妊娠中の飲み物選び、特にカフェインの摂取量は気になりますよね。コーヒーや紅茶は控えているけれど、玄米茶なら大丈夫?と思っている方もいるかもしれません。実は、玄米茶にも微量のカフェインが含まれているんです。この記事では、妊娠中に安心して玄米茶を楽しむための情報をお届けします。カフェイン量だけでなく、玄米茶の嬉しい効果や、飲み方の注意点もご紹介。管理栄養士監修のもと、安全で健康的なマタニティライフをサポートします。
妊娠中にカフェインを摂りすぎることのリスク
カフェインを過剰に摂取すると、中枢神経系の刺激により、めまい、興奮、不安、不眠、吐き気などの症状が出ることがあります。「妊娠中のカフェインは良くない」という認識は広まっていますが、具体的な影響を知っている方は少ないかもしれません。妊婦さんが摂取したカフェインは、胎盤を通じて赤ちゃんに届きます。赤ちゃんの消化器官は未発達なため、カフェインを分解・排泄しにくく、負担がかかってしまいます。これは、赤ちゃんの正常な発育を妨げる可能性があります。また、英国食品基準庁(FSA)は、高濃度のカフェイン摂取が自然流産の原因になる可能性を指摘し、早産や死産との関連も示唆しています。カフェインの影響には不明な点も多いため、自己判断での過剰摂取は避けるべきです。妊婦さんだけでなく、授乳中の母親や子どもも、カフェイン摂取量には注意が必要です。めまい、興奮、不安、不眠、吐き気などの症状は、カフェインの摂りすぎが原因かもしれません。体調の変化に注意し、不安な場合は医師に相談しましょう。
妊婦さんのカフェイン摂取量の目安と注意すべきこと
日本では、妊婦さんのカフェイン摂取量について明確な基準はありませんが、過剰摂取への注意喚起はされています。海外の専門機関では具体的な数値が示されており、摂取量に注意することが重要です。世界保健機関(WHO)は、コーヒーならマグカップ3~4杯(300mg/日)を推奨しています。カナダ保健省も同様に300mg/日としています。一方、英国食品基準庁(FSA)や欧州食品安全機関(EFSA)、オーストラリア保健・食品安全局(AGES)は、コーヒーならマグカップ約2杯(200mg/日)を最大摂取量としています。これらの情報をまとめると、妊婦さんのカフェイン摂取量の目安は1日200~300mgです。これは、レギュラーコーヒー約2~3杯に相当します。ただし、カフェインの影響には個人差があり、少量でも頭痛、吐き気、めまい、下痢などの症状が出ることがあります。体質や体調の変化に注意し、無理のない範囲で摂取量を調整しましょう。飲み物を選ぶ際は、カフェイン量だけでなく、他の成分にも注意が必要です。ノンカフェインの麦茶やカフェインが少ない玄米茶なら、飲みすぎなければ妊娠前と同じように飲んでも大丈夫でしょう。コーヒーを飲みたい場合は、1日の摂取量を1~2杯程度に抑えると安心です。チョコレート、栄養ドリンク、医薬品にもカフェインが含まれていることがあるため、総摂取量が過剰にならないように注意しましょう。カフェイン含有量が不明な場合は、表示を確認するか、医師や管理栄養士に相談してください。
意外とカフェインが含まれる飲料と玄米茶について
妊娠中はコーヒーや紅茶を控える方が多いですが、ウーロン茶、ほうじ茶、ジャスミン茶、玄米茶にカフェインが含まれていないと思い込んでいる方もいます。これらの飲料はコーヒーよりカフェイン量が少ないものの、大量に摂取したり、他のカフェイン入り食品と合わせて摂ったりする際は注意が必要です。お茶は栽培方法や製造方法で味が大きく異なり、緑茶だけでも抹茶、煎茶、玄米茶、ほうじ茶など様々な種類があります。紅茶やハーブティー、ブレンド茶など、選択肢は豊富です。これらの飲料に含まれるカフェイン量は種類によって異なるため、妊娠中は特に注意しましょう。
【主な飲料のカフェイン含有量(100mlあたり)】
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エナジードリンク: 32~300mg
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玉露: 160mg
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コーヒー: 60mg
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紅茶: 30mg
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ウーロン茶: 20mg
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ほうじ茶: 20mg
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煎茶: 20mg
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玄米茶: 10mg
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ジャスミン茶: 10mg
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コーラ: 10mg
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ココア: 10mg
玄米茶が妊婦さんにおすすめの理由
妊娠中は、カフェインの摂取量を気にする方が多いのではないでしょうか。そんな中、玄米茶は比較的カフェインが少なく、手軽に入手できるためおすすめです。農林水産省の広報誌「aff(あふ)」の緑茶特集では、玄米茶について「煎茶や番茶に炒った玄米をブレンドしたもので、独特の香ばしさが特徴。渋みが少ないため、高温で淹れて香りを引き出すのがおすすめ」と紹介されています。玄米茶のカフェイン量は100mlあたり約10mgと、コーヒー(60mg)、玉露(160mg)、煎茶(20mg)に比べて少ないため、妊娠中でも比較的安心して飲めます。食事にも合うさっぱりとした味わいで、クセが少ないため、就寝前や起床時の水分補給にもぴったりです。温かい玄米茶はもちろん、夏には冷やして飲むのもおすすめです。このように、玄米茶はカフェインを気にせず、毎日の水分補給やリラックスタイムに活用できるため、妊婦さんにとって嬉しい選択肢となります。さらに、最近ではカフェインゼロやデカフェの玄米茶も多く販売されており、通販を利用すれば自宅で手軽に購入できるので、まとめ買いにも便利です。
妊娠中に安心して楽しめるノンカフェイン・デカフェ飲料

カフェイン量やその他の成分を細かく確認するのが大変な場合は、ノンカフェインやデカフェの飲み物を常備しておくと安心です。これらの飲料は、産後の授乳期間中も安心して飲めるため、妊娠中に色々試してお気に入りのものを見つけておくと、出産後も重宝するでしょう。ただし、ノンカフェインと表示されていても、他の成分によっては摂取量を控えた方が良い場合もあります。気分転換に一杯飲む程度なら問題ないことが多いですが、心配な場合は医師に相談してから飲むようにしましょう。
おすすめのノンカフェインティー
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麦茶: 大麦を焙煎して作られる麦茶は、日本で昔から親しまれているノンカフェイン飲料です。香ばしい香りが特徴で、ミネラルも補給でき、利尿作用も少ないため、水分補給に最適です。
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そば茶: そばの実を炒ったお茶で、香ばしい香りとほのかな甘みが特徴です。ノンカフェインであるだけでなく、ルチンというポリフェノールも含まれています。
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黒豆茶: 自然な甘みと香ばしさが魅力の黒豆茶は、ノンカフェインの健康茶として人気があります。黒豆をじっくり煮出して作る黒豆茶には、老化防止に効果が期待できるポリフェノールが豊富に含まれています。ただし、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンも含まれているため、妊娠中の大量摂取は控えるようにしましょう。たまに楽しむ程度が良いでしょう。
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ルイボスティー: 南アフリカ原産のハーブティーで、ノンカフェインでありながらミネラルが豊富で、強い抗酸化作用があることで知られています。クセが少なく飲みやすいので、日常的に飲む妊婦さんも多いです。
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たんぽぽ茶: たんぽぽの根を焙煎して作られるノンカフェインのお茶で、コーヒーのような風味が楽しめます。体を温める効果や母乳の出を良くするとも言われていますが、妊娠中の安全性については、過剰な摂取は避けた方が良いでしょう。
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ローズヒップティー: ビタミンCが豊富なローズヒップを原料としたハーブティーで、すっきりとした後味と鮮やかな赤色が特徴です。食事にも合わせやすく、温かくても冷たくても美味しくいただけます。もちろんノンカフェインなので、寝る前に飲むのもおすすめです。しかし、妊娠中の安全性に関するデータはまだ少ないため、飲みすぎには注意しましょう。
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杜仲茶(とちゅうちゃ): 鉄分、マグネシウム、カルシウム、カリウム、亜鉛など、様々なミネラルを含む杜仲茶は、健康茶として昔から親しまれています。杜仲茶に含まれるゲニポシド酸という成分は、特定保健用食品(トクホ)にも使用されており、血圧を正常に保つ効果が期待できるとされています。また、筋骨を丈夫にする働きにより、流産予防として用いられることもあるようですが、摂取量については医師に相談するのが望ましいでしょう。
まとめ
妊娠中は、お腹の赤ちゃんのことを第一に考え、口にするものには特に気を配りたいものです。カフェインの摂りすぎには注意が必要ですが、玄米茶やウーロン茶など、意外な飲み物にもカフェインが含まれていることを知っておくことが大切です。また、タンニンによる鉄分の吸収阻害や、センナ茶やキャンドルブッシュに含まれる下剤成分など、カフェイン以外にも注意すべき成分もあります。これらの情報を知っておくことで、より安全な飲み物選びができるでしょう。しかし、我慢ばかりではストレスが溜まってしまいます。普段はノンカフェインやカフェインレスの飲み物を中心にしつつ、たまには好きなカフェイン入り飲料を少量楽しむなど、無理のない範囲でバランスを取ることが大切です。カフェイン量が少なく、香ばしい香りでリラックス効果も期待できる玄米茶は、妊婦さんの日常に寄り添う良い選択肢となるでしょう。妊娠中は味の好みが変わることもあるため、飲んだ後に体調が悪くなるなど気になる症状があれば、すぐに飲むのをやめて医師に相談してください。無理せず、ストレスを溜め込まず、健康的な食生活を心がけることが、妊婦さんと赤ちゃんの健やかな毎日につながります。
妊娠中にカフェインを過剰摂取すると、どんな影響があるのでしょうか?
妊娠中にカフェインを摂り過ぎると、神経系が刺激され、立ちくらみ、高揚感、落ち着きのなさ、眠れない、気分が悪くなるなどの好ましくない症状が出ることがあります。特に、摂取したカフェインは胎盤を通して赤ちゃんに届き、まだ十分に発達していない赤ちゃんの体に負担をかけ、生まれた時の体重が少なくなったり、将来の健康に影響が出たりする可能性があります。イギリスの食品基準庁(FSA)は、たくさんのカフェインを摂ることで流産のリスクが高まる可能性を指摘しており、早産や死産との関係も考えられています。母乳を与えているお母さんや子どもに対しても、カフェインの摂取量には注意が必要です。
妊婦さんが1日に摂取しても大丈夫なカフェインの量はどれくらいですか?
日本では、1日にどれくらいのカフェインを摂って良いかという明確な基準はありませんが、海外の機関では具体的な数値が示されています。世界保健機関(WHO)やカナダ保健省は1日に300mgまで、イギリス食品基準庁(FSA)、欧州食品安全機関(EFSA)、オーストラリア保健・食品安全局(AGES)は1日に200mgまでを上限としています。これは、普通のコーヒー約2~3杯に相当します。ただし、カフェインの影響は人それぞれで、目安量より少なくても頭痛や吐き気などの症状が出ることがあります。
ウーロン茶や玄米茶にもカフェインは入っていますか?
はい、ウーロン茶や玄米茶にもカフェインは含まれています。コーヒーや玉露ほど多くはありませんが、例えばウーロン茶やほうじ茶、煎茶には100mlあたり約20mg、玄米茶やジャスミン茶には100ml(または100g)あたり約10mgのカフェインが含まれています。たくさん飲んだり、他のカフェインが入った食品と一緒に摂ったりする場合は注意が必要です。玄米茶はカフェインの量が少ないため、妊娠中に飲むお茶としては比較的安心できる選択肢と言えるでしょう。













