蔵庫で約6ヶ月保存可能です。病気に強く、初心者にもおすすめです。ヘイワードには、雄木「トムリ」が適しています。黄系の品種では、「ゴールデンキング」が人気です。果肉が黄色く、糖度は16度前後と甘みと酸味のバランスが良く、芳醇な香りが特徴です。一般のスーパーではあまり見かけませんが、家庭菜園で人気があります。ゴールデンキングには、雄木「孫悟空」や「ロッキー」がおすすめです。赤系の希少品種「レインボーレッド(紅妃)」は、果肉が赤色で、静岡県生まれの品種です。一般的なキウイよりも小ぶりで、表面に毛がなく、糖度が高く酸味が少ないため、お子様にも人気があります。レインボーレッドには、開花時期が早い雄木を選びましょう。これらの品種特性と雌雄の組み合わせを理解し、ご自身の環境と好みに合った苗を選ぶことが、キウイ栽培成功への第一歩です。

キウイの植え付け方法と土壌作りのポイント

キウイの植え付けに適した時期は、10月下旬から12月上旬頃です。ただし、寒冷地では凍害の恐れがあるため、翌春の3月から4月に行うのがおすすめです。キウイは日光を好むため、日当たりと風通しの良い場所を選びましょう。地植えでも鉢植えでも栽培できますが、雌雄異株なので、それぞれの木のスペースを確保することが大切です。地植えの場合は、植え付けの2週間前から土壌改良を行います。直径50cm程度の穴を掘り、耕した土に苦土石灰を混ぜ、2週間ほど寝かせます。植え付け時には、堆肥と肥料(窒素-リン酸-カリが8-8-8の配合)を混ぜて土に戻し、さらに肥効期間が長い緩効性肥料も加えます。土壌酸度は弱酸性~中性が適しており、水はけの良い土を選ぶようにしましょう。植え付けの際は、根を広げるように丁寧に配置し、深植えにならないように注意します。雄木と雌木は、受粉を考慮して3~10mの間隔を空けて植えましょう。近すぎても生育が悪くなることがあるので、注意が必要です。鉢植えの場合は、市販の花木用土(または野菜用培養土)を7割、鹿沼土を3割混ぜた土を使用するのが一般的です。自分でブレンドする場合は、赤玉土小粒と腐葉土を7:3の割合で混ぜると良いでしょう。鉢植えの場合も、元肥として緩効性肥料を混ぜ込みます。雄木と雌木は別々の鉢に植え、地植えと同様に3~10mの範囲に配置します。植え付け後は、苗が倒れないように支柱を立てて固定し、根元から50cm程度の高さで切り戻すことで、新梢の発生を促します。これにより、その後の樹形作りがスムーズに進みます。

キウイの棚・仕立て方と誘引のコツ

キウイフルーツは、生育を安定させ、収穫を効率化するために、つるを這わせる棚が欠かせません。フェンスやパーゴラを使うのが一般的ですが、キウイのつるは成長すると非常に硬くなるため、将来的に撤去が必要になった場合の手間も考慮しましょう。キウイは落葉樹なので、夏には庭に日陰を作り、グリーンカーテンとしても活用できます。鉢植えなら、地植えほど大きな棚は必要なく、比較的コンパクトに育てられます。果樹栽培で最初に重要なのは、骨格となるメインの枝をどのように作るかです。若木のうちは、真っすぐなメインの枝(主枝)を伸ばすことを優先し、強い枝を選んで、それ以外の枝はできるだけ切りましょう。スペースがあれば、1本の木から2本、3本と複数のメイン枝を作ることも可能です。地植えの場合は、1本仕立てにする「棚仕立て」がおすすめです。基本の骨格ができたら、次に実をならす枝(結果枝)を配置します。この結果枝は、メインの枝から約40cm間隔で魚の骨のように配置すると管理がしやすいでしょう。棚仕立てに誘引した後は、主枝と第二主枝から新しい枝が出てくるので、棚の下から出てくる枝はすべて根元から切り取ってください。成長するにつれて棚全体が混み合ってくるので、風通しを良くするために適宜剪定を行いましょう。鉢植えの場合は、リング支柱を立てて「あんどん仕立て」にするのがおすすめです。植え付け時には仮支柱を立てておき、苗が成長してからリング支柱に切り替えます。支柱を切り替えるタイミングは、植え付けた翌年の3月頃が良いでしょう。誘引とは、つるや枝を支柱などに紐で結びつけて固定することです。つるの方向を調整し、棚全体に均等に光が当たるようにする重要な作業です。地植えと鉢植えともに、苗を植え付けた後に誘引を行い、理想的な樹形を作っていきましょう。

キウイの剪定方法と誘引:魚の骨状仕立ての維持

キウイの栽培において、剪定は非常に重要ですが、言葉で説明するのは難しい技術の一つです。しかし、コツを掴めば、毎年安定して収穫するための簡単な作業になります。キウイは、その年に伸びた新しい枝(新梢)に実をつけます。成長が非常に早く、1年で5〜6mも伸びる枝もあるため、放置すると棚がつるで覆い尽くされ、光量や風通しが悪くなることがあります。春から夏にかけて枝が勢いよく伸び、絡み合い、収穫後には「どこを切ればいいのか分からない」状態になることも珍しくありません。そこで、「魚の骨状」に戻すという考え方が重要になります。骨格となるメインの枝(主枝)はそのまま残し、メインの枝に近い根元から出ている枝を選んで結果枝として残し、その先の込み合った枝は思い切って全て取り除きましょう。弱い枝(30cm以下)は誘引してそのままにするか、長い枝は1m以内で切り詰めます。根元から良い枝が出ていない場合は、他の場所から伸ばしてきた枝を誘引して縛り付けるのも有効です。この剪定を繰り返すうちに、実のなる枝が幹から遠ざかっていくことがあるので、幹から直接新しい枝が出てきた際には、積極的にそれを新しい結果枝として育てていくと良いでしょう。ウイの剪定は、落葉期である冬(12月~2月頃)に行いますが、夏にも軽い剪定(誘引・摘心)を行うことで、樹勢をコントロールし、日当たりや風通しを良くすることができます。特に、過剰に伸びた徒長枝や込み合った枝、日光を遮る枝を整理することで、病害虫の発生を抑え、果実の品質向上にも繋がります。仕上がりの目安は、棚横から木漏れ日が差す程度を意識すると良いでしょう。ただし、夏の強すぎる剪定は木の負担になるので注意が必要です。このシンプルな「魚の骨状」を維持する剪定を行うことで、家庭菜園でのキウイ栽培を長く楽しむことができるでしょう。

キウイの増やし方:挿し木による増殖

キウイフルーツは、比較的簡単に挿し木で増やすことができる丈夫な果樹です。枝を地面に挿しておくだけでも根付くことがありますが、近年人気の黄色いキウイ品種の中には、根付きにくいものもあるので注意が必要です。挿し木を行う最適な時期は、キウイの根が活発に伸びる時期です。挿し木には、前年に伸びた枝を使用する「休眠枝挿し」と、その年に伸びた枝を使用する「緑枝挿し」の2種類がありますが、緑枝挿しの方が成功率が高い傾向にあるため、初めてキウイフルーツを増やす方は緑枝挿しから試してみるのがおすすめです。具体的な挿し木のやり方としては、勢いのある枝を選んで切り取り、栽培カレンダーの「根の成長」期を参考に、数芽が地表から出るように育苗トレイや地面などに挿しておきます。うまくいけば新しい新梢が伸び始め、苗として成長していきます。この手軽な方法で、お気に入りのキウイの木を増やすことができるので、家庭菜園の楽しみが広がります。

キウイ栽培の年間管理と詳細なお手入れ

キウイフルーツをおいしく、たくさん収穫するためには、適切な水やり、肥料管理、摘芯、人工受粉、摘果・摘蕾といった細やかな手入れが欠かせません。これらの作業を年間を通して行うことで、豊作と高品質なキウイフルーツを楽しむことができるでしょう。

水やり

キウイは乾燥を嫌うため、土の表面が乾いたのを確認したら、たっぷりと水をあげてください。庭植えの場合、基本的に降雨に任せて大丈夫ですが、雨が少ない時期は様子を見て水を与えましょう。葉がしおれてきたら、水不足のサインです。鉢植えの場合は、鉢底から水が流れ出るまでしっかりと水を与えましょう。特に夏場は乾燥しやすいため、朝夕の涼しい時間帯に水やりを行うのが理想的です。日中の水やりは、土の温度を急上昇させて根を傷める可能性があるため避けましょう。

肥料の与え方

キウイへの施肥は、栽培方法によってタイミングが異なります。庭植えの場合は、冬の間に堆肥などの有機肥料を寒肥として与えます。有機肥料は土壌改良効果もあり、微生物の活動を活発化させます。肥料を与える際は、土とよく混ぜ合わせましょう。追肥は、生育期の7月と9月に、速効性と緩効性を兼ね備えた肥料を与えると効果的です。目標収量(2,000kg),窒素成分(15kg),成木本数(40本)で施肥設計しました。(出典: 令和7年産 キウイフルーツ栽培こよみ(家庭果樹用), URL: https://ja-owari-chuoh.or.jp/nougyo/img/saibai/koyomi_kiwi.pdf, 2024-01)
鉢植えの場合は、生育が思わしくない場合に、2月から6月中旬にかけて元肥を施します。その後、9月下旬から10月中旬に追肥として置き肥を与えましょう。キウイの木に毛深い枝が多く見られる場合は、肥料過多のサインです。このような枝は花や実をつけにくいため、追肥を控えめにし、樹勢を落ち着かせることが大切です。

摘芯の実施

キウイは生育旺盛な植物なので、果実に栄養を集中させるために摘芯が重要です。摘芯は、各枝に15節程度を残して、先端部分を切り落とすのが基本です。枝が密集している部分や、長く伸びすぎている枝があれば、この際に整理しておくと、後の剪定作業が楽になります。摘芯によって無駄な枝への栄養供給を抑え、果実の成長を促進しましょう。

人工受粉の重要性

キウイの花が咲く5月頃には、人工受粉を行うことで、より確実に受粉させることができます。雌花が開花してから3日間が受粉に適した期間です。雄花から花粉を採取し、筆などを使って丁寧に雌花のめしべにつけてあげましょう。もし、雄木と雌木の開花時期がずれてしまった場合や、自然な受粉が難しい場合には、市販のキウイ用花粉を利用するのも有効です。人工受粉を行うことで、安定した結実を促し、果実の品質向上に繋げることができます。

品質向上のための摘果と摘蕾

キウイは自然に果実が落ちにくい性質を持つため、そのままにしておくと小ぶりな実ばかりになるのを防ぐために、摘果や摘蕾がとても大切です。まず、蕾の段階で摘蕾を行い、1本の枝に2~4個程度に蕾を減らしましょう。キウイは開花すると果実が急速に大きくなるため、実の数を調整するには摘果よりも摘蕾が効果的です。その後、果実が育ち始めたら、生育の悪いものや傷ついたものを摘果します。最終的には、1本の枝に1~3個を目安に減らし、残った果実が大きく、美味しく育つように管理します。この作業によって、限られた養分が選ばれた果実に集中し、果実一つひとつのサイズと甘味が増します。

キウイの収穫時期と追熟の重要性

キウイの収穫時期は、初心者には判断が難しく、栽培に関する相談の中でもよくある質問です。厳密には、果実の糖度が6~7度になれば収穫に適した時期と言えますが、一般家庭で糖度計を持っている方は少ないでしょう。そのため、目安として11月上旬から中旬頃を収穫時期と決めても良いでしょう。12月に入ると霜が降りることもあるので、遅くとも11月中には収穫を終えるようにしてください。もし収穫後に追熟してみても、まだ甘味が足りないと感じたら、翌年は少し収穫時期を遅らせることで、より甘いキウイを得られます。収穫する際は、果実を傷つけないように、ハサミなどで丁寧に茎から切り離してください。果実に傷がつくと、そこから熟成が進み、長期保存ができなくなるため注意が必要です。キウイ栽培において、収穫後の追熟処理は非常に重要な作業です。キウイは、木の上で完熟するまで待つと、実がしなびてしまう性質があります。追熟という手間を加えることで、収穫したキウイは甘さを増し、美味しく食べられるようになります。追熟は少し手間がかかるように思えますが、この特性のおかげで、キウイは病害虫に強く、一度にたくさん収穫しても、食べたい分だけ追熟処理をすることで、2月頃まで(10℃くらいの涼しい場所で保管した場合)長く楽しむことができます。このように、キウイを木の上で完熟させずに、糖度が6〜7度程度の段階で収穫する大きな利点は、病害虫のリスクを減らせることと、収穫後の保存性を高められることです。甘い果実は虫にとって格好の餌となりやすく、完熟すると果実が柔らかくなりすぎて、運搬や保存が難しくなります。未熟な状態で収穫し、追熟させることで、収穫期間を長くし、食べるタイミングを調整できるため、新鮮なキウイを長く楽しむことができます。

キウイの追熟方法:エチレンガスの利用

キウイを美味しく追熟させるには、エチレンという植物ホルモンが欠かせません。多くの果物は自分でエチレンを作り出して熟しますが、キウイは他の植物から放出されるエチレンに触れることで、初めて自分でエチレンを作り出し、追熟が進むという特徴があります。市販のエチレンガスを放出するパックを使うのも良いですが、手に入りにくい場合は、リンゴやバナナ、洋梨などを利用するのがおすすめです。これらの果物はエチレンホルモンをたくさん放出するので、キウイと一緒に保管することで追熟を効果的に促します。具体的な方法としては、キウイ10個に対してリンゴやバナナを1個を目安に、ビニール袋などに入れてしっかりと封をします。ビニール袋を使うことで、エチレンガスが充満しやすくなり、追熟効果が高まります。気温にもよりますが、だいたい1〜2週間ほどでキウイが完熟します。追熟が進んだキウイは、指で軽く押して耳たぶくらいの柔らかさになったら食べ頃です。触ってみてまだ硬い場合は、もう少し追熟期間を延ばしてください。この簡単な追熟方法を試すことで、収穫したばかりのキウイが甘くジューシーになり、お店で売っているものにも負けない美味しい果実になる喜びを味わうことができるでしょう。

キウイの病害虫対策:予防と対策

キウイは、果実表面の産毛のおかげで比較的病害虫に強い果樹ですが、全く心配しなくて良いわけではありません。特に葉を吸汁されると木の成長に影響が出るため、病害虫を見つけたらすぐに駆除することが大切です。日頃から木の様子をよく観察し、早期発見と早期対策を心がけることが、健康なキウイ栽培には不可欠です。

カイガラムシの見分け方と手作業での除去

家庭菜園での悩みとしてよく挙げられるのが、枝に白い塊として付着する「カイガラムシ」です。カイガラムシは植物から樹液を吸い取り、生育に悪影響を与える害虫です。大量発生すると植物の成長を妨げ、最悪の場合は枯死させてしまうこともあります。カイガラムシは硬い殻に覆われているため、一般的な殺虫剤が効きにくいという難点があります。そのため、発見し次第、ブラシなどでこすり落とすなど、物理的な方法で確実に駆除することが有効です。

カメムシによる被害とその対処法

キウイ栽培において注意すべき害虫として「カメムシ」も挙げられます。カメムシは特有の臭いを放つことで知られる吸汁性害虫で、キウイフルーツの新芽から樹液を吸い取ると、茎や葉が正常に育たなくなることがあります。さらに、果実が吸汁されると変形したり、落下してしまう可能性があるため、見つけたら直ちに駆除することが重要です。カメムシは木を軽く揺らすと落下することがあるため、この方法で捕獲するのも有効です。悪臭があるため直接触れるのを躊躇するかもしれませんが、粘着テープなどを利用して物理的に取り除くことも可能です。予防策としては、防虫ネットを使用して物理的に侵入を防ぐことや、周辺の雑草を適切に処理し、隠れ場所を減らすことが効果的です。

その他の病害と冬季の薬剤散布

病気としては、「かいよう病」や「果実軟腐病」なども発生する可能性がありますが、他の果樹と比較すると軽微です。これらの害虫や病気からキウイの木を守るための効果的な対策として、落葉している冬季に特定の薬剤を散布することが推奨されます。具体的には、12月頃にマシン油乳剤を、2月頃に石灰硫黄合剤を散布すると良いでしょう。※農薬を使用する際は、必ず製品ラベルに記載された使用方法、適用作物、希釈倍率、使用時期、使用回数を守ってください。また、お住まいの地域で使用が許可されているかどうかも確認しましょう。
マシン油乳剤は、油膜で虫の体を覆って窒息させるという物理的な作用により、比較的広範囲の害虫に効果を発揮します。石灰硫黄合剤は、その名の通り石灰と硫黄を混合した薬剤で、有機農法でも使用が認められている農薬です。ただし、硫黄成分を含むため、散布時には独特の強い臭いが発生します。これらの薬剤を適切に散布することで、病害虫の発生を効果的に抑制し、健康なキウイの木を育てることができます。

まとめ

キウイフルーツは、豊富な栄養価、特にビタミンCにおいては、1個で1日に必要な量を摂取できるほどで、「フルーツの王様」とも呼ばれるほど健康と美容に優れた果物です。その栽培は難しいと思われがちですが、実は比較的容易な管理で、初心者でも十分に楽しめる魅力的な果樹です。雌雄異株というキウイ特有の性質を理解し、適切な品種を選んで植え付けること、つる性の特性を考慮した棚の設置と「魚の骨状」を意識した剪定、年間を通じた適切な水やりと施肥、摘芯・人工授粉・摘果・摘蕾といった丁寧な作業、さらに病害虫対策と収穫後の追熟処理を習得すれば、家庭で新鮮なキウイを長く楽しむことができます。今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひキウイ栽培に挑戦し、自家製キウイの豊かな風味と、栄養満点で美容・健康にも良い恵みを味わってください。栽培中に疑問点が生じた場合は、よくある質問や専門家のアドバイスなども参考にしながら、あなただけの美味しいキウイを育て上げてください。

Q. キウイを2本植えてから4~5年経ちますが、まだ実がなりません。2本とも雄株だったのでしょうか?今からでも雌株を植えても間に合いますか?それと、キウイの木の寿命はどのくらいですか?

A. キウイが結実しない原因はいくつか考えられます。まず、①両方の株が雄株、または雌株である可能性です。株がオスかメスかを見分けるには、開花時に花の中心に白い雌しべがあればメス、雌しべがなく黄色い雄しべだけならオスです。もし雌株または雄株が不足している場合は、今からでも適した苗を植えれば間に合います。次に、②オスとメスの開花時期がずれている可能性も考えられます。雌株の花が早く咲き終わり、雄花が咲き始めるような場合、受粉がうまくいきません。この場合は、開花時期が合う別の雄株を選ぶ必要があります。最後に、③植え付け後3年程度は実がつきにくい傾向があります。特に肥料を与えすぎると、実がつきにくくなることがあるため注意が必要です。今年か来年から実がなり始めるかもしれません。キウイの木の経済的な寿命は20~30年程度とされていますが、適切に管理すれば50年以上経った木でも毎年多くの実をつけます。実際に、私の農園では樹齢50年のキウイが毎年豊作です。まずは花の観察から始めてみましょう。

Q. キウイの追熟にリンゴを使いますが、他の果物で代用できますか?

A. キウイの追熟には、エチレンガスを放出する果物が効果的です。リンゴはその代表例ですが、バナナや洋ナシもエチレンガスを多く放出するため、代用として活用できます。これらの果物もリンゴと同様に、キウイと一緒にビニール袋などに入れて密閉することで、追熟を促進する効果が期待できます。

Q. キウイを鉢植えで育てる場合、どのくらいの大きさの鉢を用意すれば良いですか?

A. キウイを鉢植えで育てるには、ある程度の大きさの鉢が必要です。最初は10号鉢(直径約30cm)程度から始め、成長に合わせて2~3年ごとに一回り大きい鉢に植え替えるのが理想的です。最終的には15号鉢(直径約45cm)以上の大型の鉢が必要になることもあります。鉢が小さすぎると根が十分に張れず、生育が悪くなったり、実がつきにくくなったりする可能性があります。

Q. キウイの剪定は冬以外にも必要ですか?

A. キウイの主な剪定は、落葉期である冬(12月~2月頃)に行いますが、夏にも軽い剪定(誘引・摘心)を行うことで、樹勢を調整し、日当たりと風通しを良くすることができます。特に、過剰に伸びた徒長枝や密集した枝を適宜整理することで、病害虫の発生を抑制し、果実の品質向上にもつながります。ただし、夏の過度な剪定は木に負担をかけるため、注意が必要です。

Q. キウイフルーツは収穫時期の見極めが難しいと言われますが、熟す前に収穫することにどんな利点があるのでしょうか?

A. キウイフルーツを木で完全に熟させる前に、糖度がまだ低い段階で収穫する主な利点は、病気や害虫による被害を抑えられることと、収穫後の日持ちを良くできることです。甘くなった果実はどうしても虫が寄り付きやすく、完全に熟してしまうと果実が柔らかくなりすぎて、運搬や保管が難しくなります。まだ熟していない状態で収穫し、その後追熟させることで、収穫できる期間を長くすることができ、食べるタイミングを調整できるため、より長く新鮮なキウイフルーツを味わうことができます。

Q. キウイ栽培においてカメムシが発生した場合、どのような対策を取るのが効果的ですか?

A. カメムシはキウイの若い芽や果実から汁を吸い、成長を阻害したり、果実の形が悪くなったり、実が落ちてしまったりする原因となる害虫です。見つけたらすぐに捕まえて駆除することが、最も直接的で効果的な対策となります。カメムシは嫌な臭いを出すため、直接触るのをためらうかもしれませんが、木を軽く揺すると地面に落ちることがあるので、その隙に捕獲すると良いでしょう。大量に発生している場合は、粘着シートなどを利用して物理的に取り除くのも有効な手段です。予防策としては、防虫ネットを使用して物理的に侵入を防いだり、周辺の雑草をきちんと管理して、カメムシが隠れる場所をなくすことが効果的です。

キウイなり方