太陽の光をたっぷりと浴びて育った「八丈フルーツレモン」は、一般的なレモンとは一線を画す、驚くほどの甘みと芳醇な香りが魅力です。東京都八丈島という温暖な島で、じっくりと樹上で完熟させることで、酸味がマイルドになり、皮まで美味しく食べられる特別なレモンが誕生しました。料理やスイーツ、ドリンクに、その豊かな風味を加えて、いつもとは違う贅沢な味わいを体験してみませんか?
八丈フルーツレモンとは?その歴史と独特の魅力
「八丈フルーツレモン」は、東京都の八丈島で大切に育てられている、特別なレモンです。一般的なレモンとは異なり、まろやかな甘さとやさしい酸味が調和している点が魅力です。そのルーツは、戦前に菊地氏がテアニン島から持ち帰ったとされる「菊地レモン」にあり、「八丈フルーツレモン」という名前は、この「菊地レモン」の愛称として親しまれてきました。八丈島の温暖な気候を生かし、木になったまま完熟させることで、皮の苦味が少なく、丸ごと美味しく食べられるという他にない特徴を持っています。酸味が穏やかなため、料理の風味付けはもちろん、そのまま食べたり、スイーツや飲み物など、様々な用途で楽しめるのも人気の理由です。 先日、北海道在住の野菜くだものハンターで、やさい直売所コンサルタントとしても活躍する田所かおり氏が八丈島を訪れ、八丈島レモン生産出荷組合の組合長である奥山正孝氏の畑を訪ねました。奥山氏はもともと花卉栽培に携わっていましたが、レモン栽培に転身し、現在では7~8年の経験を持つベテランとして、「八丈フルーツレモン」の品質向上に情熱を注いでいます。彼の育てるレモンは、重みがずっしりとあり、450gや500gを超えるものも珍しくなく、その大きさと存在感は格別です。

樹上完熟を支える栽培の工夫と出荷プロセス
八丈フルーツレモンならではの風味と、皮まで美味しく味わえる秘密は、生産者の丁寧な手入れにあります。八丈島レモン生産出荷組合では、厳しい収穫基準を設け、果実全体が十分に熟し、下部までしっかりと黄色く色づいていることを重視しています。見た目が黄色くても、下部に緑色が残っている場合は収穫されません。レモンは気温が下がると黄色くなる性質がありますが、近年は温暖化の影響で冬の気温が高く、色づきにくいという問題も起きています。八丈島で最も気温が下がるのは2月の上旬から下旬頃で、この時期に着色が本格化します。 奥山氏は、より大きなレモンを収穫するため、今シーズンから試験的に摘果作業を取り入れています。レモンの花は通常3月頃に咲き始め、摘果は果実が2~4cm程度になる6月頃に行われます。奥山氏の畑で見られた1.5cmほどの果実も、今後摘果の対象となるでしょう。レモンの木は、一つの房に複数の実をつける性質があり、果実が成長すると重みで枝が垂れ下がってしまいます。そのため、木の大きさや枝の間隔を考慮し、将来的な枝の垂れ下がりを予測した上で、計画的に摘果を行うことが重要です。 栽培における大きな課題の一つは害虫対策で、ハウス内では7~8種類の害虫が発生するため、奥山氏は薬剤散布のタイミングを工夫しながら、駆除に努めています。収穫された八丈フルーツレモンは、出荷前に丁寧に水洗いされ、マイクロタオルで一つ一つ丁寧に拭き上げられます。特に大きなレモンは、洗浄や拭き上げに手間がかかりますが、その分、特別な魅力があると言えるでしょう。八丈フルーツレモンの出荷時期は、例年12月半ばから2月いっぱい頃までとなっています。
八丈フルーツレモンの多様な楽しみ方と加工品
「八丈フルーツレモン」は、そのまろやかな酸味と少ない苦味のおかげで、色々な楽しみ方ができます。生産者の奥山正孝氏がおすすめするのは、まだ青い状態のレモンを細かく刻んで薬味として使う方法です。これは、完熟レモンとは違う、青レモンならではの爽やかな香りを活かした、生産者ならではの楽しみ方と言えるでしょう。 取材者も実際に八丈フルーツレモンを試食しましたが、皮に苦味は全くなく、酸味もまろやかで、期待以上の美味しさに感動しました。その上質な味わいは、地元のボタニカルカフェやピザ店などでも使われており、プロの料理人からも高く評価されています。 また、八丈島では、「八丈フルーツレモン」を使った様々な加工品も開発・販売されています。お土産店には色々な種類の八丈フルーツレモン製品が並んでおり、中でも八丈島JA女性部が作る「八丈フルーツレモンジャム」は人気商品の一つです。このジャムは、八丈フルーツレモン本来の酸味と甘みのバランスが絶妙で、パンに塗るだけでなく、ヨーグルトや紅茶に入れても美味しく、手軽にその風味を楽しむことができます。
家庭での「菊池レモン(八丈フルーツレモン)」鉢植え栽培事例
「八丈フルーツレモン」は、その特別な風味と皮まで食べられることから、専門の農家だけでなく、家庭菜園を楽しむ人にも栽培されています。神奈川県に住むある園芸好きの方は、Facebookの記事でこのレモンの魅力を知り、栽培に興味を持ちました。そして、約5年前に八丈島から直接「菊池レモン」の苗を取り寄せ、自宅での栽培を始めました。最初は庭に直接植えましたが、思うように育たなかったため、鉢植えに変えることにしました。 鉢植えにしたことが功を奏し、昨年はついに18個ものレモンを収穫することに成功しました。
この成功例は、八丈島という特定の場所だけでなく、適切な管理と工夫次第で、他の地域や異なる環境でも「八丈フルーツレモン」を育てられる可能性を示しています。 この方は、自身の栽培経験を「そだレポ」(栽培レポート)として記録し、今後の成長を記録していく予定です。過去の記録を見ると、2018年6月にはレモン全体の生育状況が記録され、同年9月には18個の青々としたレモンが実っている様子が確認できます。さらに、2019年1月には、八丈フルーツレモンの特徴である、木になったまま完熟したレモンを収穫しました。2019年4月4日からは、今年の栽培シーズンにおけるレモンの開花、結実、成長の様子を詳しく記録し始め、開花時期や収穫時期、具体的な育て方などの情報を公開していく予定です。
このような個人の栽培記録は、これから「八丈フルーツレモン」を育てようとする人にとって、役立つ情報源となるだけでなく、栽培の楽しさや難しさを伝える貴重な記録となるでしょう。特に、鉢植えでの栽培は、限られたスペースでも挑戦できる可能性を示しており、多くの園芸愛好家にとって参考になるはずです。このように、八丈フルーツレモンは、農家だけでなく、家庭の庭やベランダでもその魅力を発揮できる可能性を秘めていると言えるでしょう。

まとめ
八丈フルーツレモンは、八丈島の恵まれた自然環境と生産者の方々の丹精込めた努力によって生まれた、特別なレモンです。その最大の特徴は、皮ごと美味しく食べられること。樹上でじっくりと熟成させることで、まろやかな酸味と穏やかな苦味を実現し、生食はもちろん、様々な料理や加工品、さらには家庭菜園での栽培まで、その用途は非常に幅広いです。商業栽培では、気候変動への対策や病害虫からの保護など、様々な工夫が凝らされており、一つ一つのレモンに生産者の愛情が詰まっています。八丈島以外でも鉢植えでの栽培に成功した例もあり、その適応力の高さも証明されています。旬の時期には、ぜひ八丈フルーツレモンならではの奥深い味わいをご堪能ください。
八丈フルーツレモンとは何ですか?
八丈フルーツレモンは、東京都の八丈島で栽培されている、皮まで食べられる完熟レモンの名称です。その起源は、戦前にテアニン島から持ち込まれた「菊地レモン」に遡ります。一般的なレモンと比べて果皮の苦味が少なく、まろやかな酸味が際立っているのが特徴です。
八丈フルーツレモンの収穫・出荷時期はいつですか?
八丈フルーツレモンの収穫は、レモン全体が鮮やかな黄色に色づき、完全に熟した状態で行われます。通常の出荷時期は、12月中旬頃から2月末頃までですが、冬季の気温によって色づき具合が変わるため、時期が多少前後することがあります。
八丈フルーツレモンは皮ごと食べられますか?
はい、八丈フルーツレモンは樹上で十分に熟成させているため、皮の苦味が少なく、安心してお召し上がりいただけます。皮に含まれる風味や栄養を余すところなく摂取できるのが、大きな魅力の一つです。
八丈フルーツレモンの栽培における工夫とは?
八丈フルーツレモンの栽培農家では、実を大きくするために摘果という作業を丁寧に行っています。また、品質を保つために、害虫駆除のための薬剤散布の時期や方法にも工夫を凝らしています。近年の温暖化が果実の色付きに与える影響も懸念されており、対策が求められています。一般家庭での栽培では、地植えから鉢植えに変えるなど、それぞれの環境に合わせた工夫が実を結んでいます。
八丈フルーツレモン、おすすめの食べ方は?
生産者の方々が推奨するのは、まだ緑色の若いレモンを細かく刻んで、香味野菜のように使用する方法です。他にも、皮ごと薄く切って料理やドリンクに加えたり、ジャムなどに加工して味わうのも良いでしょう。酸味が穏やかで苦味が少ないため、そのまま食べるのもおすすめです。
八丈フルーツレモンは、八丈島以外でも育てられる?
もちろん、適切な管理と工夫次第で、八丈島以外の場所でも栽培できます。実際に、神奈川県で鉢植え栽培を行い、18個ものレモンを収穫した例もあります。家庭菜園でも十分に挑戦できるでしょう。