日本のぶどう生産量:都道府県別ランキング

日本の秋の味覚を代表する果物、ぶどう。甘くてジューシーな味わいは、老若男女問わず多くの人々に愛されています。日本各地で栽培されていますが、その生産量には地域差があることをご存知でしょうか?この記事では、日本のぶどう生産量を都道府県別にランキング形式でご紹介します。日本のぶどうについて、一緒に探っていきましょう。

ぶどうの収穫量

日本各地で栽培されているぶどうは、2017年には年間17万6,100トンもの収穫量を記録しました。中でも山梨県が生産量トップを誇り、長野県、山形県、岡山県と続きます。この4県で国内生産量の約6割を占めており、山梨県では特に甲府盆地のような水捌けの良い土地で栽培が盛んです。年間を通して日照時間が長く、降水量が少ない内陸性気候が、ぶどう栽培に最適な環境を作り出しています。

ぶどうの効能は?

ぶどうには、ブドウ糖や果糖といった、体に吸収されやすい糖質が豊富に含まれているため、疲労回復に役立つと考えられています。さらに、黒や赤色のぶどうの皮には、動脈硬化の予防や眼精疲労の緩和に効果が期待されるポリフェノールの一種、アントシアニンがたっぷり含まれています。長野県では、県産のナガノパープルに含まれるGABAというアミノ酸の一種が血圧の上昇を抑制する効果があるとして、ぶどうとして初めて機能性表示(注)を目指し、消費者庁に届け出を行いました(2019年4月時点)。

(注)機能性表示食品とは、事業者の責任において、科学的根拠に基づき、特定の健康目的が期待できるという機能性を表示した食品のことです。

ぶどうの歴史

数千年前から、ぶどうは人類によって栽培されてきました。乾燥地帯でも育ち、ワインの原料となるその姿は、古代エジプトの壁画にも描かれています。

日本におけるぶどう栽培の起源にはいくつかの説があります。奈良時代の僧侶、行基が甲斐の国(現在の山梨県)を訪れた際、夢の中で手にぶどうを持った薬師如来が現れました。彼はその姿を模した薬師如来像を柏尾山大善寺に安置し、大陸から伝わったぶどうを勝沼に伝えて栽培を広めたと言われています。また、山梨県勝沼の雨宮勘解由が、自生する山ぶどうとは異なるつる植物を発見し、自宅で栽培を始めたのが始まりであるという説も存在します。

明治時代に入ると、政府は産業を振興するために欧米から多くの品種を導入しました。しかし、当初は気候が合わず失敗が続いたため、アメリカから導入されたデラウェアなどの品種が日本に定着することとなりました。

ぶどう