栄養満点で人気のくるみですが、赤ちゃんにいつから与えて良いのか、悩む方もいるのではないでしょうか。アレルギーのリスクや、喉に詰まらせる心配もあり、慎重になりますよね。この記事では、くるみを安全に食べさせるための年齢の目安、与え方、注意点などを詳しく解説します。正しい知識を身につけて、くるみを安心して食卓に取り入れましょう。
くるみはいつから?赤ちゃんは?
乳幼児へのクルミの与え方には注意が必要です。クルミは、特にアレルギー反応を起こしやすい食品として指定されており、少量でも重篤な症状を引き起こすリスクがあるため、離乳食には適していません。具体的な開始時期に明確な基準はありませんが、一般的には、ある程度成長し、体力がついてくる1歳6ヶ月以降を目安にすると良いでしょう。初めてクルミを与える際は、万が一アレルギー症状が出た場合にすぐ対応できるよう、医療機関を受診できる平日の午前中を選びましょう。最初はごく少量(1口程度)から試し、慎重に様子を見ながら徐々に量を増やしていくようにしてください。ただし、クルミは小さなお子様が窒息や誤嚥を起こしやすい食品です。そのため、5歳以下の子供には、そのままの形状や細かく砕いた状態では絶対に与えないでください。5歳以下の子供にクルミを与える場合は、滑らかなペースト状や粉末状に加工されたものを選んでください。
くるみアレルギーとは?
くるみに対するアレルギーは、摂取したくるみに含まれる特定の物質に対し、身体の免疫機能が過剰に反応することで引き起こされる症状です。近年、くるみアレルギーを持つ人は増加傾向にあり、2020年の調査では、1歳から2歳の子どもにおける即時型アレルギーの原因物質として3番目に多く、3歳から6歳では最も多い原因物質として報告されています。くるみアレルギーを発症した場合、他の種類のナッツ類に対してもアレルギー反応を示す可能性があります。したがって、アレルギー症状が現れた際には、医療機関で血液検査を受け、他のナッツ類へのアレルギーの有無を確認することが重要です。
主なアレルギーの症状
もし、くるみを摂取または接触後、数分から数時間以内に記載のような兆候が現れた際は、アレルギー反応の疑いがあります。見過ごされがちな体調不良と安易に判断せず、注意深く観察することが重要です。特に、急速に症状が悪化し、生命を脅かす状態をアナフィラキシーと呼び、血圧低下や意識の混濁を伴う場合はアナフィラキシーショックとして、緊急性の高い対応が求められます。下記の症状が見られる場合は、直ちに救急車を要請してください。緊急を要するアレルギー症状の例:激しい嘔吐の繰り返し、耐え難い腹部の痛み、喉や胸の圧迫感、声のかすれ、犬の鳴き声のような咳、持続的な激しい咳、呼吸時のゼーゼー音、呼吸困難、唇や爪の色の変化(青白い)、不整脈または脈拍の触知困難、意識レベルの低下、顔色の異常。
くるみアレルギーの対策
乳幼児や子供がクルミアレルギーと診断された場合、最も重要な対策はクルミを摂取させないことです。クルミは、お菓子(チョコレートやケーキなど)からソースや調味料まで、様々な食品に使用されています。アレルギーが判明した際は、原材料表示を詳細に確認し、クルミが含まれていないか注意深く確認しましょう。また、クルミアレルギーを持つ人は、同じクルミ科のピーカンナッツに対してもアレルギー反応を示すリスクが高いため、注意が必要です。必ずしも全てのナッツ類を避ける必要はありませんが、血液検査の結果に基づいて医師から指示された食品については、特に注意を払いましょう。
まとめ
近年、お子さんの間で「くるみアレルギー」の発症が増加傾向にあります。どんな症状が現れるのか、また、いざという時にどう対応すれば良いのかを事前に把握しておくと、いざという時も安心です。大人がくるみを食べる際は、小さなお子様が誤って口にしたり、窒息したりしないよう、手の届かない場所に保管するように注意しましょう。
よくある質問
くるみは何歳から食べていいですか?
くるみを何歳から食べていいかについては、ナッツ類の特性と子供の発達に関する注意点を理解しておくことが大切です。くるみは栄養価が高いナッツ類ですが、5歳以下の幼児がそのまま粒や砕いた状態で食べると、誤嚥や窒息のリスクが非常に高いため、消費者庁や専門家からも「ナッツ類は5歳頃までは避けるように」と注意喚起されています。特に5歳以下の子供は噛む力や飲み込む力がまだ未熟で、万一の事故が命に関わることもあるため、ナッツ類の与え方には細心の注意が必要です。
ただし、ペースト状や粉末状にしたくるみであれば、アレルギー症状が出ないことを確認しつつ、離乳食後期の9〜11ヶ月ごろからごく少量ずつ与えることが可能とされています。ナッツ類はアレルギーも起こしやすい食品のため、はじめて与える際には医療機関に相談できるタイミングを選び、必ずごく少しずつ慎重に食べさせることが大切です。ナッツ類の誤嚥やアレルギーのリスクを理解し、成長段階に合わせて安全な形状・量でくるみを取り入れるよう心がけましょう。
くるみアレルギーの子供はどのような症状が出るのでしょうか?
くるみアレルギーの子供に見られる症状は多岐にわたり、ナッツ類に含まれる特定のタンパク質に対して体が過敏に反応することで起こります。主な症状として、口の中や唇のかゆみ、腫れ、違和感がまず現れやすく、これに続いてじんましんや皮膚の赤み、かゆみ、腫れといった皮膚症状が生じることが多いです。また、鼻水、くしゃみ、目のかゆみや充血、さらにはのどの違和感や息苦しさ、咳や喘鳴(ゼーゼーする音)といった呼吸器の症状も確認されます。
消化器症状としては吐き気、嘔吐、腹痛、下痢が起こることもあります。さらに、重篤な場合はアナフィラキシー反応が起こる可能性もあり、呼吸困難や血圧低下、めまい、意識喪失など生命に関わる症状を引き起こすこともあります。くるみアレルギーは特に子供に多く、初めて食べたときに症状が出ることも多いため、ナッツ類を食べさせる際は特に注意が必要です。
ペースト状にしたくるみでもアレルギー症状が出ることがあるため、与え方には細心の注意を払い、初めての摂取時には医師の相談を推奨します。ナッツ類全般にアレルギー反応を起こしやすい子供も多いため、くるみだけでなくカシューナッツなど他のナッツ類にも同様の注意が必要です。