ひじきカルシウム

「海の野菜」とも呼ばれるひじきは、古くから日本人の食卓に並ぶ馴染み深い食材です。地味な見た目からは想像もできないほど、栄養価が豊富に含まれていることをご存知でしょうか?特に「カルシウム」が多いイメージがありますが、実際のところはどうなのでしょうか?この記事では、ひじきに含まれるカルシウムをはじめとする豊富な栄養素と、その驚くべき効果について詳しく解説します。今日からひじきを食生活に取り入れて、健康的な毎日を送りましょう!

便通改善など、おなかの調子を整える「食物繊維」

海藻は食物繊維の宝庫であり、ひじきもその一つです。食物繊維は腸内環境を改善し、便秘解消に効果的であることは広く知られています。その他にも、血糖値の急激な上昇を抑制したり、コレステロール値を下げる効果も期待できます。その重要性から「第6の栄養素」とも呼ばれる食物繊維ですが、現代日本人の摂取量は不足しがちです。意識して摂取することが大切です。

貧血予防に不可欠な「鉄分」

鉄は、赤血球中のヘモグロビンと結合し、体内の隅々に酸素を運びます。鉄が不足すると、酸素が十分に行き渡らず、立ちくらみ、貧血、疲労感、食欲減退といった不調につながることがあります。体は鉄を再利用し、「貯蔵鉄」として蓄えられた鉄で不足分を補いますが、これが底をつくと貧血の症状が現れ、鉄欠乏性貧血を引き起こす恐れがあります。十分な鉄分摂取は、体全体への酸素供給を促し、思考力や記憶力の向上、健康的な髪、肌、爪の維持に貢献すると考えられています。

むくみの解消や高血圧予防に効果的な「カリウム」

カリウムは、体内のナトリウムと水分バランスを調整し、むくみ対策や血圧の安定に貢献すると言われています。通常、カリウムは体内で適切に調整され、過剰分は自然に排出されるため、過剰摂取のリスクは低いと考えられています。特に、塩分の摂取量が多い方や、塩分制限をされている方は、意識してカリウムを摂取することが推奨されます。

血圧や体温の調整に役立つ「マグネシウム」

マグネシウムは、健康維持に不可欠なミネラルであり、リンやカルシウムと連携して丈夫な骨の形成をサポートし、筋肉のスムーズな動きを助けます。さらに、エネルギー代謝を促進して血圧の安定化や体温調節にも関与します。精神的な安定にも影響を与え、神経の興奮を鎮める効果も期待されています。

骨密度の維持に役立つ「ビタミンK」

ビタミンKは、脂に溶ける性質を持つ栄養素で、丈夫な骨を作る上で欠かせません。カルシウムが骨に適切に蓄積されるのを助け、骨からカルシウムが溶け出すのを防ぐ役割を果たします。骨密度の維持に貢献するため、骨粗鬆症の予防効果も期待されています。また、血液凝固を促進する作用があり、出血を抑制することから、「止血ビタミン」とも呼ばれています。

新陳代謝をサポートする「ヨウ素」

ヨウ素は、人が健康的な生活を送る上で重要な役割を果たす栄養素の一つです。特に、代謝を活発にし、身体機能を維持する甲状腺ホルモンの生成に不可欠です。さらに、生まれてくる赤ちゃんの健全な骨格形成や脳の発達にも深く関わっています。また、ヨウ素には強力な殺菌効果があり、その特性を活かした消毒剤やうがい薬などが一般的に販売されています。

骨や歯を丈夫にする「カルシウム」

カルシウムは、骨や歯の形成に欠かせないだけでなく、筋肉の働きや神経の安定にも関わる重要な栄養素です。理想的なカルシウム摂取量は、厚生労働省の推奨によれば、成人で1日650〜800mg、成長期のお子様では700〜1,000mgとされています。実は、ひじきには100gあたり約1,000mgものカルシウムが含まれており(※)、これは牛乳よりも豊富な含有量です。日々の食生活にひじきを上手に取り入れて、カルシウム不足を補ってみませんか。※ステンレス製の釜で加工された乾燥ひじきの数値です。

カルシウムの効率的な摂取のポイント

バランスの取れた食事を1日3回摂ることが大切です。厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、1日に必要なカルシウム摂取量は年齢や性別によって異なります。以下にその推奨量を示します。

【カルシウム推奨量】

年齢 男性(mg/日) 女性(mg/日)

1〜2歳 450 400

3〜5歳 600 550

6〜7歳 600 550

8〜9歳 650 750

10〜11歳 700 750

12〜14歳 1,000 800

15〜17歳 800 650

18〜29歳 800 650

30〜49歳 750 650

50〜64歳 750 650

65〜74歳 750 650

75歳以上 700 600

カルシウムは一度に大量に摂取しても、体が吸収できる量には限界があります。したがって、毎回の食事でバランス良く摂取することを心がけることが重要です。また、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも欠かせません。食品によってカルシウムの吸収率は異なり、野菜は約19%、小魚は約33%、牛乳は約40%の吸収率があると言われています。ビタミンDは、腸でのカルシウムの吸収を助け、全身に運ぶ役割を果たします。そのため、効率的なカルシウム摂取にはビタミンDとの組み合わせが不可欠です。さらに、ビタミンKもカルシウムを骨に定着させる上で重要です。ビタミンKは腸内細菌によって生成されるほか、食品からも摂取可能です。骨粗しょう症の治療にも使用されるビタミンKですが、通常は不足することは少ないものの、抗生物質を長期間服用している場合や、加齢によって膵液や胆汁の分泌が低下している場合は注意が必要です。成人のビタミンKの1日の摂取目安量は150㎍ですが、上限量は特に設定されていません。ただし、血栓を防ぐ薬を服用している場合は、ビタミンKを多く含む食品の摂取に注意が必要です。一方、リンの過剰摂取はカルシウムの吸収を妨げる可能性があります。リンは多くの食品に含まれ、特に食品添加物として使用されることが多いため、摂取量が増えがちです。

まとめ

丈夫な体を作るために、カルシウムは非常に重要な栄養成分です。発育期のお子様や、ホルモンバランスが変化しやすい40代からの女性は、特に意識してカルシウムを摂るようにしましょう。カルシウムを効果的に利用するには、ビタミンDによる吸収促進や、ビタミンKによる骨への定着を促すことが大切です。今回お伝えした情報を参考に、日々の食生活で賢くカルシウムを摂取し、健やかな毎日を送りましょう。

ひじきカルシウム