高血圧 食べては いけない 果物

高血圧は、日本人の3人に1人が該当すると言われるほど身近な病気です。食事療法は高血圧の改善に不可欠ですが、果物についても注意が必要です。「果物は体に良い」というイメージがありますが、種類によっては高血圧の方にとって注意が必要なものも存在します。この記事では、高血圧の方が避けるべき、もしくは摂取量に注意すべき果物と、その理由を詳しく解説します。果物に含まれる成分と高血圧の関係性を理解し、健康的な食生活を送るための参考にしてください。

高血圧の方で果物の摂取に注意が必要なケース

高血圧の方には一般的に、カリウムが豊富な野菜や果物を積極的に摂ることが勧められています。その理由は、血圧上昇の要因となる塩分(ナトリウム)に対し、カリウムがその作用を抑える働きがあるためです。しかし、カリウムを多く含む食品でも、次のような方は摂取を控える必要があります。

カリウム制限が必要な腎機能障害患者

慢性腎臓病(CKD)が進行すると、特にステージG3以降では高カリウム血症を合併する可能性が高まります。食事におけるカリウム制限が必要となるのは、CKD患者の中でもステージG3b以降の方々です。ステージG3bでは、1日のカリウム摂取目標量を2,000mg以下、ステージG4~G5では1,500mg以下にすることが推奨されています。ただし、カリウム自体が直接腎臓に悪い影響を与えるわけではありません。むしろ、カリウム摂取量が不足すると健康を損なう恐れがあり、CKDの初期段階、例えばステージG3a程度であれば、カリウム摂取量を特に制限する必要はないと考えられています。健康な成人の場合、1日のカリウム摂取目標量は男性で3,000mg以上、女性で2,600mg以上とされています。したがって、CKDであってもステージG3aまでであれば、過剰にカリウム摂取量を気にする必要はないでしょう。

肥満症・糖尿病患者

体重管理や血糖値コントロールをされている方は、1日の摂取エネルギー量を適切に保つことが大切です。特に、果物は種類によって糖分が多く含まれているため、過剰な摂取はエネルギーオーバーの原因となります。肥満傾向にある方や糖尿病をお持ちの方が果物を食べる際は、1日あたり約80kcalを目安にすると良いでしょう。例えば、バナナであれば中サイズ1本、リンゴであれば中サイズ半分程度が目安となります。

高血圧の方が避けるべき果物は?

血圧が高めの方にとって、摂取を控えた方が良いとされる果物が存在します。ここでは、注意すべき果物の種類について解説いたします。

降圧薬の効果を高める果物

高血圧で治療を受けている方が、血圧を下げる薬を飲んでいる場合、グレープフルーツまたはそのジュースを口にする際には注意が必要です。グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類は、特定の降圧剤の分解を妨げる可能性があります。これにより、薬の効果が過剰に高まり、血圧が下がりすぎてしまう危険性があります。ただし、この影響を受けるのは主にカルシウム拮抗薬と呼ばれる種類の降圧剤(特にジヒドロピリジン系)に限られ、他の種類の降圧剤との組み合わせでは、通常、問題は生じません。降圧剤を服用中の方は、ご自身の薬の種類を確認し、グレープフルーツの摂取について医師や薬剤師に相談することをお勧めします。

フルーツジュース

高血圧と糖尿病は併発しやすいことが知られています。その背景には、加齢、喫煙習慣、運動不足、肥満、インスリン抵抗性、酸化ストレスといった共通の危険因子が存在するためです。現在、高血圧以外の健康上の問題がない場合でも、不健康な生活習慣を続けていると糖尿病を発症する危険性があります。したがって、日頃から糖分の摂取量に注意することが重要です。特に、果物ジュースには多くの糖質が含まれており、過剰に摂取するとエネルギー過多に陥りやすくなります。実際に、ショ糖などの甘味料を加えた果物ジュースは、糖尿病のリスクを高めるという研究結果も報告されています。しかし、果物由来の果糖摂取量と糖尿病との関連性を調べた研究では、1日に100gまでの果糖摂取であれば、良い影響が見られました。具体的には、血糖値と中性脂肪値の改善が確認され、体重増加にも繋がらないという結果が出ています。このことから、糖尿病患者であっても、適切な量の果物摂取は推奨できると考えられます。ただし、あくまで適量を守ることが重要であり、病状によっては個別に摂取量を調整する必要があります。一方で、果物に含まれる果糖の摂取量と血圧には、正の相関関係が認められたという報告もあります。そのため、果糖を多く含む果物の食べ過ぎには注意し、果糖が多く含まれる甘味飲料の摂取も控えめにするようにしましょう。

高血圧の方向け おすすめ食材

血圧が高い方は、避けるべき食品に注意しつつ、血圧を下げる効果が期待できる食品を積極的に摂り入れることが大切です。そこで、高血圧の方に積極的に摂取していただきたい食材をいくつかご紹介いたします。

カリウムが豊富な食品

高血圧対策として、カリウムを豊富に含む食品を積極的に摂取することが推奨されます。ただし、慢性腎臓病などでカリウム制限を受けている方は、医師の指示に従ってください。カリウムは、野菜、いも類、海藻類、果物などに多く含まれています。毎日の食事にバランス良く取り入れ、不足しないように心がけましょう。

食物繊維が豊富な食品

食物繊維は、消化されないものの、健康維持に重要な役割を果たすため、第六の栄養素とも呼ばれ、積極的に摂りたい成分です。食物繊維には、ナトリウムを吸着し体外へ排出する作用があるため、高血圧の予防に効果が期待されています。また、食物繊維は、ほとんどが消化されずにエネルギー源とならないため、低カロリーであり、さらに脂質や糖、コレステロールなどを吸着する性質を持つことから、肥満予防にも繋がります。このように、食物繊維は高血圧をはじめとする様々な生活習慣病の予防に役立つため、積極的に摂取することが推奨されます。食物繊維には、水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維があり、バランス良く摂取することが大切です。水溶性食物繊維は、海藻のぬめり成分であるアルギン酸や、野菜や果物に含まれるペクチンなどが代表的です。一方、不溶性食物繊維には、カニやエビの殻に含まれるキチンや、野菜に含まれるセルロース、リグニン、ヘミセルロースなどがあります。

不飽和脂肪酸(n-3系脂肪酸)が豊富な食品

積極的に不飽和脂肪酸を摂ることは、血中の中性脂肪やコレステロールを下げる効果が期待できます。不飽和脂肪酸は一価と多価に分類され、特に多価不飽和脂肪酸の一部は体内で生成できないため、必須脂肪酸として食事からの摂取が重要です。多価不飽和脂肪酸の中でも、n-3系脂肪酸を多く摂取する人は血圧が低い傾向にあるという研究結果が出ています。n-3系脂肪酸には、EPA・DHA・DPAといった魚油由来のものと、α-リノレン酸のような植物油由来のものがあります。これらはサンマやイワシなどの青魚、えごま油や亜麻仁油などに豊富に含まれています。

高血圧の方が 避けるべき果物についてのまとめ

降圧剤を服用中の方は、薬との相互作用があるため、グレープフルーツの摂取には注意が必要です。高血圧の方は糖尿病を併発しやすい傾向があるため、糖分の多い果物やジュースの摂りすぎにも注意が必要です。一般的に、塩分や脂質の多い食品は控えることが推奨されます。カリウムや食物繊維が豊富な食品を積極的に取り入れると良いでしょう。ただし、腎臓病などでカリウム摂取制限がある場合は、医師に相談しながら食事内容を決めることが重要です。高血圧以外の疾患をお持ちの方は、特に注意が必要です。

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