一口にぶどうと言っても、巨峰、ピオーネ、シャインマスカットなど品種は様々。スーパーで見かける定番品種から希少なものまで、その種類は数えきれません。品種によって甘さ、香り、食感は大きく異なり、好みも人それぞれです。そこで今回は、特に「甘さ」に焦点を当て、数あるぶどう品種の中から甘さが際立つ品種を厳選し、ランキング形式でご紹介します。あなたにとって最高のぶどうを見つけてみませんか?
1万種以上も存在する!ぶどうの多様性
ぶどうは、スーパーでも手軽に購入できる、私たち日本人にとって身近な果物です。日本国内では、北海道から九州まで広い地域で栽培されており、特に山梨県、長野県、山形県が有名な産地として知られています。これらの地域では、色や形も様々な品種が栽培されており、現在も新しい品種の開発が盛んに行われています。
甘いぶどう品種TOP10:高糖度ぶどうの世界へ
ぶどうは、他の果物と比べても、際立って高い甘さが特徴です。日本で生産されるぶどうの平均糖度は「18~20度前後」とされていますが、これは、いちごの「8~10度」、柑橘類の「10~14度」と比較すると、その甘さがいかに優れているかが分かります。近年では、品種改良が進み、さらに甘いぶどうが増えています。中には、糖度が25度にも達する驚きの品種も登場しており、甘いぶどう好きにはたまらない時代となりました。ここでは、日本国内で入手可能なぶどうの中から、特に甘さを楽しめる品種をランキング形式でご紹介します。
【10位】巨峰(糖度目安:17~20度)
日本のぶどうを代表する品種であり、「ぶどうの王様」とも呼ばれる巨峰が10位にランクイン。20度近い濃厚で爽やかな甘さに加え、コクのある独特の風味と香りを持つ巨峰は、贈答品としても人気を集めています。以前は種ありのものが主流でしたが、近年ではジベレリン処理により種無しになったものが増え、より手軽に楽しめるようになりました。最近は皮ごと食べられるぶどうが人気ですが、巨峰は皮を剥いて食べるのが一般的です。巨峰の旬は、8月中旬から9月下旬です。
【9位】デラウェア(糖度目安:18~20度)
デラウェアは、アメリカ生まれの甘味が際立つぶどうです。小粒で食べやすく、お子様のおやつとしても親しまれています。かつては夏の風物詩としてスーパーに並び、手頃な価格で求められる大衆的なぶどうとして愛されてきました。糖度は巨峰に匹敵する18~20度。後に引かない爽やかな甘さは、お子様にも喜ばれるでしょう。1房100~150g程度と、ぶどうの中では小ぶりなサイズも魅力の一つ。旬は7~8月ですが、近年のハウス栽培の普及により、旬の時期以外でも見かける機会が増えました。
【8位】あずましずく(糖度目安:19度)
あずましずくは、福島県で生まれた比較的新しい大粒ぶどうです。栽培量が少ないため、希少価値が高く、高価ながらもお取り寄せ品として人気があります。近年人気の種無しぶどうは、ジベレリン処理というホルモン剤処理によって種を無くしますが、あずましずくはもともと種が少ない品種のため、最小限の処理で済むのが特徴です。旬は8月上旬から中旬と短いので、旬の時期にオンラインショップなどで探してみるのがおすすめです。
【7位】ロザリオビアンコ(糖度目安:18~21度)
ロザリオビアンコは、「ロザキ」と「マスカット・オブ・アレキサンドリア」を掛け合わせて生まれた白ぶどうです。露地栽培も可能な大粒高級ぶどうとして生産者から支持され、消費者からも店頭に並ぶ白ぶどうとして、シャインマスカットと肩を並べるほどの人気があります。強い甘みと豊富な果汁が特徴で、皮が薄いため皮ごと食べられます。種が少し入っているので、食べる際には注意が必要です。酸味が少ないため、酸っぱいぶどうが苦手な方にもおすすめです。旬は9月上旬頃です。
【6位】悟紅玉(糖度目安:18~22度)
悟紅玉は、かつてゴルビーという名で親しまれていた、美しいワインレッド色の果皮が特徴的なぶどうです。糖度が22度に達することもあり、非常に濃厚な甘みと程よい酸味のバランスが絶妙な美味しいぶどうです。しかし、後味に若干の渋みと苦味が残るため、大人向けの味わいと言えるでしょう。8月中旬から9月下旬まで比較的長く楽しめる品種ですので、ぜひ一度お試しください。
【5位】スチューベン(糖度目安:18~23度)
アメリカ生まれのスチューベンは、その甘さから「蜜のよう」と評されるほど糖度が高いことで知られています。まだ広く知られた品種ではありませんが、冷涼な気候を好むため、日本では青森県が主な産地です。濃い紫色の美しい果皮も特徴的。旬は9月下旬から10月下旬と、他のぶどうに比べてやや遅めです。
【4位】甲斐路(糖度目安:19~23度)
「赤いマスカット」と呼ばれることもある甲斐路。その理由は、強い甘味に加え、マスカットを思わせる芳醇な香りにもあります。細長い楕円形の実と、鮮やかな紅色が特徴。果実が軸から落ちにくく、貯蔵性・輸送性に優れているため、贈答用としても人気の高い高級ぶどうです。旬の時期は9月中旬から10月中旬です。
【3位】クイーンニーナ(糖度目安:20~22度)
クイーンニーナは、2011年に品種登録されたばかりの新しい品種です。生産者がまだ少ないため、希少価値の高い高級ぶどうとして知られています。20度を超える高い糖度に加え、果肉の食感の良さ、酸味の少なさも魅力で、「一度食べたら忘れられない」と評されるほど。贈答品としての需要も高まると予想されています。旬は8月下旬から10月中旬。通販などで探してみてはいかがでしょうか。
【2位】シャインマスカット(糖度目安:20~23度)
人気のシャインマスカットが2位にランクイン。以前は高級ぶどうとして知られていましたが、栽培面積の拡大により、最近では比較的安価に入手できるようになりました。シャインマスカットは、そのままでも十分に美味しいですが、生クリームとの相性も抜群。ケーキやフルーツサンド、和菓子など、様々な用途で使われています。種がなく皮ごと食べられるため、小さなお子さんのいる家庭への贈り物としても喜ばれます。旬は8月から9月下旬ですが、ハウス栽培も盛んなため、比較的長く楽しむことができます。
【1位】クイーンセブン(糖度目安:25度超)
クイーンセブンは、シャインマスカットとマニキュアフィンガーを交配して生まれた品種です。特筆すべきは、その驚異的な糖度。25度を超えることもあるため、「世界で最も甘いぶどう」とも呼ばれています。旬は8月上旬から中旬と短い期間に限られるため、非常に貴重で入手困難な高級ぶどうの一つです。特別な日の贈り物や取り寄せに最適でしょう。
美味しいぶどうの選び方:鮮度と熟成度を見極めるポイント
ぶどうはデリケートで日持ちがしない果物です。購入する際には、鮮度と熟成度をしっかりと見極めることが、美味しさを最大限に引き出す秘訣です。ぶどうは、果皮の色によって大きく「赤ぶどう」「黒ぶどう」「緑(白)ぶどう」に分けられますが、美味しいぶどうを見分ける基本的なポイントは、どの色の品種にも共通して適用できます。糖度が高く、果汁たっぷりのぶどうを選ぶことは、食卓を豊かにし、ギフトとしても喜ばれます。ここでは、ぶどうの粒、房、軸の状態、色など、具体的な視点から最適なぶどうを見つけるためのチェックポイントを詳しく解説します。
鮮度と品質を見分けるチェックポイント
美味しいぶどうを選ぶには、以下の点をチェックしましょう。
- 粒の形状とハリ:ふっくらとしていて、果皮にハリがあるものを選びましょう。新鮮なぶどうは果肉、果皮ともに水分が豊富で、プリプリとした弾力があります。
- 房の揃い具合:粒が均等に並び、先端から軸の周りまでびっしりと実が付いているものが理想的です。粒が落ちている箇所が多いものは避けましょう。
- ブルーム(白い粉):果皮にブルームが均一に付着しているものは、鮮度が良い証拠です。ブルームは水分の蒸発を防ぎ、病原菌から果実を守る役割があります。ただし、マスカット系の品種はブルームが目立ちにくい傾向があります。
- 軸の色と状態:軸が太く、鮮やかな緑色をしているものが新鮮です。軸が茶色くなっているものは、収穫から時間が経過している可能性があります。
ぶどうの品種別:果皮の色の見分け方
ぶどうの美味しさは、その色からも判断できます。特に黒系と赤系のぶどうは、熟成が進むにつれて粒の色が濃くなります。黒ぶどうを選ぶ際は、赤紫色よりも、より深い黒紫色のものを選びましょう。赤ぶどうの場合は、薄紅色よりも、鮮やかな濃紅色の粒が理想的です。色が濃いほど、甘味が凝縮され、ぶどう本来の豊かな風味を最大限に楽しめます。輸入ぶどうを選ぶ際は、なるべく果皮に傷がなく、きれいなものを選びましょう。また、軸や粒全体に新鮮さが感じられるものを選ぶことが重要です。購入後は、食べる前にしっかりと水洗いをしてからお召し上がりください。
まとめ
ぶどうは、数多くの品種が存在し、それぞれの品種が独自の風味、香り、食感を提供してくれる特別な果物です。この記事では、特に「甘さ」に焦点を当て、おすすめのぶどう品種をランキング形式でご紹介しました。ぶどうは糖度が高いことで知られており、甘いものが好きな方には最適な選択肢と言えるでしょう。ただし、ぶどうの糖質量は他の果物と比較してやや高めなので、糖質制限をしている方は摂取量に注意が必要です。奥深いぶどうの世界をぜひお楽しみください。
ぶどうの糖度は品種によってどのくらい異なりますか?
ぶどうの糖度は、品種によって大きく異なり、一般的には15度から25度以上の範囲で見られます。例えば、この記事で紹介した巨峰やデラウェアは17~20度程度、シャインマスカットは20~23度程度が一般的です。特に甘いとされるクイーンセブンは25度を超えることもあります。品種改良によって、様々な糖度を持つぶどうが生み出されているのです。
「ぶどうの王様」と呼ばれる巨峰は、なぜそれほど人気があるのでしょうか?
巨峰が「ぶどうの王様」と称されるほど人気が高い理由は、約20度にもなる力強い甘さと、爽やかで奥深い風味、そして豊かな香りにあります。かつては種ありのものが主流でしたが、ジベレリン処理によって種なし巨峰が普及したことで、さらに手軽に楽しめるようになり、人気を博しています。贈答品としても大変喜ばれる存在です。
皮ごと食べられるぶどうと、そうでないぶどうはどのように見分ければ良いですか?
皮ごと食べられるぶどうは、品種の特性として皮が薄く、渋みが少ないのが特徴です。代表的な品種としては、シャインマスカットやロザリオビアンコなどが挙げられます。一方、巨峰のように皮が厚く渋みがある品種は、皮を剥いて食べるのが一般的です。購入する際には、品種名を確認するか、お店の方に尋ねるのが確実です。また、輸入ぶどうには皮ごと食べられる品種が多い傾向があります。
ぶどうが最も美味しくなる時期はいつですか?
ぶどうの旬の時期は、品種によって異なり、栽培方法の進化によって味わえる期間も広がっています。例えば、デラウェアは7月から8月、巨峰は8月中旬から9月下旬、人気のシャインマスカットは8月から9月下旬が旬の最盛期です。スチューベンや甲斐路のように、9月下旬から10月下旬にかけて旬を迎える品種も存在します。また、クイーンセブンのように、8月上旬から中旬という短い期間にしか味わえない希少な品種もあります。
美味しいぶどうを見分けるコツはありますか?
美味しいぶどうを選ぶためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。まず、粒がしっかりと膨らんでいて、皮に張りがあるかどうかを確認しましょう。また、ぶどうの表面に付着している白い粉、「ブルーム」が均一についているものが新鮮な証拠です。加えて、軸が太く、鮮やかな緑色をしているかも重要な判断基準となります。色の濃いぶどう(黒系や赤系)は熟していることが多いですが、緑系のぶどうの場合は、少し黄色みを帯びているものが甘みが強い傾向にあります。これらの要素を総合的に考慮することで、より美味しく、品質の良いぶどうを選ぶことができます。