先で育てた金柑を味わう喜びは格別です。鮮やかな黄色い実がなる姿は美しく、庭のアクセントにもなります。この記事では、金柑の収穫時期や実がなるまでの年数、庭植え栽培のポイントを徹底解説。初心者でも安心して育てられるよう、品種選びから日々の管理、剪定方法まで詳しくご紹介します。甘くて美味しい金柑を自宅で収穫するための知識を身につけ、豊かな実りを楽しみましょう。
金柑の基本情報と栽培の魅力
金柑は、ミカン科キンカン属に属する常緑性の低木です。「金柑」という名前は、まるで金の冠のように美しい果実の様子から名付けられたとも言われています。冬から春にかけて鮮やかな黄色の実をつける金柑は、その可愛らしい姿から観賞用としても人気があります。果実はビタミンCやカルシウムが豊富で、甘酸っぱい風味と爽やかな香りが特徴。皮ごと食べられる手軽さも魅力の一つです。生食はもちろん、甘露煮やジャム、蜂蜜漬けなど様々な加工品として楽しまれ、食卓を豊かに彩ります。また、その薬効から健康をサポートする役割も担ってきました。比較的育てやすい果樹であるため、ガーデニング初心者でも気軽に挑戦でき、自家栽培ならではの採れたての美味しさを堪能できます。
金柑には様々な品種があり、それぞれ個性的な特徴を持っています。最も一般的なのは「ネイハ金柑」で、バランスの取れた味わいが特徴です。温室の中で、開花から210⽇以上、樹上で完熟させた果実のうち、直径が2.8㎝以上、糖度が16度以上等の厳しい基準をクリアしたものを完熟きんかん“たまたま”として、さらに直径3.2cm以上、糖度18度以上で傷がほぼない綺麗な果実を”たまたまエクセレント”として販売しています。「ぷちまる」は種がないため食べやすく、11月頃から翌年4月頃まで長く収穫できるのが魅力です。観賞用として人気の「マメ金柑」は、実が小さく、樹高も低く抑えられます。「大実キンカン」は、温暖な地域で栽培すると大きく育ちやすい傾向があります。酸味が好きな方には「長実キンカン」がおすすめですが、実のつき方に変動がある場合もあります。「丸実キンカン」は、丸い形が可愛らしい品種です。金柑は比較的コンパクトな果樹なので、庭がないマンションのベランダなどでも、5号鉢以上の鉢植えで育てることが可能です。キンカン類とユズ類は栽培方法が似ており、植え付け、剪定、受粉、摘果などの作業は、他の柑橘類とほぼ同じように行うことができます。そのため、柑橘類の栽培経験がある方にとっては、比較的簡単に育てられるでしょう。
金柑の育て方のポイント
金柑を元気に育て、美味しい実をたくさん収穫するための重要なポイントは、「日当たり」と「剪定」です。金柑は太陽の光を好むため、日当たりの良い場所で育てることが、甘くて美味しい実を実らせる秘訣です。また、剪定は、樹全体の健康を保ち、実の品質を高めるために欠かせない作業です。枝葉が密集すると、日光が十分に当たらず、風通しも悪くなり、病害虫が発生しやすくなります。不要な枝や混み合った葉を剪定することで、樹の内側までしっかりと光と風が届くようにし、大きく甘い実を育て、病害虫のリスクを減らすことができます。この2つのポイントをしっかり守ることで、金柑栽培は成功に近づくでしょう。
金柑に適した栽培環境と日当たり
金柑の生育にとって、日当たりと温暖な気候は非常に重要です。金柑の栽培に適した平均気温は、およそ16℃前後と言われています。特に、日当たりの良い場所を好むため、十分に日光が当たる場所を選んで栽培しましょう。日光をたくさん浴びることで、金柑の実は甘く大きく育ちやすくなります。ある程度の耐寒性を持つ金柑ですが、品種や生育状況によって耐寒性は異なります。氷点下の気温が続くような厳しい寒さの地域では、枝が枯れてしまうこともあるため、注意が必要です。寒冷地での栽培を検討している場合は、鉢植え栽培にして、冬の間は屋内に移動させるなどの寒さ対策を行うことが大切です。地植えの場合も、北風が直接当たる場所や霜が降りやすい場所は避け、建物の南側など、日当たりが良く風よけになる場所に植えるのが理想的です。
金柑の用土の選び方と準備
金柑は水はけの良い土壌を好むため、土選びはとても大切です。庭植えにする場合、庭の土の水はけが悪いと感じたら、植え付け前に土壌改良を行いましょう。腐葉土などを混ぜ込むことで、土の通気性と水はけを改善することができます。また、庭植えの場合は、冬の休眠期である12月から1月頃に、有機質肥料を元肥として与えておくことで、春からの成長を促し、実をたくさんつけるための栄養を蓄えることができます。鉢植えで育てる場合は、市販の果樹用培養土を使うのがおすすめです。自分で土を配合する場合は、赤玉土8割、腐葉土2割の割合で混ぜ合わせると良いでしょう。より専門的な配合としては、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:鹿沼土2の割合で混ぜたものや、赤玉土5:腐葉土5の割合で混ぜたものに、有機質肥料を加えても良いでしょう。鉢植えの場合は、鉢底に鉢底石を敷くことで、さらに水はけを良くすることができます。根腐れを防ぎ、金柑が健康に育つための土壌環境を整えましょう。
金柑の苗木の選び方
金柑栽培の第一歩は、良質な苗木を選ぶことから始まります。実り豊かな収穫を目指すなら、「接ぎ木苗」を選ぶのが賢明です。種から育てることも可能ですが、結実までに7~8年と長い年月を要する上、親株の特性が必ずしも受け継がれるとは限らず、期待どおりの品質の果実が得られないこともあります。
金柑には様々な品種が存在します。購入前には、それぞれの品種の特性(実のつき方、味、耐寒性など)をしっかり確認しましょう。甘みが強いもの、種なしで食べやすいもの、特定の気候に適したものなど、ご自身の栽培環境や好みに合わせて最適な苗木を選ぶことで、栽培の成功率を高めることができます。
金柑の植え付け方法
金柑の植え付けに適した時期は、春ならば3月下旬から5月上旬です。この時期は気温が安定し、植物の生育が活発になるため、根付きやすくなります。ただし、気温が上がりすぎる前に植え付けを行うのがポイントです。温暖な地域であれば、秋の10月頃にも植え付けは可能ですが、一般的には春植えが推奨されています。金柑はある程度の耐寒性を持っていますが、氷点下が続くような寒冷地では枯れてしまう恐れがあります。寒冷地で栽培する場合は、鉢植えにして、冬場は屋内に移動させるなどの寒さ対策を行いましょう。
植え付けの手順は以下の通りです。地植えの場合は、直径40~50cm程度の穴を掘ります。掘った穴に、水はけの良い用土を入れます。苗木の根鉢を軽くほぐし、移植ゴテなどで根鉢の側面に数本の切り込みを入れます。苗木を植え穴に入れ、接ぎ木部分が地上に出るように、やや浅めに植え付けるのがポイントです。土を被せ、株元に円を描くように溝を作ります。溝にたっぷりと水を注ぎ込み、土と根を密着させます。水が引いたら土を均し、株元に土寄せをして安定させ、支柱を立てて苗木を固定すれば完了です。鉢植えの場合も同様に、鉢底石を敷いた後、適切な用土で苗木を植え付け、たっぷりと水を与え、必要に応じて支柱を立てて安定させましょう。接ぎ木苗を使用すれば、結実までの期間を短縮し、2~3年での収穫が期待できます。
金柑の水やり
金柑の水やりは、地植えと鉢植えで方法が異なります。地植えの場合、根が十分に張れば、自然の雨水で必要な水分を吸収できるため、基本的に水やりの必要はありません。ただし、雨が降らない日が続き、土壌が乾燥している場合は、適度に水を与え、乾燥を防ぎましょう。特に夏場の乾燥には注意が必要です。
一方、鉢植えの金柑は、土の量が限られているため、乾燥しやすくなります。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えましょう。金柑は乾燥に弱いので、特に高温で乾燥しやすい夏場は、毎日水やりを行うのがおすすめです。土の乾き具合をこまめに確認し、適切な水分管理を心がけることで、金柑は元気に育ち、豊かな実りをもたらしてくれるでしょう。
金柑の肥料の与え方
金柑は、そのサイズからは想像できないほど多くの実をつけるため、豊富な栄養を必要とします。健全な成長、豊かな収穫、そして美味しい果実のためには、適切な時期に肥料を与えることが大切です。もし金柑の味が今ひとつと感じたら、品種だけでなく、肥料不足も疑ってみましょう。
肥料は、有機肥料がおすすめです。金柑の生育サイクルに合わせて、以下の時期に施肥を行いましょう。地植えの場合、果実が大きく成長する10月~11月には、追肥として液体肥料を与えます。これは、実の肥大を促し、品質を高めるための栄養補給です。そして、冬の休眠期に入る前の2月頃には、寒肥として緩効性肥料を株元に施肥することで、春からの新芽の成長を促し、年間を通しての健康維持に役立ちます。地植えの場合は、2月頃と10月頃に有機肥料を与えるのも良いでしょう。
液体肥料は、実の栄養補給を目的とします。肥料を与えるタイミングをまとめると、春の新芽が動き出す前の2~3月に『芽出し肥』、実の成長を促す5月と10月頃に『追肥』を行うのがおすすめです。これらの施肥スケジュールを参考に、金柑の状態を観察しながら適切な肥料管理を行うことで、毎年美味しく、たくさんの金柑を収穫できるはずです。
金柑の剪定と整枝
金柑は比較的育てやすい果樹ですが、葉が密集すると果実の甘味が損なわれるだけでなく、風通しが悪化し、病害虫が発生しやすくなります。そのため、美味しい果実を収穫し、樹を健康に維持するためには、適切な剪定と整枝が不可欠です。剪定に最適な時期は、春先の3月から5月頃ですが、特に収穫後に行うのがおすすめです。
剪定で重要なことは、樹全体にまんべんなく日光が当たるようにすることです。具体的には、枝が密集している部分や、細くて混み合っている枝、不要な徒長枝(勢いよく伸びる枝)などを積極的に間引くことで、樹の内側まで光が届きやすくなり、風通しも改善されます。これにより、果実の品質向上や病害虫の予防につながります。作業性を考慮し、家庭で楽しむ場合は樹高を2m程度に抑えるのがおすすめです。もし樹高が3m程度であれば、翌春に2m程度に切り戻すことで、その後の管理が容易になり、収穫量も確保できます。金柑は強剪定を必要としませんが、不要な枝を適切に取り除くことで、毎年安定した収穫と樹の健康を維持できます。
金柑の開花時期と受粉
金柑は「四季咲き」の性質を持つ珍しい果樹で、年に数回開花します。主な開花時期は、5月、8月、10月頃の年3回程度です。この時期になると、小さくて可愛らしい白い花を咲かせます。これらの花はミツバチなどの昆虫によって自然に受粉し、自家結実性があるため、人工的な受粉作業は基本的に不要です。多くの花が咲いても全てが結実するわけではなく、受粉せずに自然に落花する花も多いため、心配ありません。ただし、受粉を確実にするために、ミツバチなどの訪花昆虫を誘引する工夫として、周辺に蜜源となる植物を植えることは有効です。花が咲き始めてから約10日ほどで枯れてしまうのは自然な現象であり、その後、受粉が成功していれば果実の形成が始まります。花が咲いてから約5ヶ月ほどで収穫できる状態になりますが、特に夏に咲いた花からなる果実が最も品質が良いとされています。
金柑の摘果の実施
金柑は比較的たくさん実がなりやすい果樹ですが、実が多すぎると、一つ一つの実に十分な栄養が行き渡らず、果実が小さくなり、味も薄くなりがちです。また、前年に実をつけすぎると、翌年の実つきが悪くなる「隔年結果」という現象を引き起こしやすくなります。これを防ぎ、残された果実をより大きく、健康的に育てるために「摘果」という作業が重要になります。
摘果のタイミングと選定基準はいくつかあります。まず、実が多すぎる場合や、一箇所に実が密集して結実している場合は、積極的に摘み取りましょう。摘果の際には、小さい果実や傷がついている果実、形が悪い果実、さらには正常な位置ではなく上向きや下向きについている果実など、生育が悪くなる傾向があるものを優先的に摘み取ると良いでしょう。特に、7月以降に遅れて着果した実は成長が遅く、小玉になりやすいだけでなく、春になっても小さくて美味しくならない傾向があるため、できるだけ早めに摘果することが重要です。一般的には、9月頃になったら、傷のあるものや小さいものを全体的に摘果して、樹の負担を軽減し、果実の肥大を促しましょう。4月頃まで収穫を楽しめますが、翌年の春の開花を促すためには、遅くまで実をつけすぎないようにすることが望ましいです。適切な摘果を行うことで、毎年安定して品質の良い金柑を収穫することができます。
金柑の収穫のタイミングと方法
金柑の収穫時期は、一般的に1月から5月頃とされていますが、これは栽培している地域の気候条件や金柑の品種によって大きく異なります。夏の開花からおよそ150日程度が経過した頃が収穫の目安となりますが、具体的には花が終わってから約5ヶ月ほどで実がなります。特に夏に咲いた花後の実付きが良く、最も甘さが出てくるのは3月頃に収穫時期を迎える金柑です。例えば、春の開花が遅い地域では5月や7月に咲き、その分果実の熟成も遅れることがあります。特定の品種、例えば「ぷちまる」のように、11月頃から翌年4月までと長く収穫できるものもあります。
収穫時期のサインは、実の色が青から鮮やかな黄色やオレンジ色に完全に色づいていることです。しかし、寒冷地では、11月の段階で果実が完全に黄色やオレンジ色にならないことがありますが、半分程度色づいた状態でも美味しくいただけます。そのため、カレンダー通りの収穫時期にこだわるのではなく、実際に果実を食べてみて、最も美味しいと感じる時期に収穫することが重要です。熟した金柑の実は、木に放置しておくと傷んでしまうだけでなく、木自体に負担をかけ、翌年の実つきが悪くなる原因にもなるため、完熟したら速やかに摘み取ることが大切です。収穫する際は、実のすぐ近くの枝を剪定ばさみやキッチンばさみなどで丁寧に切って取りましょう。手で無理に引っ張ると、実に傷が付きやすくなるので注意してください。
収穫した金柑は、収穫してから3日も経つと風味が大きく損なわれてしまいます。最も美味しく味わうためには、収穫後1〜2日中に食べきるのが理想的です。金柑は追熟しないため、新鮮なうちに楽しむのが一番です。これが家庭で果樹を育てる醍醐味の一つと言えるでしょう。なお、金柑を種から育てた場合、実がなるまでには約7年もの年月がかかるとされています。もし最初の数年で実がならなくても焦らず、気長に育てる気持ちが大切ですが、早く収穫を楽しみたい場合は、接ぎ木苗から栽培を始めれば2〜3年で実がなることが一般的です。金柑の木の寿命は20〜30年と長いため、実がならない原因のほとんどは寿命以外にあり、前年に実をつけすぎたことによる「隔年結果」や肥料不足、日当たり不足などが考えられます。これを防ぐためには、こまめな摘果と適切な剪定が重要になります。
金柑の冬越しの対策
金柑の冬越し対策は、栽培する地域の気候条件によって大きく変わります。温暖な地域で栽培している場合は、特別な対策は基本的に必要ありません。しかし、氷点下の気温が続く寒冷地や、積雪が多い地域、または強い寒風が吹く地域では、枯死を防ぐために万全な防寒対策を施す必要があります。鉢植えの金柑は、霜が降りる前に、日当たりの良い室内へ移動させましょう。庭植えの場合は、霜や寒風が気になるようでしたら、不織布や寒冷紗を覆うだけでも十分な効果があります。全体を覆い隠す必要はなく、周囲を囲むだけでも風よけとなり、防寒対策として機能します。厳しい冬の寒さから金柑を守り、翌年の豊かな実りへと繋げましょう。
金柑の病害虫の予防と対策
金柑は比較的病気に強い果樹ですが、注意が必要です。特に、風通しが悪く湿度が高い状態が続くと、カビが原因となるすす病が発生しやすくなります。すす病は、主にカイガラムシの排泄物(甘露)にカビが付着することで発生し、果実の表面が黒くなったり、葉に黒い斑点が現れたりします。
害虫としては、アブラムシやカイガラムシが付きやすい傾向にあります。これらの害虫は植物の汁を吸って成長を妨げるだけでなく、すす病の原因にもなるため、定期的に観察し、見つけ次第すぐに駆除することが大切です。収穫時期に実の表面が白くなる場合は、チャノホコリダニによる被害の可能性も考えられます。
これらの病害虫は、適切な管理によって予防できます。特に重要なのは、剪定を行い、日当たりと風通しを良くすることです。葉が密集するとカイガラムシが発生しやすくなるため、剪定によって風通しを改善することが予防につながります。害虫を発見した場合は、市販の殺虫剤を使用するか、数が少ない場合は手で取り除く、またはブラシでこすり落とすなど物理的に駆除しましょう。
金柑の増やし方
金柑を増やす方法として一般的なのは、「接ぎ木」です。種から育てることもできます。金柑の種は発芽率が良いので、果実から取り出した種をまくことも可能ですが、この方法では親株の特性が受け継がれず、品質が劣る可能性があります。そのため、品種を確実に増やしたい、早く収穫を楽しみたいという場合は、接ぎ木がおすすめです。
接ぎ木には主に二つの方法があります。一つは「休眠枝接ぎ」で、春先(2月から3月頃)に休眠中の枝を台木に接ぐ方法です。金柑の他に、ブドウ、キウイ、ブルーベリー、イチジクなど、多くの落葉果樹で用いられます。もう一つは「芽接ぎ」で、夏の終わり頃、具体的には8月下旬頃に行います。葉がついた芽を台木に接ぎ、成長期の勢いを利用して活着を促します。これらの技術を習得することで、自分で金柑の苗を増やし、栽培の幅を広げられます。
金柑の植え替え
金柑の植え替えに適している時期は、春の3月下旬から5月上旬です。この時期は生育期に入るため、新しい環境に順応しやすく、根の活着がスムーズに進みます。地植えの金柑は、根がしっかりと張れば植え替えは基本的に不要です。しかし、鉢植えの場合は、根詰まりを防ぎ、健全な成長を促すために、2年に1回を目安に植え替えを行うのがおすすめです。根詰まりを起こすと、水や栄養の吸収が悪くなり、生育不良や果実の品質低下につながることがあります。
植え替えの際は、新しい用土に元肥を混ぜておくことで、その後の生育がスムーズになります。元肥は、植物に必要な初期の栄養を供給し、根の健全な発達を助けます。また、より大きく育てたい場合は、現在使用している鉢よりも一回り大きい鉢に植え替えるようにしましょう。根が伸びるスペースを確保することで、樹は大きく成長し、より多くの果実を収穫できるようになります。植え替えは、金柑の健全な成長を支える上で大切な作業です。
まとめ
金柑は、その愛らしい姿、豊富な栄養価、そして比較的容易な栽培方法から、初心者からベテランまで幅広い層のガーデナーに推奨できる果樹です。十分な「日当たり」と適切な「剪定」を心がけることで、甘く大きく、たくさんの実を収穫することが可能です。さらに、樹高が低いという特性を生かし、庭植えだけでなく鉢植えでも手軽に栽培できるため、庭のスペースが限られている場合でも栽培を楽しめます。良好な水はけの用土準備、生育段階に応じた適切な水やりと施肥、病害虫の予防と対策、そして地域や品種に合わせた収穫時期の見極めが、栽培成功への鍵となります。収穫した金柑はビタミンCやカルシウムが豊富です。特に皮にはヘスペリジンなどの栄養成分が含まれており、健康維持に役立つと言われています。生食はもちろん、ジャムや甘露煮、蜂蜜漬けなど、様々なレシピで長く味わえるため、栽培の喜びも格別です。この記事で紹介した栽培方法を参考に、ぜひご自宅で金柑栽培に挑戦し、春先に実る黄金色の実の美しさを堪能してください。
金柑は実がなるまで何年かかる?
金柑を種から育てた場合、結実までには7~8年という長い年月を要します。これはカボスなどの他の柑橘類にも見られる傾向で、実生からの栽培には根気が必要です。そのため、早期に収穫を楽しみたいのであれば、種からの栽培ではなく、接ぎ木苗から栽培を始めることを強く推奨します。接ぎ木苗から栽培を開始した場合、結実までの期間は一般的に2~3年程度とされ、品種や栽培環境によって多少前後する場合があります。
金柑の収穫時期は地域や品種によってどう変わりますか?
金柑の収穫時期は、おおむね1月から5月頃とされていますが、これは栽培地域の気候条件や金柑の品種によって大きく左右されます。例えば、春の開花が遅い地域では果実の成熟も遅れ、品種によっては11月頃から翌年4月までと、長期間にわたって収穫できるものもあります。寒冷地では、11月の時点では果実が完全に黄色やオレンジ色に染まっていないこともありますが、半分程度色づいた状態でも美味しく食べられます。暦上の時期だけでなく、実際に果実の色付き具合や味を確認し、美味しいと感じる時期に収穫することが重要です。
収穫後の金柑を美味しく保つための注意点はありますか?
金柑は収穫後の鮮度が非常に重要です。収穫から3日も経つと風味が大きく損なわれるため、収穫後1~2日以内に食べきるのが理想的です。金柑には追熟の効果はあまり期待できず、時間が経過すると新鮮さが失われ、味が落ちてしまう傾向があります。特に寒冷地では、果実が十分に色づく前に収穫することもありますが、その場合でも追熟は期待できないため、新鮮なうちにその時期ならではの風味を味わうことをお勧めします。
金柑の冬越し、寒い地域ではどうすれば?
金柑はある程度の寒さには耐えられますが、氷点下の日が続くような地域や、雪が多く降る、風が強い場所では、冬の寒さ対策が欠かせません。鉢植えで育てている場合は、霜が降りる前に、日当たりの良い室内へ移動させるのがおすすめです。庭に植えている金柑には、不織布でできた防寒シート(クレモナの610番など)を被せてあげると、霜や冷たい風から守ることができます。木全体を覆わなくても、周りを囲むようにシートを設置するだけでも、風よけになり効果的です。
金柑の実に白い粉?原因は何?
金柑を収穫する時期に、実の表面に白い粉のようなものが付着しているのを見かけることがあります。これは、チャノホコリダニという害虫による被害の可能性があります。ただし、似たような症状を引き起こす原因が他にも考えられるため、注意が必要です。日頃から金柑の木をよく観察し、害虫を見つけたらすぐに駆除しましょう。また、風通しと日当たりを良くするために、適切な剪定を行うことも、害虫の発生を防ぐ上で大切です。
金柑の開花と受粉について
金柑は年に数回花を咲かせる四季咲きの植物で、5月、8月、10月頃に開花の時期を迎えます。金柑は基本的に一本の木で実をつける性質を持っており、ミツバチなどの昆虫が花粉を運ぶことで自然に受粉します。そのため、人が手を加えて受粉させる必要はほとんどありません。花が咲いてから10日ほどで花が落ちるのは自然なことで、受粉が成功して実になり始めているか、受粉せずに花が落ちたかのどちらかです。たくさんの花が咲いても、すべての花が実になるわけではありません。受粉を助けるために、ミツバチなどの昆虫が集まりやすい環境を作る(金柑の周りに花を植えるなど)のも良い方法です。
金柑の実が少ない、大きくならない原因と対策
金柑の実が少ない、または実が大きくならない場合、いくつかの原因が考えられます。まず、肥料が不足している可能性がありますので、適切な時期に肥料を与えているか確認してみましょう。また、日当たりが悪いと実の成長や色付きに影響するため、剪定をして、木全体に太陽の光が当たるようにすることも大切です。金柑は、たくさん実をつけた翌年は実がなりにくい「隔年結果」という性質があります。こまめに摘果を行ったり、適切な時期に剪定をすることで、実の付き方を安定させることができます。秋になっても実が緑色のままであれば、金柑の品種や、その年の天候(日照不足や低温)が影響していることも考えられますが、栄養不足や生育不良の可能性も否定できません。害虫を見つけたら早めに駆除し、病害虫予防を徹底しましょう。来年の収穫のためにも、生育の悪い実は早めに摘果することを検討しましょう。
「採果」とは、どのように読み、どういう意味を持つ言葉ですか?
「採果」は「さいか」と読みます。これは、木になっている果物を摘み取る行為、すなわち収穫作業そのものを指す言葉です。
金柑の果実が黒ずんだり、葉に黒い点が現れるのはなぜですか?
金柑の実に黒い変色が見られたり、葉に黒い斑点が発生している場合、主な原因として考えられるのは「すす病」です。すす病は、カイガラムシやアブラムシといった害虫が分泌する甘い液体(甘露)を栄養源として、カビが繁殖することで引き起こされます。直接的に植物を枯死させることは少ないものの、黒い膜が葉の光合成を阻害し、成長不良や果実の品質低下につながることがあります。予防のためには、風通しを良くするための剪定を行い、葉が密集しないようにすることが大切です。また、カイガラムシなどの害虫を見つけたら、速やかに駆除することが、すす病の発生を抑制する上で最も有効な対策となります。