鮮やかな黄色い外皮とゴツゴツした見た目から、酸っぱいレモンを想像させる「はるか」。しかし、一口食べればその印象は一変、「奇跡のみかん」と称される所以を体感できます。想像を遥かに超える上品な甘さと、柑橘特有の爽やかな香りが口いっぱいに広がり、そのギャップに誰もが驚くはず。熊本県産の「はるか」は、柑橘好きも唸らせる洗練された味わいが魅力です。本記事では、そんな「はるか」の知られざる魅力を徹底解剖。旬の時期や産地、気になる栽培方法まで、詳しくご紹介します。
はるかの旬と収穫時期
はるかの収穫は、通常1月下旬から始まり、2月頃に最盛期を迎えます。市場に出回る旬の時期は2月から3月にかけてで、春の訪れを感じさせる柑橘として親しまれています。一般的な冬みかんのシーズンが終わりに近づく頃、「はるか」が登場することで、店頭に並ぶ柑橘の種類が少なくなる時期にも、爽やかな甘さを楽しむことができます。酸味が穏やかで非常に食べやすいため、春の陽気にぴったりの味わいです。
はるかの皮の剥き方とおすすめの食べ方
はるかの外皮は、見た目のゴツゴツ感から手で剥くのが難しいと思われがちですが、意外にも簡単に手で剥けます。皮には適度な厚みがあり、一度指で切れ込みを入れると、そこから気持ちよく「バリバリ」と剥がれていくため、お子様やご年配の方でも扱いやすいでしょう。ただし、最初に指をかける部分が少し硬いことがあるため、ナイフで軽く切れ目を入れてから剥き始めると、よりスムーズです。また、はるかの果肉を包んでいる薄皮(じょうのう膜)は、やや厚めです。そのため、口に残る食感が気になる方は、ナイフで果肉だけを切り出して食べるのがおすすめです。特に小さなお子様には、薄皮を取り除いてあげると、より一層食べやすく、はるか本来の上品な甘さを堪能できるでしょう。
はるかの主な産地
はるかの主要な産地は、愛媛県と広島県です。この2県で、国内で生産されるはるかの約7割を占めており、まさに「はるか」の故郷と言えるでしょう。その他、長崎県、和歌山県、高知県などでも栽培されています。これらの地域に共通しているのは、温暖な気候、豊富な日照時間、そして水はけの良い土壌という、柑橘栽培に最適な条件が揃っていることです。
「奇跡」と呼ばれる所以:品種の発見と登録
柑橘「はるか」は、比較的歴史の浅い品種です。その起源は、日向夏(ひゅうがなつ)の自然交雑によって生まれた実生、つまり偶然生じた種から育成されたものとされています。さらに驚くべきことに、その親である日向夏自体も、宮崎県で偶然発見された突然変異種であるという背景があります。このように、二重の偶然が重なり合って誕生したことから、「奇跡のみかん」と称されるようになったという説が有力です。「はるか」は1980年に、福岡県の石井徳雄氏の庭で偶然見出されました。その後、「はるか」という名称で品種登録されたのは1996年(平成8年)頃です。他の伝統的な柑橘と比較すると歴史は短いですが、その穏やかな甘さと少ない酸味が消費者に受け入れられ、人気を集めています。
まとめ
「奇跡のみかん」とも呼ばれる「はるか」は、外見からは想像できないほど酸味が少なく、上品でさっぱりとした甘さが特徴的な柑橘です。旬は1月下旬から3月頃で、皮は比較的むきやすいですが、厚めの内皮が気になる場合はカットして食べるのがおすすめです。
「はるか」はどんな味?甘味と酸味について
「はるか」は、レモンのような黄色い見た目から酸っぱい印象を受けるかもしれませんが、実際には酸味が少なく、上品でさわやかな甘さが際立つ柑橘です。かすかに感じる苦味がアクセントとなり、後味の良さも特徴です。
「はるか」の旬はいつ?販売時期について
「はるか」は、1月下旬から2月頃に収穫が始まり、2月から3月頃が旬の時期となります。冬の一般的なみかんのシーズンが終わる頃から春先にかけて味わえる柑橘です。
はるかの皮は手で剥ける?上手な剥き方のコツ
はるかは、見た目は少しごつごつしていますが、皮は手でも比較的容易に剥くことができます。外皮はやや厚めですが、一度指で切れ込みを入れると、あとはスムーズに剥がれていきます。最初にナイフで軽く切れ目を入れてから剥くと、さらに簡単に剥くことができるでしょう。